【SC経営のヒント525】『クレーム改善の取り組みのポイント!』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.525━ 2018.5.15
 船井総研 コンサルタント 今 亮太郎 発行
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【1】メルマガ『クレーム改善の取り組みのポイント!』
【2】10月21日新刊発売!『多店舗展開の基本実務』
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『クレーム改善の取り組みのポイント!』
 以前メルマガで、船井総研の「ミステリーショッパー調査」について
簡単にご紹介させていただきました。
今回は、ミステリーショッパー調査を通して行った
「クレーム改善の取り組み」についてご紹介致します。
 先日、某SCテナント運営を行っている商業施設さまから
「飲食テナント店舗に寄せられたクレームが多い。
 現状を把握して、各テナントに危機感を感じてもらいたい」
とご相談を受けました。
昔は「顧客満足度(CS)を上げて館として差別化を図りたい」
というようなご依頼が多かったのですが、
最近はこういったクレーム改善のご相談が多く、
毎年コンスタントに10件程度ございます。
 実際にこちらのお客さまにクレームの内訳を見せていただくと
「食器を片付ける音がうるさい」「料理が出てくるのが遅い」
「入店客に気づかない」など、
確かにテナント側に問題のあるものが多くなっていました。
もちろん、そのクレーム内容はショップに共有しています。
ただ、「そのクレームは一部の人の意見」
「毎月何百人のお客さまを対応していることを考えたら上出来ではないか」
というような、リアクションになっているようでした。
 船井総研でミステリーショッパー調査を実施し、
各テナントの皆さまには「客観的に見た自店の接客力」を
定量的・定性的に認識していただきました。
そして、調査を通して
「クレーム一歩手前の接客力の低い店舗は館全体の30%」
もあったことがわかりました。
 一般のお客さまは「1店舗でも接客の悪い店舗が入っていれば、
SC内のどの店舗も接客が悪いのでは無いか?」と思われてしまいます。
そのため、接客力の低い店舗を中心にクレーム改善を行うことになりました。
 今回のケースのようにクレーム改善をするためには、
①各テナント側で期間内に目標を立て、課題点を改善してもらう
②テナント運営側で改善目標のためのサポートを行う、
といった形で両者が協力して取り組む必要があります。
 以上の通り、クレーム改善のためには、
ミステリーショッパー調査を通して、
客観的な接客レベルを知って現状認識をして頂き、
テナント運営側が寄り添っていくことが望まれます。
みなさまはどのようにクレーム改善を行っていますでしょうか。
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【SC経営のヒント524】前向きな閉店セールを仕掛けましょう

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.524━ 2018.5.8
 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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『前向きな閉店セールを仕掛けましょう』
 閉店セールは唯一、チラシタイトルだけで集客可能なイベントですので
機会があれば、絶対に実施することをおすすめしています。
特に、店舗改装でなく完全閉店になる場合はより効果的ですので
できるだけ長く(可能であれば1か月、最低でも2週間)は実施することが基本です。
また、閉店セール中に在庫があることが必須ですので、追加投入はもちろん、
メーカー、問屋様から商品を委託してでも在庫を切らさないことがポイントです。
チェーン店の場合、最寄りの店舗にお客様を振り分けることを忘れてはいけません。
ですので、閉店セール期間中に、最寄り店舗の次回セールの事前告知ビラなどを
配るようにしましょう。
商圏は時間と共に変わるので、前向きなスクラップ&ビルドは必要で
閉店は必ずしも悪いことではありません。
ただ、この閉店をプラスにしていくためには、特にチェーン店は
点でなく、線で捉えて、販促を実施していくことを心がけたいものです。
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【SC経営のヒント523】顧客満足度から考える店舗経営

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.523━ 2018.4.24
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『顧客満足度から考える店舗経営』
 テナント運営を行っている商業施設運営会社や多店舗展開を行っている会社さまから「自社って顧客からどう見られているのだろう、自社の顧客満足度ってどうなんだろう」とご相談いただくことが増えています。
 その背景としては、「クレームを減らしたい・既存顧客からの満足度を上げて業績UPにつなげたい」など理由は各社様々のようです。
 なかなか自社で把握している「お客さまの声(クレーム情報)」や「客数」などのデータだけでは、実際にお客さまが自社をどう捉えているか客観的に把握することは難しいです。
 そこで、船井総研では定期的(半年から1年)に1回程度で、「ミステリーショッパー調査(覆面調査)」を通して顧客満足度を測ることをご提案しております。今まで様々な業種・業界で実績をしてきた船井総研の調査項目を元に調査を行うことで、客観的な顧客満足度を定量・定性的に把握することができます。
 定期的に「ミステリーショッパー調査」を実践することで、接客能力の見える化ができ、そこから「まず半年は自店舗が得意な商品提案力を伸ばそう!」「苦手な声掛けを積極的に行っていこう!」などの目標設定することができます。このようにPDCAを回しながら改善していくことで、店舗への顧客満足度の向上が見込まれますし、店舗のモチベーションUPに繋がります。
 さらに、船井総研ではこういった顧客満足度測る「ミステリーショッパー調査」を行うだけでなく、店舗アワードや研修を通した実行支援も行っています。調査で現状把握するだけではなく、しっかりと改善して顧客満足度を上げることが店舗経営を行う上で必要です。次回は事例をベースに、より細い内容を説明致します。
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【SC経営のヒント522】最近開業・リニューアルしたSCの傾向から

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.522━ 2018.4.3
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『最近開業・リニューアルしたSCの傾向から』
最近リニューアル・新規開業したSCをいくつか拝見しました。
川崎アトレ、ミッドタウン日比谷、イセタン フード&タイム横浜などです。
(それ以外にも多数見ていますが、今回はこれら都市型の商業施設の話題を中心にします)
これら都市型商業施設の新しい訴求ポイントは、「外食」になっています。
これまで物販に比べて外食は坪効率は下がるため、物販が売れている間は外食面積は絞られる傾向にありました。
かつて池袋西武百貨店の地下に「ホットデリカ」という巨大なイートイン複合型デパチカ売場がありましたが、効率が悪くてなくなってしまいました。
ですが、昨今の駅ビルや都市型商業施設では、食品物販に加えて立ち飲みやイートイン、フードコートなどが売りになっています。
ミッドタウンでは開業時に行列ができていた店はいくつかありましたが、アパレルなどで目立ったのはMASTERMIND TOKYOくらいでした。一方で食品関係ですとRINGOやB1のフードコートが大賑わいでした。
イセタンフード&タイムは、もともとクイーンズ伊勢丹のあった場所を改装し、物販面積を小さくしてフードコートとイートインを広げています。
川崎アトレもコンコースからつながる一等地をイートインと立ち飲み・ちょい飲みコーナーに仕立てました。
食品以外の物販売り上げが不調な現在、物販店舗がぬけた場所に外食店舗が入り、全体として店舗バランスが外食寄りになる傾向が出てきています。これは日本より中国のほうが顕著で、中国の外食企業からはネット通販に押されて物販店舗が抜けたあとにどんどん外食店舗が入居するために、すでに入居していた外食店舗の業績が下がるのをどうすればよいかと問われます。
デベロッパーとしては、外食売り上げのかさ上げをする方策をとらねばなりません。
これまで以上にレジャー系店舗やイベント集客を増やさねばならなくなります。シネマコンプレックスやゲームセンター、体験型アミューズメントなどの導入を増やすとともに、イベントを増やして「物販以外での集客増加」をやらねば、増えた外食への送客が間に合わなくなります。
結果的に、これからのSCは物販が減りレジャー・アミューズメント系の割合が増えることになりますが、いまはまさにその移行期真っただ中にあると言えそうです。
物販の方は個性の強いキャラクターのはっきりした商品を持った店が、非物販では新しいレジャー・アミューズメント業態の開発や独自集客力のあるユニークな外食業態が求められているといえます。新たな時流の変化こそ新しいビジネスのチャンス、チェーン店にとってはこれまでやらなかったようなユニークな店づくりに取り組むチャンスといえます。
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【SC経営のヒント521】出店の際に退店基準を決めていますか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.521━ 2018.3.13
 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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『出店の際に退店基準を決めていますか?』
最近、撤退に関する相談を受ける機会が増えました。
特に、出退店の経験値が多くないリージョナルチェーンからの相談が多くなっています。
居抜き出店で初期投資が軽いものは、本体に与える影響はそれほどでもないのですが
新規のショッピングセンターに建築協力金を入れているケースもあり、非常に悩ましい問題です。
先日も開業間もないアウトモールに出店するリージョナルチェーン店から退店に関する相談がありました。
月の赤字が100万円以上で今後の収益改善の目途が立たないので早急に判断したいとのことでした。
・アウトモールの2階での展開のため、平日の集客が極端に落ちる(特に、天候不順のとき)
・核店舗がDS業態で、周辺店舗も低単価専門店で客層が合わない(客単価が低い)
・自社の適正坪数に対して、大き目で出店したため賃料、オペレーションコストともに割高になっている
建築協力金を入れていて返還の見込みはないとはいえ、退店の意思が固かったので、
今後に向けて下記の提案をしています。
・出店基準と共に、退店基準を書面化しておく(最悪を想定して準備)
・契約書の不利な内容について契約前に変更打診をする(転貸NG→転貸可能)
・核店舗と客層が合い、集客力のある商業施設の導線上に出店(自力集客をはかる)
・将来の増床余地のある物件を確保し、2段階オープンをはかる(150坪→250坪)
出店の際に、退店を視野に準備することは気持ち的にも難しとは思いますが
チェーン展開においては非常に重要なポイントですので、ぜひ実践していただきたいものです。
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【SC経営のヒント520】不動産活用を考え直す時代

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.520━ 2018.3.6
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『不動産活用を考え直す時代』
地方都市のファッションビルを複数調査する機会がありました。
いまや4000坪を超えるような規模の建物で売上が30億円未満という例までも複数あり、以前予想していたことが現実化してしまったと感じられます。
売上については公開されいるものもありますが、現場を見て目視で積算してみたものもあります(現場を見れば売上を読むことは可能です)、それにしても時代の流れを感じずにはいられません。
ファッションの売上が右肩下がりになるなか、更地化して売却転用するか、ビルをリノベーションして用途転換するか、より売上のとれる他の業種に入れ替えるか、あるいは売上はさほどとれないながらも細々と賃料のいただける業種で活用するか、ビルオーナーとしても商業ビルの次の時代をにらんだ動きがすでに各地で起こっています。
大都市部であれば、建替えて上層階にタワーオフィスを積み上げるというのが百貨店各社の打ち手となっています。
海外観光客のインバウンド需要を狙ってホテルや観光型商業・温浴・外食などへの転用も有望でしょう。インバウンド需要も外食やホテルを除くと、物販ではドラッグストアが圧倒的勝ち組といえます。
インバウンド需要が狙えない都市でも、食品外食中食狙いでのリニューアル例も増えてきました。いま流行りの「昼飲み・ちょい飲み」や、夜型飲食店への転換、新しいタイプのスポーツクラブ(24hタイプやスピニング等)への転換、カラオケ、シェアオフィスなど、物販からサービス系への転換が有望といえます。オフィスに変更してしまったものもあります。
地方都市では集合住宅などの用途以外はなかなか難しいというのが実態ですが、屋台村などで暫定活用したりするなどの方法論を考えねばなりません。
従来はオフィス→商業(物販)→飲食→ホテル→住宅→駐車場 というのが収益性の優先順位になっていたのですが、都市部では商業より飲食やホテルのほうがうまくいっている例も多く、物販神話は簡単には通用しなくなっているのが現実です。
今後は外食、ホテルや、それらの周辺業態まで含めたサービス系・レジャー系の業態開発と誘致が盛んになることでしょう。
私たちも海外含めて成功事例をあれこれ調べていますが、ドンズバこれでいけるという万能薬はなかなかないため、案件ごとにケースバイケースで知恵を絞ることになります。
商業施設としてどうするか・・・という視点から、不動産としてどう有効活用するか・・・という視点に立って考えることが重要になってきたといえます。
活用にお困りの案件がある場合、お気軽にご相談くださればと思います。
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【SC経営のヒント519】いま、求められるドミナント展開とは

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.519━ 2018.2.6
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『いま、求められるドミナント展開とは』
地域一番店が、この一番店を旗艦店として、衛星店舗をまわりにはりつけるドミナント展開は、正攻法で行う場合は、オペレーション効率も良く、競合対策上も有利に働き、非常に良い結果となります。
商圏環境の変化はどの商圏においてもおこるもので、企業としてのリスク分散としても有効だと思われます。
正攻法で行うドミナント展開で押さえておくべきポイントは

・賃料が高くてもマーケットのある場所に出店する
・旗艦店となる地域一番店をつくる(店舗シェア11%)
・衛星店舗は旗艦店のミニ版でなく、それぞれに強みを持たせる(部門シェア26%)

ここでの正攻法とは、競合店をベースに自社の出店・商品戦略を考える、下記のような競争法でなく、自社の強みを伸ばすことを基本にしています。

・競合対策のために出店する
・競合の強い商品部門で勝負する
・競合より商品価格を安くする

ドミナント展開をする企業の多くは、衛星店を出店する毎に、旗艦店の売上が下がることを悩まれます。しかし、お客様の来店動機の大半は近くて、便利ですので、その意味では、企業トータルで商圏内一番シェアがとれていれば問題ありません。
むしろ、衛星店舗が旗艦店のミニ版でなく、商圏相応・力相応に一番部門が持てているかが重要です。チェーンとしての売れる部門・商品に加え、そのお店の一番部門・商品づくりが鍵となります。ぜひ、現場をあずかる店長も意識して取り組んでいただきたいものです。
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【SC経営のヒント518】インバウンド・バブル 第二幕

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.518━ 2018.1.30
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『インバウンド・バブル 第二幕』
東京なら銀座、大阪ならミナミは昨今インバウンド客層であふれかえっています。インバウンドの流入初期には「爆買い」なるブームがありましたが、最近はすこし落ち着いてきて、個人観光客も増えてきて、以前のような「いかにも」な団体ツアー色が減ってきています。
しかしながら、大都市中心街の地価・地代を引き上げている主要因は、相変わらずのインバウンド需要といえます。大阪の心斎橋や道頓堀などでは、賃料水準は相当上がっており、もはやアパレルも音をあげてドラッグストアしか勝ち残れないような水準になりつつあります。
家電もいっときのような売り上げが上がりにくく、家賃負けしはじめています。一度上がった賃料水準は簡単には落ちないため、この先儲けるのは大家さんだけということになりかねません。
しかしこれはかつて、全国の中心街がたどってきた道です。中心街の家賃が上がった結果、郊外に移転せざるを得なくなってくる。そうやってロードサイドがうまれ、郊外型SCが生まれてきました。さらにロードサイドの家賃が上がった結果、モール型SCにテナントが流れていきました。
モール型SCの家賃も上がったため、専門店は次なる行き場を探しています。それが潰れたロードサイド居抜きであったり、衰退著しい商業ビルであったり、商業立地ではない住宅街であったり、卸団地だったりします。いずれも「賃料が安い」ところに、新たな商機を見出そうとしているわけです。
小売事業者は賃料と売上の比率でものを見ます。なので、いくら家賃が安くとも売れない場所では商売ができませんし、いくら売上が上がりそうでも家賃が高すぎるところは断念せざるを得ません。
一方、貸し手側はそんなこと関係なく、上げられる時にはひたすら上げるだけで、下げないとテナントが入らないときに渋々下げるだけです。これは貸し手の意思というよりは市況で決まってしまうことと言えます。
インバウンドバブルで売上が上がる時代は一段落し、次は賃料上昇にテナントが苦しめられる時代になりつつあります。繁華街における次なるビジネスは、より小規模・より高坪効率を狙うビジネスか、あるいは上層階空中店舗で成立する商売になってくるでしょう。
1階がないと成立しないビジネスにとっては、新規出店のハードルがどんどん上がることになるといえそうです。
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【SC経営のヒント517】M&Aと信頼関係

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『M&Aと信頼関係』
M&Aにおける売り手と買い手の関係は、お互いにとって商取引を生涯で1回しかしない相手になることが多いです。継続的な商取引を前提とした関係では、お互いの信頼関係を築くことが大切になりますが、それが一回こっきりとなると、約束を守るとは限らない場合もありうるというのが実態と言えます。
実際に発生している例としては・・・
・買収前に口頭で合意していたことを、直前で反故にされた
・基本合意書に調印したのち、業績が不自然に悪化した
・買収価格で合意したにも関わらず、後出しで不利な条件が次々と出てくる
こういった売り手の対応に対しては、買収実行前であれば手続きをストップすることは可能ですし、そうならないように段階的売却や特約などの契約上の対抗手段は十分に吟味してのぞむことが一般的です。また、必ずしも不誠実な対応というばかりではなく、悪気なく理解していなかったという場合もあります。
現実に小規模案件の場合、買い手にとってはそういう想定外損失も含めて、最終的に買うか買わないか、という判断になります。それで破談になる場合もありますし、それでも買いたいから実質的な上乗せを飲もう、という場合もあります。
一方で小規模のM&Aにおいては、一度売ろうとして結果破談に至った案件は、その後再度売ろうとしても苦労することが多い・・・と感じています。過去取引は第三者は知りえないのですが、それでも「再売出し」案件ほど成約に至りにくいという傾向があります。
察するに、最初の買い手ほど魅力的な条件が提示されないという傾向が強いのではないでしょうか。(※統計を取ったわけではないですから断言はできませんが)
小さな案件ほど「商品力は低い」ものです。なので売ることを決心し、ファーストチャンスの提示条件が納得出来たら、そこで売り切らないと、あとあと困ることになりかねません。
ファーストチャンスの提示条件に納得いかないのであれば、そこで売却をストップしたほうがよいといえます。納得がいかないままに話だけすすめて、最後の最後に、やっぱり嫌ですやめます、となってしまいますと、これはとても具合が悪いです。
売手側のアドバイザリーはもう二度と引き受けたくはないでしょう。
こういう場合は売りに出すのをストップして、一定期間手を入れて企業価値を高め、再度チャンスをうかがうほうがよいでしょう。
買い手も、誠実な売り手でなければ、あとあとどんな問題が噴出するか分からないため、不誠実だと感じた時点で買収行為をストップします。ちょっとズルして高値づかみさせよう、などという浅はかな考えは、結果破談に至ります。
売り手にとって一番よくないのは、ゴネ得をしようとして、結果ゴネ損をしてしまうことといえます。嘘をつかないで誠実に取引したほうが良い結果になる、などという格言めいた話ではなく、「ズルしようとして売りそこなったら、二度と売れないかもしれませんよ」ということといえます。
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【SC経営のヒント516】業績アップの鍵はセンターピン

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 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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『業績アップの鍵はセンターピン』
業績アップの原理・原則は長所伸展になります。
これは自社・自店において強みに特化することになります。
数字はお客様の支持率ですので、支持率の高い部門・商品を強化することになるのですが、この強みに集中することができずに苦戦する企業・店舗が多いのが実際です。
特に、業績の厳しい企業・店舗ほど、この強みに集中することを怖がります。この強みに集中する、言葉を変えると絞り込むことで、他の商品が売れなくなると捉えるからです。
自社・自店で最も支持されている部門・商品が売れなければ、それより売上構成比の低い部門・商品は売れるはずもないのですが、なかなか理解を得られません。
その際に、よくボーリングのセンターピンのお話しをさせて頂きます。このセンターピンを自社・自店の支持率の高い部門・商品に見立てると、センターピンに集中することが、結果として他商品の売上につながることがわかります。
商品・人・金という経営資源は限られていますから、ぜひ、センターピンに集中することで、業績アップのきっかけをつくっていただきたいものです。
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