━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.313 ━ 2012.03.15
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:中国・上海の商業施設』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『中国・上海の商業施設』
昨年、本年と中国・上海に参りました。
弊社の現地法人も立ち上がり、日本企業の中国進出、および中国企
業へのコンサルティングニーズに、これまで以上に積極的に対応し
てゆける体制を構築しつつあります。
また、中国のSC企画会社、リーシング会社からも相談を頂戴するよ
うになり、今後中国での案件も増加するだろうと思われます。
上海市内の商業施設は何箇所も拝見していますが、かなり巨大な
モールが中心街の駅前に出来上がっており、一方で南京西路や准海
路といった中心街でも巨大な開発が進んでおり、まだまだ新しい商
業ビルが出きるパワーにあふれています。郊外の住宅地開発も進ん
でおり、自動車の保有規制があるため、駅前中心に商業施設の開発
がどんどん進んでいます。
既存の商業ビルも、日本と異なり契約期間満了でテナント入れ替え
が容易なため、どんどん人気店舗に入れ替えては内容が良くなって
来ています。日本のナショナルチェーンも多数進出していますし、
グローバルSPA企業は日本並みに店舗展開が進んでいます。
正直、7年ほど前に見た際は、ソフトもハードもノウハウがないと
感じていましたが、見よう見まねで開発した商業施設も、一度失敗
したら次は学んで良いものをつくる、というキャッチアップのス
ピードが非常に早いです。上海などは、もう数年もしたら東京もNY
も越える世界一の都市になるのではないかという勢いを感じます。
そういった状況を見て感じるのは、デベロップメント、MDについて
はだんだん学習されてきたものの、運営についてはまだまだと感じ
られます。日本のPM会社に協力してほしいという話もいろいろ聞い
ています。
商業施設は生き物ですから、いまが良くてもこの先はどうなるかは、
館の管理者のリーダーシップによるところが大きいです。日本国内
でも再生しているSCを何件か拝見して、あらためて運営の大切さを
感じるところです。
今後、中国での商業施設運営についての相談が多数寄せられること
になろうかと思います。
ご興味のあるオペレーター、PM会社の方は、お気軽にご相談いただ
ければと思います。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:山本 匡(やまもとただし)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
発行所:株式会社船井総合研究所 第2経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
E-MAIL :info-sc@funaisoken.co.jp
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投稿者: sc
【SC経営のヒント312】:『商業施設のバリューアップポイント』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.312 ━ 2012.03.08
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:商業施設のバリューアップポイント』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『商業施設のバリューアップポイント』
商業施設のバリューアップのポイントは、全館客数アップに尽きます。
この全館客数アップのためには、大きく2つの手法があります。
1つは集客力のあるテナント誘致で、2つ目は集客力のある経常販促です。
テナントが新しくて話題性のある商品を投入することで集客力が上がる
ように、施設としても定期的に新しく、話題性のあるテナント誘致が
欠かせません。
これには、施設として1年で全テナントの1割のテナントを入れ替えると
いった誘致目標が必要ですし、テナント契約もそれに見合った契約が
必要になります。
実際には、既存施設でも空床が1割近くを占めていることが多く、空床
対策が結果として施設のバリューアップに直結します。
ハードを含めたリニューアルには時間と費用がかかりますし、まずは
空床を埋めるテナント誘致を進めつつ、集客力のある経常販促(ソフト
リニューアル)に力点を置くのが良いでしょう。
いま、商業施設は勝ち組と負け組に大きく分かれています。
勝ち組は昨年以上の販促を仕掛けて集客力を増し、負け組みは売上の
下げと比例して販促費を削ってしまい、ますます売上が下がっています。
勝ち組も、負け組も回数(頻度)にこだわり、絶対に昨年以上の回数
(頻度)を実施することが重要です。限られた販促予算の中でこの回数
(頻度)を多くできるように、販促内容のリニューアルが求められます。
限られた販促予算で、回数(頻度)を多くするには、ターゲットの
絞り込みとテナントの協力が欠かせません。例えば、ターゲットをキッズ
ファミリーに特化し、イベントを参加型にします。そうすることで、
週末には、商圏内の幼稚園、保育園、各種教室とタイアップしたキッズ
向けの発表会ができ、三世代の集客が可能となります。
また、平日にはショップ、テナントのこだわりの逸品(収益商品)を
体験、体感できる教室イベントを仕掛けます。
このように、全館客数アップを図りながら、結果としてテナントの収益に
結びつく経常販促への流れを作ることが大切です。
新しいテナント誘致だけではなく、経常販促のリニューアルで商業施設の
バリューアップに挑戦していただきたいものです。
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【SC経営のヒント311】:『地域に根ざした商品づくり、店舗づくり』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.311 ━ 2012.02.18
船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:地域に根ざした商品づくり、店舗づくり』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『地域に根ざした商品づくり、店舗づくり』
全国均一で同じ商品供給がなされることは安心感がある反面、
個性という点では、なかなか差別化しにくくなっています。
その中で、食品をはじめとした地産地消はここ数年、求められていますが
この流れはますます加速していきそうです。
特に食品は、地域によって利用素材や調理方法が異なるものが数多く
あるのはもちろんのこと、地元の食材を使用することで、地域で取れたものを
地域で消費することは積極的に進められていますし、逆に今それが
特色にもなってきています。
地域発の商品を同じチェーン店でも催事的に他のエリアで販売してみたり、
多いところでは、店舗売上の3分の1がオリジナル商品というチェーンも
あります。
本来特に専門店は、どこでも買えるもの以上にそこでしか買えないもの、
そこで買いたいものやサービスが多いはずです。
インターネットやSNSをはじめとして、小資本で告知をすることができる
機会も増えてきています。
そしてお客様の購買動向としても地元のものであったり、その店だから
買いたいという志向は高まってきています。
提供する側のやる気とちょっとした工夫によって、売りやすい環境が
整っていますし、それを後押ししてくれる状況になってきています。
店舗はまず足元のお客様(地域のお客様)に来ていただくことが重要ですので
本当に求めているものは何かを地域の中から見つけてみませんか?
そうすれば必然的に地域の行事やイベントもチェックするはずですし、
そいうったものに合わせた商品・サービス提案もできるはずです。
看板で地域に愛される店と掲げる店舗は多いのですが、本当の意味で地域に
密着してくために、もっともっと地域を深堀りすることで必然的に
地域一番店の体制づくりができていくのではないでしょうか。
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【SC経営のヒント310】:『仮説をたてつづける』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.310 ━ 2012.02.09
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:仮説をたてつづける』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『仮説をたてつづける』
商業施設を視察して最初にすることは何かといいますと、
「売上を予測する」ことです。
あくまで外から見て予測するだけですので、必ずしもぴったり当る
とは限りませんが、この「売上を予測する」という習慣を身につけ
ておくことは、私どもの業務においては基本であり入口になります。
売上を予測すると、いろんなことが分かります。まずその施設が事
業として成立しているのかしていないのかという、最も基本的なと
ころが判断がつきます。
そして、売上が上がっているか、下がっているかについても想像で
きます。
そうすると、「なぜそうなっているのか」について考えが及びます。
競合店が強いのか、それとも適正規模を超えているのか、それとも
品揃えや営業方針に問題がないか・・・・それをどうすれば解消し
て適正な状態に戻すことが出きるのか。
このように次々と連鎖して物事を考え、解決策を考えるというト
レーニングを、それこそ20年以上毎回毎回やっていますと、いろん
な事案で「これはなんでこういうことになったのか」という仮説が、
すぐに浮かぶようになってきます。
ときおり「仮説はどうやってたてたらいいか」「解決の糸口はどこ
から探ればよいのか」という質問をいただくのですが、これもまた
トレーニングです。すぐに出きるようになるほど簡単ではないで
しょうし、ある程度できるようになっても、サボっていたらなまっ
てきます。まるで楽器の練習のようなものです。
最近ですと、駅前に新しく出来た商業施設に飲食店を誘致したもの
の、あまりうまくいっていないという例を見かけます。そうすると、
建物は立派なのですが、周辺の昼間人口があまりいない・・・昼食、
夕食を近所の住人対象なのか、それともオフィスワーカーを対象に
しているのか、ということから、そこで商売が成り立つかどうか考
える必要があります。都市部の商業においては、夜間人口を対象と
しているのか、昼間人口を対象としているのか。昼間人口もビジネ
スワーカーなのか観光客なのか買い物客なのか。
そのように、観察と仮説構築と事例検証の繰り返しを続けていくこ
とが大切だと思います。
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【SC経営のヒント309】:『2極化するテナントに対応』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.309 ━ 2012.02.02
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:2極化するテナントに対応』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『2極化するテナントに対応』
商業施設テナントの業績が2極化しています。特に、新規施設や業
績が比較的好調な駅ビルでその傾向が顕著になっています。
商業施設テナントは、施設数の増加と共に店舗数を増やした新興企
業と、老舗、名門企業の2タイプが存在します。新興企業の多くは
急速な店舗展開に人材が追いつかず、店長の力量不足で業績不振に
なるケースが多く、中でも、食料品、飲食を取り扱う店舗では、人
材不足に加えて本部からの商品供給が安定せず、客離れをおこして
います。
一方、老舗、名門企業ではベテラン店長はいるのですが、体質的に
時流適応できずに新規顧客を取り込めず、苦戦していることが多い
ようです。
本来、商業施設の中でも駅乗降客が多く、最も新規客が獲得しやす
い駅ビルで、この傾向が強く出ています。
新興企業の中でも、人材教育に力を入れ、老舗企業であっても、時
流適応して業績を上げている企業はあります。つまり、新興、老舗
で業績が左右されるわけではなく、原理・原則、時流適応できるか
がポイントなのです。
郊外SCテナントは、駅ビルほど集客が多くないので、「いかに入店
率、買上率をあげるか」、また、「買上点数をあげるか」、そのた
めには、「主力商品は欠品させない」、つまり、「主力商品は売り
残す、品揃え商品は売り切る」という原理・原則が徹底しています。
また、ベースとなる客数が少ないので、リピートに対する意識が高
く、カード会員の獲得にも前向きですし、稼動率にもこだわってい
ます。そういった意味では、郊外SCテナントと駅ビルテナントで
は、お客様のCS(顧客満足)への認識に大きな開きがあると言え
ます。
最近、SCマネージャーから、苦戦しているこれらテナントに対して、
本部(本社)にどのように改善提案したらよいかという質問をいた
だきます。これら苦戦している企業の多くは、自分達の「できる、
できない」を判断基準にしていることが多く、お客様視点に欠けて
いるのが共通点です。
ですから、これらの企業に改善要求を出すためには、SCマネー
ジャーからの提案では弱く、お客様の声として伝えていく必要があ
ります。今こそ、カード会員の中で自店の利用頻度の高いお客様を
集め、座談会形式でお客様の声を本部(本社)に伝えていくように
してみしょう。
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【SC経営のヒント308】:『SNS利用も結果にこだわろう』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.308 ━ 2012.01.26
船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:SNS利用も結果にこだわろう』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『SNS利用も結果にこだわろう』
近頃、SNS(Social Networking Service)についてお客様から
お問い合わせをいただくことが多くなりました。
これだけ世間を賑わせていれば、当然のことと思います。
しかし、そのご相談を含め、最も利用する側に必要であると感じるのは、
Facebookを使うべきか、twitterを使うべきかといったツール的なものではなく
こんなおもしろ企画を実施してはどうかというだけでもなく、SNSを使った場合、
どのターゲットにどんなサービスを提供して、結果何をしたいか
というところにあると思います。
表面的な情報に流され、その部分が大きく欠落して議論が先行しています。
飲食などの専門店でアイドルタイムに女性グループを呼び自社の強みの
スイーツと紅茶を提供した場合、リピートももらえそうという想定
があり、それに対してSNSの利用がターゲットを集客する手段として
適していると判断した場合、利用の方法論を考えていくほうが現実的です。
しかし、世の中に溢れる事例が先行で、うちでもSNSをやれば人が来る!と
勘違いしてしまうと、余計な労力をかけることになります。
開始後の運用のほうがさらに労力がかかるのも忘れてはいけません。
確かに、参考にする口コミは匿名ユーザーからSNS上の友人になり、
購入商品は店舗のおすすめから友人のいいね!に切り替わりつつある
事例は出てきています。
ですので、事例研究や自身が参加することは積極的にやりつつも、
実施する側として、最も費用効果が高いかどうか、その目的は何か
望む結果は何かを常に考えていただければSNS利用の本質が見えてくるのでは
ないでしょうか。
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【SC経営のヒント307】:『ターゲット』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.307 ━ 2012.01.23
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ターゲット』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『ターゲット』
よく、「ターゲットを設定する」と語られますが、SCなどの大型商
業施設はあまり狭いターゲティングはできず、ある程度幅広いかた
まりをターゲットとして狙ってゆくことになります。
郊外型SCではキッズファミリー、駅ビルではヤングキャリア+観光
客、デパートではキャリア、ミセス、シルバーといったところが、
通常のターゲット顧客になる場合が多く、それらは立地特性と競合
環境によって決定付けられます。ですので、百貨店が多いエリアで
すとファミリー集客を強化した百貨店もあれば、ミセス中心になっ
ている駅ビルもあります。
このターゲットも、年齢だけでなく、ライフステージという見方を
することができます。
たとえばロフトなどの雑貨店や多くのセレクトショップのメイン
ターゲットは、ヤングキャリアというより「独身」ではないかなと
感じられます。絶対数は多くなくても可処分所得は余裕があります。
一方、おなじ雑貨でもホームセンター雑貨になると「年配主婦」が
中心になっています。数は多く需要額も上がりますが、可処分所得
という意味では余裕が乏しく、付加価値の高いものは売れにくくな
ります。
商業施設の方向性を考える場合、「労せずして得られる客層」と
「積極的に増やしたい客層」に分かれます。ターゲティングとは、
より積極的に増やしたい客層に向かって、MDと販促の両面から仕掛
けてゆくために設定することが大切です。
郊外型SCだと比較的幅広い層が来店しますが、たとえばキッズを軸
に三世代集客をすると組単価が上がることになるため、販促の費用
効果は大きいとなります。そうするとMDでも映画館やゲームセン
ター・子供の遊び場、子供向け雑貨店、三世代の需要に対応できる
レストランがあったほうがよいということになります。
「ターゲットを設定する」といいますが、黙っていてはあまり集ま
らない層を積極的に取ってゆくため、また積極的に他のSCより狙っ
たほうが収益性が上がる層を中心に狙うということがターゲティン
グの意味であり、自社にとってのターゲットは何か、ということを
考えるのは、改装時はもちろん、通常の運営の中でも「最も費用効
果が高く自店の強みを発揮できる」ターゲットに対して、集中的に
訴求することが大切といえます。
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【SC経営のヒント306】:『競合対策は足元商圏の確保から』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.306 ━ 2012.1.13
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:競合対策は足元商圏の確保から』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『競合対策は足元商圏の確保から』
競合対策の依頼が増えています。日本は人口が減っているのに、
店舗の数が増えているので、何もしなければ客数は下がります。
競合店ができれば、それが顕著となるため、既存店の競合対策は
必須です。しかし、この競合対策のポイントをはずしてしまうと、
かけた費用のわりに、効果がでないので注意が必要です。
競合対策は前叩きが原則です。ですから、新規店舗が出店してから、
対策を打つのでは遅いのです。というのも、新規店舗は出店にあた
って、商圏内の既存店舗を調査して、勝てる対策を準備してきます。
ですから、出店してしまってから、更にそれを上回る施策を打つ間に
お客様を奪われてしまうからです。
意外と気づいていない既存店舗の強みは何かというと、既存顧客を
持っているということです。ポイントカードを発行している店舗では、
まずはこの既存顧客向けの対策を優先させなければいけません。
ポイントカードを持つお客様の中で、年間買上金額の高いお客様を
競合に奪われない。これが最も優先すべき競合対策なのです。
例えば、年間買上金額100万円のお客様の離反は年間買上金額1万円
のお客様の100人分に相当します。
往々にして、競合対策はチラシ(価格訴求)合戦に陥りがちですが、
価格で動くお客様は、チラシが入る店を買いまわります。そして、
価格で動くお客様(バーゲンハンター)の買上点数は高くはないのです。
自店をよく利用するお客様にはより多くの特典・サービスを与え、
そうでないお客様にはそれなりの特典・サービスで留める。
そんな販促の原則を忘れてはいけません。
また、お客様が店舗を利用する動機は、近いということが優先順位で
最も高いのです。ですから、仮に競合対策としてチラシをまく場合は、
わざわざ競合店の近くにまくよりも、自店に近いエリアに集中してまく
ほうが効果的です。チラシの原則は1.回数2.枚数3.サイズ4.色です。
限られた販促予算で成果を出すには、色を1色にし、サイズを小さくし、
枚数を足元に絞り、回数を多くするのがベストです。
仮に、エリア別にみたときに、ポイントカードの利用率の高いエリアに
競合が出店する場合は、チラシではなく、ダイレクトメールで離反を
防ぐようにします。例えば、上客向けの10%プレミアムお買い物券販売
などのやり方で、先売りしながら、確実に自店来店に繋げるのです。
今回は競合対策について書きましたが、販促の基本原則は変わりません。
いかに足元商圏を固め、この足元商圏のお客様の来店頻度アップ(客数
アップ)と点数アップができるかにつきます。そのためにも、ポイント
カード、チラシといった個々の媒体ツールの特性を知り、効果的な手法
を打っていけば、確実にお客様は反応してくれます。
競合出店に一喜一憂することなく、基本に忠実に手を打ち、力相応、
商圏相応の一番店を目指してもらいたいものです。
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【SC経営のヒント305】:『強みの認識、共有、磨きこみ』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.305 ━ 2011.12.22
船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:強みの認識、共有、磨きこみ』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『強みの認識、共有、磨きこみ』
館や自店舗の強みをしっかり認識し、さらに社員・スタッフさんで
共有できている店舗は、やはり強いと改めて感じています。
売上や売上個数はお客様の支持率です、というお話を良くさせていただきますが
数ある商品やサービスの中で最も売れているもの、点数が出るものは、
やはり自店の強みが良く出た(他よりも秀でた)一番商品・一番サービスです。
お客様もわざわざその一番商品を買いに来ていただいたり、いくつものサービス
の中からそれを選んでいただいたりしている絶対的な結果です。
そのようなお話をさえていただくと、うちはコロコロ売れ商品が入れ替わる、
あまり長く売れる商品は少ない、見つけられないという声も挙がります。
回転の良い商品は時流だから今だけ売れているというものもあります。
しかし、そうであっても今この瞬間売れている以上、お客様の今のニーズに
合っているという事実は変わりません。
一番商品が回転するなら回転するで良いと思います。
もしかすると、時流の商品やサービスを常に持っていることこそがその店舗の
一番支持されている強みかもしれないのですから。
継続した一番商品・一番サービスを持っているところはそれに越したことはありません。
重要なのはそこから先、その一番の強みをしっかり認識して日々の営業に
取り組んでいるかが大きなポイントです。
強みは純粋にその商品をおすすめし、買上率を上げる接客にも繋げることが
できますし、最も点数が出るということは他の商品を知っていただく、買って
いただく機会の創出にも繋げやすいはずです。
私の知る専門店で一番商品をしっかり販売して店全体の売上を
上げ続けている店舗は、一番商品をパートさんまで社員全員が認識しています。
そしてそれを伝えるために、専用のツール(カタログやチラシ)をつくり
接客時、買上時に徹底的に訴求しています。
さらにそれをお買上いただいた方に親和性の高い商品のお薦め(クロスセル)、
同カテゴリの別形態の商品のお薦め(アップセル)、
付属品の提供(客単価アップ)、自店の商品に対する考え方
を知っていただく努力(固定客化)をしています。
そのため、リピート率が以上に高く、リピートするだけでなく知り合いに
紹介をしていただけたり、プレゼントしていただけたりと、その輪は広がっています。
メディアの方に取材をいただく際にも、紹介する商品は一番商品+時流商品です。
強みを認識しているからこそブレずにとてもシンプルです。
一番の強みを核として、あとは営業年月を重ねて店の幹を太くしていくだけですので
お客様にも認識していただきやすく、店のスタッフも販売・接客しやすいのです。
店舗の売上増に向けた改善、指摘は悪い点に目が向きがちですが、
店舗の強みをしっかり伸ばすことで、不足な点は補完することができます。
弱みを見るよりも強みをしっかり見ていただきたいと思います。
まずは強みの認識、そして共有、更に磨きこみをして、売上増に繋げていって
いただければ幸いです。
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【SC経営のヒント304】:『ABC分析では得られないもの』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.304 ━ 2011.12.16
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ABC分析では得られないもの』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『ABC分析では得られないもの』
よく、売れ筋を増やして死に筋をカットしよう、と言われます。
じっくりと考えていただきたいのですが、それで本当に集客・売上
が上がるでしょうか?
売れ筋商品は、自店だけでなく多くの店で販売されています。
ですので、売れ筋商品ばかり並べれば並べるほどに、わざわざその
店に行くという来店理由はどんどん減少してゆく
ことになるのです。
コンビニのような小さな店や、もともと通行量の多い立地に出店し
ている店でしたら、売れ筋に集中することで売上を上げることがで
きます。しかし、わざわざ集客しなければならない郊外型専門店や
GMS、HCなどの業態で考えてみたら、いかがでしょう?
商品アイテム数(sku)を減らし、取引先を絞り込み、通路を広く
して棚を低くして歩きやすく見通しを良くして・・・・中堅大手流
通の方々はそれを「当然」と考えていらっしゃるようですが、坪当
たりアイテム数が減れば坪当たり集客力は落ちて、坪当たり在庫金
額が減れば回転率一定ならば坪当たり売上高は下がることになりま
す。
話題商品や人気商品は売れていて集客も出きる商品です。しかし、
多くの売れ筋商品は、売れてはいても、どこでも売っているものな
ので、集客できない商品もあります。
売れている、売れていない、と集客できる、集客できない、という
マトリクスで考えたら、売れていないし集客できない商品はカット
対象になるでしょうが、売れていないが集客できる商品があったと
すると、どのように取り扱えばよいでしょうか?
現在のデータ分析では、売れている売れていないという結果は分か
りますが、その背景にあるディスティネーション=来店目的 がど
こにあるかは明確には分かりません。分からないから定義できない
ので難しいのですが、難しくて結論が出ないというのと、考えない
というのは意味が違います。
来店顧客調査を実施すれば、ある程度ディスティネーションとなっ
ている部門を明らかにするのは可能になります。
「ABC分析では、つまらない魅力のない店しか出来ない」というのは、
そういうことを指していると思います。量販店もホームセンターも、
目をつぶって店内に入ったら、どこの会社か分からない店が増えて
きていると思います。
もうすこし抽象的な「店舗コンセプト」を明確にして、大事にして
ゆかないといけないのではないかと思います。
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