【SC経営のヒント581】コロナ後の店舗リニューアルの留意点 その2

商業施設全体も、専門店も、リニューアルをする理由というのがあります。
多くは老朽化してきたことをそのタイミングとしていますが、
リニューアルで取り組むべきことは
時代とズレてきている部分をキャッチアップする、可能であれば多少先取りする」ということになります。

コロナで店舗というものの存在感も大きく変化してしまいました。
これまでは高密度に集客する繁盛店こそが正義で
物販も外食も混雑している店ほど正しいとなっていたわけですが、
それを志向することは現在の状況化でははばかられます

外食もテイクアウト・ドライブスルー対応が急務となっていますが、
物販においてもスマホを活用した「事前接客・販売」に取り組む企業が増えてくると思われます。

店舗においてスタッフの仕事の大半が「この商品はどこにありますか?」という質問への対応になっています。
現実問題としてスタッフを減らして営業している店舗では、店内放送でお客様に
商品の場所のお問い合わせ等によるスタッフへの話しかけをご遠慮ください」とアナウンスしている店もあります。

今後店舗スタッフを最小人員で回さざるをえない状況が増えてきますし、
店のつくりもそういう取り組みに対応してゆかねばならなくなります。
外食産業においても「提供までにお時間を頂戴します」とはっきりアナウンスしたほうがよいと思います。
これもスマホ対応までは難しくとも、より精緻なフロア案内やデジタルサイネージ、
タッチパネルでの案内などを増やす必要が増えるでしょう。

集客をしないというわけではなく、
店内滞留時間を減らす=発見~購買決定までのプロセス時間をなるべく短くする
買い上げ率を上げる=買うと決めたお客様を集客する」ことによる密集回避をせざるを得なくなるでしょう。
アナログなやり方でも入口の売場案内、店内の案内表示をより細かくわかりやすくして、
POPも増やしてある程度は対応可能と思えます。
可能であれば、WEBやスマホで事前接客を実施して、店で最終確認だけしていただけるような接客プロセスが理想です。
また、よく質問される商品に関しては「FAQ対応POP」を充実させるとよいと思います。
すべての商品に質問があるわけではなく、違いが分かりにくいなどの一部の商品対応で可能と思えます。

大手スーパーではスマホを活用したレジレスに取り組みつつありますが、
レジ待ちでずらーっと並ばなくてすむようにDX活用のレジシステムを取り入れることも必要になってくると思えます。

業種別に取り組み方は変化しますが、店の魅力(在庫量)をキープしながらも、
より少人数で、より作業量(接客量)を減らした店づくりへの取り組みのためのリニューアル計画が今後のキーポイントになるといえます。

省力化対応、キャッシュレス対応、サイネージの充実、POPの充実など、
接客販売型の業態であっても「よりセルフ化」を志向した店舗づくりが求められるようになります。
これからのリニューアルの検討も、そのような方向性になるといえます。

img-mainvisual.png

【SC経営のヒント580】商業施設がマイクロツーリズムの核となるために

船井総研の藤田です。

皆様のお店は、観光立地に位置していることも多いのではないでしょうか。
コロナ禍において、観光(宿泊・飲食・物販)は新しい様式へと変化します。
長距離移動を避けることにより、マイクロツーリズム(地元での観光・旅行)
今以上に普及していき、商業施設もマイクロツーリズムへの対応が求められていきます。

新型コロナウイルスが観光業界に大きく打撃を与え、今後の動向が不安視される中、長期化するWithコロナにおける旅の在り方として、大手リゾート会社の代表が「マイクロツーリズム」を提唱しています。
マイクロツーリズムとは、地元を深く知るきっかけを作り、感染拡大を防止しながら地域経済を両立する観光など促進することを目指しています。

今回はコロナで大きく影響が出ている観光をテーマに、
・マーケットの現状
・事例
・商業施設がマイクロツーリズムの核となるために必要な視点
についてお伝えいたします。

観光ビジネスは以下のような現状です。弊社のご支援先さまを参考に整理しています。
・宿泊:予約が昨対比60~70%減。宴会予約は皆無。
・飲食:休業要請を受け休業中につき、売上が0のお店も。
・物販:駅・空港の出店は昨対30%の実績。
かなりざっくりしたまとめですが、御存知の通り厳しい状況が続いております。

しかし業界内には、この状況を冷静に判断し、
前向きな取り組みをしている企業も多数ございます。
緊急事態宣言中に、実際に取り組んでいた事例をご紹介いたします。

【宿泊:日帰り強化】→広域商圏から足元商圏へのシフト
※外国人観光客の割合が8割の旅館
※県を跨いだ移動が自粛されているため、
  近隣からの日帰り観光プランを作成
※感染症対策を徹底し、それを顧客にも説明。近隣からの需要掘り起こしに成功
※また、旅館を疑似体験できる動画コンテンツの配信により
手の空いた今だからこそできる取り組みで、集客力を強化

【飲食:レシピ公開でファンづくり】→顧客との接点を持ち続ける
※レストランと客の新しいコミュニケーション
※家族3食の食事を家でどうにか準備しなければいけない状況
※三ツ星レストランのシェフが、店で提供している料理のレシピを公開
※自宅で誰でも調理できるように、家アレンジができるレシピに
※自粛明け、やっぱりあの味を店で食べたいと思ってもらう狙いが

【物販:飲み方提案(ワークショップ)】→ただ通販で売るだけでなく、
オンラインによる提案を付加
※家飲みを支援するため酒蔵と土産物店が協力し、セット販売を実施
※さらに、美味しい飲み方をオンライン上で指南
※飲食店に行けないため、家飲みにお金を使う層が増えている

上記は休業中の取り組みです。
今は緊急事態宣言が解除され数日が経っています。
以下は今後の観光マーケットで商業施設が核となるためのポイントをお伝えします。

巣ごもりにより観光欲求は高まっていますが、従来通りのニーズではありません。
観光客が求めるニーズは変わってきています。
今後は「STAY HOME」から「予防対策と両立した観光」へシフトしていきます。

ポイントは大きく3つあります。
①顧客が新たに求めるニーズは「感染対策」・「三密回避」
 →対策は前提であり、いかに顧客に協力してもらうかが重要です

②「遠出」よりも、家から「近場」の観光重視になる
 →県移動を避け、より地元観光地に足を運ぶようになります
  広域集客を狙うのではなく、足元商圏に対する対策が必要です

③「周遊」より「滞在」重視になる
 →移動回数を避けるため、1つで多くの満足度を得られる施設・お店が選ばれるようになります

④「買う」だけでなく「過ごす」
 →今後商業施設に求められるのは、「買う」だけでなく、「過ごす」ことができるかどうかです
  モノからコトへ、コトからトキへ、とよく言いますが、整備できている施設はまだまだ少ないです

夏以降に集客のピークを持ってこれるよう、
・ターゲットの再設定(広域から狭域へ)
・見込み客を獲得するための積極的な販促活動(※今販促費を1.5~2倍にしている企業が目立ちます)
・顧客とコミュニケーションを取り続ける、接点を持ち続ける工夫
を「消費者が動き出している今」に準備したいところです。

img-mainvisual.png

【SC経営のヒント579】withコロナで変わるテナントリレーション

店頭でのオペレーションが3密(密閉、密集、密接)回避を求められるのと同様に、
テナントリレーションも3密回避を進めていくことが求められます。
店頭同様に、リアル、対面重視のやり方を避けなければならなりません。
つまり、店舗巡回、店長会、集合研修やテナント本部との面談の在り方も見直す必要があります。

チェーン本部、デベロッパー各社において、
zoomなどを使ったテレワークが進みはじめているように、
テナントリレーションにおいても積極的にデジタル対応することが求められます。

とは言え、withコロナでの施設集客、施設売上のつくり方を理解した上で、
テナント本部と連携しながら、テナントをサポートしていくことが必要です。

また、デベロッパーとチェーン本部の共通の評価軸(KPI)と目標を再設定して、
計画的に店舗をサポートしていくことが求められます。

これまでの共通の評価軸は、月坪×伸び率でしたが、入店率・買上率までカバーすることが重要です。

というのも、withコロナでは、分散集客が求められるので、
これまで以上に入店率、買上率を最大化しなければ売上がつくれないからです。

入店率、買上率を最大化するために、デベロッパーには、「施設集客の見える化」、
チェーン企業には「在庫の見える化」が求められます。

この施設集客の見える化や在庫の見える化ができれば、店頭での商品ロスがなくなります。
また、スタッフ数の最適化により人時生産性をアップすることもできます。
つまり、店舗の利益を最大化することが可能になるからです。

デベロッパーとテナント店長とチェーン本部がリアルタイムでこれらの情報を共有し、
PDCAサイクルを回すことが、withコロナにおけるテナントリレーションではないでしょうか?

上記機能をインストールしたiPadなどが各テナントに配布されれば、
ペーパレスで情報を一元管理することができます。

テナントリレーションはデータに基づき、短時間で成果の高いものになりますし、
リアルな対面がなくても、チャット機能を使って指示もできるようになります。
また、研修もオンラインで参加率の高いものになります。

デジタル対応で、これまで以上に接触頻度を増やすことが可能ですし、
業績アップに貢献していくことができるようになります。

wihコロナ、アフターコロナに向けて
デベロッパーとテナント店長とチェーン本部がリアルタイムで情報を共有し、
PDCAサイクルを回す、新たなテナントリレーションに挑戦してみては如何でしょうか?

なお、適切なツール、指標、サポート体制など導入にあたっての具体的な相談のある方は、
お気軽に弊社までご相談ください。

img-mainvisual.png

【SC経営のヒント578】コロナ後に増える、店舗リニューアルの留意点とは

昨今コロナ情勢下で大型店中心に閉店せざるを得ない状況が続いていますが、
再開後の取り組みに動いているお店も多いです。
その大きな目玉が「店舗のリニューアル」となります。
弊社では「道の駅」などを中心に店舗リニューアルの相談を多数頂戴しておりますが、
過去に大型SC、駅ビル、大型店などのリニューアルを多数手がけてきた経験を生かした
リニューアルプランづくりを実施しています。

ここで、商業施設のリニューアルの「失敗」するパターンについていくつか例示してみたいと思います。

①在庫を減らしたリニューアル
中堅チェーンなどで多く見られる例がこれです。見通しを良くするために、
通路を広げて什器の高さを低くして、
結果リニューアル後の売り上げが計画通りに上がらない・・・という失敗例です。
売上=在庫高×回転率 ですので、一般的に在庫を大幅に削減すると売り上げは下がります。
カルディコーヒーファームやドン・キホーテのように通路を狭く・什器を
高く上げている店が繁盛店になっているという現実からよく学ぶ必要があるといえます。

②導線づくりの下手なリニューアル
別棟で増築した場合、大きな売場からちょっと突き出た売り場を増築した場合などに起こりうる失敗です。
増築した場所が期待したように売り上げが上がらない・・というパターンです。
ある程度以上の大きさになると、導線の上手下手だけで売上は大きく変化します。
たとえばレジの位置を変更するだけでも売り上げが上がる場合もあります。

これら2つが、昨今よく見かける失敗例です。
弊社がお手伝いした事案では、このように誤った意思決定をしようとしている局面で
「待った」をかけた例も、また失敗をどうフォローするかという観点で、
出入り口を変更したり導線のとりかたを変更したりといった外科手術を実施していただいたこともあります。

ちょっと怖いのは、こういったところに原因があるのだということを
しっかりとご認識いただけていない例が多いということです。
商業施設のリニューアルというと、商品構成や売り方についての議論はするものの、
売り場づくりは設計者まかせで、施主側にハードウェアについて十分な理解がない場合に、
このような失敗をする場合があります。
もちろん設計者が商業施設を熟知している場合はそれでも問題なくできますが、
経験上そういった例のほうがレアケースです。なぜなら設計者の仕事の力点は「売れるかどうか」ではないためです。
弊社では設計業務はいたしませんが、こういった商業施設のハード面も長年の経験から熟知しております。

リニューアルをしたいが、どこから手をつけてどのような仕事のすすめかたで、
どういう考え方で意思決定をすればよいか・・・というお悩みがある場合は、
コスト次第で様々なお手伝いの方法論がありますので、
ぜひ一度お気軽にご相談いただけましたらと思います。

img-mainvisual.png

【SC経営のヒント576】商業施設開発に向けた商圏調査・分析

船井総研がご支援しているメニューの一つに
“商業施設開発に向けた商圏調査・分析”があります。
世の中に商圏調査をする会社やツールは多くあり、
例えばその周囲◯◯km内に住んでいる人は
何人?何世帯?高齢化率はどのくらい?どのエリアの人口が増えているのか?
など知ろうと思えば知ることができます。

ただしこうした商圏調査からどういう開発をするべきか?
と実際の開発担当者が頭を悩ませる質問となると
急に答えるのが難しくなります。
多くの調査会社はその部分の提案に関しては、請け負うことが難しいでしょう。

船井総研の強みの一つに商圏調査から分析結果を踏まえた、
提案までできることがあります。
長年商業施設や店舗ビジネスに携わっているメンバーがおり、
過去の事例まで知っていること。
分析のノウハウが蓄積していることからやり切ることができます。
(一般的に失敗事例というのは世の中からなくなってしまいます。
そのため失敗事例まで含めて過去の事例を知っているというだけでも、
“やってはいけない”開発を外すことができます)
 
つい先日もこういった計画を考えているがどうしたらいいか?
というご依頼を受けました。
商圏の調査をすると一見すると周囲の人口はまばらで、
川などの分断要因もあり、開発が難しい場所でした。
とはいえ
1)コンテンツによっては県内の遠出需要は見込むことができること
2)足元需要にも強いコンテンツと組み合わせることでより安定した収益を見込むことができること
からどのようなコンテンツを盛り込むべきか整理をして提示をさせていただきました。
また開発の想定では余ってしまう土地も、
どのような業種へのリーシングが現実的かつ収益につながるのか
議論しつつ、提示をさせていただきました。

難しそうな開発場所でも、広く日本の中では
うまくいっている事例があったりするものです。

そのエッセンスをいかにこの土地でも実現するのか?ここまで提示することで
良い開発に繋がります。
そうした事例をストックしているからこそ、提案までできるのです。

開発の初期段階で、こうした商圏分析から考えられる開発の提案を踏まえて
議論をすることで圧倒的にスムーズに立ち上がります。

もし開発の初期段階で検討に詰まっているものがありましたら
一度ご相談いただければと思います。

【SC経営のヒント575】古い要素を見直す機会

4月に入ってから小売・外食の業績が一段と悪化しています。
また、非常事態宣言もあり都市部の大型店は店舗閉鎖になり、営業自粛している店も増加しました。
宿泊業へのダメージはかなり深刻です。
伝染病からはじまり、経済恐慌へと突入しているのが現在の状況です。

一方で、このような状況下でも業績が伸びているものとしては、食品物販・通信販売・弁当・ケータリングなどがあります。
もちろんこれらは一時的な傾向とみることもできますが、どうも今回のコロナ騒動は「オールドビジネス」と「ニュービジネス」を分断する大きなきっかけになりそうに思えてなりません。

あらゆるビジネスセクターには「古い昔からの伝統的なやり方」と「新しいやり方」が共存しています。もちろんそれは双方ともに価値があるから共存しているわけですが、それが今回の騒動で「時流の進むスピード」に拍車がかかったように感じられます。

たとえばですが、小売店ではメーカーさん問屋さんとの商談はこの先もリモートで可能なのではないでしょうか。あらかじめサンプルを送付するなり、商品画像を複数枚画面に写してプレゼンするなりしながらリモートミーティングで商談が可能になります。車やハンドキャリーで商品を運んでは本社を訪問して・・・を繰り返していましたが、リモート化することで問屋さんの時間的負担は大幅に減ります。

相変わらず遠隔地に大人数でわざわざ訪問する「儀式」を要求する組織もあります。
しかしそれも受託者にとっては工数費用に含まれて計算されていること。
それはお互いにとって無駄なことではないでしょうか。

一方でリモート会議に対応するオフィススペースが絶対的に足りていないところが多いと思います。コロナ終息後はブースを多数設けて個々人がリモート会議する環境をオフィス内にととのえる必要が出てくるでしょう。
いきなりすべてがリモートワークでは、社員同士のコミュニケーションがとれませんし、マネジメントもやりづらいという職場が大多数でしょう。

今回の経済変動は、自社の中にひそむ古い要素、それをあぶりだして習慣を変革する大きな機会が訪れているように感じます。

【SC経営のヒント574】SNS販促の基本のキ

船井総研の藤田です。

皆様の店舗・施設において、
「販促活動におけるSNS施策」どれほどやりきれているでしょうか。

SNSはあくまでコミュニケーションツールです。
そのため、「販促」は先に「売り」を意識しますが、
SNSの場合は先に「信頼作り」・「ファン作り」・「ブランディング」を心がける必要があります。

店舗に来店する前~来店~来店後、この一連の流れにおいて、SNSHPでの情報発信を強化することで、ファンづくり・自店集客力の強化に繋がっていきます。
SNSHPでは、「どんな商品を作っているのか」・「どんな思いで商品を作っているのか」・「企業としてどんな活動をしているのか」などの情報を頻度高く発信することが必要です。
企業や店舗について知ってもらい、認知度を高め、商品やサービスだけでなく、企業としての思いや活動内容を通してユーザーに親しみを持ってもらい、信頼感を得ることができます。
信頼感を持ってもらい、「この商品(サービス)を買ってよかった!また来よう。」と思っていただけるようになれば、ユーザーをファン化することが出来ます。
ファンは商品・サービスについて、自発的にFacebooktwitterInstagramなどのSNSを通して情報を拡散してくれます。そこでさらに認知を広げることができ、新たなファンを増やすことが可能になります。
 
最終的にファンが増えたときに、お客様は戻ってくる、定着する、購買に繋がるようになります。
売りに繋がらないSNSも良くないですが、大切なのは「順番」です。

ではどうやって信頼を得て、ファンを増やしていくのか、
ひとつ事例をご紹介します。

★三越伊勢丹アパレルブランドのケース「スタッフにファンを作らせる」
→このブランドでは商品を企画したスタッフが顔出しをして、
 なぜその商品を作ったか、どのような人に着てほしいかをインスタグラムで
 定期的にライブ配信しています。
 閲覧者のコメントを見ていると、
 「スタッフさんかわいい~」・「●●体形のことよく分かってる」等、
 良いコミュニケーションが取れています。
 
 ライブ配信内では、いわゆるテレビショッピングのような
 売り色は排除されています。
 あくまで、製作の思いや、スタイリング提案にとどまっています。
 
 また日々の投稿も、モデルではなく、スタッフが着用している投稿が多く、
 親近感があります。

SNS苦手という方、多いと思います。
SNS運用のテクニックはたくさんありますが、
まずはコミュニケーションツールであるということを理解し、
日々SNSに触れてみてください。

【SC経営のヒント573】蕎麦屋の募集広告

船井総研の佐伯です。

先日、蕎麦屋で募集広告を出したら募集が倍増したという事例がありました。
当初は「伝統的な蕎麦屋です!週に5日以上募集」
のような一般的なキーワードでの募集をしていました。

ただ想像の通りこれでは全く人が集まらず・・・・。

急に集客を倍増させた広告とは
「業務時間中、誰とも話さなくてもいい仕事です。」という広告の打ち出しでした。
これに変更してから2週間の出稿期間中に
50人からの募集を集めることができたと。

どんな仕事も本当に求める能力は
マネジャー以外のプレイヤーだと
要素分解をすると一部であることが多いです。

蕎麦の場合では、人とコミュニケーションを取ることよりも
丁寧に、黙々と蕎麦を打てる根気強さが何よりも重要です。

不特定多数と話すことが嫌な人はたくさんいます。

こうした人達に向けたメッセージにすることで
反応をあげることができるのです。

特に以下の~だけ仕事を切り離すのは手軽に取り組むことができます。
・手を動かすだけの仕事
・書くだけの仕事
・話すだけの仕事

人が足りない今は
超人的な人を求めるよりも
一部を秀でている人を集めるという視点が
大事になってきます。

コロナの収束がいつになるか予測ができない状況ですが
将来を見据えて
手を考えていきたいですね。

SC経営のヒント572施設テナントは商圏(客層)の変化に対応できてますか?

この商圏(客層)の変化は下記のような様々な場合におこります。
・商圏内に競合施設が出店
・商圏内の既存施設がリニューアル(自施設も含む)

首都圏では、商業(複合)施設の開発・リニューアルが続いています。
これらの開発・リニューアルで、既存施設の売上が下がることは希で、
むしろプラスにふれます。
例えば、渋谷商圏において「スクランブルスクエア」「フクラス」
「パルコ」の開業は、渋谷エリアの商圏拡大につながります。
ただ、商圏が拡大して、施設客数が増えているにも関わらず、
売上が下がってしまう施設・テナントが出てくるのも事実です。
そういった店舗の特徴は、大きく2つで、一つはネガティブ
(しかたないといった消極的)な理由で選ばれていた店舗、
こういった店舗は比較対象となる店舗が増えることで、
客数が減ることになります。
もう一つは、同一チェーン店の出店により、客数をシェアすることになる店舗です。

そういった店舗は、下記のように、商圏(客層)の変化に対応できていないのが実際です。

インバウンドがとれる立地に変わったのに、免税対応していない
オフィス需要がとれる立地に変わったのに、従業員向けに対応していない
ベビーカーがとれる立地に変わったのに、子供向けの商品・サービスがない

一方、チェーン店であっても数字がとれている店舗は、商圏(客層)
に合わせた売り方ができています。
それにより、自力集客できるチェーン店が伸びています。

施設テナントにおいて、売上、客数といった数字は、お客様の支持率です。
つまり、このお客様の支持率の変化に合わせて対応していくことが重要です。
売上構成比×伸び率が高い部門、商品、それらが、どんな客層に支持されているのか、
あるいは支持されなくなってきているのかを丁寧に検証し、
仮設を立てて行動していくことがポイントです。
ぜひ、チェーン店であっても、商圏相応、力相応で一番化を目指してもらいたいものです。

【SC経営のヒント571】店舗ビジネスのコロナ対策について

船井総研の山本です。

コロナウィルス不安で外出が減り店舗売上にも影響が出ています。弊社では財務専門家を中心に、まずは当座の資金繰りの確保から、というお話をお伝えさせていただいております。

物販関係の各業種コンサルタントからの情報では、全体としては厳しいながらも、個々には対策を打って成果を上げている事例を紹介させていただきます。

・カー用品業界 集客の絶対数が落ちる中で、WEB予約にて整備点検サービスの入庫を促進し、物販では売上が落ちているがサービス収入で巻き返している。

・菓子業界 休校中のお子様応援企画として、お団子のセールを実施し、通常日販の4倍の売数をあげる

・食パン専門店や単品スイーツ専門店など、時流適応しているビジネスは悪影響はなく、むしろ売上が伸びている店が多い

・通販は総じて伸びている会社が多い

・家電専門店では、集客はダウンする中で高付加価値な次亜塩素酸空気清浄機を中核にセールスして売上をつくっている

・ホテル・飲食 時短営業や臨時休業を導入して、売上が下がる分シフト組を楽にした

このほか、出前を強化している飲食店というのもあります。
フリー来客が減少する中で、予約販売や通販、お届を強化するところが増えています。

すべての業種で同じように取り組めることばかりではないでしょうが、近隣リピーターの来客は観光客ほど落ちていませんし、むしろ子供の自宅待機で「巣ごもり需要」は増えています。観光系も遠出をあきらめて近隣小規模施設での観光にシフトしている傾向が強いように感じます。

依然として厳しい状況ではありますが、嘆くのみで終わらず、いまだからこそ出来ることを小さくとも取り組んで、すこしでも業績の回復に役立てていただければと思います。