コロナ禍での出店環境の変化とは?

出店環境の変化

コロナで観光産業が大きな悪影響を受けたことは皆が知るところですが、物販店舗においてもこの影響は看過できないことはすでに実感されていることと思われます。
たとえばアパレル産業というのは生活必需品であるとともに、観光産業の一部でもあります。
旅に出るから洋服を買う、同窓会があるから洋服を買うなど、外に出て誰かに見せるために新しい洋服が必要となります。
同様に、スイーツも自家消費だけではなくお土産として買うものでもあります。
一口に観光産業といっても、ホテル旅館や外食や運輸や旅行業だけではなく、幅広いすそ野を持っていることになります。

現在、商業施設の空室率が増加していますが、これらは主として都市型観光要素を持った業種業態が撤退しているということになります。また大都市ではリモート勤務が増えて通勤者が減ったので、人流自体が減少しています。その結果として商業施設の集客は減少し空室も増加しています。
では賃料水準が大幅に下落しているかというと、そうではありません。

その理由は「一度上がった賃料はなかなか下がらない」からです。
地方中核都市のシャッター通りの商店街がなぜ生まれてしまったかというと、賃料水準を下げなかったからです。
商店街においては近所づきあいもあります。安ければ借りたいというオファーに乗ってしまうと、周囲の賃料相場を崩すことになってしまって周囲から嫌われるのを避けたいというマインドがあります。

今回のコロナ影響で、大都市部のデベロッパーにおいても地主に支払う地代は変化がない場合には、多少空室が増えても賃料単価は維持したい。しばらく我慢すれば近未来には空室が解消するのではないかという期待があります。

一方で出店者サイドからみると、コロナ影響で空室の増えたエリアに「高い賃料」で出店するとなると、固定費大きく客数少ないという非常に不利な状況で出店することになります。(もっとも、それでも集客できるだけの自信がある場合は別ですが)

いま賃料水準が下がって出店しやすい場所は、コロナの影響と大きな関係がなく、もともとトレンドとして下がり続けていたところになります。こういう場所は、集客もそれなりですが賃料も下がっています。このように、局地的にではなくマクロに商業用不動産物件の様相を把握して考えるべきといえます。

大きな環境変化があった今、店を構えた以上は少なくとも5年10年の商売を見据えた中で、いま出店に対してどういう判断をすべきかということを考える機会ともいえます。

4月のセミナーではこのあたりのお話を中心にいたします。
自社の成長のための出店戦略と、その方法論について自社なりの方針を見出していただければと思います。

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