コロナで変わるSCのビジネスモデル~小商圏化に対応しよう~

緊急事態宣言中の2月14日から客足が戻ってきていると感じている施設、
店舗が多いのではないでしょうか?

とは言え、飲食カテゴリーにおいては、昼間はとれるものの夜がとれず、
業態的に夜の売上構成比の高い店舗は苦戦しているのが実際です。

緊急事態宣言があけ、卒園、入学、フレッシャーズなど、
GWまでは買いのモチベーションが高い時期が続くと思われます。

コロナ化で顕著におこっているのが、小商圏化で大商圏商法をしていた施設・店舗が苦戦しています。
10分:1次商圏、20分:2次商圏、30分:3次商圏だとすると3次商圏がとれていないのではないでしょうか?

売上高=客数×客単価ですから、小商圏化によって減る客数減に対応しなければなりません。
もともと地方都市で広域商圏がとれない施設・店舗では、この客数を既存客の来店頻度アップで対応していくのが基本でした。

来店頻度アップのためには、購買頻度の高い最寄り性の高い商品を強化していくことが必須となります。
飲食では、単純に定食を強化していく、カフェ機能を強化していく、
宿泊業ではデイユースを強化していくといった感じです。
法人から個人、グループからファミリー、はれからけへのシフトになります。

また、客単価は点数×一品単価ですから、ばら売り、組み合わせ、バンドルなどで、
点数アップをしていくことが重要です。
例えば、箱売りのお菓子はギフト需要ですが、ばら売りすることで自家需要を喚起でき、
両方の買い上げを促すことができます。

これまでは外部環境の変化による施設集客のダウンに対して、
施設内テナントはシェアアップで十分に売上高がとれました。
ここでのシェアアップは施設集客に対する入店率・買上率アップであり、
施設集客の落ち込み以上の入店率・買上率を上げることで売上があがりました。

一方、コロナでは3次商圏が取れない分、商圏人口が減り、
シェアだけではカバーできづらい施設・店舗がでてきているのが実際です。
ですので、これからは、自力集客と商圏を超える新たな商品・サービスを付加しなければなりません。
自力集客では、エリアリスティング、グーグルマイビジネス、
SNSの活用、商品・サービス付加ではテイクアウト、デリバリー、受取サービスなどが必須です。

バーチャルチェーンなどを利用した「新しい商品付加」なども出てきています。
お客様も店舗も配送・デリバリーコストを含めて商品・サービスを見極めています。

ピンチをチャンスととらえて、新たなビジネスモデルに挑戦する時代が来ているのではないでしょうか?

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既存顧客に支持されている理由を外さないようにリニューアルしよう

コロナの影響で一時期見送りされていたリニューアルや改装ですが、
長引くことが見えてから”もうこのタイミングでリニューアルをしよう”
と決められた施設も多数あるようです。

リニューアルにおいては、新しい施設を作るときには求められない視点が必要になります。
その視点とは既存顧客の存在です。
ただ既存顧客の声を聞きすぎて失敗してしまうこともあり、
全く聞かなくて失敗することもありそのバランスが非常に重要です。

聞きすぎてしまうケースとしては、今の売り場は●●という点で買いにくい、
もっと通路を広げてほしい!こんな商品を扱ってほしい!など全部受けていたら、
そもそも元の店の原型をなくしてしまったケース。
元の店と全くイメージが異なるお店になってしまうと、もちろん顧客は離れてしまいます。

全く聞かないケースは、利用者の年齢が高くなっているので、
若年層受けを目指してヒアリングをしてリニューアルしようとするパターンです。
これも原因は同じで、既存顧客が離れてしまいます。
よくあるのがやたらと”おしゃれ”なものが出来上がって、かっこよくていける!
と確信したものの、全然顧客がついてこない・・・。
流行りのデザインなどを取り入れるとこうしたケースがあります。

事例として分かりやすいのが、ダイシン百貨店でしょうか。
1964年創業の老舗百貨店です。今はファンド経由でドン・キホーテになっています。
ダイシン百貨店は社長が急逝した後、立て直しに紛争した西山敷が引き継ぎ、
商圏シェア100%を掲げた地元密着サービスを打ち出し、黒字化に成功させます。

ただ2012年のリニューアルを期に潮目が変化。
売り場が幅広になり、特徴だった圧縮付加された売り場が
ゆったりとしたスペースに変わりました。
当時、ダイシン百貨店のファンだった層が残していたブログなどを見ていると、
リニューアル前の売り場に近づくためにドン・キホーテをベンチマークしよう!
と提案しているものですから、皮肉なものです。

このようにリニューアルというのは会社として大きな投資がかかり、
成功するかどうかによって、その後の潮目が変わってしまいます。
その会社が選ばれている本質的な理由を整理して、既存顧客を逃さないようにしつつ、
新規の顧客にも来ていただけるよう考えたいものです。

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地域の繁盛店を探してゆこう

SCのテナントリーシングの実態を見ていますと、近隣圏のSCのテナントを調査して、
すでにそういった場所に出店しているテナントにお声がけをする・・・
というオペレーションになっているところが多いように思えます。
もちろん、それはそれで可能性が高く確実性が見込める方法ではありますが、
その結果として近隣のSCみな同じようなテナント構成になってしまうという弊害があります。

一方で、コロナ期から新規開業して成功をおさめている店というのは、多くが「路面店」です。
まずは路面で成功した店をSCが導入するというのは昔から定番ともいえる手法でありますが、
より立地条件が悪く基礎集客が少ない路面店で成功できた店であれば、
基礎集客のあるSCではなお成功する可能性が高いとも考えられます。

ただし、新規創業店舗の多くが直面するのが「3店舗の壁」です。
1号店は成功し、2号店はまあまあ、3号店目は失敗して、
それ以上店数が増えないというパターンです。
これは商品力や宣伝力の問題だけではなく、マネジメント能力にもよります。

リージョナルチェーン、ナショナルチェーンはその問題を乗り越えたので
多店化できているわけであり、そういう企業を導入するほうが確実です。
しかし先述のようにどこも同じような店になり、SCの個性は発揮しづらくなります。
一方で路面店の2号店、3号店を導入する場合は、
これも先述の理由で失敗する確率もナショナルチェーンよりは高くなりますが、
うまく面白い店を導入できる可能性もあります。

いまのSCはコロナで一回リセットされてしまった部分が大きく、
あらためて路面繁盛店を歩き回ってリーシングしてゆく時代になっているのではないかと思います。

弊社でも単品スイーツ関係中心にベーカリーやクラフトビールなど
食品の専門店開発を多数お手伝いしておりますが、
いずれも郊外型単独店や路面店であり、SCインテナントは一号店の成功のあとに
挑むというのが基本パターンになっています。
また、SCインテナントでも既存店の大幅リモデルであれば可能でしょう。

地元の従来型店舗を今流の単品専門店にリモデルする、
路面店の繁盛店をまずはイベント誘致からスタートして常設店化するといった、
過去においても実施されてきた地道な努力を、あらためて見直す時期に来ていると思います。

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ニューノーマル時代の新常識!

これからの”商業施設”プロモーションは、ワークショップがおすすめ!

商業施設デベロッパーの役割は施設集客、テナントの役割は売上をつくることにあります。
それぞれの役割は、ニューノーマルになったからと言って変わりません。

とは言え、3密回避により、リアル店舗における来店頻度が減り、
店舗の滞在時間が減っているのも事実です。

これまでのようにイベント中心の不特定多数のお客様を集める販促プロモーションから、
特定多数のお客様に切り替えていくことで、決定率の高いお客様を分散集客できるようになります。

この特定多数のお客様は利用するカテゴリー(店舗)、
来店頻度(曜日、時間)にグルーピングすることで、
お客様に適切なアプローチが可能となるからです。

つまり、不特定多数の集客を目的とした全体販促から、
特定多数のカテゴリー(店舗)販促に切り替えることが、
ニューノーマル時代のポイントになります。

具体的には、これまでリアルでおすすめしていた
「ワークショップ」をリアル、ZOOMの両方で開催する方法などです。

リアル店舗がお客様の再来店促進(次回来店予約)、
単価アップ(価値訴求)のために企画するワークショップは、
平日の客数は少ないが、客層の良い時間帯にすることがおすすめです。

複数人が参加するワークショップは、お客様のお悩みに応える形式で開催すると、
お客様の心理的なハードルが下がりますし、
結果として自店のロイヤリティアップにつながっていきます。

このワークショップはZOOMなどを使えばデジタル対応が可能ですし、
同時開催ができるのもメリットと言えるでしょう。

現状のインスタライブ方式はどうしても、売り込み色が強く、
また、視聴者の時間にあわせるとしたら、営業時間外になってしまうので、
まずはワークショップをおすすめしています。

ワークショップの利点は大きく下記7つになります。
・マルチ対応(接客)が可能
・閑散期(アイドルタイム)をいかせる
・デジタルコンテンツとすることで、マルチデバイス対応が可能
・店舗誘導のきっかけとなる
・単価アップのきっかけとなる
・接客時間を短縮できる(事前のお悩みにこたえることができる)
・ニューノーマルに対応できる

また、飲食、食品においては、体験キット、体験セットとして、商品を先にお届け、
リアルタイムで焼き方、作り方、食べ方の紹介ができるといったメリットがあります。

これまでのSCプロモーションは施設集客を最大化するために、
不特定多数のお客様を集客できるイベントが中心でしたが、
各カテゴリー、各店のワークショップを全面に出したプロモーションが
ニューノーマルに対応したプロモーションと言えるではないでしょうか?

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地域のいいものを探すのではなく作る取り組み

にっぽん宝物グランプリという地域創生の活動があります。
0)地域コラボレーションのワークショップ
1)各地域で良い商品を発表会(予選会)
2)審査
3)審査を通ったものが全国大会
4)審査
5)受賞商品は専門チャネルで販売
という流れで運営されています。

この取り組みで特筆すべきは
0)で記載したワークショップです。

ネットの発達もあり、地域で少量しか生産されていなかった銘品や
地域だけで認知されているけど全国での認知はなかった銘品も
スポットライトを浴びやすくなっています。

例えば楽天のショップオブザイヤーや
ふるさと名品オブ・ザ・イヤーという取り組みが
これまでにない注目を作るきっかけになっています。

ただにっぽん宝物グランプリは他のグランプリがすでに
出来上がった商品や販売実績をもとに評価しているのに対して
これからの商品を作り、新しく出来上がった商品を評価しています。

新しい商品を作るきっかけが
0)のワークショップにあたります。

地域の中小企業が集まり、それぞれの持っている商品や技術を組合わせて
コラボレーションして商品を作るのです。

もちろん主催にはワークショップの準備など
負荷がかかるのですが
これまでに世の中にない
商品を扱うことができます。

そのため百貨店のバイヤーなどが
積極的にサポートをする活動になっているのです。

情報は流通しやすくなっているからこそ
新しいものを作る仕組みの価値が高まっていることもあり
非常に価値のある活動、それもよい地方創生につながっているのです。

全国にSAやPAで魅力的な開発が多くなっていますが
地域の力を活かすという意味で
こうした活動とコラボレーションを行い
商品の開発と
SAやPAでの販売だけでなく
全国のWEBチャネルまで広げた展開など
既存の施設に商品開発という要素を加えるだけで
地域色を出しやすくなるのではないでしょうか?

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これからの商業開発

コロナで一部のセクターを除いて厳しい状況がつづく流通業界ですが、
この先の商業開発の可能性・方向性にはどういうものがあるか考えてみました。

今後有望と思えるものは
1.産直(野菜、果物、花卉、鮮魚、ほか)
2.製造直売(伝統食品、ビール・ワイン、ほか)
3.単品食品店(スイーツ、ベーカリー、ほか)
4.リサイクル(本CD、家電、家具、子供用品、衣料品、スポーツなど)
5.新サービス(生活サービス、医療介護など)

あたりではないかと思います。

1.産直に関しては、SC内に展開する企業の店が増えています。
一方で、道の駅やJA運営の産直もここにきて調子のいいものも多く、
ひところの産直ブームを終えた後の第二エンジンの時代が来ていると思われます。
世の中の産直は年商2~3億円程度の売店が大多数ですが、
20億円オーバーの新規施設も開発されて、伸びる余地がまだありますね。

2.製造直売については、弊社でも多数お手伝いしていますが、
伝統産業(味噌、醤油、漬物、日本酒など)におけるイノベーションが面白い分野となっています。
旧態依然とした業界ほどイノベーションによる振れ幅が大きく、
DX導入や高付加価値化の成果が出やすい分野になります。

3.単品食品店はすでに街中に多数増えており、SCインテナントも増えてきました。
この先、食品のプロモーションも中途半端な品揃えではなく
単品スター化をはかる店のほうがうまくいくように思えます。
これは店づくりだけではなくプロモーションとの連動が必要で、
インスタや動画メディアを上手に活用した店がうまくいきそうですね。

4.リサイクルに関しては、大手のブックオフ、
ハードオフやセカンドストリートなどのチェーン店や、趣味系の大型店が目立ちますが、
地元系の専門店は一度淘汰されてしまった感があります。
今後成長するだろうと思えるのはライフスタイル型のリサイクルストアで、
海外ではすでにそのようなものもありますが、日本ではまだまだこれからの分野といえますね。

5.新サービスはいろいろと新しいものが出ては消えていますので、
どれがいいかどうかはまだよくわからないですが、塾学校系はSC出店が増えてきましたし、
医療介護系なども今後もっと増えると思われます。

SCにとっては賃料負担力という意味ではあまり期待ができないですが、
一方で空室率は減らしていかないといけません。
SCのあり方も変化してゆくと思います。

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withコロナ時代、SCテナントは本気でOMOに挑戦しよう! 続編

先回、テナント専門店がOMOに本気で取り組む際に、
顧客属性毎のシナリオが大切であると書きました。
この顧客属性毎のシナリオは、業種・業態、扱い商品の違いはありますが
性別や年齢、住んでいる地域や所得、職業、
家族構成といった人口統計(デモクラフィック)的なプローチだけではなく、
感性・マインドといった属性に分けられるのがベストです。
実際の年齢ではく、マインド年齢が何歳で、カジュアル志向で赤が好きといった感じです。

インスタ、ツイッターといったSNSにアップされた情報から
自分たちに合ったクラスターを発見することができすし、
消費者のインサイトを知ることができる時代です。

それにより、感性・マインドといった属性分けが可能ですし、
そのクラスター毎のライフスタイル、ライフシーンを浮き彫りにすることができるので、
その後のシナリオ設計に有益となります。
ですから、ソーシャルプロファイリング調査からスタートすることをおすすめしています。

また、OMOにおける店舗の役割は、
現物確認、接客、アプリ登録、NPSの実施となっていくと書きましたが、
OMOへの取り組の有無に関わらず、
リアル店舗で重要なのは、コンバージョン(入店率、買上率)になります。

コロナ化においてのミステリーショーパーで浮き彫りになったのは、
お客様へのアプローチに対して、非常にナーバスになっている点でした。
お客様からの第一印象評価が下がるため、結果として入店率、買上率が下がってしまうという傾向です。

店頭スタッフの人数以上に接客はできませんし、
短時間で決定率をあげていくためにも、これまで以上に「セルフ対応」の売場にしていくことが求められます。

従来のPOPから、デジタルサイネージの活用、
QRを活用した商品説明動画、チャットボットを使ったチャット接客など様々は方法があります。

キャッシュレス、事前決済、取り置きも当たり前の時代になってきます。
ぜひ、今のお客様の購買心理に寄り添ったオペレーションに挑戦していきたいものです。

【前回のコラム】withコロナ時代、SCテナントは本気でOMOに挑戦しよう!

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ここ最近の開発動向

コロナの影響もありますが、都市部での開発が飽和に近づいてきてブレーキがかかっている反面、
山の中や地方都市などでの開発計画が各地で進んでいます。
大企業や地方有力企業の動きとして、最近感じているのは以下になります。

1.大型の道の駅が増加しています
日本に道の駅は1000件以上ありますが、大半は売上2~3億円と小さな規模のものが多いです。
ただ、最近では年商10億円を超える道の駅が各地で開発されつつあります。
交通量が多い場所や、人口密度の高いエリアでは道の駅としては大規模なものが可能になり、
新築や再開発が進んでいます。
産直売店では20億円を超える店も増えてきました。
また、道の駅としては10億円を超えれば業界では有名なものになるでしょう。
こういった大型産直・道の駅の新設・リニューアルのお手伝いを差し上げておりますと、
とりわけここ数年は運営参画に関心を持たれる企業様が増加する傾向にあります。

2.グランピング参入が急増しています
弊社でもグランピング参入セミナーを実施していますが、
様々な業種業態の方が関心を持たれています。
単にグランピングをするというだけでなく、
山の上や海沿いといったエリアを複合的に開発することに関心があります。
このテナントミックスの考えた方というのは、SCにおけるテナントミックス同様、
いかに商売として集客し儲けるようにするかという観点が必須なのですが、
なんとなくよその事例がこんな感じなので・・・という流れで、
「自分たちの施設開発はどうあるべきか」がまとまりきっていない中で手さぐり的に取り組まれている例も多いです。

3.第三者評価の相談が増えています
特に大手企業では企画スタッフが充実しているので、
企画立案と推進は自分たちの手でやりたい。
実務計画も運営パートナーを見出せば進められる。
しかし、はじめて手掛ける分野では事業計画に不安が残り、
マクロな視点から集客・収益面の妥当性を検証しながら計画を進めたい・・・ということから、
計画が7割がた整理出来たところで私共のような第三者の専門家に
検証および改善計画についての提案を依頼されることが増加しています。
セカンドオピニオンを依頼されるというのは以前からありますが、
とくにここ最近は慎重にことを進めたいという傾向にあります。

コロナで先行き不透明な中でも、仕事はどんどん前に進めていかねばならない、
でも新規分野には不安も残るという状況ではないかと思います。
リモート活用でこのような事案にも対応しやすいので、ぜひお気軽に私共にご相談くださればと思います。

withコロナ時代、SCテナントは本気でOMOに挑戦しよう!

テナント企業は、OMOに挑戦する際は、
従来の「店舗数×売上」という発想でなく、
「顧客属性毎のLTV(ライフタイムバリュー)×シェア」としていきましょう。

顧客属性毎のライフタイムバリューをアップするには
初回購入から10日目以内に2回目商品を購買してもらう必要があります。

つまり、顧客属性毎に、初回購入商品と2回目購入商品を決定し
生活スタイルの違いにあわせて、
MA(マーケティングオートメーション)をかけていくことなります。

ですから、顧客属性毎のライフスタイルの違いを理解し、
ジャーニマップを作成することがスタートになります。

例えば、家具の顧客属性は、
シングル、ディンクス、ファミリーといったセグメントとなり、
提案する商品、アプローチ、頻度を決定していくことになります。

この顧客属性は、理想は3~5、多くても10個までとすることが、
その後のPDCAを回していくのに適しています。

従来は、店舗のお客様をECへ誘導していましたが、
新規客をECで獲得し、店舗に誘導(EC完結もありますが)となります。

つまり、新規客獲得のためのセッション数が最も重要なKPIとなります。
セッション数は、SEO×(アフェリエイト+SNS)で決まりますので
商品(指名ワード)×人(第三者評価)がポイントになります。

そして、店舗の役割は、
現物確認、接客、アプリ登録(名簿取得、顧客属性)、NPSの実施となります。

これからの接客は(エンゲジメント)が重要で、
顧客属性毎に接客シナリオを変えていく必要があります。

また、顧客接点を最大化できるように、
個々の店頭スタッフが得意な顧客属性や商品カテゴリーで、
キュレーターとなって商品を紹介できるよう情報発信が求められます。

いずれにしても、
SCデベロッパーもOMOを可能とするサポート体制が急務なのではないでしょうか。

変化対応業

世間ではニューノーマル時代の到来、コロナ禍で〇〇は変わる!という話が数多いです。

しかし、コロナという大きなきっかけがあっただけで、
何の業界でもこれまでも時間をかけて変化し続けてきました。
商売とは変化対応業であり、時代の流れに取り残されないように
アンテナを張り続けることが大事なのは、コロナに関係なく昔から同じことです。

SCの役割、商業施設の役割というのも、おのずと変化せざるを得ません。

床を商業テナントに貸して儲けるというビジネス自体に大きな変化はなくとも、
その中身は見直さざるを得なくなっています。

たとえば、都市部では居酒屋等を複数導入した「飲食ビル」というのが多数ありますが、
コロナ影響で総合大型飲食店(もはや大型ではないとはいえ)は打撃をうけて苦戦しています。
一方で大衆居酒屋や横丁のような業態、個人でしっかりした料理を提供する店は堅調だったりします。
グループ対応から一人客~数名客主体に需要が変化しているということです。
とはいえ、固定客をしっかりつかんでいる店はさほど悪影響はなかったりします。

サービス業は新手のものがどんどん登場しています。
大都市部では矯正歯科や美容クリニックが増えています。

都市部ではスポーツクラブ人気でどんどん増えています。

地域によっては、すでに大学生アルバイトが余りだしています。
万年人手不足だった物販店にアルバイトが集まるようになっています。
外食中心に都市部のアルバイト雇用が減少しているからと思われます。

大都市の商業ビルでも秋以降空室率が増えてきました。
インバウンド減少、オフィス出社減少、都会へのお買い物減少の影響が
目に見える形で出てくるのは、むしろこれからです。

こういった時代の変化に対するキャッチアップは常に欠かせないものです。
変化する需要にどう対応するか、という視点はこれまでと変わりません。

何が変化したのか、それに対してどうするのか。このスタディは今後も継続的に続きます。

いまこそ、「いままでこうやってきたから」ということにとらわれず、
「変化への対応」を中心にすえた意思決定をおすすめしたいと思います。