SC経営のヒント143 :「永続する力を持つ経営」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.143━2008.3.27━
 船井総研コンサルタント 池田 有志 発行
 ★ショッピングセンター経営のヒント★
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┃【main contents】「永続する力を持つ経営」
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こんにちは。
船井総研、池田有志でございます。
今回、はじめて掲載させていただきます。
少しでも参考になりましたら幸いです。
今回は、永続する力を持つ経営と
いうことについて書かせていただきます。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
池田 有志
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■永続する力を持つ経営
現在、組織をまとめ、経営を続けるために欠かせないものとして
「先代の考えを引継ぎ・磨くこと」が必要だと感じています。
事実、経営を永続させるためには「創業時の考え方」は必要不可欠なものです。
では、一体どのように受け継いでいけば良いのか?
そのことについて最近の私の感じたことをふまえながら
お話させていただきたいと思います。
みなさんは調布にある「い志井」というもつ焼き屋をご存知でしょうか?
「い志井」の歴史は1950年にさかのぼります。
東京の中野で4席の立ち飲みやからスタートした「い志井」は、
今や全国に68店舗(直営:9店舗/のれん分け、FC、準FC:59店舗)を
持つ大きなグループ企業です。
つまり、「い志井」58年の歴史を持ち、なおも成長を続ける企業なのです。
では、なぜ「い志井」は変化の激しい外食産業の中でいまだに成長を続ける
ことが出来ているのでしょうか?
それには3つのポイントがあります。
一つ目は、変化を恐れていないこと。
変化を恐れないということは絶えず時流を見極め、時流に乗るということです。
移り変わりの激しい外食産業の中で変化を恐れないことはとても必要なことです。
「い志井」は女性をターゲットにしたショットバーから、焼き鳥や、
はたまたハヤシライス専門店までも展開しています。
つまり、時流によってターゲットを変え、売り方を変えているのです。
二つ目に、大事なものを変化させないこと。
一つ目のポイントにも書きましたが、変化を恐れないことはとても重要なことです。
しかし、継続する企業には「変えてはいけないもの」が存在するのです。
それは、何よりお客様のことを考える姿勢です。
どんな形態のお店にしようと、どんなメニューにしようと
「お客様を来店時よりも笑顔にして帰す。」
それが創業以来「い志井」が守り続けている姿勢です。
そして最後に三つ目、創業者の想いを受け継いでいること。
創業者の想いを受け継ぐこと。それがまさに「創業時の考え方」を
忘れずに、受け継ぎ、継承することです。
「い志井」はのれん分けという仕組みを取っています。
のれん分けとは「師匠が弟子に同じ屋号のお店を出すことを許可する」
昔から職人などの間で行われるしきたりのことを言います。
つまり、努力をして、創業者自らの想い(考え方)に共感した者に
のみ新しいお店を与えていくのです。
そのことにより、「い志井」は業態は違っても、創業者の想い(考え方)を
受け継いだ店舗のみを増やしていくことを可能としているのです。
現在はまさに、フランチャイズではなく、のれんチャイズなのではないかと感じます。
ただ店舗を増やし、小手先のノウハウを伝えるのではなく、
のれんを分ける意識を持ち、創業者の考え方を受け継ぎ、継承していく。
この考え方こそがこれからの店舗開発には必要なのではないかと感じます。
「フランチャイズから、のれんチャイズへ」
この意識を持ち続け、受け継いでいくことが出来れば、
きっと永続する企業になれるのだと感じます。
少しでも参考になりましたら幸いです。

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SC経営のヒント142:「ライフサイクルを見る」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.142 ━2008.3.13
 船井総研コンサルタント 山本 匡発行
 秘策伝授!!
 ★ショッピングセンター経営のヒント★
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【main contents】「ライフサイクルを見る」            
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こんにちは。
船井総研、山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
■「ライフサイクルを見る」
前回は「売上を予測する」ことの大切さをお伝えいたしましたが、店舗を視察調査する際にもう一つ重要なことは、その店やSCの出発から数年後、十数年後がどのように変遷していったのかを「ライフサイクル的」に把握することです。
たとえば、20年ほど前に私が駆け出しだった頃、大阪で天保山ハーバービレッジという、水族館を中核とした施設が出来上がりました。隣接して「マーケットプレイス」という素晴らしいSCができました。
このSCは米国の著名なプロデューサーの手がけたもので、当時の日本にはなかった斬新な発想が盛り込まれ、出店店舗も実に画期的なものばかりでした。こだわった動物の雑貨店や、ソフトシェルクラブの美味なレストラン、外光を上手に取り入れた店舗演出、開放感あふれるフードコートなど、従前の日本の観光地における商業施設とはまったく次元が異なるものでした。
しかし、その後20年近くを経る中で、同施設も次々変化してゆきます。具体的には、団体観光客の集客が一定数あるため、その需要に対応した低単価なレストランが主になってゆきます。高単価で雰囲気のいいレストランは次々と撤退してゆきました。物販も、こだわったセンスのいい店が次々となくなり、いわゆる観光地にあるような中高校生対象の低単価品が主になってゆきます。物販は本来的に困難な立地なのですが、20年間継続している店もあるものの、大半が入れ替わることとなっています。もちろん、その後フードテーマパークを導入するなど復活にむけた取り組みもなされています。
この20年、折に触れ変化を見続けつつ、商業施設を「理想論的に優れた施設を開発する」ことと「現実の時流や市場に対応して生き残る」ことのギャップを痛感し続けた事例でもあります。
これは顕著な例ですが、お伝えしたいことは「商業施設は変化する生き物」であるということです。
ある時点を見ただけでは、その商業施設の本質は理解できないです。特に、個性・特徴のあるものほど、刻々とその姿が変化してゆきます。
自ら手がけた事例も同様で、10年以上前に手がけた施設もどんどん様変わりしている姿を見つつ、リニューアルを手がける際にはその時代その場所においての最適解を見出すようにつとめています。我々の周囲には、時流、競合環境、消費者の変化、常に様々な変化があります。
一つの商業施設も、開業当初、数年後、リニューアル、さらにリニューアルと変化してゆきます。視察においても、そういった「変化」をみてゆくことが大切であり、定点観測的な発想も必要になります。
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大反響だった小冊子、「店舗開発読本」の続編希望のお声を頂戴しましたので、
「店舗開発読本2」を新たに作成いたしました。現在、大きく外部環境が
変わる中で、店舗開発を取巻く状況も日々刻々と変化をしています。
「店舗開発読本2」により、更なる知識を深めて頂き、皆様の店舗開発のお役に
立てれば幸いです。※特に社長・役員・店舗開発担当者様より大反響を
頂いております。
もちろんの事ながら、船井総研が誇る「店舗開発のスペシャリスト」、
ショッピングセンター支援チームリーダー山本 匡が直接監修です。
【目次】
1.都市計画法の改正、出店環境はどう変化する
2.聖域をつくる開発担当者の思考
3.悪魔のささやき
■お申込み方法■
info-sc@funaisoken.co.jpまで直接メールをご送信下さい。
件名に「店舗開発読本2プレゼント」と明記し、お名前、会社名、部署名、
会社ご住所、電話番号を記入の上、ご送信下さい。
送信頂く際にご相談などがありましたら、お聞かせ頂ければと思います。
なお、「店舗開発読本1」もほんのわずかながら残りがありますので、
ご希望の方はお申し出下さい。
※申し訳ありませんが今回は、申し込み先着順で20名の方とさせていただきます。
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* 経営コンサルタント
* 発行人:株式会社船井総合研究所 山本 匡
* ホームページ:http://funai-sc.com/
* E-MAIL:< info-sc@funaisoken.co.jp >

SC経営のヒント141:「時代を掴むヒント3」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.141━2008.3.6━
 船井総研コンサルタント丹羽英之発行
 秘策伝授!!
 ★ショッピングセンター経営のヒント★
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┃【main contents】「時代を掴むヒント3」
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こんにちは。
船井総研、丹羽英之でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、前回に続き時代を掴むヒントの
第3段をお伝えします。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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■時流を掴むヒント3
オーベルジュって知ってますか?
オーナーシェフが新鮮な素材を求めて、産地で開く宿泊付のレストランのことです。日本のオーベルジュは25年前に斉藤シェフが箱根に開いたオーミラドーが有名ですが、今、日本のオーベルジュで最も人気があるのは実は北海道の真狩村にある「マーカリーナ」なのです。 →http://www.maccarina.co.jp/
2008年2月のある日曜日の午後13時半に予約を入れる。留寿都にはタクシー会社はなく、マッカリーナのある真狩村からタクシーを呼ぶことになる。ルスツリゾートからはタクシーで約30分。(料金3,800円:ちなみに冬季は2割増しとなるため、夏季であれば3,000円前後)公共交通機関はなく、最も近いのは倶知安駅でそれでもタクシーで40分はかかるとのこと。タクシーの運転手はマッカリーナのことをマッカリーナさんと呼ぶ。
マッカリーナのある真狩村は蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山のふもとにあり、水が美味しく、ホワイトアスパラや百合根の産地として有名な人口2,500人の村である。留寿都、ニセコ、洞爺湖の三方に囲まれた自然豊かな村で、リゾートとして知られるルスツリゾート、ニセコアンヌ、ウインザーホテルからのお客様も数多くいるという。
タクシーの運転手さんから聞いて一番驚いたのは、この日本で一番有名なオーベルジュが第3セクター事業ということだ。タクシーから降りて、向かって左は竹下登首相のふるさと創生でつくった「まっかり温泉」があり、そこから雪道を下ったところに2つの簡素なログハウス風の建物に辿りつく。
これが「マッカリーナ」のレストランと宿泊棟だ。
レストラン棟に入ると暖炉のあるウェイテイングルームが、そこからガラス張りの厨房が見える。客席の四方も全てガラス張りで自然に溶け込んだ開放感のある設計となっている。ランチの料金は3千円、5千円、7千円。昼はお子様連れでもOK(ちなみに夜は小学生以上)で、テーブルは4人掛けが10卓、8人掛けが3卓とフレンチというよりはファミレス感覚。それでいて、サービスと料理は超一流。肩肘はらない、それでいて良く目の届いたサービスは本当に心地よく、料理に関しては最初の一皿でノックアウト状態。味もさることながら、その盛り合わせのセンスに脱帽。とにかく、こんなに居心地の良いレストランは初めて。そこかしこで、お客様の感嘆、感動の声が聞こえ、それも見ていて非常に心地良い。
会計の後、タクシーを待つ間に支配人と話をする。冬季は木~日曜日の営業で、お休みの日は何を?という質問に対して、「地元の小学生や主婦を集めて料理教室をしてるんです。」との一言。また、「この村の中学生はここでテーブルマナーを覚えて卒業するので、フォークとナイフが使えるんですよ。」とのこと。地域に根を下ろしているマッカリーナの本当がここにある。
POINT:強い志が多くの共感を呼び、賛同者の応援があって物語が作られ、それが伝説となる。
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* 発行人:株式会社船井総合研究所 丹羽 英之
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