【SC経営のヒント368】:『中国・上海での流通・商業施設実態調査』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.368 ━ 2014.01.30
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:中国・上海での流通・商業施設実態調査』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『中国・上海での流通・商業施設実態調査』
上海では、経済成長とともに大型商業施設開発も急増しています。
それも市街地に大規模な再開発が行われ、オフィスやレジデンスな
どとの複合型のものが主体です。
上海での不動産事業はレジデンスの収益性が一番高いのですが、
商業施設は税率が高いとのことで、政府も許認可にあたって商業施
設開発を奨励しているという事情もあります。
ローカルのチェーンストアもかなり多店舗展開しており、欧米系
スーパーストアやグローバルSPAや日系・香港系・シンガポール
チェーンストアも次々進出しています。
しかし、ここ数年は急速すぎる市街地再開発が続いて商業床も供給
過剰気味になっており、新築でも開業当初から業績不振、というSC
事例も増加してきました。急速に成熟局面に突入してきたと感じて
います。
日系のチェーン専門店でも、かたや新規参入の一方で撤退する企業
も現れており、あるチェーンは数店舗出店して絶好調なのに、ある
チェーンは進出して5年以上たつのに、どうにもうまくいかない
・・・・という状況です。
筆者が感じるのは、日本のチェーン店がアジア諸国に進出した際に
は、日本と同じポジショニングでは商売ができないということを理
解のうえで取り組むことが大切と思います。
たとえば、日本の100円ショップは、現地では「ちょっとグレードの
高い雑貨店」になります。
セルフうどん専門店は「カップルにデートで利用されるおしゃれ外
食店」だったりします。
このように、「日本とは異なったキャラ」で成功している店もあり
ますが、不振になっているところは「現地キャラ」を確立できてい
ないともいえます。
交通アクセスも大きく異なります。日本や欧米と異なり、一般大衆
が自家用車をほとんど利用できない状況なので、集客の足はもっぱ
ら地下鉄とバス利用になります。ゆえに駅前の大型商業施設が有利
で、ロードサイドというものがありません。なので外食店舗は駅前
の商業施設にこぞって参入しています。
SCの核になっているのはファッションと外食です。日本ほど食品が
強くなく、一方でレストランが大盛況です。大家族やグループユー
スが多く、店舗面積も1000~2000平米といった大型店のほうが有利
な状況です。日本はだいたい70席くらいが商業施設内レストランの
平均値ですので、ずいぶんと大箱が多いというのが現況です。
チェーン店の価格も、もはや日本並みの価格で、アジアの大都市は
みな同じような感覚に近づきつつあります。
こういった状況で進出企業が困っているのは「データの不足」です。
各種統計や報道機関の公表数値はあることはあるのですが、その信
憑性については何ともいえません。また日本のような業界団体も少
なく、そういった団体が発表する資料もないというのが現状です。
現在、弊社の上海現地法人では、上海市内の主要商業施設や大手
チェーン店とのお付き合いを通じて「正確な実態」の把握につとめ
る一方で、現地で調査隊を組織して「実態調査」に取り組んでいま
す。
上半期中には日本からの進出チェーン様や中国のチェーンストア様
向けに会員制で情報提供サークルをつくることも計画しています。
中国ほか、アジア諸国への進出を検討されている皆様は、どうぞお
気軽にお問い合わせください。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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発行人:山本 匡(やまもとただし)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
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