【SC経営のヒント385】:『ひとつの店』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.385 ━ 2014.07.31
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ひとつの店』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『ひとつの店』
SCと百貨店の違いはなんですか?と問われることがあります。
もちろん、さまざまな違いはあるのですが、私はこのように答えて
います。
SCのスタッフに他のテナントのことをたずねても「わかりません」
としか返事が返ってこないが、百貨店のスタッフに他の売り場のこ
とをたずねたら、ちゃんと説明してもらえる。
百貨店では、消化であれテナントであれ、百貨店全体でひとつの店
という意識があり、スタッフにもそのことを伝えて「他の売り場の
ことも知ろう」という意識があります。
ですが、SCではまだまだ、各店が自分の店のことしか知らないのが
現状といえます。
これはたとえば、一社で複合の業態をやっているような場合にも同
様です。
たとえばひとつの店で飲食と物販をやっているような場合です。飲
食は飲食で、物販は物販で一体化することは大切ではあるものの、
他の売り場と対立するようになってしまってはいけません。
俺たちはこんなに大変なのに、あいつらは楽しやがって・・・・こ
ういう、部門間対立を耳にされたことはよくあるでしょう。そんな
「感情的ロス」は、これからの店舗運営にとっては重大な弱点に
なってゆきます。
仕事は、何をやったところで大変なことに変わりはありません。時
間的精神的肉体的プレッシャーというのは、いかなる業種において
もあるものです。自分の成長のために辛い状況を打破しようと誰も
が前向きに考えるのですが、その一方で「隣の芝生が青く見える」
こともあるわけです。
複合店舗の店長は、たとえ短時間でもローテーションして別の部門
の仕事を手伝わせるべきだと思います。
SCにおいては、業種別会合や懇親会を通じて他のテナントスタッフ
との交流をはかれるようにすべきと思います。
チェーン店が増えて地元店が減った結果、単身赴任でやってくる店
長も多いです。
チェーン内での人的交流も薄ければ、館のなかでの人的交流も薄
い。たまにやってくるマネージャーは好き勝手言って帰っていくだ
け、SCでの会議では伝達事項を聞かされるだけ・・・こんな毎日で
は、寂しくなりやる気が出ません。
人の「やる気」は人間関係からです。人間関係が良好ならやる気は
出ます。
競合他店と商品の差別化も立地の差別化もなくなってきて、店舗ビ
ジネスが取り組まねばならないのは「人材での差別化」です。とく
に外食産業などではこれが決定的な差を生みます。
人のやる気を出すには、交流し一体化すること。
SCの運営管理でも、こういうことを重視してゆく時代になったとい
えます。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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発行人:山本 匡(やまもとただし)
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