【SC経営のヒント386】:『アベノミクスによる規制緩和と、その実態~個人対個人の宿泊仲介ビジネス~』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.386 ━ 2014.08.07
 船井総研 コンサルタント 山本 真輝 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:アベノミクスによる規制緩和と、その実態
 ~個人対個人の宿泊仲介ビジネス~』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『アベノミクスによる規制緩和と、
 その実態~個人対個人の宿泊仲介ビジネス~』
前回(6/19)の記事で、アベノミクスにおける宿泊業界への規制緩
和について記載しましたが、今回は、その続きとして、実際に始
まっている具体的なビジネスについてご紹介したいと思います。
「Airbnb」(エアビーアンドビー)というサービスをご存知でしょ
うか?
この会社は、2008年にカリフォルニアで創業され、旅行者と、その
旅行先に家を持ち居住している人のマッチングサイト、いわゆる
「宿泊仲介サイト」を運営している会社です。
旅行者(ゲスト)は、訪問する都市と、滞在日(チェックイン日と
チェックアウト日)を入力すると、宿泊可能な部屋がリストアップ
されます。部屋は、貸切・個室・シェアルームの3タイプから検索
でき、さらに価格帯にてフィルターをかけることができます。
気に入った部屋へのゲストから予約リクエストが承認されると、登
録した支払情報に基づき、料金が一旦、Airbnbにて引き落とされ、
部屋の提供者(ホスト)にはチェックインの24時間後にAirbnbより
料金が支払われます。
Airbnbはゲストとホストの決済の間に入ることで、ゲストから6~
12%(部屋料金に上乗せ)、ホストから3%(部屋料金から天引き)
の手数料をそれぞれ受け取っています。
ビジネスモデル自体は、従来型のオンライン宿泊予約サイトを殆ど
変わっておらず、革新性は低めですが、部屋の提供者を、事業者
(=ホテル)ではなく、個人としたところに新規性を見出すことが
できます。
今までも個人所有のコンドミニアムを事業者が借り上げ、もしくは
ホテル営業を受託して、その部屋を、事業者が直接、もしくは宿泊
予約サイトなどの販売代理店を通して、旅行者に販売することは一
般的に行われてきましたが、間に事業者が入らないという点が新し
いといえます。
間に事業者が入らないことで、損益分岐が低く、類似した立地の部
屋でもホテルより安価に設定されていることが最大の強みです。
(かつ、そこそこ部屋のセンスが良い。)
すでに190の国、34,000以上の都市にて、宿泊できる部屋が登録さ
れ、1,700万人以上が、ゲストとして当サービスを利用したことが
あるそうです。(公式サイトより)
事業規模では、たとえば宿泊予約サイト大手のじゃらん.net

における2013年7月~2014年6月の12ヶ月間の実績が7,350延泊であ
ることを踏まえると、まだまだこれからという段階と思っていただ
ければと思います。
さてそんなAirbnbですが、日本での展開がどうなっているか、です
が・・・たとえば渋谷区だけで171件の部屋が登録されています。
あくまでホテルの軒数ではなく、部屋数ですので、だいたいビジネ
スホテル1軒分くらいの供給です。
前回の記事でアベノミクスでの規制緩和した「旅館業法」との兼ね
合いでいうと、旅館業法自体は、「宿泊料を受領して、人を宿泊さ
せる営業」をホテル・旅館として定義しているため、Airbnbにて登
録された部屋については、本来はホテル・旅館として規制の対象と
なりますが、今のところ、部屋を提供している個人が、あくまで
「一時的」に貸しているだけであり、「継続的」に貸しているわけ
ではないという見解のもと、「寛大」な対応をしているというのが
実状のようです。
国内では規制緩和の壁がありますが、事業者が提供していたサービ
スのサプライヤーを個人に切り替えることで、圧倒的に価格競争力
を持たせるというのは、面白い試みだと思います。
折りしも7/29に総務省から発表された住宅・土地統計調査結果
(速報)によると、全国の空き家率が13.5%と前回調査時より0.4ポ
イント増加し、過去最高を記録したことが発表されました。
人口の高齢化を踏まえると、今後の空き家率の上昇が確実視される
なか、新たなビジネスの可能性があるかもしれません。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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発行人:山本 真輝(やまもと まさき)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
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