【SC経営のヒント393】:『地元主導SCのこれから』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.393 ━ 2014.10.09
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:地元主導SCのこれから』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『地元主導SCのこれから』
私どもでは、過去に地元主導SCの活性化やリニューアルを多数お手
伝いさせていただきました。
それらのなかには、床を第三者に売却して事業をEXITしたところや、
一定期間事業をやりきってから物件を売却し、PMも第三者に任せて
事業終了したSCもあります。
しかし一方で、今でも元気に頑張っているSCもあります。
大店法時代にこのようなSCは多数できたのですが、今では地元主導
SCとして元気に残れているほうが少数派になっている感があります。
この10年の間に、大手資本の開発するSCが競合店としてやってきて、
業績に影響をうけたり、将来のビジョンを描きにくくなっているSC
もあると感じています。
このような地元主導SCのリニューアルの方向性として、これが10年
以上前のことであれば、ナショナルチェーンを積極的に誘致すると
いうのが王道でした。
しかし、今の時代、競合する大手資本のSCにはナショナルチェーン
がずらりと並んでいます。
さらには、こちらも弱っているが競合店も決して成功していない、
というケースも多々みうけます。
ナショナルチェーンも10年前と比較して、業績不振で事業縮小して
いる会社も多数あります。どのような事業にもライフサイクルがあ
り、永遠に同じ方法論で繁栄できるわけではありません。
こういった環境下で、地元主導SCのリニューアルにおいてなすべき
ことは、再度地元資本の若い経営者の店を誘致することではないで
しょうか。
そのようなお話をいたしますと、
「なかなかいい人がいない」
「そういった人たちとの接点がない」
「自分たちの事業に理解を示してくれない」
といったお返事が返ってくることが多いです。
いろいろな理由を聞かされますが、ようするに、SCに慣れていなく
てヤンチャな人たちが多いから、デベロッパーとして御するのが面
倒だから入れたくない、というのが本音でしょう。
地元主導SCが出来上がって15-20年経て、SCも地域ブランドと化し
て、幹部も地域経済人としての常識を身につけてきたから、そのよ
うに感じられるのでしょう。しかし、そのSCを設立する前には、そ
の幹部の方々も同じような立場にいたのではないでしょうか。
当時、原動力となった中核メンバーは、常識がなくヤンチャな人た
ちの集まりだったからこそ、大手資本を巻き込んでSCをつくろうな
どという無茶なチャレンジが出来たのではないでしょうか。
しかし時間を経て、自分たちがいろいろわかってくると、いまさら
分かっていない若い人を巻き込むのは精神的に骨が折れる・・・・
私にはこのように聞こえてなりません。
地元主導SCが再活性化するには、再度地元資本の常識のないヤン
チャな、それでいて商売には熱心で成長意欲のある若手経営者を仲
間に引き入れる、これしか大手資本のSCに対抗する方法論はないと
思えます。
そして、かつて自分たちがヤンチャだったのを誰かに教えてもらっ
たように、今度は自分たちが彼らに教えてあげる番になったと知る
べきではないでしょうか。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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発行人:山本 匡(やまもとただし)
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