SC経営のヒント116:今こそ立地で差別化を図ろう! Vol.2

ご挨拶
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こんにちは。船井総研の丹羽です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
最近、ショッピングセンターだけでなく、ホテル・旅館の開発、
デューデリジェンス業務が増えています。時流が物販からサービスに
移行していく中で、基本的な原理・原則は変わらないと実感することが
多い今日この頃です。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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■今こそ立地で差別化を図ろう! Vol.2
前回、流通小売業における立地の重要性についてお伝えしました。
その中で、ウェブ上での立地戦略について、物販では「楽天ショップ」と
「ヤフーショップ」で2倍の開きがあり、ウェブ上でもどこに出店するかが
大切であるかをお伝えしました。物販と同様にホテル・旅館業界においても、
「楽天トラベル」と「じゃらん」といったネットエージェントの効果活用が
非常に重要となってきていますが、ここでも「楽天トラベル」が一番立地と
なっています。これまでJTBや日本旅行といった旅行代理店からの送客に
頼っていたホテル・旅館が自社サイトを構築し、ネットエージェントに
登録することで、広く一般ユーザーに対して自施設を売り込むことが主流に
なりつつあります。
ホテル・旅館業における業績アップのポイントは物販と同様に
「ピークアップ法」が基本となります。このピークアップ法とは、
顧客ニーズの高い月や週や曜日にどれだけ高い稼働率をとるかと
いうことです。売れる部屋数には限界があるわけですから、いかに
チャンスロスをなくして、且つ高い価格で販売できるかがポイントと
なります。確かに、旅行代理店に比べてネットエージェントのほうが
費用負担(送客手数料)が安いとはいえ、ピークのときほど自社サイトで
直接予約していただくことがベストといえます。つまり、ピーク時での
ネットエージェントはあくでも自社サイトへの誘導(広告)と捉え、
客室稼動の低いときは、ブロック(エージェントに約束している部屋)を
増やし、広く一般ユーザーに向けて告知して、チャンスロスをさせない
客室コントロールがポイントとなります。
よくある誤解として、「ネットでは料金を安く提供しなければいけない」
という思い込みが強くありますが、「楽天トラベル」や「じゃらん」に
掲載する場合、基本料金を変える必要はありません。基本料金はそのままで
客室稼動の指数に応じて割引パックや限定メニューなどの魅力ある
プラン作成が重要となります。
物販サイトでは商品アイテム数が大きな差別化となるように、ホテルと
旅館でも魅力あるプラン数が差別化になるようです。また、顧客心理を
理解した「8,000円の出張パック(500円の商品券付)」といった
プランも望まれます。会社での旅費規程(ホテル・旅館での宿泊料金の
上限)に合わせて、基本料金はそのままに、特典サービスを付加すると
いった内容です。(出張族は直接的な値引きよりも、ポイントや
キャッシュバックも含めて、自分に直接還元される特典・サービスを
期待しています)
物販、サービスに限らず、有店舗だけの動きを見ていては時流に
取り残されてしまいます。ウェブに参入する、しないに関わらず、
その動向には注目しておくことだけは必要といえるでしょう。