【SC経営のヒント117】:オープンモールSC

ご挨拶
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。船井総研の山本です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
本日はオープンモールSCについて、自分なりに気づいた点などを
お話ししていきたいと思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■オープンモールSC
最近、立て続けにオープンモールSCを視察する機会がありました。
いずれも、規模的にはNSC~CSC程度の規模となり、
小型~中型SCといえる規模のものです。
それぞれ、テナント構成やコンセプトは工夫をこらし、
MD構成としてはよく出来ていると思えるのですが、
いかんせんこのオープンモールという店舗形態がいいのかどうか、
いろいろと疑問が残りました。
オープンモールSCのメリットは、共用通路が屋外となっていることで、
空調費などのランニングコストが下がること、
それがコストダウンにつながるということにあります。
また、運営上は営業時間の対応が容易で、また意匠面でも
ユニークなものがつくりやすく、各専門店の顔作りもしやすい
というメリットもあります。
一方で、デメリットとしては、雨風や気温の高低に左右されやすく、
春秋の天候のいいとき以外は全体回遊性が落ちること、
各店舗それぞれの入り口を持つことで入店率が下がること、
外装のサッシュ面積が多く初期投資増につながること、などがあります。
アメリカの西海岸などでは、気候もよく雨もあまり降らないこともあって
オープンモールSCが多数見受けられます。
ライフスタイルセンターや、ユニバーサルシティウォークなどの個性的な
商業施設も多く、非常に魅力的に見えます。
ただ、四季折々の気候の変化や雨の多い日本の風土においては、
デメリットも大きいといえます。
ロードサイドで普通に営業できている店なら可能でしょうが、
モールのインテナントに慣れている店だと、オープンモールSCに
出店するのはやや無理があります。
多少賃料や経費が高くなっても、クローズドモールのほうが回遊性や
入店率が上がり、売上も上がると考えられます。
もっとも、屋根下に入ってさえいればよいかというと、一概にそうではなく、
魅力の乏しい専門店の集まりでは何にもなりません。
ちゃんとした中身があってこそ、店舗形態の良否が問われるものになるといえますね。