ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
この1週間、急に秋の気温になりました。
皆様は体調を崩されていないでしょうか。
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■商業ビルの基本を知ろう
商業ビルをつくるのにも、「基本」というものがあります。これは、
デベロッパーにとっても、そこに出店するテナントにとっても、非常に
重要なことです。
残念ながら設計事務所にはこのノウハウがなく、大手の商業デベロッパーでは
ノウハウを蓄積した担当者が設計変更を依頼して何度も吟味した結果が
形になっています。
この基本は多岐にわたりますが、最近良く見かける事例をもとに
考えてみましょう。
以下が「基本」の一部です
□商業ビルのフロア床面積は上下階同じとする
□本館別館など2棟以上に分かれる場合は、大きな棟がより有利になる
□フロアに1ヶ所しかエスカレーターがない場合は、エスカレーターを
出たところから見て大きなほうのゾーンがより有利になる
□オープンモールは回遊性が低下する
1Fは大きく、上層階は床面積が小さい商業ビルというのが数多くあります。
これはいけません。上層階の回遊性が低下します。
郊外型ですと、駐車場をとったために2階の床面積が1階に比べて非常に小さく
なっている場合を見かけます。しかし、こうすると2階の店舗への回遊性が
確保しにくくなります。
都市型のビルですと、ビルの構造上や、斜線制限などで上層階床面積が
どんどん小さくなっていく場合が多いのですが、これも同様で、ただでさえ
上層階の回遊は厳しくなるのに、なおのこと人が上がりにくくなります。
商業ビルは、上下階でフロア面積を変えてはいけません。同じ面積で上から
下まで通っていることが大切です。小さくなっている床に出店した場合、
期待値を下回る集客になることが多く、そういうビルに出店するなら最も
床面積の大きなフロアが最も有利になります。
何故そうなるかといいますと、これは別棟をつくったときの状況と同じと
いえます。2棟以上の建物が開発される場合は、最も大きな棟が有利になり、
それ以外は不利というのが通常です。
同一フロアでもエスカレーター位置が中央ではなく端についていることが
多いですが、エスカレーターを出た位置から見て大きなほうのゾーンに
回遊しやすくなります。
どうも人間は、より大きな空間のほうが自分の期待を満たすと感じて
行動するようです。科学的な根拠は分かりませんが、これまで多数の店舗を
見てきた結論がこれです。
古いビルで制約が大きい場合などは、別の知恵工夫でなんとかせざるを
えないのですが、新築の案件でこのような事例を見ると、基本を知ることの
重要さを感じずにいられません。