━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.146━2008.4.24
船井総研コンサルタント 山本 匡発行
秘策伝授!!
★ショッピングセンター経営のヒント★
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【main contents】「大家さん、地主さんあっての出店」
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こんにちは。
船井総研、山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
■大家さん、地主さんあっての出店
SCの開発やリニューアルをお手伝いするときは、数多くのテナントさんと面談させていただきますが、
テナント企業とデベロッパーとの関係性の持ち方という点では、各社各様であるといえます。
地元店に多いパターンは、
・デベロッパーに友好的なオーナー(もちろん、その見返りも期待している)
・デベロッパーにつかず離れず、、周囲の様子見のオーナー
・徹底してデベロッパーに反抗的なオーナー(だからといって出てゆくわけではない)
リージョナルチェーンに多いパターンは
・デベロッパーに協力的で、かつ全体を牽引する実力を持つオーナー
・デベロッパーに言うことをいい、あつかましいが、商売は熱心なオーナー
ナショナルチェーンに多いパターンは、
・デベロッパーは関係なしに、独立独歩の姿勢の企業
・担当者が本部の方ばかり向いていて、デベロッパーに好き勝手言うだけの企業が多いと感じています。
ナショナルチェーンの場合は、おおむねデベロッパーの考え方に関係なく自分たちの努力で
売上を上げようと考える傾向が強いです。
その結果唯我独尊的な主張が出てくることも多いです。
リージョナルチェーンの場合はオーナー自らがデベロッパーとコミュニケーションすることが多く、
デベロッパーに積極的に協力して、デベロッパーにも気に入られて成長のチャンスをつかもうとされる方が多いといえます。
地元店の場合は、業績が好調だと友好的で、業績が悪化すると敵対的になるという明確な傾向があります。
業績のよいSCは皆が仲良く、業績の悪いSCほどデベロッパーを敵視して、対立する傾向が強まります。
これは、いいかえればデベロッパーに対する依存心が強いといえます。
この傾向は、生業家業からスタートして、中小企業になり、チェーン化して、
大チェーンになってゆくという過程そのものだといえます。
リージョナルチェーンになるようなオーナーは、デベロッパーと友好的な関係を築き、
デベロッパーの方向性にうまく乗っかって成功をつかみます。
さらにナショナルチェーンになったら、自社の方針のほうを大事にしてやってゆきます。
各々の段階でその上手下手は出るものの、店舗数を拡大してゆくチェーンは、目先のことのみを見ておらず、
長期的な繁栄のために目先の関係性をどのようにするかを考えているといえます。
同様のことは出退店にもいえます。
長期的繁栄を考える会社ほど、慎重に慎重に検討して出店して、それが失敗しても一定期間は店をたたまず、
土地オーナーに義理を果たします。
一方で、目先的目標にまい進する会社ほど、手当たり次第に出店して、失敗したとなったらすぐ閉店します。
しかし、それがあだとなり、土地や建物を貸す側からすると「あの会社は信用できない」となって、
優良物件をライバルにとられてしまうのです。
新聞には様々なチェーンが「大量閉店」などという記事が出ていてショッキングではありますが、
義理堅いチェーンがやむなく閉店せざるをえないという決断をするこということと、
毎年山のように店を閉めている会社がそのようにアナウンスすることの意味合いも違ってきます。
出店するということは、大家さん・地主さんなしには成り立たないことです。その意味をよく考え、
大家の足元をみて自らの都合だけを押し付けるという交渉や、
具合が悪いからとすぐに閉店をするということが、あとあとどのように影響するのか、
熟慮の上での出店意思決定が大切といえます。
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