【SC経営のヒント575】古い要素を見直す機会

4月に入ってから小売・外食の業績が一段と悪化しています。
また、非常事態宣言もあり都市部の大型店は店舗閉鎖になり、営業自粛している店も増加しました。
宿泊業へのダメージはかなり深刻です。
伝染病からはじまり、経済恐慌へと突入しているのが現在の状況です。

一方で、このような状況下でも業績が伸びているものとしては、食品物販・通信販売・弁当・ケータリングなどがあります。
もちろんこれらは一時的な傾向とみることもできますが、どうも今回のコロナ騒動は「オールドビジネス」と「ニュービジネス」を分断する大きなきっかけになりそうに思えてなりません。

あらゆるビジネスセクターには「古い昔からの伝統的なやり方」と「新しいやり方」が共存しています。もちろんそれは双方ともに価値があるから共存しているわけですが、それが今回の騒動で「時流の進むスピード」に拍車がかかったように感じられます。

たとえばですが、小売店ではメーカーさん問屋さんとの商談はこの先もリモートで可能なのではないでしょうか。あらかじめサンプルを送付するなり、商品画像を複数枚画面に写してプレゼンするなりしながらリモートミーティングで商談が可能になります。車やハンドキャリーで商品を運んでは本社を訪問して・・・を繰り返していましたが、リモート化することで問屋さんの時間的負担は大幅に減ります。

相変わらず遠隔地に大人数でわざわざ訪問する「儀式」を要求する組織もあります。
しかしそれも受託者にとっては工数費用に含まれて計算されていること。
それはお互いにとって無駄なことではないでしょうか。

一方でリモート会議に対応するオフィススペースが絶対的に足りていないところが多いと思います。コロナ終息後はブースを多数設けて個々人がリモート会議する環境をオフィス内にととのえる必要が出てくるでしょう。
いきなりすべてがリモートワークでは、社員同士のコミュニケーションがとれませんし、マネジメントもやりづらいという職場が大多数でしょう。

今回の経済変動は、自社の中にひそむ古い要素、それをあぶりだして習慣を変革する大きな機会が訪れているように感じます。