商業施設にとって、コロナで大きく変化することになったことは「商圏の縮小」です。
大都市は観光客や通勤客・買い物客などの流入人口が減少しました。
郊外では大都市への流出が減少した分、
近隣の商業施設や通販に需要が流れることになりました。
多くのSCではアパレル・外食を中心にテナントの撤退が相次ぎ、
新たな店舗を導入しようにも苦労されている局面かと思います。
こういう環境下で、業績を下支えしているのは「生活型業態」です。
スーパー、ホームセンター、ドラッグストア、実用衣料、家電などは好調店舗が多く、
一方で苦戦しているのは外食と高付加価値系のアパレル・雑貨などとなります。
SCにとっては、この「小商圏化時代」を乗り切るために、
生活型・低単価業態を充実させる必要があります。
具体的には「食品専門店の導入」「SC定番となりつつある低単価スーパーストア導入」
「生活サービス系業態導入」などが必要になってきます。
これまで好景気の間は、より高感度・高付加価値な業態を導入しようという流れでしたが、
今年からその路線は見直さざるを得なくなっています。
賃料水準は下がらざるをえないものの、空き床を減らし集客力を高めることのほうが優先されます。
足元の状況はあと数か月や半年では解消しようがないため、
全体として「小商圏」「生活型」「低単価」の有力店舗を導入することを
急ぐ時期に来ていると思います。
すでに可能なことに取り組んでいるSCは増えてきていますが、
ぐずぐずしているとライバルSCに有力店を奪われる状況になりつつあると考えるほうがよいでしょう。
また、イベント販促も近隣商圏強化を主体として
「低予算」「高頻度」で実施してゆく方向での方針転換が同時に必要となります。