パート社員で見える自店の方向性

ショッピングセンター経営のヒント77:
パート社員で見える自店の方向性

私は長年様々なショッピングセンターのご支援をしております。そのなかで
多くのパート・社員のグループインタビューを実施したなかで、見えたもの
があります。それは・・・

思った以上に自店の利用率が低い。

ということです。自店の利用率の高いパート・社員の特徴は

1.社歴が長い
2.年齢が高い

のどちらかです。

この社歴が長く、年齢の高い方の多くは人間的にも幅があり、持ちつ持たれ
つ(共存共栄)の協調主義であるのに対し、社歴が浅く、年齢の若い方の多
くは明確にお店を使い分ける自由主義なのです。

パート社員でもそうであるのだから、お客様のその使い分けは更に顕著であ
るはずです。明確にお店を使い分けるこの世代に提供していく、商品力と売
場のためにも1年に1度のソフトリニューアルが望まれます。

■ポイント■
1年に2割づつ革新し、5年で一新しよう

●今後のあるべき姿の方向性とは

小売業における差別化要素は

1.価格制
2.利便性
3.希少性
4.独自性

の4つがありますが、専門店は基本的には商品の希少性または独自性のいず
れかで自店の存在意義を確立することが良いのではないでしょうか。また、
この4つのいずれかを選択するのはオーナーのポリシー(店舗コンセプト)
に因ります。

ポリシー(店舗コンセプト)があると、お客様に安心感を与えることが可能
であり、このポリシー(店舗コンセプト)に共感・共鳴したお客様だけが自
店のロイヤルカスタマー(上得意客)になりえるのです。

伸びている専門店に共通するルール
1.共感・共鳴できるコンセプトがある。
2.オリジナルのサービス機能を付加している。
3.顧客を創造できる商品力がある。
4.従業員満足と顧客満足が一体化している。

自店はいかがでしょうか。
「オーナー以上にお店のことを考えている従業員はいない」のです。
もう一度考えてみましょう!

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船井総合研究所 第五経営支援部
丹羽英之

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「時代を創るメッセージストアを目指す〜モデル事例その1〜」

ショッピングセンター経営のヒント75:
時代を創るメッセージストアを目指す〜モデル事例その1〜

今回より、「時代を創るメッセージストアを目指す」をテーマに、内容を数回に
わけ、モデル事例を示しながらお伝えしようと思います。

まずは、「どうすればメッセージストアになれるのか?」ということですが、私
が考えるに、それには4つの要素が必要となってきます。

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1.お客様を感動、興奮させるメッセージがお店にある!

2.そして、メッセージを現場で浸透させる仕組みがある!

3.3年後のビジョン従業員に伝えている

4.原点回帰で儲けを出すしくみがある

******************************************************

そしてこの要素を持った企業を見ていると、どうやら5種類のモデルへと分かれ
ていることがわかります。それが以下の5つです。

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1)立地創造モデル

2)空間創造モデル

3)単品特化モデル

4)ニッチモデル

5)エンターテイメントモデル

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< この中でも今回は 1)立地創造モデル、2)空間創造モデルについてご紹介し
たいと思います

1)立地創造モデル

●事例1:立地を創造するストーリーとは
〜創造は想像を超える!お客様の想像を超える繁盛店とは?〜

■「道中お食事処 山賊」 場所:山口県玖珂群玖珂町

【こんなお店!】
玖珂町は人口10,000人の少子高齢、過疎の町。この町に昭和43年から営業しているのが山賊だ。どんなお店かを説明するのは難しいが、簡単にいうと24時間営業のオープンエアの居酒屋だ。

そのお店は玖珂ICを出て右側に進路を取り、岩国・広島方面(2号線)を目指して進むと、山の中に突然その姿を現す。夜中でも太鼓が鳴り響き、のぼり旗が風に揺れ、提灯の明かりがまぶしく、その幻想的な雰囲気に誰しも暫し圧倒されるのは間違いない。

山の途中、いたるところにテーブルとイスが置かれ、冬はこのテーブルとイスが掘りごたつになる。そこで提供される料理は実に野趣豪快なものが多く、特にいろりで焼かれた山賊焼きと拳2つ分の大きさの山賊おにぎりがおすすめ。ここで働くおばちゃん達は実に話し好きで、料理を運ぶよりお客様と話している時間のほうが多い。

しかし、お客様も慣れたもので気にする様子もなく、おばちゃん達との会話を楽しんでいる。このおばちゃん達の笑顔は本当にすてきで、お店を愛しここで働くことにプライドをもっているのが感じられる。「商売は立地で決まる」これは原則だ。同じものを扱うなら、立地が良いにこしたことはない。しかし、与えられた立地の特性を最大限に活かし、立地を創造することができれば、このように働く人にとっても、お客様にとっても圧倒的に支持されるお店ができるのだ。

このようなお店は2つはできない、まさにオンリーワンのお店なのだ。


2)空間創造モデル

●事例2:共感を呼ぶコンセプトショップとは
〜独自のコンセプトで他店に差をつけるポイントは?〜

■「THE HANEZAWA GARDEN」 場所:東京都渋谷区広尾

【こんなお店!】
東京・広尾の閑静な住宅街に横たわる広大な敷地。一歩足を踏み入れると、そこは都会の喧噪と無縁の世界。大正ロマンの面影を今に残す異国情緒たっぷりの御屋敷、上質なアジアンリゾートを思わせる調度品の数々、3000坪に及ぶ広大な敷地でニュースタイルのハウススタイル・レストラン&ウェディングを提案しているのが「THE HANEZAWA GARDEN」である。

THE HANEZAWA GARDENホームページはこちら
http://www.thehanezawagarden.com/

■「ラスチカス」 場所:東京都渋谷区神宮前
(スペイン語で”女の子”。強くていたずら好きな女の子のイメージを彷佛とさせるその場所は人々が試し、生き、そして進化する場所。)

【こんなお店!】
オープンテラスからライブラリー・バー、エレガントなダイニングエリアから鯉が泳ぐテラスまで、ラスチカスは街のノイズと混乱から離れて一息いれるのに最高の場所。

世界中から集まった有能なスタッフ達が作り上げた多様性のある国際的な空気の中、友人とカフェラテを飲んだり食事をしたり。この場所で10年以上もの間、幅広いメニューと厳選されたワインで訪れる街の魅力的な人々を迎えている。

夏には外の空気に触れながらの食事、冬はライブラリーの暖炉の前で暖かい飲み物を。一年を通して、他には無い体験のできるラスチカスは東京に初めて訪れる人々にとっても見逃せない場所の一つとなっている。

ラスチカスホームページはこちら
http://www.vision.co.jp/lc/

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船井総合研究所 第六経営支援部
丹羽英之

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売れてるお店はここが違う!! 〜レストラン・コメスタ編〜

ショッピングセンター経営のヒント74:
売れてるお店はここが違う!! ?レストラン・コメスタ編?

今日はザッキーこと座喜味さんの話をしよう。

飲食・レストラン業界では有名な方で「小さな飲食店・レストランのサービス改造マニュアル(明日香出版社)」という本も出も出ている。ずっと以前から、座喜味さんがいるレストラン「コメスタ」に行ってみたいと思っていた。

昨年の9月ようやくその機会に恵まれた。この日は台風明けでお客様が少なく、予約がなくて入れたのはラッキーだった。はじめ、フロアには座喜味さんの姿がなく、とりあえず料理を堪能する。なぜか、お客様に年配のカップルやグループが多いのがこの店の特徴だ。

僕たちのテーブルを担当する◎◎さんに、食事が終わる頃、実は座喜味さんに会いにきたことを告げると、1分もしないうちに座喜味さんがご挨拶に現れたのだ。「もし宜しかった、あちらでご一緒にお茶でも如何ですか?」と僕たちをサロンスペースへと誘ってくれた。そこで、座喜味さんが話をしてくれた話は非常に多くの気づきを与えてくれるものだった。今日は、その中のいくつかを紹介したい。

店が暇なときに決まる「差」

最初に座喜味さんが教えてくれたのは、「お店が暇なときの対応でその後のお店が決まる」ということだ。普段忙しいお店は、なかなかお客様に十分な対応ができないし、お客様のことを知る時間がもてない。だからこそ、お店が暇なときは、お客様とお話をして、もっとお客様のことを知ることができるチャンスなのだという。『だから、今日僕はあなた方とこのような時間がもてることを非常に嬉しく思っている』と、おっしゃっていた。

プラスワンの「情報サービス」

次に教えていただいたのは、「お客様の本当に望んでいることをする」ということだ。ホテルマンでもあった座喜味さんが「コメスタ」の中で行っているサービスの一つがベルサービスだ。プロ野球やサッカーの試合があるときは、ベルを鳴らしたスタッフがその結果を、プラカードに書いてまわるという。

座喜味さん曰く、「ご家族でこられていても、お父さんは野球の結果が気になるものだし、カップルで来ていても、男性はサッカーの結果が気になるものだ。」地域密着を標榜しているコメスタでは、特に食事中に救急車や消防車が通ると店がざわつくという。だからこそ、いち早く関係所轄に連絡をとり、その場所や状況を把握して、それをお客様にお知らせするようにしている。そうすることで、お客様に安心してゆっくりとお食事をしてもらうことが目的だという。

スタッフマネージメントは「握手!」

座喜味さんが毎日していること。それはスタッフ全員とする握手のことだそうだ。スタッフが出社してくるとき、そしてスタッフが帰るときにスタッフ一人一人の目をみて握手をする。座喜味さん曰く、「彼らの目をみて毎日握手をしていれば、彼らの健康状態や精神状態の変化に気づき、適切な言葉をかけたり、無理をさせないで行動させることができる」と言う。

定休日はファン客創造のチャンス!!

そして、僕が一番凄いと感じたのは、「私は定休日でも料理長と2人でお店にでるんですよ。」という話だ。座喜味さんには顔と名前がわかり、そして過去お誕生日や結婚記念日を「コメスタ」でおこなったザッキーファンが非常に多くいらっしゃる。そんなコアなお客様に定休日を利用して、ザッキーが十分なおもてなしをする日をつくるのだという。

座喜味さんは一度お会いしたお客様の名前を忘れることがないと言う。また、お客様も自分のことを忘れることが少ないと言う。それは、ここで話をしている時にはわからなかった。でも、翌々日ポストに届いたハガキでそれがどういうことか理解できた。自分が接したお客様をもう一度思い出しながら、丁寧なお礼のハガキを書く。これをもらったお客様が座喜味さんのことを思い出す。座喜味さんとお客様との関係は、このサンキューレターで次ぎへと続くのだろう。

サンキューレター、誰もがその必要性と重要性を知っている。でも、これを本当に丁寧に、継続してやり続けているオーナー、店長、スタッフは実に少ない。お客様のことを親身に思って書くサンキューレター。これが地域密着、固定客化の第一歩ではないでしょうか?

真の地域密着とは

ショッピングセンター経営のヒント73:『真の地域密着とは

●地域密着とはいうけれど…

大型のショッピングセンターの出店に対する、地元主導型ショッピングセンターの生き残りについて、デベロッパーさんも地元専門店のオーナーさんもお題目のように地域密着という言葉を口にします。

しかし、この地域密着とは何を指して言っているのでしょうか?私から言わせると、地域密着を標榜している地元主導型のショッピングセンターの方が、地域密着していると言い難いケースが多いように見えるからです。

顕著な例では、地元専門店の販売スタッフの多くは、自店をよく利用しているお客様に対しては親切であるのに、そうでないお客様に冷たいということが挙げられます。また、「いらっしゃいませ」「こんにちは」といった基本接客力に弱いところが多いといえます。

せっかく、足を運んでもらったのにお客様の存在に気づいていない。だから、あいさつもできていない。そんなお店が実に多いのです。

●お客様への関心

競合ができて入館客数が減ったとき、地元専門店が自店の客数を維持するためには、目の前を歩いているお客様の入店率をあげ、買上率をあげていかなければなりません。それには、販売スタッフ全員が店の中に入ってくるお客様だけでなく、これまで以上に店頭を歩いているお客様に関心を持つことが必要なのです。

店頭でのハンドビラ、積極的な声掛け、呼び込み、試食・試飲など、すぐにできることが数多くあります。業種・業態を問わず、まずはお店側が全てのお客様に関心を持ち、自店の存在を知ってもらい、且つ一番商品を認知してもらうことからスタートしていく必要があるのです。

●地域密着への一歩目

そして、本気で地域密着を標榜するのならば、顔と名前のわかるお客様を100人はつくることが必要です。業種・業態によって、名前をとることができないお店でも、趣味や嗜好がわかるお客様を100人はつくることです。

「●●さん、元気?」「●●さんの好きなこんなの入ったわよ」「お子さん、今度卒業じゃない」といった会話ができるかどうかです。

「そんなことはしているわよ。」と言われるかもしれません。そうです。やっていないとは言いません。ただ、これまで関心をもっていなかった目の前を歩いているお客様にも、そうする覚悟をもって接してもらいたい。そうすれば、皆さんのお店はもっと良くなっていくと思っています。

だまされたと思って3ヶ月やってみてください。本気で3ヶ月これに取り組んだら、今度はお客様の方から名指しで貴方を指名してくることでしょう。本当に地域密着しているお店というのは、お客様が手土産をもってあなたのお店を訪ねてくるようなお店のことです。

それには、そんなお客様になってくれる可能性のあるお客様の数を増やすことが先決なのです。だから、すごく単純なのですが店頭に立って、お客様の入店率をアップするところからスタートしてみるのは如何でしょうか?

タイムサービスは10分間がポイント

ショッピングセンター経営のヒント72:
タイムサービスは10分間がポイント

●タイムサービス is 一番商品認知

ショッピングセンターで全館イベントとしてタイムサービスをよく企画します。この全館イベントとして実施するタイムサービスには、全館の回遊性アップと賑わいづくりという2つの目的があります。特に多層階のSCでは、1階のお客様を2階・3階へ、大箱のSCでは食品SMに集まるお客様をテナント専門店へ誘導させることができるのです。

このSCでのタイムサービスは、創業祭や特御招待会のような大型催事に実施するのが効果的です。というのも、普段より圧倒的にお客様が多いので全体の賑やかしをしやすく、テナント専門店の存在をあらためて認知させるにも効率的だからです。

SCでのタイムサービスのポイントはただ一つで、それは商品出しにつきます。

お客様が並んででも買いたいと思ってもらえる商品がでるかどうかなのです。ここでのタイムサービスはあくまでもイベントですので、売上アップが目的ではないという理解が必要となります。普段自店を利用しないお客様に自店の存在を知ってもらう。そして、できたら自店の一番商品を知ってもらうことで、結果として、その後の客数アップにつなげる企画であるという理解です。

つまり、全館イベントでのタイムサービスは将来に向けた販促イベントなのです。

●タイムサービスにおけるテナント間の認識の違い

ですから、普段利用されないお客様でも一回試しに行ってみようと思ってもらえる思い切った商品出しが必要なのです。単純に言ってしまえば、自店の一番商品を原価を切って提供することなのです。(もちろん個数は限定で)ここまで話を詰めても、テナント専門店間でこの企画に対する認識の違いがあり、商品出しに大きく差がでることがあります。

ここが共同店舗運営の難しいところであり、結果として、ウチはあんなにがんばったのに、あいつのところは対した商品を出ていなかったということになりがちです。ですから、はじめて、このような形式(将来に向けた販促イベント)でのタイムサービスを実施するときには、原価を割った分の補填を全体販促費で補うことでスタートするのが良いようです。

つまり、商品出しをしてもらう際に、今回売価、原価、予定個数、補填金額を記入してもらい、最終的に赤字分を販促費として補填するようにするのです。販促費の補填があることで、テナント専門店の足並みが揃いやすからです。

この補填を前提にした場合の商品出しの条件が、10分でなくなる商品の提供なのです。

●「10分間×テナント数」が成功の秘訣

タイムサービスは業種・業態あるいは店舗によって、様々な手法がありますが、私がSCでオススメするのは、上記のような回遊性アップと賑やかしを第一優先としたタイムサービスです。

このタイムサービスでは、参加店舗を30分毎にまわしていきます。例えば10時にオープンして21時に閉店するSCでは、10時30分にスタートし、11時、11時30分、12時、12時30分・・・と閉店までで22店舗、2日間で44店舗、3日間で66店舗が可能です。

実際には、お店によって、一番客数のとれる希望時間に設定しますので、必ずしも30分毎ではなく、15分毎になる場合もあります。ただ、同一時間に2店舗はやらないというルールが必要です。当日はタイムサービスが始まる5分前にその都度館内放送を入れます。
(余談ですが、この館内放送を入れるときに競馬のファンファーレを使うとインパクトがあります。)
それと同時にプラカードをもった店舗スタッフが店頭に立ってメガフォンで声掛けし、お客様に並んでもらいます。予定人数になったら商品とお金を引き換えるといった流れをつくるのです。

告知から完売まで、その間あわせて10分がひとつの目処となります。

もしも10分で商品が完売しなかったら、その場合はズルズルひっぱらずに商品を片付けてしまいましょう。ここが実はミソなのです。全館イベントとしてのタイムサービスはお客様を並ばせるからこそ、全館に賑わい性がでるという本来の意義を忘れずにやりこんでいけば、タイムサービスでも自店の名物催事にしていけるのです。

これまであった、以前よくやっていた、そんな企画でも、ちょっとした違いで、お客様をワクワクドキドキさせることができるのです。そんな、お客様を躍らせるタイムサービスを、皆さんのお店でも挑戦してみては如何でしょうか?

こんなタイムサービスどうですか?といった質問があれば気軽にメールをくださいね。
また、こんなタイムサービスをやってみました。といった報告をもらえたら嬉しいです。

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船井総合研究所 第六経営支援部
丹羽英之

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売れるタイムサービスはつかみで決まる

ショッピングセンター経営のヒント71:
売れるタイムサービスはつかみで決まる

●上得意客ほどお店を知らない

オープンして2年以上経過したショッピングセンターでは、お客様の通る通路(客動線)がほぼ固定されてしまっています。例えば、お客様はこの入口の前に車を止めて、ここの通路を通って、あそこのお店で買い、できたらレジはあの人のところに並ぼうとなんとなく決めているのです。

だから、そのショッピングセンターをよく利用している上得意客でさえ、どこにどんなお店があるのかを正確にいえません。実際に10年以上お店をやっているのに全く存在を認知されていないテナント専門店が数多くあるのが実際です。

つまり、ショッピングセンターに高い家賃を払って入っているけど、お客様が自店の存在を知らない、あるいは自店を積極的に利用していない、なんてことが往々にしてあるのです。

通常、ショッピングセンターでは核店舗の食品スーパーが最も多くの客数を集めます。その数は店舗規模や商品力にもよりますが、少なくとも2,000人〜3,000人の客数が来ることは間違いありません。それなのにテナント専門店は、この内の数%のお客様しかつかまえきれていないのです。もったいない話です。

まずは、目の前を歩いているお客様を自店のお客様とすることが集客の第一歩です。最も費用対効果の高い販促は、単純ですが店頭での声がけであり、これをやり続けているお店の業績は変わらず良いのです。

●「タイムサービス」は死なない

食品スーパーや食品専門店でよくある「タイムサービス」もやり方次第で、実は物販店でも使えますし、SC全体の販促イベントとしても効果的です。

そんなこんなで、ご支援先の大阪にあるスーパーマーケットでは公設市場時代に絶大な支持を受けていた「タイムサービス」を復活させることになりました。それは、サッカーの応援ソングにあわせて下記のような口上でスタートします。

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チャ・チャ・チャチャチャ・チャチャチャチャ・オレ!
チャ・チャ・チャチャチャ・チャチャチャチャ・オレ!

お客様には日頃のご愛顧に感謝しましての‘激安タイムサービス

オーレーオレ・オレ・オレー、We the champ、We the champion

海山千里もなんのその、お客様には利益を度外視致しましての
‘激安タイムサービス’のお時間が参りました。

オーレーオレ・オレ・オレー、We the champ、We the champion

本日のバカ安商品は●●●です!! さあ〜はりきってまいりましょうー!!!
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どうですか。こんなタイムサービスだったら思わず買わずにはいられなくなりませんか?

●「売れるタイムサービス」2時間で84万売上アップ

また、先日10月8日(土)に、ご支援先の靴屋さんがゲリラでおこなった全品20%引きのタイムサービスも痛快です。9月は靴屋さんも洋服屋さんも天候に恵まれず、苦戦したところが多かったのですが、このままでは10月もまずいと直感したオーナーの鶴の一声でこの「売れるタイムサービス」が企画されました。

このタイムサービスは、ショッピングセンターで最も客数の多い曜日の最も客数の多い時間(15:00〜17:00)に狙いを定め、2時間でなんと84万円もの売上をつくったのです。

やり方はざっとこんな感じです。

店頭でハッピを着た店長が片手にプラカードをもってメガフォンで叫ぶ。その横でも店員がメガフォンで叫びながら、鈴を振ってお客様の足を止めさす。どうですか。ウチのお店でもできそうではないですか?

実際に2時間で84万円も売上をつくろうとすると、他にも色々準備しなければならないのです。しかし、それはご支援先のことですので、残念ですがここではお伝えすることができませんが、私自身がお手伝いすることは出来ます。

大切なことは、皆さんが売上をつくるという意思をもつことです。待っているだけでは売上はつくれません。目の前のお客様を自店のお客様にする。そんな店頭企画を皆さんのお店でもやってみては如何でしょうか?

こんな店頭企画どうですか?といった質問があれば気軽にメールをくださいね。
また、こんな店頭企画をやってみました。といった報告をもらえたら嬉しいです。

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船井総合研究所 第六経営支援部
丹羽英之

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モノから思い出の時代

ショッピングセンター経営のヒント70:『モノから思い出の時代』

お客様のグループインタビューをよくやるのですが、その中でそのショッピングを利用しているお客様の理由は
?近い
?一ヶ所で全てが揃うということです。

そして、何を一番期待するかというと、
?子供を無料で遊ばせる場所という答えが返ってきます。

子供をターゲットにしたショッピングセンター

親やおじいちゃん、おばあちゃんは、良くも悪くも子供の言いなりです。子供が行きたいと言ってくれる。または子供を連れて行って安心なお店を目指すことが重要です。

住宅事情が変化したことや生活様式が変わり、家の中で豆まきや餅つきといった歳時記催事をすることが少なくなってきています。だからこそ、ショッピングセンターには積極的に催事場を利用して、子供たち向けの参加型企画を立ててもらいたいものです。

発表の場としてのショッピングセンター

また、近所のカラオケ教室や合唱団なども発表の場を探しています。ショッピングセンターの最大の強みは、相当数のお客様が常にいらっしゃるということですし、このように近隣住民の発表の場として利用してもらうことが大切です。

時代はまさに「モノから思い出」へとシフトしています。そんな中で、これまで通り「商品を前面に出して安いですよ」だけではお客様が集まりません。「安いお店は安さに負けてしまうのです」それではどうしたら良いのか?それはお客様にそのショッピングがなくてはならない存在となることです。常に地域に密着したイベントを行い、お子様が来たいというお店、近隣の学校、近所のお母さん方の発表の場としてもらうのです。何よりも大切なことは、まずショッピングに来てもらうことです。来てもらいさえすれば売れるのです。来てもらって売れないのは個々のテナント専門店に問題があるのです。これは後日ゆっくりお伝えしますね。

コミュニティー重視にシフトしたショッピングセンター事例

こんなことを踏まえて、僕がお伺いしているSCにこんな提案をしてみました。
このSCは茨城県にある地元主導型SCで、売場面積が約2,000坪、核店舗に地元スーパーが、サブ核店舗としてドラッグストアとダイソーが入り、専門店が約40店舗のショッピングセンターです。

モバイル販促の活用

ホームページ(HP)はあるものの全く更新されていない。けれども、これからの生き残りをかけて、お客様へ直接リーチできるモバイル販促に理事長以下役員さんが興味を持たれていました。しかし、HPのときのように、つくってはみたものの、期待した成果が得られるのかという不安をもたれていたのです。

HPにしてもモバイルにしてもあくまでもツールですので、やはり、ショッピングセンター全体の「コンセプト」が必要です。例えば、地域密着を標榜する地元主導型ショッピングセンターであれば、販促のコンセプトを「地域住民の発表の場」とすることです。そして、販促手法も売りを前面に出すのではなく、お楽しみイベントを重視するようにするのです。また、HPも「ショッピングセンターが行うイベント」をメインコンテンツとする「コミュニティーサイト」へと切り替えるといったストーリーが大切です。

イベント・催事の活用

先程の茨城県のショッピングセンターに話を戻しますと、このショッピングセンターでは毎年、少年サッカーの冠スポンサーをしています。このサッカー大会は現在40チームが参加する県内でも大きな大会で、ショッピングセンターのセンターコートで行われる表彰式は毎年大変に盛り上がっています。

そこで、この少年サッカー大会を手始めにHPも参加チームの写真とコメント。トーナメント結果と試合写真の掲載。表彰式の模様などを掲載する「コミュニティーサイト」へと切り替えるように提案しました。それをモバイルを使って、お知らせするといった流れをつくるのです。また、HP上での勝敗予測懸賞。リアルな店舗での写真展示と写真プレゼントなども行うのです。モバイルでは単に「●月●日にセンターコートで表彰式を開催」というご案内メールだけではなく、ご案内の下に「祝勝会はぜひ●●店で」とクーポンをつけることを忘れずに!こんな一連の流れをつくることでHPもモバイルも上手に連携が可能なのです。

モノから思い出の時代にショッピングセンター全体の販促コンセプトを見直してみては如何でしょうか?

船井総合研究所 第六経営支援部
丹羽英之

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緊急度は低いが、重要度の高い仕事を優先する

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                       2004年9月28日
   
   日刊メルマガ あなたのショッピングセンターも必ず甦る!
            
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◆◆◆ショッピングセンター再生のヒント44◆◆◆

「緊急度は低いが、重要度の高い仕事を優先する」

緊急度が高く、重要度の高い仕事は現在を優先することであり、緊急度は低いが重要度の高い仕事は未来への準備である。この未来への計画・予防・教育を1日の内20%は確保していきたい。この時間を確保するためには、緊急度は高いが重要度の低いお付き合いの時間を効率的にすると共に、緊急度も重要度の低い無駄な時間を圧縮することである。

以前、パソナの南部さんが1日の時間の使い方として、6時間
を現在の仕事に、6時間を未来への情報収集に、6時間を家族・
友人のために、6時間を休息(就寝)に使っていると言ってい
たが、成長しながら人間らしく生きるための基本は同じで、現
在を大事にしながら未来への時間をどれだけ確保できるかな
のだろう。

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お客様を予約することが売上アップのポイント

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                       2004年9月27日
   
   日刊メルマガ あなたのショッピングセンターも必ず甦る!
            
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◆◆◆ショッピングセンター再生のヒント43◆◆◆

「お客様を予約することが売上アップのポイント」

以前私があるメーカーさんの講演会でご一緒させていただいた、エコーというウォーキングシューズを日本で一番販売しているチェーン店オーナーさんから聞いた話。このチェーン店は過去10年でエコーというウォーキングシューズを1万足、つまり、1年間で1,000足、店舗が10店舗あったので1店舗が平均して100足を販売していたそうだ。

具体的には、メーカーが主催する年間4回のエコーフェアに合わせ、1回のフェアで1店舗が25足を販売するのだ。試着、試し履きをしたお客様の約半分(50%)のお客様が実際に商品を購入するとしたら、25足の倍50人のお客様に試し履きをしてもらわなければなりません。

また、接客したお客様の半分(50%)が試し履きをするとしたら、50人の倍100人のお客様に接客しなければならないのです。また、100人の接客するお客様を集めようとしたDMのレスポンス率が30%だとしたら、3,000通のDMを送らなければなりません。

そして、DMのレスポンスを本気で30%にしようとしたら、お客様にお電話をして実際に来てもらえる日を確約することが重要。つまり、どれだけお客様を事前予約できるかが、当初の目標を達成するために最も重要なアクションとなるのだ。やはり、売上はできるものでなく、つくるものなのだ。

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100%レスポンス率の完全個別対応型DMとは

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                       2004年9月26日
   
   日刊メルマガ あなたのショッピングセンターも必ず甦る!
            
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◆◆◆ショッピングセンター再生のヒント42◆◆◆

「100%レスポンス率の完全個別対応型DMとは」

ファッション専門店でほぼ100%のレスポンス率を確保しているDM手法がある。それは、顔と名前と趣味・嗜好のわかる上位顧客に対して、その人にあった商品をコーディネイトしてボディ(マネキン)に着せ、デジカメで写真をとり、ハガキにプリントアウトして出すDMだ。

このDM(ハガキ)の宛名はもちろん手書きで、そこに前回ご来店いただいた際の会話の内容がコメントされているのがベスト。例えば、「入学式で着られるといっていたワンピースは如何でしたか?」から始まり、「今回は◎◎様のお好きなブラウンを基本にコーディネイトしてみました」と書き添え、このハガキが着いた頃にお電話を差し上げ、コーディネイトされた洋服についてのご意見をお聞きするのだ。

その際に、「今月は仕入れにいかなければならないので、せっかくお越しになられて対応ができないとご迷惑をおかけするので、いついらっしゃいますか?」というように日時を確約することがポイントとなる。

日時の確約ができたら、コーディネイトした商品は一旦、バックヤードに戻して◎◎様お取り置きなどのタグを貼っておくことを忘れずに。そして、そのお客様がいらっしゃった時に、おもむろにバックヤードからこの商品を持ってきて、テーブルに広げながらその商品の特徴を説明するのだ。実際に、DMを受け取られたお客様のほぼ全員が来店をされ、その内70%がコーディネイトされた商品をお買になられている手法だ。

これからの実需に向けて、上位顧客を100名リストアップして、一日3通〜4通を基本に一ヶ月で100通を目標にDMをだしてみませんか?

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