━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.420━ 2015.08.06
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:リニューアルの成否は既存マーケットにある?』
『SUB CONTENTS:第38回商業施設経営のための勉強会』
https://sc.funaisoken.co.jp/201506/05132648.html
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『リニューアルの成否は既存マーケットにある?』
最近、リニューアルプランの検証についての相談が増えています。これまで多くのリニューアルに関わっていますが、リニューアルを計画している施設には大きく2つの特徴があります。
A:業績が良い施設のリニューアル計画は、既存客の更なる満足度アップが目的
B:業績が厳しい施設のリニューアル計画は、新規客の獲得による業績改善が目的
特に、業績低迷の活路をリニューアルに期待するプランは新規客(新規マーケット)の獲得を過度に見込んだ売上計画になっていることが多いです。リニューアルは、既存客にプラスして新規客が獲得できるから売上がアップするのであって、新規客の獲得以上に既存客が離反しているようであれば本末転倒です。
つまり、リニューアルの成否は、実は新規客獲得にはなく、既存客の満足度アップに向けてリニューアルができるかにあります。この既存客に対して満足度の高いリニューアルは結果として、新規客にとっても使い勝手の良い最善のプランとなるからです。
■最近のAの事例では
・駐車場(IN、OUT)、回遊導線の見直しを優先させたプラン
→施設売上にとって最大のボトルネックは駐車場の台数(稼働率)ですので、それを最大化することをリニューアルプランの第一義とすることは非常に効果的です。
・フロア内の飲食店舗(3店舗)の統合をプラン
→業態の違う直オペレーションの飲食店舗を1箇所に集めて、オペレーションコストを下げながら、ピーク時間の席数アップをはかる。特に、売上構成の高い昼の席数を最大化できるので非常に効果的です。
※昼はランチ機能(ヴィッフェ)、アイドルタイムはランジ機能(カフェ)、夜はバール機能(酒)
■最近のBの事例では
・増床して新規客を狙う、過大投資プラン
→メインターゲットのファミリーの利用者数が減ってきているので、増床する施設でおしゃれなカップルを狙っていくプラン。そもそもマーケットにはおしゃれなカップルがいない、また、おしゃれなカップルを狙うオープンテラスは雪の多いこのエリアでは、冬は全く機能しないといったプランです。この施設は入場料をとる観光レジャー施設ですので、実際に求められる機能はお金がかからないで、ファミリーに喜ばれる下記のような機能の追加になります。
・アスレチック
・じゃぶじゃぶ池
・ミニ動物園(ふれあいパーク)
これがフロント商品になって、入場料をとる既存施設の集客もできるようになるのですが実際には、そのようなプランになっていないケースです。仮に、新規客をとりたいのであれば、リニューアルではなく、新規客がとれるマーケットに出店することのほうが良いケースも増えています。
どちらでいくのかを商圏相応、力相応に判断するところからお手伝いできる、メニューも準備しておりますので、興味のある方は気軽にご連絡いただければ幸いです。
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第38回商業施設経営のための勉強会
(株)船井総合研究所 東京本社にて開催!!
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日時: 2015年9月18日(金) 18:30~21:00
場所:(株)船井総合研究所 東京本社
【1】講師からのお話 18:30~19:30
SC活性化 下半期の対策を考える
・話題の商業施設、テナントの出店ポイント
・直近のテナント業績アップ事例
【2】質疑応答 19:30~20:00
【3】懇親会 20:00~21:00
→申し込みはコチラ
https://sc.funaisoken.co.jp/201506/05132648.html
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★最新動画 「ナショナルチェーンでも差別化できる」
http://www.funaisoken.co.jp/movie/temp/movie_show.html?movieId=83&movieMode=sample
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http://www.funaisoken.co.jp/site/column/column_1182169691.html
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https://sc.funaisoken.co.jp/
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:丹羽 英之(にわ ひでゆき)
発行責任者:山本 匡(やまもと ただし)
発行所:株式会社船井総合研究所 経営戦略事業部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
E-MAIL :info-sc@funaisoken.co.jp
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カテゴリー: リニューアルのヒント
【SC経営のヒント412】:『客層拡大が開発・リニューアル成功の決め手』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.412━ 2015.04.30
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:客層拡大が開発・リニューアル成功の決め手』
『SUB CONTENTS:第37回商業施設経営のための勉強会』
http://www.funaisoken.co.jp/seminar/515005.html
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『客層拡大が開発・リニューアル成功の決め手』
最近オープンした話題の施設を視察して、あらためて商圏(=客層)に合ったMD(店そろえ)の大切さを感じています。やはり、商業施設デベロッパーの役割は集客で、この集客(商圏拡大、客層拡大)のためには、リニューアルと経常販促を強化しなければなりません。
■ルクアイーレ
ルクアイーレは予定通りに推移し、770億円の売上目標が見えているとのこと(インバウンドの売上げ押し上げ効果も大きいようですが…)第一弾オープンはルクアと伊勢丹のお客様(女性)が多く、第二弾のツタヤ、ウルフギャングでビジネスマン(男性)のお客様を期待しているようです。
いずれにしても、今回リニューアルの特徴は、駅ビルではスペース的に難しかった大箱(ファストファッション、ツタヤ)を入れることで、客層拡大(ファミリー対応)できている点にありそうです。ルクアイーレ以上に伸びているのが、新幹線開業に合わせてリニューアルした金沢と富山で、いずれも関西に加えて、関東のお客様が増えているのが大きいようです。
■モリパーク アウトドアビレッジ
昭島飛行場跡に開発が続く、モリパークの中にある、アウトドアライフのための様々な「モノ・コト」が終結するアウトドアヴィレッジです。16の大型専門店(メーカー直営店)で構成され、体験型イベントを行っています。
一昔前の大阪駅のギャレの郊外版で、いまどきのコンセプトは共感できます。ただ、ファミリーのリピートを狙うには店舗数が少なく、メーカー直営店だけでなく、客層を広げられる「WILD-1、SWEN」のような品そろえ型の店舗も必須のように感じました。環境・コンセプトともにすばらしいので今後に期待したい施設です。
■ららぽーと富士見
売上目標450~500億円は、ワンダーシティとほぼ同規模ですが、MD(店揃え)は、ワンダーシティに比べてチャレンジしている部分が多くて魅力的な施設でした。特に百貨店サテライトを3店(伊勢丹、京王、丸広)入れているのは注目で地方百貨店が衰退する中でモールSCがその部分を付加していくのは時代の流れともいえそうです。
サテライトのMDは、商圏を知り尽くしている丸広がダントツによくて、次に三郷にも出店している京王、瞑想している伊勢丹といった感じです。イーアスつくばの三越サテライトが好調に推移しているようで、富士見は伊勢丹でなく、三越で出店できれば良かったというのが印象です。
■ミッドタウン
リニューアルをし、伊勢丹サローネが1・2階のメゾネットで施設正面にできました。このサローネは、空港、ミッドタウンといったアッパー(法人、外人)クラスには合っているし、業績も好調のようです。やはり、富士見のららぽーとでは商圏(客層)があっていないので伊勢丹の強み(感度)を活かせないようです。郊外モールは三越、都心型のサテライトは伊勢丹で出店できればと強く思います。
実はミッッドタウンで一番驚いたのは、サービスカウンターの対応です。スタッフがカウンターの外側に立ってお客様を案内し、インバウンドのお客様にはディズニーさながらに写真を撮っていました。キルフェボンがケーキ業界の常識を打ち破ったように、サービスカウンター(接客)も、このスタイルが出てきそうです。
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第37回商業施設経営のための勉強会
(株)船井総合研究所 東京本社にて開催!!
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日時: 2015年6月18日(木) 18:30~21:00
場所:(株)船井総合研究所 東京本社
【1】講師からのお話 18:30~19:30
SCへの出店 専門店はこうしよう
・話題の商業施設、テナントの成功ポイント
・直近のテナント業績アップ事例
【2】質疑応答 19:30~20:00
【3】懇親会 20:00~21:00
→申し込みはコチラ
http://www.funaisoken.co.jp/seminar/515005.html
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発行人:丹羽 英之(にわ ひでゆき)
発行責任者:山本 匡(やまもと ただし)
発行所:株式会社船井総合研究所 経営戦略事業部
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【SC経営のヒント246】:『ダウンサイジングリニューアルに期待』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.246 ━ 2010.07.1
船井総研 コンサルタント 丹羽英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『ダウンサイジングリニューアルに期待』
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テナント専門店の即時業績アップ手法に「圧縮・付加法」という手法が
があります。特にセールや端境期などの商品在庫が薄くなった時期に
効果的な手法です。やり方は簡単で、店頭商品を主通路沿いに圧縮
するだけです。在庫量は減らさないので、見た目の坪当り在庫が増え
売面が減っても売上は下がらないのです。
そして、空いたスペースに新規商品を投入(付加法)すれば、その分
の売上がアップするのです。
今回のダウンサイジングリニューアルは、SCにこの圧縮・付加法を
取り入れた手法で、基本的な考え方は同じです。
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『ダウンサイジングリニューアルに期待』
これまでの商業施設のリニューアルは増床が基本でした。
デベロッパーはこの増床により、賃貸床を広げて家賃収入をアップする。
この増床が新規テナントで埋まる場合は、新規客も増えてリニューアル
の成功確立が高まります。
つまり、リニューアルの成否はどこにあるかというと、店数が増える
ことにあると言えます。
店数が増えない既存テナントの増床は、坪当り在庫を落とすだけで逆に
お客様にとって魅力のない売場をつくることになってしまうからです。
というのも、既存テナントの売場面積が2倍になっても、店頭在庫は2倍
になることはなく、結果売上は1.5倍というケースがほとんどだからです。
これからのリニューアルは、必ずしも増床ではなく、既存テナントを
圧縮し、空いたスペースに新規テナントを誘致するのが得策でしょう。
ハードに投資できる体力のあるデベロッパーは多くはないですし、
増床できるスペースが残っている商業施設も多くないからです。
また、デベロッパーは集客力のある大型店の誘致を優先させますが、
集客効果が長く続かず、ここにきて大型店の抜けが目立ち始めています。
実は多くの大型店が出店のスピードに店長の力量が不足気味で、店舗
としても固定客化が弱く、競合に対して影響を受けやすのです。
また、こうした大型店の坪効率は低く、家賃負担も高くないのが実際です。
こうした大型店の空き床を大型店で埋めようとして、また賃料が下がる
といったデフレスパイラルのような状態が続いています。
では、今後はどうしたら良いのでしょうか?
既存テナントの圧縮を基本に、新規テナントを付加したダウンサイジング
リニューアルが必要でしょう。
つまり、飲食店でいう屋台村のような業態が物販・サービスで求められて
いるのです。楽天モール、エステモールなど、お客様をシェアできる小型
店の集合体が今後期待されます。
ダウンサイジングリニューアルで、商業施設内のバラエティー(店揃え)が
増え、新規客が増える。デベロッパーも実は賃料効率が上がるのです。
そして、商業施設が本当の意味で地域に根ざしたSCになるには、次世代
の経営の担い手を応援することが必要な時代です。
地元の若者を応援するダウンサイジングリニューアルに期待したいものです。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:丹羽英之(にわひでゆき)
編集担当:菊池正寛(きくちまさひろ)
発行所:株式会社船井総合研究所 第4経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
E-MAIL :info-sc@funaisoken.co.jp
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SC経営のヒント101:SCリニュアルに向けて vol.8 経営体制はこれでいいのか
ご挨拶
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
船井総研の山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は「SCリニュアルに向けて」の第8弾、
最終回として「経営体制」についてお伝えします。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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ショッピングセンター経営のヒント101:
『SCリニュアルに向けて vol.8 経営体制はこれでいいのか』
SCリニュアルに向けての連載も最終回です。
今回は、SCを経営する体制そのものについてです。
1970年代から協同組合形式によるSC開発が盛んになりました。
80年代には大手量販店をキーテナントとした大型のSCも多数開発され、
90年代には現在にも通用するSCが全国に開発されました。
当時は開発すればそれなりに成果の出る時代でしたので、
各地で成功をおさめる事例が出来上がりました。しかし、10年後、20年後の
現在となり、それらの多くがかかえる問題点は、創業期のメンバーから
代替わりがうまく進んでいないということです。その結果、今後SCを
どのように発展させようか、あるいは手仕舞いさせようかということに関して、
長期的な視点が持てなくなっています。
地元主導SCの多くは、旧来の商店街に替わる新しい立地を自らの手で
創造するために着手されたものでした。それが結果として大きな
不動産開発利益を生むと分かり、不動産事業として発展した会社もありますが、
多くは「自分が経営する店」のためにSCを必要としたところから
出発しています。SC開発は、大変な苦労を伴いますが、やってみて
成功したらこれほど楽しいこともありません。だからこれからも夢は
捨てられない、でももう若くはないので次の世代に期待したいが、
なかなかそういう人材も育っていない、というのが多く見られるケースです。
うまく世代交代が進んで、デベロッパーとしてのマインドあふれる経営者が
率いているSCは発展をとげていますが、実態を見る限り、むしろ
そういうケースのほうが少ないといえます。
そういうSCは、今こそ運営する組合・会社の経営体制を見直す必要があります。
たとえば、資産の売却や運営母体の変更を考える時期にきている地元主導SCが
数多くあると思います。同じ場所で苦しんでいてもしょうがないのですが、
これまで心血注いできたものにどのような割り切りをすればよいものか、
着地点が見つかっていないケースも多々あるといえます。
まだ元気なうちにはいろんな処分方法があるのですが、空き床だらけに
なってしまうとどうにもやりようがありません。SCが元気に生きているうちに
次なる手を考えねばならないのです。
私が過去にお手伝いした事例の中には、保有資産を売却して預かり金を清算し、
組合の役割を賃貸床の確保のみに限定し、組合の運営負担を楽にしたケースも
あります。運営会社の人材を生かしつつ経営体制を変革するには
いくつかの手段があります。現在もそのようなご相談をいただくケースが
多くあります。
事業は起業の時は大変ですが希望に満ち溢れています。一方、
手仕舞いは夢よりも現実を冷静に見つめて考える必要があります。
そういう意味で、元気なときほど有利な出口を見つけやすいということが
重要なポイントといえます。
SCリニューアルについて連載してきました。次回からは新たなテーマに
とりくみたいと思います。
SC経営のヒント99:SCリニュアルに向けて vol.7 スケジュールと体制
ご挨拶
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
船井総研の山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は「SCリニュアルに向けて」の第7弾として
「スケジュールと体制」についてお伝えします。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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ショッピングセンター経営のヒント99:
『SCリニュアルに向けて vol.7 スケジュールと体制』
リニューアルのスケジュールについては、オーナーサイドに
経験のある場合とない場合では勝手が違ってくると思います。
経験の乏しい場合は長い期間をとることが多いのですが、
おおむね着手から1年半~2年以内にはリニューアルオープンする
ことをめどとすべきでしょう。
新築の場合は許認可手続きや工期といった外的要因が一定の目安となって
スケジュールが決まりますが、リニューアルはむしろテナント調整などの
交渉ごとがボトルネックになりやすいといえます。そのため、
「いつまでに話をつけよう」というオーナー側の意思決定が
スケジュール策定の基準となります。
オープンの日取りに関しては、入居する業種の特性に応じて決めることが
よいでしょう。菓子店が多いSCでバレンタインデー中に工事を
しているというようなことがないように考えるべきです。
昨今は定期借家での契約も増えてきましたので、たとえば
5~6年といった契約期間をリニューアルのめどとしてゆくことが
可能となります。
体制づくりとして重要なことは、プロデューサーを軸とした業者さんの
動き方の体制をしっかりと定めることにあります。特に、
プロデューサーが外部の人間の場合、オーナー(依頼者)にとって
どのようなポジションに立つのかということが重要です。
テナントの配置調整、新規テナントの誘致、設計者との仕様調整、
内装やゼネコンとの工事区分や工期の仕切り、C工事指定業者の決定、
などなど、さまざまな利権にからむ意思決定をすることになります。
そのため、プロデューサーに権威付けがなされていないと、
各方面から横槍が入って立ち往生することになります。
一番いけないのは、各業者がすべてオーナーの下にぶら下がり、
プロデューサーの意見ではなくオーナーの意見でだけ動くように
なることです。
ちょっと極端な例ですが、各業者さんの利害対立が鮮明になると、
オーナーを味方にしてプロデューサーを悪者にするようなことをする
業者も出てくることがあります。そういう場合に、オーナーが
毅然とした対応をとることができるかどうかが、最後まで
一丸となった体制をつくれるかどうかのポイントになります。
プロデューサーにとっては、関連する各業者さんが要求するだけの
仕事をこなせる実力経験があるかないかをあらかじめ見抜く力が必要です。
どれだけ期待しても、できないことはできないので、結局は不十分な
結末に終わります。そのプロジェクトの難易度に適した
メンバリングを組むことが、プロジェクトを円滑に進めるための
最大の要素となります。そういった人材との
人脈を有することもプロデューサーの力量のひとつといえましょう。
SC経営のヒント98:リニューアル成功のポイントは、既存顧客の再来店にある
リニューアルは、ハード先行で行うリニューアルではない、
まずはソフトのリニューアルを実現することにあります。
ソフトのリニューアルとは、1つは商品のリニューアルであり、
もう1つは人(サービス)のリニューアルです。
前回のメルマガでもお伝えしましたが、リニューアルするから
業績アップするのではなく、リニューアルをきっかけとして、
この商品と人(サービス)が変わるから業績アップするのです。
リニューアルするきっかけは、競合出店による客数ダウンや
売上不振によることが多いようです。これまで、数多くの
リニューアルをお手伝いして言えることは、リニューアル前に
順調に業績を伸ばしている店舗のリニューアルは成功し、
昨年対比をクリアできていない店舗のリニューアルは往々に
して上手くいかないのです。
リニューアル効果が長く続くかどうかは、実際には新規顧客の
上積みよりも、既存顧客の再来店(離反顧客も含め)を確実に
増やせるかがポイントなのです。
リニューアルオープンは閉店セールも含めて、新しいお客様を
取り込む良いチャンスであることは間違いありません。
しかし、どんなに新しいお客様を増やしたとしても、既存顧客
を取りこぼしていたら、売上を維持・安定させることはできな
いのです。
それではどうしたら良いのでしょうか?
リニューアル成功のポイントは、既存店ベースで売上を
100%にすることなのです。
つまり、リニューアルをする前に既存顧客で売上を100%に
戻すのです。これができない内は、本当はリニューアルしては
いけないのです。
それは、業績を伸ばしている店舗は、既存顧客が良く見えて
いて、リニューアル計画そのものが非常に力相応であるのに
対して、業績不振の店舗のリニューアル計画は、どうしても
奇をてらうものになっているケースが多いからです。
まずは、既存店舗で100%をクリアし、小さな成功体験を
つくることが必要なのです。
そのために、自店をよく利用する顧客の声に耳を傾け、商品と
人(サービス)を見直すことからスタートしてみては如何で
しょうか?
SC経営のヒント97:リニューアルはGOALではない
競合SCの出店による核店舗の集客力ダウン。それによるテ
ナント専門店の売上ダウンはよくあることです。
しかし、そのような状況の中でも業績を確実に伸ばしている
テナント専門店が多くあるのも事実です。そのようなテナン
ト専門店は小売業の原理原則を知り、時流(今のお客様の買
い方)に合った店づくりに常に挑戦しているのです。
競合SCの出現は既存店舗のやり方を見直す良いきっかけと
なることが多々あります。同様のことがデベロッパー主導の
リニューアルでも言えます。
テナント専門店のリニューアル成功のポイントは、その目的
を明確にするところにあります。リニューアルをしても売上
が上がらない。リニューアル効果が長く続かないという声を
よく聞きます。その多くは、リニューアルすることが目標
(GOAL)となっていて、何のためのリニューアルなのか
が理解・実行されていないのです。
デベロッパーが主導するリニューアルは、増床や床、壁、
天井、外壁の塗り替えといったハード(建物、躯体)が先行
します。しかし、当たり前のことですが、ハードが変わった
だけではリニューアル効果は長続きしません。テナント専門店
の売上が品揃えに左右されるように、SCの売上は店揃えに
左右されるのです。
多くの地元主導型SCがそうであるように、この店揃えに手を
つけられていないことが業績低迷の最大要因といえます。
つまり、オープンして10年が経過して、お客様もオーナーも
お店もみんな10歳年をとってしまっているのです。
いつもと変わらない売場、商品、スタッフ、それはそれで
安心感がありますが、多くの商店街がそうであったように、
劇的に好転することはないのです。
では、どうすれば良いのでしょうか?
できれば、デベロッパーが主導するハードのリニューアルに
あわせて店舗の入れ替えがベストですが、店舗の入れ替えが
あるなしに関わらず、個々のテナント専門店が商品・サービ
スといったソフトのリニューアルに挑戦していくことが大切
です。
つまり、ハード先行のリニューアルをきっかけとして、テナ
ント専門店はお客様に変わったと思ってもらえるソフトリニュー
アル(=店づくり)を目的にすべきなのです。
次回はこのソフトリニューアルの成功ポイントについて
具体的にお伝えさせていただきます。
SC経営のヒント96:SCリニュアルに向けて vol.6 関連業者さんの選定
競合SCの出店による核店舗の集客力ダウン。それによるテ
ナント専門店の売上ダウンはよくあることです。
しかし、そのような状況の中でも業績を確実に伸ばしている
テナント専門店が多くあるのも事実です。そのようなテナン
ト専門店は小売業の原理原則を知り、時流(今のお客様の買
い方)に合った店づくりに常に挑戦しているのです。
競合SCの出現は既存店舗のやり方を見直す良いきっかけと
なることが多々あります。同様のことがデベロッパー主導の
リニューアルでも言えます。
テナント専門店のリニューアル成功のポイントは、その目的
を明確にするところにあります。リニューアルをしても売上
が上がらない。リニューアル効果が長く続かないという声を
よく聞きます。その多くは、リニューアルすることが目標
(GOAL)となっていて、何のためのリニューアルなのか
が理解・実行されていないのです。
デベロッパーが主導するリニューアルは、増床や床、壁、
天井、外壁の塗り替えといったハード(建物、躯体)が先行
します。しかし、当たり前のことですが、ハードが変わった
だけではリニューアル効果は長続きしません。テナント専門店
の売上が品揃えに左右されるように、SCの売上は店揃えに
左右されるのです。
多くの地元主導型SCがそうであるように、この店揃えに手を
つけられていないことが業績低迷の最大要因といえます。
つまり、オープンして10年が経過して、お客様もオーナーも
お店もみんな10歳年をとってしまっているのです。
いつもと変わらない売場、商品、スタッフ、それはそれで
安心感がありますが、多くの商店街がそうであったように、
劇的に好転することはないのです。
では、どうすれば良いのでしょうか?
できれば、デベロッパーが主導するハードのリニューアルに
あわせて店舗の入れ替えがベストですが、店舗の入れ替えが
あるなしに関わらず、個々のテナント専門店が商品・サービ
スといったソフトのリニューアルに挑戦していくことが大切
です。
つまり、ハード先行のリニューアルをきっかけとして、テナ
ント専門店はお客様に変わったと思ってもらえるソフトリニュー
アル(=店づくり)を目的にすべきなのです。
次回はこのソフトリニューアルの成功ポイントについて
具体的にお伝えさせていただきます。
SC経営のヒント95:SCリニュアルに向けて vol.5 テナント個々のパワーはどうか
ご挨拶
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おはようございます。
船井総研の山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は「SCリニュアルに向けて」の第5弾として
「テナント個々のパワーはどうか」についてお伝えします。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ショッピングセンター経営のヒント95:
『SCリニュアルに向けて vol.5 テナント個々のパワーはどうか』
●求められる個性ある地元店
昨今のSCではナショナルチェーン頼みから脱却し、
なるべく地元で顧客密着している強い店を数多く入れたいと考える
デベロッパーが増えてきました。
一昔前は、地元店は休日削減と営業時間延長に反対するから、と
避けられる傾向がありましたが、いまやSCは年中無休はあたりまえ、
9時10時営業あたりまえのSCとなり、出店を希望する地元商業者も
それを理解のうえで出店するため、これまでのような地元排除傾向ではなく、むしろ個性ある強い店を求めるという傾向になってきました。
●2店舗目の注意点
いわゆるローカルテナントといわれる店では、2店目3店目の出店と、
5店目以降の出店と、25〜30店目の出店では、
出店企業にとってその意味は大きく異なります。
過去の経験で申し上げますと、2〜3号店の出店はかなり注意が必要です。
これまで1店舗のみで繁盛店を経営しているオーナーが
2店目をのれんわけで出店するような場合、
オーナー自らが新店に入って立ち上げをやるだけの意欲があるかどうか。
息子さんや番頭さんにまかせて立ち上げようなどという場合は
要チェックです。
ある地域で非常に有名な繁盛店舗の2号店を百貨店などが誘致したものの、
開業半年で撤退したという事例は数多くあります。
●30店舗の壁
数店舗支店をつくり、5店舗目以降を作るような場合は、
比較的安定性が高いといえます。
ですが、25店目を超えてきますと、
いわゆる「30店の壁」に近づいてきます。
業種業態を問わず、様々な調査事例から見て、
この30店の壁でつまづく企業が非常に多いのです。
地元店舗やリージョナルチェーンを誘致する場合、
出店企業が何店舗目をつくるのかを認識の上で、
オーナーの実力と人となりを判断する必要があるといえます。
テナント個々の力は、基本的にオーナーの力です。
そしてオーナーの力があれば店長が育ち、
いい店長がいれば強い店になります。
ですので、リージョナルチェーンの誘致に際しては、
やはりオーナーの実力と人格が重要です。
くれぐれもオーナーと会わないで入店を決めないことです。
商売が上手なことはもちろんですが、協調性のないオーナーでは
運営に支障きたすことはあきらかです。
往々にして商売上手なオーナーほど、ひとくせある方が多かったりしますが。
●【次回以降の予定】
SCリニュアルに向けて vol.6 関連業者さんの選定
SCリニュアルに向けて vol.7 スケジュールと体制
SCリニュアルに向けて vol.8 経営体制はこれでいいのか
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■■■ 店舗開発読本2−ついに完成!!
■■
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「店舗開発読本」を創刊してから早いもので1年近くがたちました。
おかげさまで、皆様から多くの反響を頂戴致しました。
「大変参考になった」「わかりやすく、社員に読むように薦めた」など
多数の感想を頂戴し、とても嬉しく思っております。
そこで、反響にお応えして、この度「店舗開発読本2」を
新たに作成いたしました。
今後、「まちづくり三法」の改正など大きく外部環境が変わる中で、
店舗開発を取巻く状況も日々刻々と変化をしています。
「店舗開発読本2」を通じて皆様の店舗開発のお役に立てれば
幸いでございます。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
社長・役員・店舗開発幹部 必読!!
これからの店舗開発に必要なエッセンスを詰め込んだ
「店舗開発読本2」を無料プレゼント☆
船井総研が誇る「店舗開発のスペシャリスト」
ショッピングセンター支援チームリーダー
山本 匡が、これからの変化に対応する店舗開発の
ポイントをお伝えします!
【目次】
1.都市計画法の改正、出店環境はどう変化する
2.聖域をつくる開発担当者の思考
3.悪魔のささやき
■お申込み方法■
1.電話・FAXによるお申込み
Tel:03-6212-2930
Fax:03-6212-2945
株式会社 船井総合研究所 ショッピングセンター支援チーム
野田(ノダ)まで(直通)
2.メールによるお申込み
info-sc@funaisoken.co.jpまで直接メールをご送信下さい。
※件名に「店舗開発読本2プレゼント」と明記し、
お名前、会社名、部署名、会社ご住所、電話番号を記入の上、
ご送信下さい。
同時に、ご相談やご感想などもお寄せいただければと思います。
なお、「店舗開発読本1」もわずかながら残りがあります。
↓詳細はこちらをご覧下さい↓
http://consulting.funai-sc.com/?eid=325097
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* 経営コンサルタント
* 発行人:株式会社船井総合研究所 山本 匡
* ホームページ:http://funai-sc.com/
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SC経営のヒント92:SCリニュアルに向けて vol.4 『MDにかたよりがないか』
ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、山本匡でございます。
今回は「SCリニュアルに向けて」の第4弾として
「MD」のバランスについてお伝えします。
MDのバランスをとったはずの店舗入れ替えが、
気づけばSC内のMDのバランスを
崩してしまっていることがあります。
今回は、その「MDの落とし穴」を中心にお伝えします。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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ショッピングセンター経営のヒント92:
『SCリニュアルに向けて vol.4 MDにかたよりがないか』
●SC内のMDのバランスを考える
都心の駅ビルなどですと、
様々な専門店から入居の申し込みがあり、
結果として時流に乗って人気の高い店を
数多く入れることが可能ですが、
郊外型のSCですとなかなかそうはいかず、
探して探してご入居いただくということになりがちです。
ただ、そこで「入ってくれるのだから」という理由で入れると、
同じような店ばかりになってしまって、
一方で欠落商品があるというような、
MDがアンバランスな状態になる可能性があります。
たとえば、ベーカリー店の売上の半分以上は菓子パンであり、
菓子やファーストフードの店が
リニュアル後に多く入居すると影響が出ます。
大きなSCでは問題になりにくいですが、
小さなSCのベーカリー店にとっては影響は深刻です。
ファーストフード店もテイクアウトの比率が多く、
飲食店だと思っていたら
実態は惣菜物販店だったということもあります。
衣料品やファンシー、雑貨店などは、
結果として同じような商品を扱う店ばかりに
なってしまうケースがあります。
特に、ナショナルチェーンほど似たようなターゲットと
価格の商品がかぶることが多いです。
まず誘致対象企業の店頭商品をよく見て、
他のテナントと同じような価格・仕様の商品が多くないか、
目で見て確かめてみる必要があります。
また、既存店の店主や店長に売上構成比の高い品目や客層を
ヒアリングしておくことも重要です。
入居後も、アパレル関係は毎年商品が変化してゆきますので、
年々どこかと似たような商品になってゆくチェーンもあります。
そういったことも予測の上で、
新規導入店舗を決定するとよいでしょう。
テナント誘致企画者は、店単位ではなく商品群や客層単位で
商売を理解しておくことが大切です。
同じようなSCが世の中に多くあるのに、
「なぜかうちのSCはこの部門が不振だ」という場合は、
たいてい面積が大きすぎるか、似たような商品を扱う店が多すぎるか、
に起因していることが多いです。
●同じ業種の商業集積の注意点
一方、大商圏のSCで、政策的に同じような業種や商品を
集積させる試みもあります。
原則的に同じ業種を多数集積させた商業集積は、
都心の大商圏でないと成立しません。
秋葉原の電気街や神田のスポーツ店、
書籍の街などは東京の中心部だからこそ成立したわけで、
小商圏であえて特徴を出そうとして結局失敗している例もあります。
なんとなく同一業種が集まっていると
集積の力が発揮されそうに思えますが、
許容量を超えると全店不振になりますので、
これは市場規模を冷静に見て、
食い合わない範囲での集積にとどめることが重要です。
一方、集積力を生かして、ラーメン博物館のように広域に
プロモーションを展開して、
商圏を拡大する効果があるならば効果的です。
こういった取り組みは、MDだけではなく
プロモーションとの連携が欠かせないため、
分かりやすいコンセプトで施設が統一され、
一体的なオペレーションができていることが重要です。
●[次回以降の予定】
SCリニュアルに向けて vol.5 テナント個々のパワーはどうか
SCリニュアルに向けて vol.6 関連業者さんの選定
SCリニュアルに向けて vol.7 スケジュールと体制
SCリニュアルに向けて vol.8 経営体制はこれでいいのか
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