━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.485━ 2017.2.14
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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【1】メルマガ 『既存事業を脅かす分野にこそ積極参入すべし』
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『既存事業を脅かす分野にこそ積極参入すべし』
大手各社の動きを見ていて、新技術や時代の流れで新しい分野が立ち上がってきたときにとる戦略は、大きく2つに分かれます。
【1】既存の高収益事業とバッティングするため、そこには参入しない
【2】このままでは既存高収益事業を食いつぶす勢力になるため、むしろ積極的に参入する
たとえばフィルム事業がデジタルカメラに脅かされたフジフィルムは、デジタルカメラにも参入した上に、別分野での収益を伸ばして、フィルム売上が1/10以下になっても高収益企業になりました。
現在はミラーレスデジタルカメラにも参入して、フィルムなきあとのカメラ市場でもシェアを伸ばそうとしています。一方でフィルム事業以外に参入しきれなかったコダックは倒産しました。
人材採用の分野ですと、リクルートという会社は媒体事業を行っていたわけですが、ここにindeedというネットを活用した世界最大の人材採用プラットフォームが登場しました。
リクルート社は、いち早くこの動きに注目し出資して、日本でのindeedはリクルート社が主導しています。上記の【2】の戦略をとったわけですが、このような大胆な戦略が取れる会社のほうが少ないのが実際でしょう。
雑誌社や新聞社が「紙媒体で収益が上がっているからWEBには参入したくない」といった話は以前よく耳にした話です。旅行代理店はWEB宿泊予約という分野を獲得することができず、楽天やじゃらんなどの新興勢力に持っていかれました。
新規参入で大切なことは、自分たちが熟知している市場において行うほうが、より成功確率が高いということです。なんだかよくわからない別市場を開拓するより、よく知っている市場のほうがよくわかるのは当然のこと。
しかしそれが新技術新勢力に脅かされそうになってきたとき、まっさきに行うべきは「自らがその新市場新分野に率先して飛び込む」ことといえます。
いかなる分野でも常に新勢力が出てきますが、それらを「敵」とみなさず、「次の時代はこれだ!」と見抜いて自ら飛び込んでゆくことが大切ではないでしょうか。
SCにおいても、私どもでは長時間営業の時間短縮や休日取得を以前から提案してきましたし、実際にリニューアルと同時に閉店時間を1時間早めましたが、結果は売上が伸びました。
万年労働者不足の現場実態、シフトを減らしたいテナント企業の実態、お客さんの動き、これらを見ていれば、次の時代は長時間労働化ではなく時間短縮・休日増加になると10年以上前から提案してきました。
販促費が乏しくても販促イベントはやれます。ポイントカードの三倍販促しか打ち手がないようでは収益性を削る一方です。そこに抵抗するのが、既存利権を失う「抵抗勢力」といえます。そういった社内の抵抗勢力を吹き飛ばすよう、トップは英断をしなければならないといえます。
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加速する人口減少、超高齢化、オムニチャネル化……。
小売市場を取り巻く環境が激変する今とこれからを生き抜く術を、船井総研トップコンサル集団がズバリ指南。新しい小売の教科書の第一弾です。
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【SC経営のヒント484】『都市型駅ビルと地方駅ビルの業績アップ手法の大きな違いとは?』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.484━ 2017.2.8
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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『都市型駅ビルと地方駅ビルの業績アップ手法の大きな違いとは?』
これまで好業績を維持してきていた駅ビルですが、業績の明暗が分かれる中で、テナントリレーションの大幅な見直しがはじまっています。
首都圏にある駅ビルでは月例の店長会がなくなり、ミステリショッパーもなくなりそうです。駅乗降客という基礎集客を背景に、売上の1%の販促費を、調査、研修に振り向け、PMとしての差別化を打ち出してきましたが、必ずしも業績連動していないことの結果のようです。
また、好調を続ける関西の駅ビルも地方、郊外店舗の業績が厳しくなり、改めて業績に直結する提案が求められています。都市型駅ビルと地方駅ビルの業績アップ手法では、販促に大きな違いがあります。
基礎集客のある都市型駅ビルは、テンナトの入店率、買上率を上げるインストアプロモーションが大切で、地方駅ビルは施設集客をアップするアウトストアプロモーションがポイントになります。
特に地方駅ビルは施設売上が高くないので、販促費も少なく、いかに、費用対効果の高いアウトストアプロモーションができるかが重要で、ポイントは下記7つになります。
【1】商圏の理解と方向性の共有 (商圏相応、力相応一番)
【2】核店舗の協力とテナント参加率
【3】週、月、年の名物催事化 (10週/52週)
【4】インプロでの事前予約(媒体、告知の見直し)
【5】買い回りの店数、組人数アップの仕掛け
【6】地域連携と参加型イベント(地元代理店の活用)
【7】最大日販への挑戦 (特別ご招待会)
これらをテナントを巻き込みながら、展開、実行できる施設側のフロアスタッフが現場で育っていないのが実際で、テナント向けの調査・教育研修を企画する以上に施設側のフロアスタッフのリレーションスキルが求められているのではないでしょうか。
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【SC経営のヒント483】『売れ筋だけで店をつくらない』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.483━ 2017.1.31
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『売れ筋だけで店をつくらない』
お店にとってもっとも大事なことは「売れること」ではありません。「集客すること」です。「売れる」というのは集客の結果であり、集客しないことには売上は上がりません。
よく、買上げ率を上げましょうという取り組みがあります。それはもちろん大切なことですし、買上げ率は低いよりは高いほうがよいと思えます。しかし、「集客は落ちたが買上げ率が上がった」というのは正しいでしょうか?ここはとても疑問に思えます。
世の中には買上げ率が異常に高い店というのがありますが、それはなじみ客100%で店主が客の好みを熟知しているような店です。そういう店はそういう店で存在価値があるのですが、店主と客の関係性で成立していますから、一代限りともいえます。
「どうやって集客力を上げるか」というのが、店にとっての永遠の課題です。そういう観点から「品揃え」を見直してみましょう。世の中的には「売れ筋を品揃えしよう」といいますが、さて売れ筋商品は集客力を高めてくれるでしょうか?
売れ筋商品は、どこの店にもあります。ですので需要があるから売れますが、集客力があるわけではないのです。集客した結果売れる商品です。集客する商品とは、「この店にしかない商品」です。それは得てして売れ筋ではない商品です。
売れ筋ではないが、その店のコンセプトを表現する商品といえます。ですので、品揃えする際に「その店らしさ」を表現する商品を十分に揃えているかどうかが大事です。
世の中、効率化効率化とうたわれ、ABC分析と死に筋カットを当然と思っている人が多いようですが、そういう手法が通用するのは立地が良くて集客に困らない場所だけです。ほとんどの小売店はそこまで立地が良くなくて、どうやって集客するかがキーポイントになります。
その品揃えは、集客のためになっているだろうか?あらためて考えていただきたいと思います。
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【SC経営のヒント482】『業績の良い施設と厳しい施設の違いとは?』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.482━ 2017.1.24
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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『業績の良い施設と厳しい施設の違いとは?』
年末・年始、次年度の打ち合わせも兼ねて各商業施設を訪問しましたが、業績が厳しい施設も多く、根本原因について意見交換しました。
業績の良い施設は、部分最適でなく全体最適している施設で、一方、業績の厳しい施設は、全体最適でなく部分最適を優先している施設でした。
ここ数年ディベロッパーがSC運営スタッフやテナントを教育、支援することで、業績アップを図ろうという動きが一般化しています。
所有と経営、運営が分離される中、PM専業企業が増えたことが要因で、ミステリショッパーを基本にCSを優先させてきましたが、ここに来て、そのミステリーショッパーをやめる動きが加速しています。
結局のところ、部分最適ではこの環境を乗り越えるのが厳しいという判断なのでしょう。
戦略のミスは戦術・戦闘ではカバーしきれないのが普通で、差別化の項目にあるように、立地、規模、ブランドといった戦略的差別化が重要です。つまり、商圏相応、力相応の施設MDの最適化が鍵となります。
現状施設が厳しい要因は、アパレルの苦戦があげられますが、これは、商業施設におけるアパレル比率が大きいことに主要因があります。アパレルは売上、賃料ともに高く、飲食、食品のような設備負担がなく、また、ノロや火事などの管理面でも心理的負担が少なく、ディベロッパーにとっては管理しやすい業種です。
その意味では、双方の意向にあった展開でしたが、アパレルを優先できる立地は限られ、施設の全体最適において、アパレルの構成比を下げていく、あるいはアパレルの賃料見直しをしていくことが求められます。
チェーン店も売上主義から、利益主義に変わりつつある中で、施設も一緒になってこの厳しい局面を乗り切ることがポイントです。
商業施設、チェーン双方から求められる部分最適な要望に対して、どれだけ、全体最適に対する提案ができるかが鍵となる1年になりそうです。
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【SC経営のヒント481】『価格にシビアになろう』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.481━ 2017.1.17
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『価格にシビアになろう』
筆者は関西出身なのですが、東京出身の人と話していると、大きく違うと感じることがあります。それは「価格」に対するシビアさの違いです。
東京の丸の内のランチ予算は1000円になりますが、これは大阪の下町ではありえない値段といえます。福岡や札幌のように観光地化してしまうと、ラーメンなどのB級グルメの価格もどんどん上がってゆきますので感覚が麻痺してきますが、全般的に東京中心部を頂点にしてそれ以外は都市規模に応じて平均予算帯はどんどん下がってゆくものといえます。
名物商品化、個性特徴、付加価値、いろんなキーワードで少しでも高く売ろうとするのが商人の考えることですが、一方で顧客は常に価値あるものをすこしでも安く買いたいと願っています。高く買ってもいいと思える、あるいは高いほうがいいと思える一部のブランド商品を除いては、安いに越したことはないという気持ちは誰しもが根源的に持っています。
しかし、他と比較して割高な値段をつけても、思ったより売れてしまえば、それで安心して「このくらいの利益をとればいいか」と、段々と価格に対するシビアさが弱くなってしまいがちです。
東京に本社があって東京感覚で商品を決めて、「東京以外であまり売れない」というのは、価格に対するシビアさが異なるためであることが多いように思われます。
量販系・スーパーストア系は往々にして「必要以上に安く売りすぎている」ことを見直す必要がありますが、専門店系では「商品力以上に利益をとりすぎている」ことに敏感である必要があるのではないかと思えます。
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【SC経営のヒント480】『下位の商圏モデルを確立する』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.480━ 2017.1.10
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『下位の商圏モデルを確立する』
本来、成熟した日本のマーケットにおいては、生産性(利益)を重視することが重要だと伝えました。つまり、より下位の商圏人口でも成立するモデルが確立できれば、それが可能となります。本来、より下位の商圏人口にある立地(路面、SC)の方が賃料も安く、出店可能施設数も多くなるからです。
この下位の商圏人口で自分達のブランドコンセプト(世界観)を維持しながら、出店できる施設、規模、ブランド、商品~販売形態までを確立できるかです。そして、これは全社戦略の中でとられていく必要があります。実際に、好調な企業においてのEC比率は増えています。
このEC比率が30%と業界の中でも屈指のチェーン専門店では、有店舗の在庫がwebにまわり、店頭商品が欠品するという状態がおこっています。つまり、有店舗だけの事業モデルでは今後立ちいかないということです。
一方、EC比率が100%になるということもなく、EC専業店が有店舗を出店する動きも加速しています。よく言われるオムニチャネル化への対応が必要です。EC専業店が有店舗を出店する大きな理由の一つが現物確認です。
オムニチャネルに対応した、現物確認と受け取りに対応した衛星店舗の展開、あるいは、期間限定のポップアップショプなどの展開を検討する時期にもきています。
この期間限定のポップアップは、その商圏でもブランド認知をアップでき、EC比率を押し上げていく効果もありますし、その後の施設への出店のテストケースにもなるので効果的な展開と言えるでしょう。
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【SC経営のヒント479】『効率化の間違い』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.479━ 2016.12.20
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『効率化の間違い』
20年前にお手伝いした観光型物販店舗をあらためて見直し、リニューアルしたいとの話になりました。ずいぶん期間も経たこともあり、あらためて見直すと、開業当初とずいぶん様変わりしています。
当初計画したMDプランも時代と共に変化した部分もありますが、それ以上に「誤った認識」でもって売場が変化してしまっていました。まず、最も売れるゴールデンゾーンのレジ前スペースに、あれこれといろんな商品を置きすぎている。
一方で、あまり売れない壁面ゾーンは、開業当初は「店のテーマ性」を打ち出すために、個性の強いグッズで揃えていていたが、これがいつのまにか縮小されている。理由を聞くと「効率が悪かったので縮小しました」とのこと。この2つの間違いに気づいたでしょうか?
一つ目は、売れているいい場所では売れる商品に絞って売ったほうが効率が上がるということ。なので、ここではアイテム数を減らして大量陳列したほうがいい。最も売れるもので儲かるものをどかんと置いて、余計なものはこんな一等地ではなく二等地三等地で展開すればよいわけです。
もう一つは、「店のテーマ性」を訴求すべき「売れない場所」を効率化しても、得るものより失うもののほうが大きいということです。効率化して場所をあけた結果、別の良く売れる商品が入るならそれは意味がありますが、ただ売れない商品を撤去しただけで、そこに新たな売れる商品は特に入らない。
そもそも売れる商品はもっといい場所に陳列しますから当然のことです。その結果、その場所はただ在庫が減ってスカスカになり、密度が低く迫力が無くなり、テーマ性が薄れてしまって、「単なるお土産屋」になってしまっていました。
効率化したつもりが、店の魅力を下げて、店頭在庫をちょっと減らして、売上も以前より下がって…という結果です。はてさて、これはいったい何を効率化してどういう利があったわけでしょうか?
あらためてこのことをお伝えすると共に、「そうかあ、効率化とかいって勘違いして、よかれと思ってこんなこんな間違いをしてしまうんだ…」という現実を自分もかみしめる思いでした。
現場はもちろん「よかれ」と思って変更してきています。この場合の効率化したほうがよいというは、勘違いです。誰もがみな前向きで、一生懸命なのです。誰一人として店を悪くしようなどとは思っていません。
でも、正しい知識・理解がないと間違えてしまうのです。残念ながら、間違えた方向にいくら努力しても報われません。あらためて、マーケティングについての正しい知識・理解を持つ事の重要性を感じました。
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【SC経営のヒント478】『商圏人口と予算帯の関係』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.478━ 2016.12.13
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『商圏人口と予算帯の関係』
商圏人口が大きくなればなるほど、お客様の使える予算は増え、小さくなればなるほど、お客様の使える予算は減ります。商圏人口が少なくて成立する業種・業態は基本的にデイリー性の高い商品となりますし、商圏人口が大きくなると目的来店性の高い嗜好品の比率が高くなるからです。
つまり、商圏人口が変わると基本的には商売のやり方が変わることになります。ただ、商圏人口が小さくても成り立つ業種・業態は、家賃効率さえあえば、現状の商売のままで、より上位の商圏人口の立地に出店が可能となります。
一方、上位の商圏人口を必要とする業種・業態は、商売のやり方を変えないと、より下位の商圏では戦えなくなるのが一般的です。
3万人 SM、Drug
7万人 郊外型専門店
18万人~ GMS
50万人~ 地方百貨店
130万人~ 都市型百貨店
いま、リニューアルをしても施設売上が上がらない施設が増えています。それは、自力集客する核店舗、サブ核と言われる大型店が変わっていないからです。自力集客する大型店が変わるか、増えない限り、施設、フロア集客は上がらないからです。
そして、この核、準核がどう変わるのか、増えるのかが重要です。つまり、どんなに集客力があり月坪が高くても、既存の客層にあっていなければむしろ逆効果だからです。基本的に、核店舗の予算帯が施設の中心客層となります。
つまり、GMSから百貨店に変われば、客層が変わり、予算帯はアップします。逆に、GMSからデイスカウントストアになれば、予算帯はダウンします。その意味では、月坪効率だけでなく、核、準核の大型店舗が集客する客層が自社MDと相性の良い施設であるかがポイントになります。
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【SC経営のヒント477】『改めて商品力を見直す時代』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.477━ 2016.12.6
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『改めて商品力を見直す時代』
専門店のチェーン化は、もともとはローカル店が商売のやり方が上手で、よく売れて店舗数を増やした結果、チェーン化して企業規模が拡大するというのがナショナルチェーン化への道でした。
それが、たまたまいい立地に出たからチェーン化のきっかけを得たというのが80年代のことであり、90年代以降は他と差別化された「商品力」「ビジネスモデル」を伴ったチェーンが伸びてきたといえます。
安売り志向で拡大するビッグチェーンとは別に、センスや感度の良さで勝負する個人店や小規模チェーンがどんどん出てきています。それらは、どれも感度が高く、高付加価値志向で勝負しようとしています。
しかしながら、デザイン性や感度の高さだけで、「商品力」を伴っていないものも多く出てきています。商品力とは、外食でいえば「おいしい」、アパレルでいえば「いい生地を使っている」など、すぐにそうと分かる、それなりに原価や手間のかかったものです。
原価はかけないが、見た目をかっこよくして高付加価値にしたい…という商品が少なからず出てきているのではないかと思えます。それでも、立地がよければそれなりに売れてしまうこともありますが、長続きしないように思えます。
専門店は、大手企業の「それなりの高品質&安売り」に対向するために、「どうやって付加価値を上げてゆくか」にチャレンジしているところが、将来性があるように思えます。ただし、それは外見だけではなく、本来的な商品力の向上を伴ったものであることが大切であるといえます。
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【SC経営のヒント476】『自社ブランドが展開できるSCの数』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.476━ 2016.11.29
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『自社ブランドが展開できるSCの数』
既存SCのリニューアル出店へのチャンスを考えた場合、既存施設においては売上、家賃などの基本的な数字が出ているのでここが判断基準になります。その際、施設売上の総額を見るのでなく、施設の月坪売上で判断していくのです。
また、この月坪売上を施設、フロア、業種と確認していく必要があります。どんなに、施設の月坪が高くても、出店を打診しているフロアの月坪が低ければ、そのフロアの集客力が低いことがわかりますし業種の月坪が低ければ、この業種がこの商圏(お客様)にあっていないことがわかるからです。
また、施設売上から商圏人口を算出してみることです。商圏人口については、商業施設(デベロパー)毎に算出の仕方が違うので、商業施設側の商圏人口を鵜呑みにするのでなくチェーン専門店が簡易に算出してみることです。
例えば、イオンモールはIRにもあるように、車30分圏40万人以上とれる場所に出店するとありますが、これはイオンモール開発においての出店基準であって、実際に開発されたイオンモールが40万人の商圏人口をとれているかは別です。
では、実際の商圏人口はどのようにすれば分るのか、商業施設側がポイントカードなどのデータを開示していただければ可能ですが、新規出店で打診を受けた施設から、そこまでの情報開示をいただけるかは疑問です。
そこで、簡易に商圏人口を算出する方法として船井総研では、下記のような公式を利用していますので参考にしてみてください。
売上=マーケットサイズ×商圏人口×シェア(占有率)
商圏人口=売上÷マーケットサイズ÷シェア(占有率)
マーケットサイズとは、国民一人当たりの年間消費支出金額のことです。国民一人当たりの年間消費支出金額×商圏人口で、商圏内総需要額がわかります。この商圏内総需要額に対して、とっているシェア(占有率)で売上が決定します。商業施設においては、マーケットサイズ100万円、シェア5%が一つの目安になります。
つまり、売上のわかる既存施設の実際の商圏人口は下記の算出式で簡易に求められます。
商圏人口=施設売上÷100万円(マーケットサイズ)÷5%(シェア)
実は、この商圏人口が先の戦略的差別化=出店において最も重要だと弊社は考えています。そもそも、出店可能SC数はこの商圏人口によって決まるからです。先のSC協会のSC分類は、基本は立地タイプと規模別の区分となります。しかし、立地タイプと規模の大小だけでなく、重要なのは商圏人口となります。
なぜなら、業種・業態、あるいはブランド毎に必要商圏人口が異なるからです。より、下位の商圏人口で成立する業種・業態あるいはブランドの出店可能数は当然大きくなるからです。
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経営情報誌『船井アパレルジャーナル(無料)』
流通業界に明るい未来を!伸びている話題の企業インタビューを掲載
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10月は東京急行電鉄株式会社 二子玉川ライズ・マネージメントオフィス インタビューレポートを掲載しました。テーマは『街全体を次のステージに!愛情を持った店作りがテナント成功のポイント!』です。
▼詳しくはコチラ▼
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10月21日新刊発売!
『多店舗展開の基本実務』
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加速する人口減少、超高齢化、オムニチャネル化……。
小売市場を取り巻く環境が激変する今とこれからを生き抜く術を、船井総研トップコンサル集団がズバリ指南。新しい小売の教科書の第一弾です。
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