【SC経営のヒント396】:『オリジナルギフト商材をつくってみよう』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.396 ━ 2014.11.20
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:オリジナルギフト商材をつくってみよう』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『オリジナルギフト商材をつくってみよう』
日本ならではの商材に「観光お土産」というものがあります。旅行
の際に職場や近所の方々にお土産として購入し配るためのもので、
このような商材はどこの観光地の売店でも販売されているのでポ
ピュラーになっています。
通り相場は箱入り1000円で、配りやすいように6個以上入っている
ものが適しています。
これは伝統的な日本ならではの商材であり、ハワイのDFSにもマカ
ダミアナッツが大量に販売されていますが、買ってゆくのは日本人
ばかりです。
こういった1000円ギフトが、最近では600円程度の小さな商品に売
れ筋が移行しています。近所に配るためから、自分で気に入った商
品を買って帰るためという需要に移りつつあるためです。
同様に中元・歳暮というギフトも年々細っていて、伸びているのは
パーソナルギフト系です。自分へのプレゼントや、親しい友人に
ちょっとした贈り物をするということで、これらの単価は300円~
500円程度となります。このようなプチギフトを強化している郊外
型雑貨店などが成果を上げています。
雑貨店にとっては、仕入れ商品が主体なので「商品による他店との
差別化」が困難です。
優れた雑貨店では、小さな雑貨類を店員さんのセンスでセレクトし
て、複数集めてラッピングして「オリジナルギフト」をつくってい
ます。そうすることで「自店独自の商品」をつくることができます。
このような雑貨店は、お客様の半数近くがギフトユースで利用して
います。
アパレルなどは基本SPA化して、自社企画(ないしはODM企画)の商
品が主流になっていますが、仕入れ商材であってもこのような工夫
をすることが可能です。
「ギフト商材」というものは、百貨店は強いですが、スーパー量販
店系はあまり強くない商材です。
自店の魅力を高めるためにも「自店パッケージ」によるギフト商材
開発にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
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ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
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〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
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【SC経営のヒント395】:『いまどきのスーパー店長はチームで勝つ!』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.395 ━ 2014.11.14
 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:いまどきのスーパー店長はチームで勝つ!』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『いまどきのスーパー店長はチームで勝つ!』
先日あるチェーン店の店頭調査をしたところ、営業時間中のスタッ
フの接客時間の平均は営業時間に対して30%という結果が出ました。
この接客時間には店頭での声がけといったクロージングを伴わない
ものも含んでいますので、実感としても接客時間が少ないと感じる
と思います。
もちろん、平均ですので接客時間が50%近くなる店舗もありました。
当然の結果として、接客時間がとれている店舗の業績は良く、接客
時間がとれていない店舗の業績は芳しくありません。
チェーン店舗ですので、基本的な売場づくりやバックヤード作業な
ど大きな違いはありません。ですから、この接客時間については現
場トップである店長の裁量が大きいようです。
接客時間を最大化できている店長の特徴としては、スタッフ全員の
強みを把握して、チームで勝つことを意識している点にあるようで
す。
例えば、新人スタッフには店頭でのお声がけを徹底させる、売場全
部でなく、得意なブランド、アイテムだけを担当させるなど、個々
人の強み、スキルに応じた役割分担がされています。
また、店長は自分が売上をつくるのでなく、お客様へのアプローチ
から、接客、試着、クロージング、レジ対応までスムーズにいく流
れをつくることに徹している点が大きな特徴です。
一昔前の自分で売上をつくるスーパー店長のもとでは、店長以外は
業務の全体像が見えないので仕事の優先順位がつけられず、一番大
切なお客様への接客時間を最大化できないことが多いからのようで
す。
やはり、店頭での業績は接客時間に比例しますので、勝てるチーム
づくりに向けて、1日の業務の棚卸しと個々人の強みの棚卸しから
スタートしてみては如何でしょうか?
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【SC経営のヒント394】:『なぜ、この店舗のコンバージョンはアップするのか?』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.394 ━ 2014.10.16
 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:なぜ、この店舗のコンバージョンはアップするのか?』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『なぜ、この店舗のコンバージョンはアップするのか?』
今日は有店舗でのコンバーション(転換率)についてお話します。
トラフィック(店前通行客)に対するコンバージョン(入店・買上
率)のお話です。
先日、お伺いしていた駅ビルさんでは、1日あたりの駅乗降客数が
10万人、駅ビル入館客数が9万人、最も客数の多いテナントで4千
人とのことでした。
駅乗降客に対する駅ビル入館客数のコンバージョンは90%と高いの
ですが、駅ビル入館客数に対するテナントのコンバージョン
(入店・買上率)は4.4%と決して高くはありません。
駅ビルに限らず、商業施設において入館に対するコンバージョンが
多いテナントでも10%を超えることは少なく、現場でお手伝いする
なかで、まだまだアップしていけるものです。
例えば、同じ銘店、銘菓のチェーン店舗でも、駅ナカ店舗ではホワ
イトデーが年間を通じて最大日販となり、郊外店舗ではクリスマス
が最大日販となったりします。
これは、駅乗降客の半数は男性であり、男性は予約しない、買いま
わらない、できれば積極的に買いたくないという消極的なモチベー
ションから、近くて便利なところで買う傾向にあるからです。
コンバージョンをアップできない店舗の多くは、館によっての客層
の違い(お客様)が見えていないことが多く、最も売りやすいとき
に、商品と人(スタッフ数)のチャンスロスが発生しているものです。
お客様が見えていれば、適時、適品、適価、適量、適提案ができ、
コンバージョンはアップしていけるものなのです。
実際に、お伺いしている駅ビルで伸ばしている店舗では、午前は主
婦、午後は学生、夕方からはOL向けに店頭ディスプレイを1日3回変
えています。
更に、その日の天候(気温)によってコーディネートをアレンジし
ているものです。
また、店頭での接客時間を最大化するためにアイテム別からサイズ
別に売場を切り替える店舗もではじめました。
ぜひ、有店舗でのコンバージョンアップに向けて、新たなマネジメ
ントや仕組みづくりに挑戦していきたいものです。
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【SC経営のヒント393】:『地元主導SCのこれから』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.393 ━ 2014.10.09
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:地元主導SCのこれから』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『地元主導SCのこれから』
私どもでは、過去に地元主導SCの活性化やリニューアルを多数お手
伝いさせていただきました。
それらのなかには、床を第三者に売却して事業をEXITしたところや、
一定期間事業をやりきってから物件を売却し、PMも第三者に任せて
事業終了したSCもあります。
しかし一方で、今でも元気に頑張っているSCもあります。
大店法時代にこのようなSCは多数できたのですが、今では地元主導
SCとして元気に残れているほうが少数派になっている感があります。
この10年の間に、大手資本の開発するSCが競合店としてやってきて、
業績に影響をうけたり、将来のビジョンを描きにくくなっているSC
もあると感じています。
このような地元主導SCのリニューアルの方向性として、これが10年
以上前のことであれば、ナショナルチェーンを積極的に誘致すると
いうのが王道でした。
しかし、今の時代、競合する大手資本のSCにはナショナルチェーン
がずらりと並んでいます。
さらには、こちらも弱っているが競合店も決して成功していない、
というケースも多々みうけます。
ナショナルチェーンも10年前と比較して、業績不振で事業縮小して
いる会社も多数あります。どのような事業にもライフサイクルがあ
り、永遠に同じ方法論で繁栄できるわけではありません。
こういった環境下で、地元主導SCのリニューアルにおいてなすべき
ことは、再度地元資本の若い経営者の店を誘致することではないで
しょうか。
そのようなお話をいたしますと、
「なかなかいい人がいない」
「そういった人たちとの接点がない」
「自分たちの事業に理解を示してくれない」
といったお返事が返ってくることが多いです。
いろいろな理由を聞かされますが、ようするに、SCに慣れていなく
てヤンチャな人たちが多いから、デベロッパーとして御するのが面
倒だから入れたくない、というのが本音でしょう。
地元主導SCが出来上がって15-20年経て、SCも地域ブランドと化し
て、幹部も地域経済人としての常識を身につけてきたから、そのよ
うに感じられるのでしょう。しかし、そのSCを設立する前には、そ
の幹部の方々も同じような立場にいたのではないでしょうか。
当時、原動力となった中核メンバーは、常識がなくヤンチャな人た
ちの集まりだったからこそ、大手資本を巻き込んでSCをつくろうな
どという無茶なチャレンジが出来たのではないでしょうか。
しかし時間を経て、自分たちがいろいろわかってくると、いまさら
分かっていない若い人を巻き込むのは精神的に骨が折れる・・・・
私にはこのように聞こえてなりません。
地元主導SCが再活性化するには、再度地元資本の常識のないヤン
チャな、それでいて商売には熱心で成長意欲のある若手経営者を仲
間に引き入れる、これしか大手資本のSCに対抗する方法論はないと
思えます。
そして、かつて自分たちがヤンチャだったのを誰かに教えてもらっ
たように、今度は自分たちが彼らに教えてあげる番になったと知る
べきではないでしょうか。
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【SC経営のヒント392】:『ホテル・旅館のブランド戦略』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.392 ━ 2014.10.02
 船井総研 コンサルタント 山本 真輝 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ホテル・旅館のブランド戦略』
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『ホテル・旅館のブランド戦略』
ひとくちに“宿泊施設”のブランディングといっても、実はホテル
と旅館ではブランディングにより期待できる効果に違いがあります。
期待できる効果が異なるため、その施設形態(ホテルなのか旅館な
のか)によってブランディングも変える必要があります。
ではホテルと旅館では、そのブランディングによる効果にどのよう
な違いがあるのでしょうか?
ここで2つのケースを想像してみてください。
ケース1.九州のローカルチェーンホテルが東京に進出する。
そのときの九州にある既存ホテルへの影響は?
ケース2.別府の旅館が、箱根に進出する。そのときの別府にある
旅館への影響は?
携わった事例でも同傾向ですが、一般的に答えは以下のとおりにな
ります。
ケース1の場合は、九州にある既存ホテルも稼働率が上がります。
東京に進出する=東京圏在住の人がそのブランドを認知することで、
東京圏在住の人が九州へ出張する際に、知っているブランド=何と
なく安心・安全なブランドということで、予約を受けやすくなり、
結果として稼働率が上がる傾向にあります。
ケース2の場合は、別府にある旅館は、ほとんど影響はありません。
箱根に進出する際の広告宣伝分くらいは集客にプラスの影響をもた
らしますが、あくまで一過性のものに過ぎません。
以前に、台湾に進出した加賀屋(「プロが選ぶ日本のホテル・旅館
100選」にて34年連続日本一の名旅館)の役員の方とお話しする機
会がありましたが、日本の加賀屋と、台湾の加賀屋では顧客の共有
は少ないとのことでした。
台湾進出時はテレビの経済番組でも取り上げられ、台湾人を日本の
加賀屋に呼び込むためのステップとして戦略が伝えられていました
が、実態は異なるようです。
では、ホテルと旅館ではなぜこのような違いが出るのでしょうか?
これは「旅」(=宿泊を伴う外出)におけるホテルと旅館の役割の
違いが影響しています。
まず旅におけるホテルの役割ですが、ホテルを利用するような
「旅」の場合、ホテルは、あくまで旅の目的ではなく、何か他の目
的があって、ホテルは宿泊の手段に過ぎないことが多いです。
どこかに泊まらなければいけない状況下で限られた選択肢から、
そのホテルを選んでいるだけです。
このような消極的な需要の場合、ホテルへの期待は「安全」
「安心」「清潔」など、宿泊における必須要件の安定提供が、より
重要となります。
ブランディングの際も、上記の要素に焦点を当てた打ち出しが効果
的です。
一方、旅館は、その旅において旅館の利用すること、それによって
得られる体験が目的になっていることが多く、わざわざ泊りたい旅
館を探して、その旅館を楽しみに旅行に出かけることが一般的です。
もちろん予算などはありますが、地域が制限されることはなく、
あくまで好きな場所を探すのです。
このような積極的な需要の場合、旅館への期待はズバリ「宿泊する
魅力」です。
チェックインからチェックアウトまでの時間における体験の感動の
最高値がいかに高いかが、より重要となります。
ブランディングの際も、その感動のピークに焦点を当てたストー
リーづくりが効果的です。
皆様の施設が打ち出しているメッセージは、その施設に適しているか?
是非、今一度確認してみてください。
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【SC経営のヒント391】:『商品の先にあるハッピーを伝えていますか?』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.391 ━ 2014.09.18
 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『Main Contents:商品の先にあるハッピーを伝えていますか?』
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『商品の先にあるハッピーを伝えていますか?』
売れる販売員と売れない販売の違いは何か?
売れる販売員は商品の先にあるハッピーを提案し、売れない販売員
は商品そのものを売ろうとします。
お客様がその商品を買うことでどうなりたいかをわかっているのが、
売れる販売員なのです。
つまり、売れない販売員はお客様の健在化した欲求(ウォンツ)に
応えようとし、売れる販売員は潜在化した欲求(ニーズ=シーズ)
に応えようとするのです。
売れない販売員は商品で勝負するので、同じ商品なら価格がやすい
店に逃げられ、商品在庫がなかったら、せっかく接客したのに売る
ものがなくて販売機会を失います。
売れる販売員は、お客様の潜在ニーズにこたえようとするので、代
替商品を提案できますし、買い上げ点数のアップも可能です。
とかく、現場は予算に縛られ、商品だけを売り込む傾向にあります
が、商品を売り込もうとすればするほど、売れないのが現実です。
ジャパネットタカタの高田社長は、ラジオ通販から今の事業をス
タートされたため、商品そのもので勝負するのではなく、お客様に
商品の先にあるハッピーを届けることができたのでしょう。
商品の先にあるお客様の笑顔が思い浮かべられますか?
どこまで、商品でなくお客様に関心を持っていますか?
そして、お客様を観察していますか?
ぜひ、商品の先にあるお客様の笑顔のために、シーズに適した提案
をしていただきたいものです。
船井総研では、売れる販売員になるための診断チェックを用意して
おります。
興味のある方はお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。
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【SC経営のヒント390】:『GREE「ラブホ予約アプリ」の爆速終了を考察する』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.390 ━ 2014.09.11
 船井総研 コンサルタント 山本 真輝 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:GREE「ラブホ予約アプリ」の爆速終了を考察する』
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『GREE「ラブホ予約アプリ」の爆速終了を考察する』
GREEがラブホテルの予約ができるアプリ「Tonight for Two」の
サービスを9月3日をもって終了したことを発表しました。
当アプリはサービス開始の8月11日から1ヶ月足らずでのサービス終
了ということになり、その終了までの期間の短さより驚きを以って
ニュースとして伝えられたようです。
またサービス終了の経緯についてGREE広報が「社内外から色々なご
意見があり、それらの議論を踏まえて総合的に判断した」と説明し
たことから色々なニュース記事やブログにて終了理由の憶測が広
まっています。
■どんなアプリだったのか?
リリース当時の発表記事を紐解くと、本アプリについて下記のよう
に説明されています。
今夜のラブホテルが10秒で予約できます、をコピーとし、ラブホテ
ルの当日予約に特化させたもので、6月11日にGREEがサービスイン
した高級ホテルの当日予約アプリ「Tonight」のラブホテル版であり
せっかくホテルに行ったのに満室で入れなかったというニーズに
対応できる、としています。
アプリを立ち上げると、GPS機能により現在地より一番近いラブホ
テルが順に表示され、各ホテルの外観や部屋の内装、ロビー、アメ
ニティなどが確認でき、気に入ったホテルがあれば、予め登録した
クレジットカード情報をもとに、そのまま決済し、最短10秒で予約
が完了する仕組みです。
加盟ホテル側としては同サービスを利用することで、周辺ホテルの
情報をリアルタイムに見比べながら、当日の空室を自由に価格設定
して販売でき、売上および稼働率の向上とともに、当日予約だから
こそできる割安価格を利用者に提案することで、新たな顧客開拓、
集客が見込める、というものでした。
コストとしても初期手続料3万円以外は、予約成立時の手数料のみと
リスクを抑えた契約条件だったようです。
GREEとしては、突発的に発生する(=前以って予定が決まらない)
傾向が強いラブホテル需要に対し、ユーザーに最も身近なデバイス
であるスマホを活用したアプローチによって、マッチングを図ると
いう狙いだったと考えられます。
当時の発表にもありますが、従来よりGREEが培ってきたスマホのノ
ウハウを活用できる事業、とアナウンスしています。
■なぜ終了したのか?
各所の記事等では、サービス終了の理由として
1)ラブホテルは突発的な需要特性のため予約という概念に馴染ま
  ない
2)先行サービス(ハッピーホテルなど)がすでにある
3)上場企業としての適性の問題
などが挙げられています。
東証一部上場企業であるGREEがアダルト要素を含むラブホテル事業
に関わるという問題は、火を見るより明らかですが、さすがに事前
検討していないとは考えにくいので、あくまで事業性が不足してい
たという前提で、その要因を考えたいと思います。
■本アプリを取り巻く環境
ラブホテルに限らず、ホテルや旅館では間際のダンピング販売とい
うモチベーションが存在します。
ホテル・旅館の空室(=在庫)は、通常の流通業と異なり、明日に
持ち越せるわけではないので、稼働率の最大化を目指すにあたって
は、基本的には毎日の在庫を売り切る必要があります。
ちょうど食品SMの惣菜コーナーのおつとめ品と同じです。
(ここではホテル・旅館のブランドイメージや、CRM観点からの
ダンピング販売自体の適否については考慮外とします。)
このモチベーション自体は、スマホの普及などに関係なく、従来よ
り存在しており、大手宿泊予約サイトでの「当日販売」設定や、
クーコム株式会社によるホテル・旅館予約サイト「トクー」
(http://www.tocoo.jp/)のように間際在庫の安値販売サイトとし
ての特性を強く打ち出したサイトが、その受け皿となっています。
但し割安ではあるものの、あくまで売れ残りであり、当然、当日空
室がたくさんある施設=人気がない施設であることが多く、ユー
ザーが本当に利用したい施設が割安で販売されていることは少ない
のが実態です。
これはラブホテルにも言えることで、やはり当日ダンピングしても
販売したい施設と、知名度の低いアプリをダウンロードしてまで、
わざわざユーザーが予約したい施設はミスマッチがあったことは容
易に考えられそうです。
■サービス終了の要因
本サービスはマッチングのため、需要側(ユーザー)と供給側
(ラブホテル)の両方を囲い込めて初めて成立します。
一般的に事業のスタートアップ時には、需要側のボリュームもしく
は供給側の目玉が必要とされますが、現行のスマホアプリ市場にお
いてプラットフォームはgoogle play、App storeが掌握しており、
需要の囲い込みが困難だった可能性があります。
本アプリに限らず、ネット業界では広告宣伝費を抑えてテストマー
ケティング的に展開しつつ、順次広告宣伝費を投下していくため、
ある程度想定済みだったはずです。
となると、供給側の目玉が必要になるのですが、「スピーディーに
少人数で事業を立ち上げた結果」(サービスイン時のコメント)と
して、リリース時点では関東1都6県のホテル情報約30件の掲載に留
まり、たとえば港区で1件、渋谷区では0件という状態だったを踏ま
えると果たしてユーザーが欲しいホテルがあったかは非常に疑問で
す。(約1ヶ月後の終了時点では約40件)
終了の要因については諸説があるようですが、
当該業界を攻略していくために、ユーザーが欲している「押さえド
コロ」を把握していなかった(もしくは説得できなかった)ことも
終了の要因の1つと言えそうです。
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【SC経営のヒント389】:『客数と客層』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.389 ━ 2014.09.04
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『Main Contents:客数と客層』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『客数と客層』
SCオフ会でたびたびお伝えしていることではありますが、店舗の客
数増とは、すなわち客層の増加になります。たとえばミセス中心
だった店にファミリー客層が来店するようになった、あるいは近隣
客層中心だった店に、少し遠くからも目的来店客が増えた、一人客
が多かった店にカップルやグループ客が増えるようになった、とい
うことになります。
基本的な原理原則を整理しておきますと
・一人客よりグループ客が増えたほうが「組単価・組客数」が増え
るため、客数増売上増につながりやすくなります。大型商業施設に
とってもっとも増やしたい客層は「三世代ファミリー集客」となり
ます。
・遠方来店客が増加したほうが、高単価品の販売が伸びる。これ
は、わざわざ買いに来たから、という気持ちが働くからでしょう。
商圏は時間とともに縮小する傾向になりやすいため、商圏を拡大さ
せるための大型催事が年に何回か必要になります。
・若い客層が増えたほうが店の雰囲気が明るくなり、上品な客層が
増えたほうが店のグレード感が上がります。
お客様が感じる「お店の雰囲気」というのは、店づくりや商品やス
タッフの質ももちろん影響しますが、最終的には「自分以外の他の
客層」が決めることになります。
まずは、お店側が、いまよりもっと「こんなお客さんに利用してほ
しい」というお客様のイメージをはっきりと持つところからスター
トです。そのうえで、そういったお客様にご来店いただくきっかけ
づくりとしての販促企画を考え、さらに来店されたお客様に楽しん
でご利用いただける商品やメニューを用意して、狙った客層の増加
をはかるという取り組みが可能です。
多くの現場では 売上アップ=客数アップ なわけですが、それは同
時に =客層拡大 となることであり、さらには狙った客層を狙って
増やしてゆこう、という取り組みになります。
どういう客層を増やしたらよいか、については、平日土日の時間帯
別に館内の客層をくまなくチェックしてみることが大事です。
ある都市部の商業施設では、平日の午前・昼・午後・夕方・夜と休
日では、まったく異なった客層が来店していました。それぞれの客
層の関連性はまったくといっていいほどなく、近隣オフィスワー
カー、子連れファミリー、移動途中のビジネスマン、館内の娯楽施
設に来館した人、リタイアメント層、観光客、インバウンド、など
など、多種多様なお客様が時間帯ごとに入れ替わっています。
普段の販促企画を考えること、リニューアルに際して店舗構成を考
えること、そういったことのベースは「それは誰のために?」で
す。それがしっかり見えているかどうかで成果は異なってきます。
自店の客層はどうなっているのか、それはどう変化しているのか、
定点観測で見てみることをぜひおすすめいたします。
また、客層という言葉の意味するものも、多種多様になりますの
で、自店ならではの「客層の定義」も、館ごとに必要となります。
自店にとって適した「客層の分類・定義」をぜひ考えてみていただ
けましたらと思います。
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【SC経営のヒント388】:『インバウンド対応、できませんか?』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.388 ━ 2014.08.28
 船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
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『Main Contents:インバウンド対応、できませんか?』
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『インバウンド対応、できませんか?』
2013年に訪日外国人旅行者1,000万人を越えましたが、2014年も訪日旅行者数は
好調に推移しています。
次のKPIは2020年2,000万人、2030年3,000万人と拡大に向けて、ビザ発給要件の
緩和や羽田国際線発着枠の拡大など、さまざまな政策の後押しがあります。
訪日外国人の日本国内での旅行消費額が2010年に1.3兆円のものを2030年4.7兆円
という目標もあります。
もちろん数字もその影響が出ており、財務省データでは2014年4月に大阪万博時
以来旅行収支(インバウンドが国内で使う金額から、日本人が海外で支払う金
額を差し引いたもの)が単月黒字化しました。
そして物販にも影響のある免税対象品目が10月1日より外国人旅行者向け消費税
免税制度が変更になり、全商品が免税対象となります。
船井総研ではよく、時流適応のお話をさせていただきますが、インバウンド向け
の施策はまさに時流適応です。
「その恩恵を受けるのは都心の百貨店だけでしょ」「ここには観光客が来ない」
という声も聞こえてきますが、本当にそうでしょうか?
中国からの訪日要件が緩和され、個人旅行者が増えて、今までのツアールートとは
異なるルートが増えてきました。
沖縄のダイビングショップでも外国人旅行者が増えていますし、今まで国内旅行者
が減っていた伝統工芸品店にも予想外の来店が増えています。
ドラッグストアでも、お土産消費をとれているのは、店頭前を歩く外国人への
店頭大量陳列と外国語POP訴求ができている店です。
地方でもWEBサイトで観光客向け訴求をしている個店がでてきています。
図らずもSNSでおもしろい商品が拡散され、youtubeにアップされ、海外の方が見て
来店されるといった以前にはなかった動きもでてきています。
インバウンド対応は諦めるのではなく、時流に対応するには自店では
どうしたらよいかを考えてみてはいかがでしょうか?
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【SC経営のヒント387】:『生き残りをかけたSCブランディング』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.387 ━ 2014.08.21
 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『Main Contents:生き残りをかけたSCブランディング』
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『生き残りをかけたSCブランディング』
SC生き残りのポイントは、施設の集客力アップにあります。
SCの集客力は、戦略的にはリニューアル、戦闘的には経常販促で決
まります。
このリニューアルと経常販促を効果的に推し進めるために、最近SC
ブランディングという話が増えています。
ですからSCにおけるブランディングは既存施設のリニューアルに伴
うケースが多いようです。
一般的に、SCブランディングでは、
(1)複数施設の屋号の統一化、
(2)それによるシステム統一化、
(3)共通販促(主にポイントカード)
の3つの取り組みが多いようです。
特に、複数施設を所有するデベロッパー、あるいは管理するPMに
とっての目先の課題は苦戦施設の集客力アップですので、より上位
施設の屋号(ブランド化)はテナントリーシングのしやすさもあり、
ブランド化の大きな目的となるようです。
直近では、JR東日本の駅ビル会社のアトレ化、東急不動産SCマネジ
メントのキューズモール化などがあげられます。
これらのSCブランディングは、上記にあげたメリットはありますが、
今後の生き残りを考えていく上で、同質化というデメリットも存在
します。
特に、SCブランディングの最大のメリットであるテナントリーシン
グにおいては、この同質化(テナントの同質化)が顕著にあらわれ
ます。
つまり、屋号統一などのブランディングは、企業にとっての全体最
適であり、各施設はその中でどう部分最適をして、差を生み出すか
が問われるのです。
これは既に全国展開しているイオンモールでも商圏相応、力相応に
どう生き残るかを模索しているところです。
このような施設をお手伝いする際に、私自身が注力しているのは、
施設そのものではなく、入居するテナントに差を生み出してもらう
ことです。
ご参考までに、下記動画をご覧いただければと思います。
http://www.funaisoken.co.jp/movie/temp/movie_show.html?movieId=83&movieMode=sample
ナショナルチェーンでも商圏相応、力相応に差別化できる。
これが、SCブランディングによって集客力アップを果たした施設の
次なる取り組みのポイントになります。
ぜひ、ブランディング効果を最大化するためにも、テナントリレー
ションの強化をはかっていただきたいものです。
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発行人:丹羽 英之(にわひでゆき)
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