SC経営のヒント120:イケテル売店

ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、丹羽英之でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
最近、駅構内の売店やホテル・旅館の売店のお手伝いを頼まれることが
増えました。ホテルや旅館にとってはこれまで主でなく、従だった
分野ですので商品構成、売場づくり共に稚拙な企業さんが多く、
劇的に変わることが多いのです。
今日はすばらしい売店=イケテル売店についてお話したいと思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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■イケテル売店とは?
イケテル売店とイケテナイ売店の違いは、やはり商品にあります。
その商品の構成を考える際のポイントは大きく2つです。1つはニーズ
(ギフト需要なのか自家需要)であり、もう1つはお客様の予算です。
例えば、浜松のお土産といえば春華堂のうなぎパイ、甲府なら桔梗屋の
信玄餅、広島ならもみじ饅頭などがお土産の定番です。これらお土産の
定番は売店には必要不可欠な商品であり、これを敢えて置かないといった
売店が意外に多いのです。
これは通常の店舗であれば、主力が欠品している状態で絶対客数が増える
はずがありません。お客様の心理としては一箇所ですべてを揃えたい、
買っておきたいのに、この売店では買えないとなってしまうのです。
周辺競合との差別化を意識するあまり、お客様の足が遠のく典型的な
例です。浜松に行ってきたと一目でわかるものをお土産として買ってから、
自分へのご褒美となる自家需要の商品を買うのです。
自家需要の商品の多くは、ギフト商品のバラ売り、少量パックや
詰め合わせといったものが基本で、オーナーの趣味・嗜好にはしった
雑貨などは、なかなか売れないのが実際です。
つまり、定番となるギフト商品とそのバラ売りの商品がまずあることが
商品構成の基本といえます。
また、お客様には予算がありますから、懐具合にあった価格設定が
必要です。基本的に自家需要の商品は安く、ギフト需要の商品は高く
設定することが原則です。例えば、自家需要の商品は100円、200円、
300円、500円で高くても1,000円まで。ギフト需要の商品は1,000円、
2,000円、3,000円が基本となります。
売店の売場は、「行く店」「来る店」ではなく、「さばく店」でなくては
ならず、そういった意味では商品構成においても、売場づくりでも、
「見やすく」「買いやすい」が基本となります。
そのためにも、定番や名物といった買上点数の高い商品をベストポジション
(多くの場合店頭となります)で展開し、フェイスを他商品の3倍に
するなどとにかく目立たせることが大切です。(在庫も3倍にすることで
商品補充も軽減されます)
また、接客を基本としている売店が多いのですが、1人のスタッフが
接客できる人数には限界があります。チャンスロスをなくすためにも、
よく聞かれることや普段お客様に伝えていることはPOPとして
提案することをオススメします。
これからはセルフで買える売場を基本にし、そこに試食や試飲といった
サービスを強化していきましょう。
まずは、ここまでできれば大丈夫でしょう。イケテル売店への第一歩を
踏み出してみては如何でしょうか?

SC経営のヒント119:ここにしかない商品を売る

ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
気象庁の発表は8月を平年並みに修正しましたが、
商業としては9月の残暑に期待できそうです。
残暑だけでなく、急な冷え込み、台風にも対応できるよう
天気を言い訳にしない販売方法を今から計画しましょう。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
野田 陽一郎
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■ここにしかない商品を売る
夏休みや大型連休を使って、どこかへ出かける方も多いと思います。
かつては、遠出となれば有名な温泉地やガイドブックに掲載されたスポットへ
行くことも多かったのですが、最近では「隠れた○○」「私しか知らない○○」
といったスポットを探し出して行く方も増えています。
お客様は常に「ここにしかない体験」を求めています。
「ここにしかない商品」も同様です。○○限定というだけでなく、この商品は
あのお店でしか買えないというものが以前にも増して求められています。
販促に関しても同様です。
最近の販促景品に「○○体験ができる」というものが増えています。その内容は、
商業施設内で完結できるものから、わざわざ特定の日にちに地方へ行って、
稲かり体験をするというものまで様々です。
世間にはそんな「ここだけの体験」を売る商品まで出てきています。
ソウエクスペリエンス(http://www.sowxp.co.jp/)では、ここだけの体験をする
ことができるチャンスを販売しています。
カタログギフトという形で、様々な体験をする権利を選ぶことができ、使用者は
実際に自分で選んだ体験をすることができます。カヌーに乗ったりラフティングを
したり、ボーカルトレーニングや男性が茶道を習ったり。
これらは日常ではあまりなじみのない体験を特別な場所で体験することができる
プログラムです。
ここまで大掛かりでなくても、ここにしかない商品、ここにしかない体験は
今まで以上に求められています。
お付き合い先のショッピングセンターでは、毎年夏にメイン入口前に大きな柵を
つくり、その中にカブトムシやクワガタを放し飼いにして、来館した子供達が
それらの昆虫に触れられるようにして、大変喜ばれています。子供達の中で小さな
思い出になっていることでしょう。毎年楽しみにして来館されるお客様も
いらっしゃいます。
「ペットショップではなく、地元のショッピングセンターに行って思わぬ体験が
できた」そのことにお客様は驚いて喜んでいただけるのだと思います。
これからは、このようなここにしかない商品、ここでしかできない体験が今まで
以上に喜ばれる時代になってきます。

SC経営のヒント115:新商品導入のタイミング

ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
中国・義烏(イーウー)での商品仕入れのお話をさせていただいておりますが
アミューズメント・アパレル・雑貨・温浴など様々な業種の方にお問い合わせ
をいただいております。
国内だけでなく、海外にも目を向けて少しでも差別化・経費圧縮しようとする
姿勢から、競合の多さ・業界全体の厳しさが感じられます。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
野田 陽一郎
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■新商品導入のタイミング
先日インターネット販売におけるポイントをお伝えしました。
特にインターネット販売はリアル店舗よりもお客様の反応が早く、
次に繋げるタイミングも早くできるといった良い点もあります。
一方で価格などは、比較ホームページなどで一斉比較することが可能ですので
価格に対する努力もより必要とされます。品揃えと価格のバランスを
どう見るかが個店の方向性です。
ストアさんが品揃えを増やす時、試験的に商品を導入し、反応を見てから
扱い量を増やすということも多いと思います。
最近では、ショッピングセンターでもイベントに連動させて商品の反応を見る
というケースも増えてきました。
たとえば、6月には特別招待会を行うショッピングセンターも多いのですが、
そこでの超目商品として、新商品を提供してお客様の反応を見る
ということです。
通常に比べ客数が増えている時期ですので、お客様の声を聞きやすい
タイミングでもあります。新業態店舗にしてもそうですし、
新商品にしてもそうですが、常に客数の多い立地・時期に出していくことが
原理原則です。リニューアルなどのタイミングでも新規のお客様が
増えるので、効果的です。
特別招待会、夏休み商戦など客数増が見込める時期が近づいています。
新商品告知に向け、売場・販促を再度この時期に見直して、よりベストな
販売戦略を今から立ててみてください。
余談ですが、卸の仕入れはこの時期クリスマス用の商品買付けが
始まっています。小売店様でも早いところでは、年末年始用の商品仕入れを
計画されています。
皆様も是非目先のイベントに追われるのではなく、一歩先を見据えた
新商品投入計画を立ててみてください。

SC経営のヒント113:ネットショップに強いお店に共通する原則の追求とは

<目次>
1、ご挨拶
2、ネットショップにおける原則の追求

1、ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。

前回のブログで立地のお話をさせていただきましたが、
インターネット販売は業界も伸びていて、かつ利用者も
急増しています。当然、出店される企業様も増えていますが、
ネットストアのみを持つ企業様も増えてきました。
今回は、インターネット販売の強いショップが実際に何をしているか、
ということにフォーカスしてお伝えしていきたいと思います。

株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
野田 陽一郎

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2、ネットショップにおける原則の追求

インターネット販売において、最も強みとされるのは現状では、やはり品揃えです。
お客様の視点は、あるカテゴリーにおいてどのくらいの品揃えをしている
ショップなのかの見定めがあり、その後価格・サービスという思考をたどります。

検索キーワードとしては、「送料無料」が相変わらず強いのですが、
やはり品揃えがないと固定客にはなりにくいものです。
リアルストアをお持ちの方はわかると思いますが、インターネットでは購入単価が
高いのも特徴です。品揃えの豊富さが客単価をつりあげるといっても過言では
ありません。

ネットショップで強いお店を見ていると、やはり商売の原理原則を徹底されている
ところが多いのは、安心できるところです。
つまり、トップページやSEO対策を「価格」等で押し集客に繋げ、入店した
お客様に対して、「品揃え」「価値」を訴求して収益性を高めるといった
原理原則です。

メルマガも定期的に行い、限りなくOne to Oneに近づけていく努力をされている
ショップさんはやはり集客増に繋がっています。

手間をかけてコストをかけない集客と、初期コストはかかるけれど価値を伝えて
収益に繋げる商品、このバランスをとっていくことが成功の秘訣ではないでしょうか。

インターネットショップでは、手法的なことが取りだたされがちですが、
やはり商品の価値、品揃えの豊富さの訴求が求められています。

インターネットに限らず立地を決めた後は、商品力・価格力・品揃えを検証し
より強いショップにする方法を常に模索しましょう。自店の展開は、モバイル
マーケットの増加など市場動向(特に購買行動)の変化にも注力する必要があります。

SC経営のヒント105:商品の差別化と粗利率の向上を同時に行う

ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
4月に入り、静岡での30度を越える異常気象が報告されています。
今年は、昨年以上に季節変動に悩まされることになりそうです。
すぐにハンドルをきる体制を整えておきたいものです。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
野田 陽一郎
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■商品の差別化と粗利率の向上を同時に行う
今回も、中国の都市、義烏(イーウー)についてお伝えします。
弊社でお伝えしているこのブログでも、リニューアルに関するハードの
部分や建築の部分以外の、よりソフト、現場の部分のお話になります。
さて、近頃この義烏も日本人バイヤーの方が多く見られるようになり、認知度は
向上しつつあります。概要については以前にも触れましたので、省きます。
このところ、SCのテナント様から商品に関するご相談をいただきますが、
品揃えに関するそのご相談を聞いてみると、新しい商品を入れたいけれど
なかなか見つからない、ギフトショーに行ってみたけれど、思った商品が
なかったというものが多いです。
ご紹介している義烏にも望んでいる商品があるとは限りません。
しかし、靴下などは50%を越える世界生産シェアがありますので、商品によって
日本の数倍から数十倍の品揃えがあります。
やはり、皆様が望んでいる商品は、他店にない商品、粗利率の高い商品です。
中国製品に疑問をいただく方もいらっしゃいますし、現実に日本のレベルに
達しない商品があるのも事実です。
そこはやはり、より高い確率で、「確実な商品」を探していくしかありません。
私どもがご支援する際にも、いくつかの注意点をお知らせしています。
しかし、多少の努力によって、日本では得られない商品を仕入れることが
できます。
他店にない商品は、扱い商品の母数が多い市場から探すほうがより見つかる
可能性は高いですし、高い粗利率も、仕入れ値を下げることによって、高まる
可能性は高いのですから、その市場を使う意味が出てきます。
数十店舗を手がけるチェーン様にスケールメリットが発生するのはもちろん
ですが、地元主導型SCで1店舗を守られているテナント様にもメリットの
ある市場だと感じています。
ここで買付けた商品は、まずはメイン商品ではなく、セール用に、
端境期用の商品に、特売商品に試されることをお薦めします。
それが、疑心暗鬼になっている方に仕入れを決意していただく最も早い方法
です。セールで売れ、お客様に驚かれることによって、義烏市場のメリット
を実感いただけるからです。

SC経営のヒント103:地域一番店の落とし穴

ご挨拶
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こんにちは。船井総研の丹羽です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、以前の地域一番店だったSCの意外な落とし穴に
ついてお伝えさせていただきます。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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ショッピングセンター経営のヒント103:
『地域一番店の落とし穴』
適度な競合出店は、現在の店揃えや品揃えを見直す良いきっかけとなります。
競合の出店、それによる売上ダウンというやむを得ずの状況になる前に
何をすべきか?自分たちが変わらず、変わっていくお客様のことを嘆く前に、
時流適応していくことが急務です。
大店立地法の施行以来、それまで地域一番店だったSCが競合SCの出店に
より、苦戦しています。これら苦戦しているSCには共通した課題が
あります。それは特に年末・年始商戦でその傾向が表れています。
その特徴は新店、特に大型店の1人勝ちで、その他の店舗はその商圏内の
位置づけにより、昨年対比が下記のような数字となっているところが
多いようです。
一番店:100%以上・・・大型店、新店
二番店:90%台 ・・・競合出店前の一番店
三番店:80%台 ・・・競合出店前の二番店
四番店:70%台 ・・・競合出店前の三番店
大型店は家族で出かけて時間を潰せるなど、物販以外での集客要素が
ありますし、新店にはこれまでにない買物経験ができることを期待させる
要素があります。一方、競合出店前の地域一番店は規模が小さい上に店揃えに
変化がなく、この両方の要素が欠けているため特に苦戦を強いられているのです。
それではどうすれば良いのでしょうか?増床余地があれば店舗を大型化して、
時間消費する施設を付加することもできますが、多くの既存SCでは
現実的ではありません。そこで、ハード先行ではなく、ソフト(商品と人)の
リニューアルで時流適応していくが必要となるのです。しかし、
10年以上経過しているこれまでの地域一番店では、それまでの業績が
良かったが故に、変わるということに抵抗があるところが多いのが実際です。
お正月の検証をしていても、福袋が売れなくなっている。進物がでない。
単価が下がっている。など、お客様の変化には気づいてはいるものの、では
どう対応するかについて意見が出ないのです。これまでは、地域一番店として、
まず一番に自店を訪れていたので、お店の売りたいものが売れたのに対して、
競合の出店により、二番店、三番店になってしまっているとしたら、それに
合わせた商品と価格で対応しなければならないのです。一言で言ってしまえば、
一番店では比較的グレードの高い商品から売れていたのです。この
グレードはSCの店格(何番店か)と比例しており、店格が下がったらそれ
相応の値ごろな商品が必要となるのです。競合ができ小商圏となり、
客数が減っているのですから、まず、客数を上げていく商品と販促が急務
となります。これはお店をディスカウントストアにしろということでは
ありません。現在の商品構成(MD)に加えて、値ごろな商品を付加
あるいは強化することを意味しています。つまり、各テナント専門店が
MDラインの幅を下に広げることで、入りやすく、買いやすいお店になる
ことが必要なのです。売上が下がったときにまず優先すべきは客数を
戻すことであり、それが業績アップへの第一ステップなるのです。

SC経営のヒント102:再度基本を徹底する

ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、テナントさんについてのお話をします。
デベロッパーさんとしても、ここが見えているのと、いないのでは
大きな差があるように思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
野田 陽一郎
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ショッピングセンター経営のヒント102:
『再度基本を徹底する』
最近よく耳にすることが、「基本を聞く機会が少ない」という言葉です。
ここで言う基本とは、「商売の基本」であることもありますし、
「売場の基本」であったりします。
店長はじめ、新しく入られたスタッフの方などの研修では基礎研修と
いう形で、最低限のことは学んでいます。
しかし、長い年月を経ていくうちに違った方向でのクセができてしまい、
結果的に、「基本」を実行できなくなっていることもあります。
よく、私どもが実施させていただくSCの店長会においても、基本の
講座に対する要望が多く、「実はこんな基本のところがよくわかっていなかった
んです」と店長会の後に言ってこられる方もいます。
基本は知っているけれど実行できていない、わりと感覚で売場をつくっている
といった店も少なくないようです。基本を踏まえた上で、自店なりの店を
つくっていくのと、最初から我流でやるのでは大きく違います。もちろん、
理解していて実行できている売場と、日々の営業の中で崩れてきている売場も
大きく違います。
店に行くと、同じカテゴリの商品の売場が分断されていたり、離れていたり
します。同じ商品の什器の棚の高さが異なっていたりします。サイズ違いの
商品が手前から奥に向かってL→M→Sと並べられていたりします。
こういった基本は、普段の営業の中では大きくは影響なく過ぎてしまったり
します。ですので、余計に気づかないうちに崩れてしまっていることも
あります。しかし、お客様は気づいているものですし、店側にとっても、
特にリニューアルなどの際、セールの際に大きな違いとなって現れます。
客数の多いお店、来店頻度の高いお店はより顕著にその傾向が出ます。
商品補充などの際にもスタッフの動線が長くなりますし、わかりにくい。
場合によっては、後回しになった商品群が長期に渡り手をつけられて
いなかったといった事態も起こります。
もし、店舗・SCでリニューアル・移転などをされる際には、この基本を再度
見直す良い機会になります。そうは言っても全店・全スタッフで見直そうと
思ったら、こうした場面でしかなかなかできないものです。
現状はどうなっているのか、どのあたりに改善の余地があるのかを見極め、
どのタイミングでそれを見直し、再度徹底させていくのかをいま一度考えて
みてはいかがでしょうか。基本は徹底すればするほど、結局のところ
近道になり自店の競争力に繋がります。
形だけの店舗がブームだけで衰退していくのを見れば見るほど思います。
「再度基本を徹底する」。是非、自店にあったタイミングで実行してみてください。

パート社員で見える自店の方向性

ショッピングセンター経営のヒント77:
パート社員で見える自店の方向性

私は長年様々なショッピングセンターのご支援をしております。そのなかで
多くのパート・社員のグループインタビューを実施したなかで、見えたもの
があります。それは・・・

思った以上に自店の利用率が低い。

ということです。自店の利用率の高いパート・社員の特徴は

1.社歴が長い
2.年齢が高い

のどちらかです。

この社歴が長く、年齢の高い方の多くは人間的にも幅があり、持ちつ持たれ
つ(共存共栄)の協調主義であるのに対し、社歴が浅く、年齢の若い方の多
くは明確にお店を使い分ける自由主義なのです。

パート社員でもそうであるのだから、お客様のその使い分けは更に顕著であ
るはずです。明確にお店を使い分けるこの世代に提供していく、商品力と売
場のためにも1年に1度のソフトリニューアルが望まれます。

■ポイント■
1年に2割づつ革新し、5年で一新しよう

●今後のあるべき姿の方向性とは

小売業における差別化要素は

1.価格制
2.利便性
3.希少性
4.独自性

の4つがありますが、専門店は基本的には商品の希少性または独自性のいず
れかで自店の存在意義を確立することが良いのではないでしょうか。また、
この4つのいずれかを選択するのはオーナーのポリシー(店舗コンセプト)
に因ります。

ポリシー(店舗コンセプト)があると、お客様に安心感を与えることが可能
であり、このポリシー(店舗コンセプト)に共感・共鳴したお客様だけが自
店のロイヤルカスタマー(上得意客)になりえるのです。

伸びている専門店に共通するルール
1.共感・共鳴できるコンセプトがある。
2.オリジナルのサービス機能を付加している。
3.顧客を創造できる商品力がある。
4.従業員満足と顧客満足が一体化している。

自店はいかがでしょうか。
「オーナー以上にお店のことを考えている従業員はいない」のです。
もう一度考えてみましょう!

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船井総合研究所 第五経営支援部
丹羽英之

今すぐ、経営相談をしたい方はこちらネット経営相談よりご連絡ください。
https://www.funaisoken.co.jp/netmanage/netmanage_8/
※担当コンサルタントを明記してください。

真の地域密着とは

ショッピングセンター経営のヒント73:『真の地域密着とは

●地域密着とはいうけれど…

大型のショッピングセンターの出店に対する、地元主導型ショッピングセンターの生き残りについて、デベロッパーさんも地元専門店のオーナーさんもお題目のように地域密着という言葉を口にします。

しかし、この地域密着とは何を指して言っているのでしょうか?私から言わせると、地域密着を標榜している地元主導型のショッピングセンターの方が、地域密着していると言い難いケースが多いように見えるからです。

顕著な例では、地元専門店の販売スタッフの多くは、自店をよく利用しているお客様に対しては親切であるのに、そうでないお客様に冷たいということが挙げられます。また、「いらっしゃいませ」「こんにちは」といった基本接客力に弱いところが多いといえます。

せっかく、足を運んでもらったのにお客様の存在に気づいていない。だから、あいさつもできていない。そんなお店が実に多いのです。

●お客様への関心

競合ができて入館客数が減ったとき、地元専門店が自店の客数を維持するためには、目の前を歩いているお客様の入店率をあげ、買上率をあげていかなければなりません。それには、販売スタッフ全員が店の中に入ってくるお客様だけでなく、これまで以上に店頭を歩いているお客様に関心を持つことが必要なのです。

店頭でのハンドビラ、積極的な声掛け、呼び込み、試食・試飲など、すぐにできることが数多くあります。業種・業態を問わず、まずはお店側が全てのお客様に関心を持ち、自店の存在を知ってもらい、且つ一番商品を認知してもらうことからスタートしていく必要があるのです。

●地域密着への一歩目

そして、本気で地域密着を標榜するのならば、顔と名前のわかるお客様を100人はつくることが必要です。業種・業態によって、名前をとることができないお店でも、趣味や嗜好がわかるお客様を100人はつくることです。

「●●さん、元気?」「●●さんの好きなこんなの入ったわよ」「お子さん、今度卒業じゃない」といった会話ができるかどうかです。

「そんなことはしているわよ。」と言われるかもしれません。そうです。やっていないとは言いません。ただ、これまで関心をもっていなかった目の前を歩いているお客様にも、そうする覚悟をもって接してもらいたい。そうすれば、皆さんのお店はもっと良くなっていくと思っています。

だまされたと思って3ヶ月やってみてください。本気で3ヶ月これに取り組んだら、今度はお客様の方から名指しで貴方を指名してくることでしょう。本当に地域密着しているお店というのは、お客様が手土産をもってあなたのお店を訪ねてくるようなお店のことです。

それには、そんなお客様になってくれる可能性のあるお客様の数を増やすことが先決なのです。だから、すごく単純なのですが店頭に立って、お客様の入店率をアップするところからスタートしてみるのは如何でしょうか?

緊急度は低いが、重要度の高い仕事を優先する

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                       2004年9月28日
   
   日刊メルマガ あなたのショッピングセンターも必ず甦る!
            
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◆◆◆ショッピングセンター再生のヒント44◆◆◆

「緊急度は低いが、重要度の高い仕事を優先する」

緊急度が高く、重要度の高い仕事は現在を優先することであり、緊急度は低いが重要度の高い仕事は未来への準備である。この未来への計画・予防・教育を1日の内20%は確保していきたい。この時間を確保するためには、緊急度は高いが重要度の低いお付き合いの時間を効率的にすると共に、緊急度も重要度の低い無駄な時間を圧縮することである。

以前、パソナの南部さんが1日の時間の使い方として、6時間
を現在の仕事に、6時間を未来への情報収集に、6時間を家族・
友人のために、6時間を休息(就寝)に使っていると言ってい
たが、成長しながら人間らしく生きるための基本は同じで、現
在を大事にしながら未来への時間をどれだけ確保できるかな
のだろう。

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