【SC経営のヒント385】:『ひとつの店』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.385 ━ 2014.07.31
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ひとつの店』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『ひとつの店』
SCと百貨店の違いはなんですか?と問われることがあります。
もちろん、さまざまな違いはあるのですが、私はこのように答えて
います。
SCのスタッフに他のテナントのことをたずねても「わかりません」
としか返事が返ってこないが、百貨店のスタッフに他の売り場のこ
とをたずねたら、ちゃんと説明してもらえる。
百貨店では、消化であれテナントであれ、百貨店全体でひとつの店
という意識があり、スタッフにもそのことを伝えて「他の売り場の
ことも知ろう」という意識があります。
ですが、SCではまだまだ、各店が自分の店のことしか知らないのが
現状といえます。
これはたとえば、一社で複合の業態をやっているような場合にも同
様です。
たとえばひとつの店で飲食と物販をやっているような場合です。飲
食は飲食で、物販は物販で一体化することは大切ではあるものの、
他の売り場と対立するようになってしまってはいけません。
俺たちはこんなに大変なのに、あいつらは楽しやがって・・・・こ
ういう、部門間対立を耳にされたことはよくあるでしょう。そんな
「感情的ロス」は、これからの店舗運営にとっては重大な弱点に
なってゆきます。
仕事は、何をやったところで大変なことに変わりはありません。時
間的精神的肉体的プレッシャーというのは、いかなる業種において
もあるものです。自分の成長のために辛い状況を打破しようと誰も
が前向きに考えるのですが、その一方で「隣の芝生が青く見える」
こともあるわけです。
複合店舗の店長は、たとえ短時間でもローテーションして別の部門
の仕事を手伝わせるべきだと思います。
SCにおいては、業種別会合や懇親会を通じて他のテナントスタッフ
との交流をはかれるようにすべきと思います。
チェーン店が増えて地元店が減った結果、単身赴任でやってくる店
長も多いです。
チェーン内での人的交流も薄ければ、館のなかでの人的交流も薄
い。たまにやってくるマネージャーは好き勝手言って帰っていくだ
け、SCでの会議では伝達事項を聞かされるだけ・・・こんな毎日で
は、寂しくなりやる気が出ません。
人の「やる気」は人間関係からです。人間関係が良好ならやる気は
出ます。
競合他店と商品の差別化も立地の差別化もなくなってきて、店舗ビ
ジネスが取り組まねばならないのは「人材での差別化」です。とく
に外食産業などではこれが決定的な差を生みます。
人のやる気を出すには、交流し一体化すること。
SCの運営管理でも、こういうことを重視してゆく時代になったとい
えます。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:山本 匡(やまもとただし)
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〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
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【SC経営のヒント382】:『SC内のカテゴリー別ポジショニングの大切さ』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.382 ━ 2014.07.03
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:SC内のカテゴリー別ポジショニングの大切さ』
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『SC内のカテゴリー別ポジショニングの大切さ』
SCの中に出店しているお店の業績が、思ったよりうまくいかないと
いうご相談をいただきます。
たとえば、SC自体は非常にうまくいっていて、年商規模も数百億円
と巨大であるにもかかわらず、自店の業績はよくない。一方で、年
商150億円程度のSCに出店している店は好調なのに、どうしてだろ
う・・・こういうご相談です。
SCとSCの勝負と、SC館内での専門店同士のシェア争いは、視点が異
なります。
国内のSCを分析する限り、業種ごとの商品の売上げは館の売上げと
相関関係にあることが多いです。
分かりやすいのは飲食店で、SCの総売り上げが上がれば飲食店舗の
総売り上げも上がり、下がれば同様に下がるというものです。
ただ、業種ごとの売上げの増減とは別に、その業種のなかで自店が
何番店であるかということも見なければいけません。館内競合がな
い商品分野ならよいですが、多くの商品は館内で競合します。
たとえば洋生菓子というカテゴリーで自店は何番店か?自然派化粧
品というカテゴリーで自店は何番店か?たこ焼きというカテゴリー
で自店は何番店か?
このような単品ごとのカテゴリーで、館内に圧倒的に強い競合他社
がいる場合は、たとえ館の売上が大きかろうとも、強い競合に大き
なシェアを獲得されてしまい、自店の売上げは振るわなくなってし
まうことがあります。
専門店にとっては、館の売上げだけではなく、SCの中でどの程度の
ポジションが得られるのか、それを出店判断のひとつの材料として
数値化を試みるべきでしょう。
同様に、デベロッパーも新規に店舗を誘致する場合、既存SC内でそ
の新しい店は何の商品で何番店となりうるのか、そこを分析した上
で、誘致すべきかどうかを判断する必要があるといえます。
長く続けてほしいのか、あるいは短期間床を埋めればいいという発
想なのか、それとも既存店にかわる新しい一番店を入れたいのか。
デベロッパーもそういった「意図」を明確にしたテナントミックス
を考えるべきといえます。
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【SC経営のヒント379】:『最近のSCのテナントミックス』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.379 ━ 2014.06.12
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:最近のSCのテナントミックス』
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『最近のSCのテナントミックス』
昨今の大型SCでは、人気のナショナルチェーンや、そのナショナル
チェーンの別ブランド(新業態)が誘致されることが多いです。セ
レクト系のナショナルチェーンも新ブランドがひととおり出そろい、
アパレルから外食など多様化しています。
一方で、都市部の駅ビルやファッションビルでは、ユーズド(リサ
イクル)、100円ショップや300円ショップ、安価なSPA大型店の入
店も珍しくなくなってきました。この流れは百貨店といえど例外で
はなく、もはや駅ビル・百貨店・ファッションビルなどといった業
態の垣根を越えた競合が激化しています。
これまでSCのテナントミックスを決定付ける要素としては、「性別」
「ターゲット年齢」と「グレード」で考えられることが多かったと
いえます。この考え方は長らく主流の考え方であったといえます。
ここ10年は、グレードとエイジからもうすこし広がって「ファッ
ション感度」を重視しているところも増えていますが、依然として
テナントミックスを考える上でのひとつの幹でした。
「性別」という考え方もかつての主流ではありますが、昨今はユニ
セックスやメンズ&レディースというフロアが多数見られるように
なってきました。
しかし、昨今のファッションビルなどのMDを見ていますと、このエ
イジやグレードという垣根をこえて、「売れる店かどうか」という
ことや、「集客力があるか」ということに主眼が置かれているよう
に思えます。
これは、いい立地であるがゆえに「収益テナント」だけを集めてい
ればよかった時代から、郊外や周辺に競合店がたちならび、相対的
に立地の価値が低落して、その結果「集客」に相応の工夫をこらす
必要が出てきたからといえます。
郊外の大型SCは坪当たり賃料の高い「収益テナント」よりも、坪当
たり賃料の低い「集客テナント」のほうが大きな面積を占めていま
す。同じように、都会のファッションビルといえども「集客テナン
ト」の面積をある程度は確保しないと、全体としての集客力を維持
することが困難になってきた、と感じられます。当然ながら平均賃
料水準は低下するものの、集客力を維持しないとギブアップするテ
ナントが増えてしまいます。大都市のファッションビルですら、上
層階が郊外型のカジュアルなチェーンで埋め尽くされるという日も、
そう遠くない未来に実現することになりそうです。
ものごとへのアプローチを考える上で大事なことは、一見あたりま
えのような、この「分類」を見直すことにあると思います。
新店舗・新業態・新商品開発など、新しいものを生み出すには、こ
れまでの分類(グルーピング)を見直すというのが基本になります。
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【SC経営のヒント375】:『いまこそ商品開発』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.375 ━ 2014.05.15
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:いまこそ商品開発』
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『いまこそ商品開発』
GW中に様々な新規商業施設や中心市街地を拝見していて、単純なこ
とにいろいろ気づきました。
東京の駅ビルや百貨店での食品ギフト(お土産商品)の品揃えは、
何年か前から「小量・多種類」でかわいいパッケージに入った和系
の商品(おかき、かりんとう、等)がトレンド商材として前に出て
きています。羽田空港、東京駅といった観光拠点立地でも同様です。
ですが、成熟した観光地の中には、こういった商材を取り入れてい
ない街もけっこうあります。
もちろん客層の違いやテーマの違いはあるものの、たとえば巣鴨の
地蔵通りや横浜中華街ではどうでしょうか?このような新しい商材
もないとはいわないですが、依然として売れ筋になっている商材は
ここ何年、いや10年以上変化がないといえないでしょうか?
成長する街、衰退する街、要素はいろいろありますが、外食と物販
で世の中のトレンド商材をきちんと取り扱っていることというのは、
すごく重要なことだと感じます。主軸となる商品が確立しているか
らと、10年以上同じ商品ばかり売っている観光地や中心商店街は少
なくないと感じています。
駅ビルやモールでは、定期的にテナントを入れ替えることでこれに
対応できています。
しかし、商店街など事業者がある程度固定している場合には、テナ
ントではなく「商品」を入れ替えることで対応しなければなりませ
ん。
商店街の衰退が注目されて数十年、市場や商店街の活性化は駐車場
がどうとか若返りがどうとか、もはや当たり前に語られる時代は忘
れ去られ、残れるところしか残れなくなってしまいました。いまだ
に商店街としてやれているということは、それだけ環境要因に恵ま
れているということです。
そういうなかで、ご当地グルメイベントや大阪の「文の里商店街」
のユニークなポスターの取り組みなど、これまでにないような手法
が面白いといえます。
http://mochi-summit.jp/
http://www.osaka.cci.or.jp/nigiwai/postar/
しかし一時的に集客するだけでは長続きしません。繁栄にいたる持
続的サイクルを生み出すことが大事であり、イベントや販促はその
転換点作りです。
いまいちど「商品」のリニューアル、新商品の開発・導入、これが
大事な時代になってきています。
新しい取引先開拓にパワーを注ぐときではないでしょうか。
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【SC経営のヒント372】:『商品の開発』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.372 ━ 2014.03.13
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:商品の開発』
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『商品の開発』
都内の駅ビルや郊外型モールなどに出店している小売店をみてみま
すと、いまや自社商品を開発していないところのほうが少数派とい
えます。食品物販はもとより、アパレルはSPAチェーンで、雑貨・
インテリアも自社企画商品が主体になっています。むしろ、仕入れ
て売ることに徹している店のほうが少数派になってきているといえ
るでしょう。
この理由はいくつかありますが、とくに大きな理由は以下といえる
でしょう。
・商品そのもののユニークネス(他社との違い)
・高粗利率の実現
・短サイクルでの商品の改廃と新商品投入
他店より好ましいものが適した価格で適した時期に手に入る、それ
により店の魅力を高め収益性も高めたいと考えたら、結果的に自社
企画商品が主体にならざるを得なくなります。
かねてより自分がお手伝いしているお店の新店開発においては、可
能な限り自社企画商品を投入していただいています。むしろ、店舗
開発より商品開発のほうが重要と考えています。
しかしながら、「小売業」というカテゴリーは、どうしても「仕入
れて売る」ことが仕事になっていて、商品を開発してゆこうという
ところまで意識が回らない場合が多いように思えます。
そういう場合には、「商品開発の大切さ」と、あわせて「商品開発
の簡単さ」についてもお話いたします。商品開発ほど簡単で面白く
て楽しい仕事はないです。すぐに成果が出ますし、失敗すればすぐ
にやり直せばよい。ありがたいことに、小ロットでもチャレンジで
きる外部環境は十分にととのっています。
また、売上げはなかなか上がりにくい時代に収益を上げるには、高
粗利商材を増やすしかありません。そのためにも商品開発が必要で
す。OEMに対応してくださるメーカーさんも探せばいくらでもあり
ます。
もちろん、商品によっては容易でないこともあるでしょう。でも、
難しく考えずに、確実に売れそうな商品から手がけてみる、そこか
らスタートするとよいと思います。
専門店、量販店、百貨店、商業デベロッパーなどといった「立場」
は関係なく、売れる商品を売るものが勝ち残れるといえます。
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【SC経営のヒント368】:『中国・上海での流通・商業施設実態調査』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.368 ━ 2014.01.30
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:中国・上海での流通・商業施設実態調査』
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『中国・上海での流通・商業施設実態調査』
上海では、経済成長とともに大型商業施設開発も急増しています。
それも市街地に大規模な再開発が行われ、オフィスやレジデンスな
どとの複合型のものが主体です。
上海での不動産事業はレジデンスの収益性が一番高いのですが、
商業施設は税率が高いとのことで、政府も許認可にあたって商業施
設開発を奨励しているという事情もあります。
ローカルのチェーンストアもかなり多店舗展開しており、欧米系
スーパーストアやグローバルSPAや日系・香港系・シンガポール
チェーンストアも次々進出しています。
しかし、ここ数年は急速すぎる市街地再開発が続いて商業床も供給
過剰気味になっており、新築でも開業当初から業績不振、というSC
事例も増加してきました。急速に成熟局面に突入してきたと感じて
います。
日系のチェーン専門店でも、かたや新規参入の一方で撤退する企業
も現れており、あるチェーンは数店舗出店して絶好調なのに、ある
チェーンは進出して5年以上たつのに、どうにもうまくいかない
・・・・という状況です。
筆者が感じるのは、日本のチェーン店がアジア諸国に進出した際に
は、日本と同じポジショニングでは商売ができないということを理
解のうえで取り組むことが大切と思います。
たとえば、日本の100円ショップは、現地では「ちょっとグレードの
高い雑貨店」になります。
セルフうどん専門店は「カップルにデートで利用されるおしゃれ外
食店」だったりします。
このように、「日本とは異なったキャラ」で成功している店もあり
ますが、不振になっているところは「現地キャラ」を確立できてい
ないともいえます。
交通アクセスも大きく異なります。日本や欧米と異なり、一般大衆
が自家用車をほとんど利用できない状況なので、集客の足はもっぱ
ら地下鉄とバス利用になります。ゆえに駅前の大型商業施設が有利
で、ロードサイドというものがありません。なので外食店舗は駅前
の商業施設にこぞって参入しています。
SCの核になっているのはファッションと外食です。日本ほど食品が
強くなく、一方でレストランが大盛況です。大家族やグループユー
スが多く、店舗面積も1000~2000平米といった大型店のほうが有利
な状況です。日本はだいたい70席くらいが商業施設内レストランの
平均値ですので、ずいぶんと大箱が多いというのが現況です。
チェーン店の価格も、もはや日本並みの価格で、アジアの大都市は
みな同じような感覚に近づきつつあります。
こういった状況で進出企業が困っているのは「データの不足」です。
各種統計や報道機関の公表数値はあることはあるのですが、その信
憑性については何ともいえません。また日本のような業界団体も少
なく、そういった団体が発表する資料もないというのが現状です。
現在、弊社の上海現地法人では、上海市内の主要商業施設や大手
チェーン店とのお付き合いを通じて「正確な実態」の把握につとめ
る一方で、現地で調査隊を組織して「実態調査」に取り組んでいま
す。
上半期中には日本からの進出チェーン様や中国のチェーンストア様
向けに会員制で情報提供サークルをつくることも計画しています。
中国ほか、アジア諸国への進出を検討されている皆様は、どうぞお
気軽にお問い合わせください。
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【SC経営のヒント364】:『巨大モール時代の終わり』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.364 ━ 2013.12.27
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:巨大モール時代の終わり』
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『巨大モール時代の終わり』
近年開業の大型モールをいくつか見てきました。いろいろと工夫が
凝らされ、すばらしい店になっていると感じられます。しかし、同
時に感じられたことは、従来までの巨大モールビジネスというもの
も、もう終わりだということです。
開発費用は建設費用の高騰に伴い上がる一方で、以前のような高収
益は見込めなくなってきています。巨大すぎる売り場は、水増しし
て埋めるしかなくなってきています。体験型施設やアミューズメン
ト系施設など、面白い取り組みではありますが、従来型の売り場以
上に効率が上がるわけではありません。
ものによっては、広すぎる敷地を活用するために分棟建てになって
いますが、その結果顧客の回遊性は下がり、小さな建物では集客が
困難になります。
これらに限らず、近年の大型開発は大なり小なり同じような状況と
いえるでしょう。立地に恵まれ競合のあまりない場所での大型モー
ルは今後も成功するでしょうが、そのような好立地はほとんど残さ
れていません。競合過多の立地では困難度がどんどん上がっている
ように思えます。
出店企業にとっては、モールに出店さえすればよいという時代はす
でに終わり、モール頼みから脱却して、新たなる立地開拓を志向せ
ねばなりません。現状これといった妙案も生まれていないため、し
ばらくは試行錯誤せざるをえません。
ただひとつ言えることは、いままでの出店実績を分析して、どのよ
うなロケで成功し、どういうロケではうまくいかなかったのかの分
析を定性・定量的に取り組む必要があるということです。自分自身
の手がけた事例としましては、5年ほど前に出店失敗が続いた
チェーン店の館内売上げ方程式を作成し、その後の出店では赤字店
舗をひとつも作らず、順調に再生できたというケースがあります。
個人的には、損益分岐点を下げる業態開発を志向することに解決案
があると感じています。ワークスケジュール管理、スーパーバイジ
ングのありかた、そういったものを根本から見直すことでローコス
ト運営のできる体質作りに取り組んでいる会社もあります。
売上予測方法論の再認識とともに、新築より居抜き、低単価より高
単価、直営か外部委託か転貸か。いろんな新しいチャレンジを行動
に移すときが来たように感じられます。
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【SC経営のヒント360】:『これからの商業開発』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.360 ━ 2013.11.21
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『Main Contents:これからの商業開発』
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『これからの商業開発』
最近開業した、いくつかの商業施設を見て感じることがあります。
いずれも、さほど規模は大きくなく、ライフスタイル型を志向して
います。リーシング環境は楽ではないので、段階的にオープンした
り、あるいは空床があったりと、決して楽な船出ではないのですが、
今後開発される商業施設は大規模なモールを別にすれば、このよう
な中小規模のライフスタイル型商業施設になってゆくだろうと思わ
れます。
スイーツやインテリア・雑貨が集客のコアになり、メインターゲッ
トは独身層かもしれませんが、実需は30代~40代の既婚世帯で生活
感度の高い層に思われます。
量数幅の時代は過ぎて、では何が来るかというと感性・感度・ライ
フスタイルと漠然と思われているのですが、、実際には「ある客層
のカタマリ」が獲得できるかどうか、が集客や営業業績に直結して
くるように感じます。
都内でも地方都市でもしゃれたカフェがたくさんありますが、これ
らの成否は「カフェ女子」層を獲得できる店になっているかどうか、
という気がいたします。この「カフェ女子」は自分の独断と偏見で
の定義ですが、たとえばスタバはカフェ女子も活用するが、それ以
外のカフェチェーンはカフェ女子が利用しないから業績の差になっ
ているのではないか?とか、カフェ女子にも独身層と子連れママ層
がいるなあ、とか、カフェ女子的な感覚を物販で発想すると、
「DIY女子」になったりするのではないかなあ?と、関係者とはい
ろいろ意見交換をしています。
どのようなネームをつけるかはさておき、それなりに購買力のある
「ある客層のカタマリ」にジャストミートするかどうかが、お店や
商業施設がヒットするかどうかのキーポイントと思われます。
郊外型SCであれば「ベビーカーファミリー」や「ワンボックス三世
代」でしょうし、百貨店であれば「裕福な三世代集客」でしょうし、
ちょっと高級志向な飲食店であれば「裕福なご婦人女子会」のよう
に思えます。
自分達がメインターゲットとする客層は、イメージで語ると、どの
ように定義できるか?
より客層を拡大するとなると、どのような「客層イメージ」を獲得
できる店になるべきか?
この、「客層軸」での発想をより柔軟に考えてゆくことが、商業施
設全体の中長期戦略という観点で必要なことになってくると思いま
す。
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【SC経営のヒント356】:『テナント・コミュニケーション』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.356 ━ 2013.10.10
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『Main Contents:テナント・コミュニケーション』
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『テナント・コミュニケーション』
SCの営業担当者の仕事のひとつに、テナント店長・オーナーと定期
的にコミュニケーションをとるということがあります。
これはもちろん、普段から人間関係を円滑にしておいて、各種行事
への参加を促したりといった実務的な側面もありますが、親密にな
ることで不調の理由をさぐったり、対処の方法をアドバイスできた
りと、さまざまな広がりが期待できます。
コミュニケーションの入り口はどのようなものでもよいのですが、
お互いがお互いを知り、距離を近くして会話できる環境をととのえ
るのが入り口としますと、SC側がテナント側の業績向上や運営円滑
化に寄与できる具体的な成果を生み出すことが出口となるといえま
す。
出口の設け方もいろいろ考えられますが、チェーン店の場合はテナ
ント店長-本部間のコミュニケーションを円滑化できるよう仕立て
ること、個人オーナーの場合はオーナーと店長間のコミュニケー
ションを円滑化できるように仕立てることも出口となるでしょう。
しかし、それ以上にSC側にとって大切な視点は、そのお店が業績を
向上させられる手助けをSC側が仕掛けて実現することにあると思い
ます。
SCデベロッパーの役割自体は、あくまで全館集客することで、売上
をたてるのは各ショップの役目となります。
しかし、SC側も長く営業を続けてゆくわけですから、商品のプレゼ
ンテーションや店頭での声かけ、店頭演出、POP、タイムセールの
実施など、様々な経験をつんで売り方のノウハウを蓄積することは
可能になります。
SCオペレーターとしての能力向上も、単なるコミュニケーションに
とどまらず、テナントに有用性の高いアドバイスを具体的に提案で
きる人材の育成にあるともいえます。
大家さんとして賃料が入ってくればそれでいい、から、テナントを
育ててより大きな収益を上げられる館として育つためにも、一人ひ
とりがテナント業績向上のための方法論を四六時中考える組織に
なってゆく、そのための情報共有を積極的に推進する、こういった
ことが、これからのSCオペレーターにとって大切なことになってく
るといえます。
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発行人:山本 匡(やまもとただし)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
発行所:株式会社船井総合研究所 第2経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
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【SC経営のヒント352】:『店頭演出の大切さ』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.352 ━ 2013.09.05
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:店頭演出の大切さ』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『店頭演出の大切さ』
SCのテナント構成がナショナルチェーン主体になってゆくなか、平
均店舗規模は50坪程度まで大きくなってきました。
同じ人数でより大きな店を運営することで、結果として利益を高め
ようというビジネスモデルを皆が志向し、アパレルなどは150坪の
店を2人で運営するなど、人を減らして店を大きくするというのが、
これまで主流となってきた方法論でした。
しかし、昨今急速に店舗数を拡大してきたチェーン店を見ています
と、店頭演出に力を入れているところが多いと思います。
具体的には、試食試飲、店頭実演、店前での声だし呼び込み、など
といった、方法論自体は従来からあるものです。
利益率を高めるために一人当たり守備面積はどんどん広がってきま
した。
その結果、レジと品出しや売場整頓にスタッフの手がさかれて、店
頭の動きが弱い店が増えたように思えます。
弊社では「アイ・トラッキング・カメラ」を用いて、消費者の目線
はどう動くのかを調査してきましたが、消費者がもっとも注目する
ものは「動き」のあるものです。
いちばん手っ取り早いのは、人が店頭に立っていて、なにかしら動
いていることです。
空港の売店やデパチカのお菓子売場でよく売れているブランドも、
店員さんがずっと台詞をしゃべっています。これも立派な店頭演出
になります。
動きのない店頭から、動きのある店頭に。
アクティブな店頭づくりの手法をいろいろ考え出して、提案を続け
てゆきたいと思います。
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