━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.321 ━ 2012.07.19
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:調査と分析』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『調査と分析』
より正確な情報を「可視化」(みえるようにする)ということが、
意思決定には重要な要因になります。
ただ、実際には定性的な情報をもとに判断せざるをえないことが多く、
たとえばSCでもテナント選定をする際に、売上などの実績以外の要因
として、なんとなく○○は最近あちこちの新築SCで見かけて人気があ
りそうだとか、なんとなく△△は若者に人気がありそうだ・・・など
という定性的な判断をせざるをえません。
もちろん、マネージャーとして、管理者としての能力はこのような定
性的な情報からピンときて、すばやい意思決定でもって方針をたてて
ゆくということなのですが、そこには往々にして「思い込み」「勘違
い」もまた、混在することになります。
そこで活用可能なのが調査データの上手な活用です。
現代はWEB調査が普及して比較的安価に顧客調査をかけることが可能
になりました。
しかし、その調査の精度を上げるためには、事前にしっかりとした基
礎認識があり、仮説を絞り込む必要があります。
このような局面で役立てていただける資料として、今後私どもが提供
を考えていますのは、既存のデータベースを活用したSCむけの調査
データ集です。
様々な業態の様々なブランドについて、どのような客層がコア支持層
なのか、他のどのようなブランドとの親和性が高いのか、所得水準は、
年齢は、ライフステージは、といった顧客情報のデータベースを活用
して、弊社で情報を整理し、安価にSCデベロッパーや百貨店・量販店
など多数のブランドを誘致してMDを組んでいる事業者様向けに、必要
な情報を絞り込んでご提供できるパッケージ商品を開発する準備をい
たしております。また、単一業種対応も可能にしたいと考えております。
パッケージと価格、商品内容については追ってリリースさせていただ
きますが、SC関係者間の意識統一やMD検討に役立てていただける便利
なブックにする予定ですので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い
合わせいただけましたらと思います。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:山本 匡(やまもとただし)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
発行所:株式会社船井総合研究所 第2経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
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カテゴリー: 出店・開発のヒント
【SC経営のヒント319】:『あらためて、次なるターゲットを見据えること』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.319 ━ 2012.06.28
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:あらためて、次なるターゲットを見据えること』
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『あらためて、次なるターゲットを見据えること』
最近、新築のSCの状況をお伺いしていると、いろいろと感じること
があります。
→ 勝ちパターンであるモール型SCでも、なかなかテナントが
集まらない
→ ここ10年ほどSC内で「定番」として活躍してきた有力チェーン
テナントの立ち上がり業績が不振
→ SCに出店さえすれば成功路線だったパターンが通用しなくなっ
てきている
このように、過去の分かりやすい成功パターンというものがだんだん
陳腐化してきて、これまでとは違うやり方、違うターゲットを掘って
ゆかねばならないと痛感します。
一方、シニア層にターゲットを定めたGMSの食品売り場が好調である
など、まだまだやり方次第で商売を発展させる要素はあるものだと
感じています。
私どもでお手伝いしている例でも、これまでターゲットとしてきた
「はず」の客層が、お客様にいろいろお伺いしたところ、実はちっ
とも掘れていなかった、ということがわかった事案もあります。
店側はターゲットとして見ていても、お客様側からすると、いろい
ろ使い分けする中での一つにしかすぎない、と位置づけられている
ことも多々あります。
ではどうすればよいのか?
発想の糸口はいろいろありますが、まずは中核となる「ターゲット」
を明確に定めること、そして、そのターゲット客層の「どのような
ニーズに応えるか」を明確にすること。極論すると、ここが定まれば、
あとはやるべきことは自動的に見えてくるのではないかと思います。
どこの誰が見えないと、何をどうやって・・・とつながってきません。
SCのように客層が広い業態であっても、複数の客層の総和で売上が
形成されています。
テナントを入れ替えることというのも、ある客層がドロップして、
別の客層が増えて、売上集客は差し引きどうなったかということです。
どの客層を狙うのかに対して、SC側もより深くMDを学んでテナント
ミックスを考える時代になってきていると思います。
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【SC経営のヒント316】:『売上予測ロジックと着眼点』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.316 ━ 2012.05.24
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:売上予測ロジックと着眼点』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『売上予測ロジックと着眼点』
これまで、様々な店舗ビジネスの出店に関与してまいり、
その中で売上予測についてもいろいろと考えを述べてきました。
最近あらためて感じていることですが、売上予測を考える上で、
何を頼りにするかという「指標」を定めることが重要だと思います。
考えうる指標は以下の通りです
商圏人口(広域人口、足元人口、昼間夜間など)
周辺小売業販売額
周辺競合数(同一館内、近隣エリア)
店頭通行客数
店舗間口幅
入居する館の売上高(集客力)
入居する館の特定部門の売上高
接客スタッフ数
売場面積 など
他にもありますが、おおよそこのようなパラメーターが考えられます。
これら全てが微妙に影響しているということは経験上あまりなく、
2~3の項目が大きく影響していることがほとんどです。
回帰分析等の統計的手法で複雑な計算式を作成することも可能です
が、むしろ重要度の高いパラメーターに絞り込んで簡単なロジック
をたてたほうが実務的に「使える」売上予測ロジックが可能になり
ます。
こういった分析は、経験上20店舗程度既存店がある場合に
組み立て易くなってきます。
数店舗ではロジックをつくるにはやや不足ですが、10店舗程度
既存店があれば、おおよその勘所はつかめるようになってきます。
ここ数年、10店舗~数十店舗程度のチェーン店で、新規出店に
役立てるために、このようなマーケティングロジックを組み立て
てほしいという依頼が増えてきました。
該当する企業様では一度社内でロジックが作れるかどうか
検討されてみてはいかがでしょうか。
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ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
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【SC経営のヒント313】:『中国・上海の商業施設』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.313 ━ 2012.03.15
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:中国・上海の商業施設』
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『中国・上海の商業施設』
昨年、本年と中国・上海に参りました。
弊社の現地法人も立ち上がり、日本企業の中国進出、および中国企
業へのコンサルティングニーズに、これまで以上に積極的に対応し
てゆける体制を構築しつつあります。
また、中国のSC企画会社、リーシング会社からも相談を頂戴するよ
うになり、今後中国での案件も増加するだろうと思われます。
上海市内の商業施設は何箇所も拝見していますが、かなり巨大な
モールが中心街の駅前に出来上がっており、一方で南京西路や准海
路といった中心街でも巨大な開発が進んでおり、まだまだ新しい商
業ビルが出きるパワーにあふれています。郊外の住宅地開発も進ん
でおり、自動車の保有規制があるため、駅前中心に商業施設の開発
がどんどん進んでいます。
既存の商業ビルも、日本と異なり契約期間満了でテナント入れ替え
が容易なため、どんどん人気店舗に入れ替えては内容が良くなって
来ています。日本のナショナルチェーンも多数進出していますし、
グローバルSPA企業は日本並みに店舗展開が進んでいます。
正直、7年ほど前に見た際は、ソフトもハードもノウハウがないと
感じていましたが、見よう見まねで開発した商業施設も、一度失敗
したら次は学んで良いものをつくる、というキャッチアップのス
ピードが非常に早いです。上海などは、もう数年もしたら東京もNY
も越える世界一の都市になるのではないかという勢いを感じます。
そういった状況を見て感じるのは、デベロップメント、MDについて
はだんだん学習されてきたものの、運営についてはまだまだと感じ
られます。日本のPM会社に協力してほしいという話もいろいろ聞い
ています。
商業施設は生き物ですから、いまが良くてもこの先はどうなるかは、
館の管理者のリーダーシップによるところが大きいです。日本国内
でも再生しているSCを何件か拝見して、あらためて運営の大切さを
感じるところです。
今後、中国での商業施設運営についての相談が多数寄せられること
になろうかと思います。
ご興味のあるオペレーター、PM会社の方は、お気軽にご相談いただ
ければと思います。
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【SC経営のヒント310】:『仮説をたてつづける』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.310 ━ 2012.02.09
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:仮説をたてつづける』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『仮説をたてつづける』
商業施設を視察して最初にすることは何かといいますと、
「売上を予測する」ことです。
あくまで外から見て予測するだけですので、必ずしもぴったり当る
とは限りませんが、この「売上を予測する」という習慣を身につけ
ておくことは、私どもの業務においては基本であり入口になります。
売上を予測すると、いろんなことが分かります。まずその施設が事
業として成立しているのかしていないのかという、最も基本的なと
ころが判断がつきます。
そして、売上が上がっているか、下がっているかについても想像で
きます。
そうすると、「なぜそうなっているのか」について考えが及びます。
競合店が強いのか、それとも適正規模を超えているのか、それとも
品揃えや営業方針に問題がないか・・・・それをどうすれば解消し
て適正な状態に戻すことが出きるのか。
このように次々と連鎖して物事を考え、解決策を考えるというト
レーニングを、それこそ20年以上毎回毎回やっていますと、いろん
な事案で「これはなんでこういうことになったのか」という仮説が、
すぐに浮かぶようになってきます。
ときおり「仮説はどうやってたてたらいいか」「解決の糸口はどこ
から探ればよいのか」という質問をいただくのですが、これもまた
トレーニングです。すぐに出きるようになるほど簡単ではないで
しょうし、ある程度できるようになっても、サボっていたらなまっ
てきます。まるで楽器の練習のようなものです。
最近ですと、駅前に新しく出来た商業施設に飲食店を誘致したもの
の、あまりうまくいっていないという例を見かけます。そうすると、
建物は立派なのですが、周辺の昼間人口があまりいない・・・昼食、
夕食を近所の住人対象なのか、それともオフィスワーカーを対象に
しているのか、ということから、そこで商売が成り立つかどうか考
える必要があります。都市部の商業においては、夜間人口を対象と
しているのか、昼間人口を対象としているのか。昼間人口もビジネ
スワーカーなのか観光客なのか買い物客なのか。
そのように、観察と仮説構築と事例検証の繰り返しを続けていくこ
とが大切だと思います。
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【SC経営のヒント307】:『ターゲット』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.307 ━ 2012.01.23
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ターゲット』
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『ターゲット』
よく、「ターゲットを設定する」と語られますが、SCなどの大型商
業施設はあまり狭いターゲティングはできず、ある程度幅広いかた
まりをターゲットとして狙ってゆくことになります。
郊外型SCではキッズファミリー、駅ビルではヤングキャリア+観光
客、デパートではキャリア、ミセス、シルバーといったところが、
通常のターゲット顧客になる場合が多く、それらは立地特性と競合
環境によって決定付けられます。ですので、百貨店が多いエリアで
すとファミリー集客を強化した百貨店もあれば、ミセス中心になっ
ている駅ビルもあります。
このターゲットも、年齢だけでなく、ライフステージという見方を
することができます。
たとえばロフトなどの雑貨店や多くのセレクトショップのメイン
ターゲットは、ヤングキャリアというより「独身」ではないかなと
感じられます。絶対数は多くなくても可処分所得は余裕があります。
一方、おなじ雑貨でもホームセンター雑貨になると「年配主婦」が
中心になっています。数は多く需要額も上がりますが、可処分所得
という意味では余裕が乏しく、付加価値の高いものは売れにくくな
ります。
商業施設の方向性を考える場合、「労せずして得られる客層」と
「積極的に増やしたい客層」に分かれます。ターゲティングとは、
より積極的に増やしたい客層に向かって、MDと販促の両面から仕掛
けてゆくために設定することが大切です。
郊外型SCだと比較的幅広い層が来店しますが、たとえばキッズを軸
に三世代集客をすると組単価が上がることになるため、販促の費用
効果は大きいとなります。そうするとMDでも映画館やゲームセン
ター・子供の遊び場、子供向け雑貨店、三世代の需要に対応できる
レストランがあったほうがよいということになります。
「ターゲットを設定する」といいますが、黙っていてはあまり集ま
らない層を積極的に取ってゆくため、また積極的に他のSCより狙っ
たほうが収益性が上がる層を中心に狙うということがターゲティン
グの意味であり、自社にとってのターゲットは何か、ということを
考えるのは、改装時はもちろん、通常の運営の中でも「最も費用効
果が高く自店の強みを発揮できる」ターゲットに対して、集中的に
訴求することが大切といえます。
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【SC経営のヒント304】:『ABC分析では得られないもの』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.304 ━ 2011.12.16
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ABC分析では得られないもの』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『ABC分析では得られないもの』
よく、売れ筋を増やして死に筋をカットしよう、と言われます。
じっくりと考えていただきたいのですが、それで本当に集客・売上
が上がるでしょうか?
売れ筋商品は、自店だけでなく多くの店で販売されています。
ですので、売れ筋商品ばかり並べれば並べるほどに、わざわざその
店に行くという来店理由はどんどん減少してゆく
ことになるのです。
コンビニのような小さな店や、もともと通行量の多い立地に出店し
ている店でしたら、売れ筋に集中することで売上を上げることがで
きます。しかし、わざわざ集客しなければならない郊外型専門店や
GMS、HCなどの業態で考えてみたら、いかがでしょう?
商品アイテム数(sku)を減らし、取引先を絞り込み、通路を広く
して棚を低くして歩きやすく見通しを良くして・・・・中堅大手流
通の方々はそれを「当然」と考えていらっしゃるようですが、坪当
たりアイテム数が減れば坪当たり集客力は落ちて、坪当たり在庫金
額が減れば回転率一定ならば坪当たり売上高は下がることになりま
す。
話題商品や人気商品は売れていて集客も出きる商品です。しかし、
多くの売れ筋商品は、売れてはいても、どこでも売っているものな
ので、集客できない商品もあります。
売れている、売れていない、と集客できる、集客できない、という
マトリクスで考えたら、売れていないし集客できない商品はカット
対象になるでしょうが、売れていないが集客できる商品があったと
すると、どのように取り扱えばよいでしょうか?
現在のデータ分析では、売れている売れていないという結果は分か
りますが、その背景にあるディスティネーション=来店目的 がど
こにあるかは明確には分かりません。分からないから定義できない
ので難しいのですが、難しくて結論が出ないというのと、考えない
というのは意味が違います。
来店顧客調査を実施すれば、ある程度ディスティネーションとなっ
ている部門を明らかにするのは可能になります。
「ABC分析では、つまらない魅力のない店しか出来ない」というのは、
そういうことを指していると思います。量販店もホームセンターも、
目をつぶって店内に入ったら、どこの会社か分からない店が増えて
きていると思います。
もうすこし抽象的な「店舗コンセプト」を明確にして、大事にして
ゆかないといけないのではないかと思います。
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【SC経営のヒント301】:『集合論的マーケティングアプローチ 2』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.301 ━ 2011.11.17
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:集合論的マーケティングアプローチ 2』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『集合論的マーケティングアプローチ 2』
ここしばらく、比較的ニッチな専門店業界の動向を見ています。
一例ですが、郊外型の文具専門店、建材などのプロ向け資材の専門
店、作業服の専門店、自動車整備工具の専門店、電材パーツの専門
店など、狭いターゲットとカテゴリーで小さな店を多数展開すると
いう企業が、あまり目立たないですが伸長してきています。
飲食でも、酒やワインの立ち飲み店、生スパゲティ専門店といった
カテゴリーで出店が増加しています。
一昔前はテナント出店であれロードサイドであれ、多くの業種で
1店舗1億円の年商確保がひとつの目安となってきていました。
ですが、最近出店が増えている企業のモデルは1店舗5000万円で
しっかり利益のでるモデルになっていると思われます。
総合店が立地を開発し商圏を生成したあとに、周囲に専門店が次々
と出店して総合店の部門部門のシェアを奪ってゆく・・・こと日本
においては、このような流れというのが一般化しているように思わ
れます。
米国ではウォルマートがカテゴリーキラーを次々と倒産に追い込ん
でいるのですが、こと日本では後発参入の専門店業態のほうが、お
おむね問屋MDで展開する総合店より商品・接客において有利に展開
している事例が多いといえるでしょう。
業種のくくりを脱して業態のくくりができ、現在は業態のくくりを
脱して、どういったターゲット・客層・用途、あるいは商品に絞り
込んで「選ばれる」店になってゆくかというのが各社の課題であり、
現実に成功しつつある企業はそれを先んじて取組めたということに
なります。
総合品揃えの企業のお手伝いをしていて感じることは、このような
取り組みを実際にやろうと思った際に、商品部の部門の壁を破るこ
とが出来ずに、結局はバイヤーがお互いけん制するばかりで(仕事
を押し付けあう)、意図したような品揃えにつながらないことがあ
ります。これなどは組織体制の見直しに至るまでの改革が必要にな
り、容易な問題ではなくなってきています。
商品分類の基礎が20年以上前に作成されたものを下敷きにしている
企業は多いのではないでしょうか。
各商品で部門の改廃と再編をすすめ、現代の消費者の志向にあわせ
た商品MDへと変革させることが大切になります。
その際にキーポイントになるのは「安売り屋」からの脱却です。粗
利率アップという経営的な意味だけでなく、安売り屋には卸してく
れない問屋筋が人気商品を有しているのです。
GMS、ホームセンターなどのチェーン展開の総合量販業態は、すで
に大きな曲がり角をすぎているように感じます。
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【SC経営のヒント299】:『集合論的マーケティングアプローチ』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.299 ━ 2011.10.20
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:集合論的マーケティングアプローチ』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『集合論的マーケティングアプローチ』
オフ会でお話している通り、SC、大型店百貨店の時流としては、
1992年ごろをピークとして、以降売上・坪効率は低下する一方と
なっています。
また、ここ10年程度は、巨大なショッピングセンターが数多く
開発される一方で、「大規模化」というのが物販店の主要トレンド
だったように思います。
しかしながら、購買経験が進むにつれて、ヘビーユーザー化の
流れが進んでいます。
一例として、宝石業界ではブライダル専門店の出店が加速して
います。
総合的品揃えは必要なく、ブライダルリングのみを販売し、
ブライダル客のみをターゲットにした業態ですが、そのような
ニーズの顧客にとってはベストの選択肢を提案できるという
コンセプトの店づくりです。
現在、高収益であることもあり、店舗数が増えています。
自動車整備工具の専門店や建材の専門店というのも増加中です。
あまり目立たない業態ですが、業務ユーザーやマニアユーザーを
ターゲットにした専門店業態で、店舗面積はそんなに大きくは
ないですが、ホームセンターとは異なり明確にマニアユーザーや
プロユーザーにターゲットを絞った展開をしています。
これまでGMSやホームセンターなどの大型店で取り扱っていた
部門を切り抜いて、絞られたターゲットや絞られたユースに
特化した専門店が今後ますます増えてくると思われます。
切り口は、より小属性にスポットをあてて、
より専門的な対応ができる業態です。
言い換えますと、現在の専門店は次の世代に向けた
小属性専門店を開発してゆかねばならないといえます。
面白い専門店があるから、自分の店に取り込めばいい・・・
というのも一つのアプローチですが、モール型のSCが大規模化して
GMSの平場がどんどん縮小化するように、今後小属性専門店の
集合体というものがSCの中に形成されてゆくことになるといえます。
一方で既存店売上アップは客層拡大ユース拡大、
しかしながら一方では小属性に絞り込んだ専門店展開。
これからしばらくは、この方法論が模索されることに
なると思います。
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【SC経営のヒント296】:『成功する出店』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.296 ━ 2011.09.29
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:成功する出店』
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『成功する出店』
本来でしたら集合論的マーケティングアプローチについて書く予定
でしたが、次回大阪オフ会のテーマが出店についてですので、
それについて今回先に論じます。
出店とは小売業経営において、最大最重要の意思決定であることは
言うまでもないことです。
そして、SCをクリエイトする側はテナントを埋めるために
出店を促しますが、それが果たしてwin-winになるものかどうか
ということをよくよく考えた上での誘致を行わねばならないと
常々感じています。
まず、大切なことは出店企業にとってその出店が「力相応」のもの
であるのかどうか、ということが大事です。
出店しようという企業はオーナーも社員も意欲にみなぎっていて、
自分たちなら成功できるという自信もあり、新しいチャレンジを
したいという冒険心に満ちていることがほとんどです。
なので、いきおい実力以上の規模や賃貸条件、
あるいは少々悪い立地でも成功できる、という過信に
陥りやすいのです。
出店こそは「力相応」、これが黄金率で、それを遵守している
チェーンは多店舗化しても経営が崩れないですが、
力相応でない出店をしますと、
店舗数が増えるにつれて赤字店舗が増えてきます。
過去に見てきた事例では、1店舗経営のお店の2号店・3号店と、
20店舗を越える店舗数を展開している会社の30店舗前後の
出店というのが要注意です。
2号店まではできるが3号店ができない・・・
という「3店舗の壁」と、
チェーン化の前に必ずやってくる「30店舗の壁」です。
3店舗の壁とは、オーナーが自分の右腕左腕を育成できるかどうか、
という壁であり、30店舗の壁とは企業を組織化できるかどうかの
壁です。
出店に意欲のある会社はビジネスモデルが時流に乗っていることが
ほとんどで、それゆえに新しいことにチャレンジしたがります。
一方でSCデベロッパー側も、テナントに新業態チャレンジを
させたがる傾向にあります。
一等立地であればそれも面白いのですが、確実にテナント企業を
成功させるには無理をさせず手堅くやれる業態でもって出店して
いただくという選択をしたほうがよいと感じる事案のほうが
多いのが現実です。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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