【SC経営のヒント564】製造直売店舗の時代

小売業の店頭販売高がなかなか伸びない中で、売場面積は増加する一方です。
売場面積あたりの販売高は全体としては低下の一途であり、
都市部の商業施設では「粗利高の高い業態」が優位となってきました。
アパレルはSPAショップばかりですし、雑貨も無印良品やニトリのような
企画製造販売型が主軸となって久しいです。
大都市では以前からこのようになりましたが、改めてみてみますと、
地方都市においても製造直売で粗利率を上げる取り組みが
効果的なのではないかと思われます。

米国NY郊外にスチュ・レオナードという有名なスーパーがあります。
もう30年ほど前から注目され、日本からも多数視察ツアーが訪れています。
この店は建物の大半が工場となっており、売場は全体の1/3ほどでした。
コーヒー工場、牛乳工場、クロワッサン工場、寿司工場など、
多くの製品を店内製造しては販売するという店でした。
ですので店頭のSKU数はとても少ないながらも、いいものが安いと
大変人気の店でした。
25年前に視察した際、日本でもこのような製造販売のお店がもっと
増えるのではないかと思っていました。
しかしその後、売場を真似た店はありましたが、
これだけ大規模な製造工場を伴った店はまだないといえます。
(ここ数年、スチュレオナードは新規出店を増やしているようです)

総合型店舗で製造直売というレベルではないにせよ、
単品レベルでの製造直売店はすでに事例があります。
最近視察したなかでは、「日本酒」「ワイン」「しいたけ」
「ハム・ソーセージ」「お茶」「生ラーメン」などを自社工場を設けて、
自社製品を直売することで高粗利化しているお店があります。
横浜に新しく開業した「ハンマーヘッド」では、
洋菓子などのファクトリー併設店舗が複数見られます。

いまは単品レベルでの取り組みが多く、
観光立地など成立する立地がまだ限られている状況です。
ですが、今後こういった製造直売型の店舗開発は要注目と感じられました。

船井総研 山本

【SC経営のヒント563】『素人のコンテンツ参加がビジネスを拡大する』

船井総研の佐伯です。

最近、音声ビジネスが盛り上がっています。
Voicyというサービスに著名人が参加し始めたり
Spotifyが音声サービスを始めたり
少し前では
audio bookが盛り上がったりしています。

アメリカでは1000回再生されたら
30ドル~40ドルのお金になるくらい発達しているようです。

動画よりも音声の方が
場所に縛られず聞くことができる環境が多いですよね。
車や歩いている最中でも聞くことができます。

ただまだ広がりきっていない中、どうしたら広がるか?
有識者が話していると
どの人も素人の参加が肝になると言っていました。

素人が参加することで、コンテンツが充実する
コンテンツが充実すると、聞く人も増えるというように
循環していくようです。

Instagramなども
コンテンツを作る人がたくさん参加することで
市場が大きくなりました。

そう考えると素人に力を持たせることができるビジネスが
人気になるし、
素人が力を持ちやすくなる時代になっていると言えます。

商品作りでもお客さんと一緒に作るということを
しているものが流行るという現象がありますが
素人を自分たちのビジネスに参加させることで
よりマーケティングになる時代になっていますね。

素人の人でも
情報発信力を持っている人は各分野にいたりします。

自分たちのビジネスの
超素人を巻き込んでみることで
マーケティングになるかもしれません。

プラットフォーマーになることは大企業に任せて
その中で強くなる超素人と組んでいきましょう。

【SC経営のヒント562】『道の駅の再生』

人口の少ない街での道の駅の再生話を詳しくお伺いする機会に恵まれました。
私共も高速道路のサービスエリアや観光ドライブインのお手伝いをさせていただいたことが多々ございますが、この事例はナルホドそういう手もあるのか・・・と感心するものでした。

売店の売上アップに関しては商品の仕入れと価格設定を見直して十分な粗利率を確保できるようにする、売場については主力商品を定め価値ポイントを明確にして派手にプレゼンテーションや試食を行う、など、ベーシックかつ効果的な打ち手でした。これは私共も普通に提案していることです。

飲食は、観光客が来る場所と来ない場所でやり方が異なります。また、マーケットポテンシャルも大きく変化してくるため、適切な規模設定が重要になってきます。多くの事例では、成立限界を超えた大きさの店をつくってしまって苦労したり、あるいは規模が過少すぎて開業後に十分な売り上げが取れないという場合もあります。
この事例の場合には、直営化せず外部とのコラボレーションをうまく実現していました。

工夫があったのが「ふるさと納税」を活用した販売でした。
地元産品の販売を外部に委託するのではなく、自分たちで実施すること。それも一般的な通販と異なりふるさと納税というプラットフォームを活用して、というところにこの道の駅の工夫を感じました。

過疎化する街では店売りを頑張ったところで、得られる売上の上限は見えてきます。
通販などほかのルートでもってお客さんに商品を届けることを、地域事業者が主体となって取り組むという仕組み、これはとても可能性を感じました。

これは店を見ただけでは分からないことかもしれません。
弊社でも通販に強いメンバーが多数います。来年にかけて、このような支援メニューも充実させていただきたいと思います。

【SC経営のヒント561】『続編SC販促はリニューアル対応できてますか?』

前回に続き、販促もリニューアルについてお伝えします。

リニューアルといってもすべてを変える必要はありません。
リニューアルにおいても変えてはいけない原理・原則は存在します。

その一つが公平という原則であり、もう一つはあり方という戦略です。
公平とは、売上構成比に販促構成比をあわせるという考え方です。

また、あり方という戦略においては、どうやるかという戦術の前に、
あるべき姿の方向性をデベロッパーがテナントに提示することが重要です。

そして、販促予算を割り振る際は、長所伸展という考え方が不可欠です。
長所伸展とは、先の公平にある売上構成比に、伸び率を加え、
伸びしろのある週、カテゴリー、媒体、ツールに
より多くの予算を投下して販促の費用効果を最大化するという考え方です。

東京オリンピックで更に注目されるインバウンドは、まだ伸びしろがありますし、
ハロウィンのような新たな歳時記催事にも伸びしろがあります。

これらに対応するには、広域商圏に向けた販促プロモーションをする必要があります。
そのためには、行政はもちろん、エリア内の施設連携をしていくことが重要で、AMの理解、協力が欠かせません。
つまり、エリアまでの集客は行政、AMが行い、施設での受け皿づくり(インストアシェアアップ)はPMが担うという役割になります。
例えば、HPの多言語化、各テナントの免税、キャッシュレス対応、チャットコンシェルジュの設置などはPMが準備することになります。

そして、これからのアフターデジナルの時代では、施設としてO2O、OMOにも対応していくことが不可欠です。
テナント企業のEC化比率が増えていく中で、受取拠点としての施設の役割はますます鍵になってきているからです。

本来であれば、このような未来のマーケット(顧客創造)に対しての予算を全体販促費の1~2割は持ちたいものです。
しかし、デジタルプロモーションでは、広域商圏においても顧客を特定し、コミュニケーションをとることができますし、
チャットによる事前接客で施設への送客ができる時代になってきています。
つまり、販促予算を大きく増やすことなく、既存販促との組み換えの中でも販促もリニューアル対応可能なのです。

アフターデジタルで変わるSCのビジネルモデルの詳細(具体的な事例)は、
11月26日(火)の商業施設経営のための勉強会でお伝えさせて頂きます。
ぜひ、興味のある方のご参加お待ちしています。

▼SCオフ会の詳細はこちら
https://techplay.jp/event/756449

【SC経営のヒント560】『アフターデジタルの時代に、SC販促はリニューアル対応できていますか?』

SCが集客力アップを目的に5年前後で繰り返しリニューアルをする一方、
販促プロモーションが開業以来リニューアルされていないSCが大半です。

従来の販促プロモーションは、
不特定多数を対象にしたマスプロモーションを基本にしており、
アナログで販促費の費用対効果が見えづらいのも課題です。
今後の販促プロモーションは、顧客を起点にしたものであり、
デジタルで販促費の費用対効果が数字で見える化でき、
且つ再現性の高いものに切替が必要です。

顧客は来店前に事前情報を得ることが普通になっており、
適切な情報提供のための導線確保が必須となっています。

例えば、「エリア×商品(業種)」といった検索では、
業種カテゴリーのポータルサイト(食べログ、キレイエ、ホットペッパービューティetc)に
優位性があります。
つまり、SCのポータルより前に、これらに記載されたブランド・店舗の
商品ページからSCポータルを見ることになります。

まずは、SCポータル内の各店(各企業)のHPは、
これらの業種カテゴリーサイトとリンクされているかの確認が必須です。
業種・カテゴリー毎に売れる時期や訴求ポイントも違うことから、
これらのポータルと上手に連携していくことが求められます。

また、エリア集客を最大化するには、
エリア内の施設(観光、商業、サービス)との連携が求められます。
特に、単独施設では販促プロモーションの費用対効果があいづらい
ハロウィン、インバウンドには効果的で、施設側の情報発信より以上に、
UGC(顧客起点の情報コンテンツ)がポイントになります。

インスタ経済圏といわれるように、
SNSは消費行動に大きく影響を与えはじめています。
しかし、SCでは公式アカウントを持っているものの、
アカウント数、エンゲージメント率が伸び悩んでいるのが実際です。

SCのインスタ公式では、アカウント数10,000人、エンゲージメント率5%、
SCのテナント公式では、アカウント数3,000人、エンゲージメント率10%が
必要です。
伸び悩んでいる要因の多くは、公式アカウントの利用者が、
目標としているターゲットユーザー特性とあっていない、
効果的なUGCとなっていないことが大半ですので、
現状分析からあるべき姿に近づけていくことが重要です。

11月26日のSCオフ会では、
アフターデジタルで変わるSCのビジネスモデルでも、
モデル事例を交えながら、具体的な販促プロモーションのリニューアル手法に
ついてお伝えもさせて頂きますので、ぜひ、ご参加いただければと思います。

▼SCオフ会の詳細はこちら
https://techplay.jp/event/756449

【SC経営のヒント559】『〔再掲〕ダウンサイジングリニューアルに期待』

SC経営のヒント(2019.9.17) 第559号

第559
週刊 ショッピングセンター経営のヒント
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行

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今週のコンテンツ
【1】メルマガ
  『ダウンサイジングリニューアルに期待』

【2】セミナーのご案内
   詳しくはこちらから
  https://techplay.jp/event/747966

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『ダウンサイジングリニューアルに期待』

船井総研の佐伯です。
過去に配信したメルマガで、皆さんに再度お伝えしたい内容を
お送りいたします。

「圧縮・付加法」 を活用するドン・キホーテのエッセンスを
ファミマに取り入れた店舗は大盛況。

一方で、かつては「圧縮・付加法」を活用して大活躍していた
ヴィレッジヴァンガードが在庫数を大幅に小さくして
かつての元気をなくしつつあります。

改めて「圧縮・付加法」は業績を上げる方法として
非常に効果的だと感じます。
何事も基本に忠実に!ですね。

以下、過去メルマガ内容です。

↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓

テナント専門店の即時業績アップ手法に「圧縮・付加法」という手法が
があります。特にセールや端境期などの商品在庫が薄くなった時期に
効果的な手法です。やり方は簡単で店頭商品を主通路沿いに圧縮
するだけです。在庫量は減らさないので、見た目の坪当り在庫が増え
売面が減っても売上は下がらないのです。
そして、空いたスペースに新規商品を投入(付加法)すれば、その分
の売上がアップするのです。

今回のダウンサイジングリニューアルは、SCにこの圧縮・付加法を
取り入れた手法で、基本的な考え方は同じです。

これまでの商業施設のリニューアルは増床が基本でした。
デベロッパーはこの増床により、賃貸床を広げて家賃収入をアップする。
この増床が新規テナントで埋まる場合は、新規客も増えてリニューアル
の成功確立が高まります。

つまり、リニューアルの成否はどこにあるかというと、店数が増える
ことにあると言えます。

店数が増えない既存テナントの増床は、坪当り在庫を落とすだけで逆に
お客様にとって魅力のない売場をつくることになってしまうからです。

というのも、既存テナントの売場面積が2倍になっても、店頭在庫は2倍
になることはなく、結果売上は1.5倍というケースがほとんどだからです。

これからのリニューアルは、必ずしも増床ではなく、既存テナントを
圧縮し、空いたスペースに新規テナントを誘致するのが得策でしょう。

ハードに投資できる体力のあるデベロッパーは多くはないですし、
増床できるスペースが残っている商業施設も多くないからです。

また、デベロッパーは集客力のある大型店の誘致を優先させますが、
集客効果が長く続かず、ここにきて大型店の抜けが目立ち始めています。

実は多くの大型店が出店のスピードに店長の力量が不足気味で、店舗
としても固定客化が弱く、競合に対して影響を受けやすのです。

また、こうした大型店の坪効率は低く、家賃負担も高くないのが実際です。
こうした大型店の空き床を大型店で埋めようとして、また賃料が下がる
といったデフレスパイラルのような状態が続いています。

では、今後はどうしたら良いのでしょうか?
既存テナントの圧縮を基本に、新規テナントを付加したダウンサイジング
リニューアルが必要でしょう。
つまり、飲食店でいう屋台村のような業態が物販・サービスで求められて
いるのです。楽天モール、エステモールなど、お客様をシェアできる小型
店の集合体が今後期待されます。

ダウンサイジングリニューアルで、商業施設内のバラエティー(店揃え)が
増え、新規客が増える。デベロッパーも実は賃料効率が上がるのです。

そして、商業施設が本当の意味で地域に根ざしたSCになるには、次世代
の経営の担い手を応援することが必要な時代です。
地元の若者を応援するダウンサイジングリニューアルに期待したいものです。

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セミナーのご案内

働き方改革へのムードが高い今だからこそ 実施できた企業は勝ち組になれる!
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オムニチャネル時代!SNSスカウト×AIチャットコンシェルジュで
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≪プログラム≫
Session1 働き方改革時代に求められる小売業の方向性
株式会社船井総合研究所
働き方改革チーム チームリーダー
長島 淳治

Session2 SNSスカウト×AIによる企業と個人の新しい繋がり方
AIQ株式会社 副社長 COO
渡辺 求 氏

Session3 AIチャットで事前接客!売上とファンを同時に作る方法
株式会社空色 代表取締役
中嶋 洋巳 氏

Session4 お店も変わる!オムニ対応の新たな店舗モデルとは?
株式会社船井総合研究所
新規事業開発チーム チームリーダー
丹羽 英之
—————————————————————————-
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本件につきまて、何かご不明な点がございましたら、
下記までお気軽にお問い合わせください。
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 株式会社空色 セミナー担当:森田(もりた)
 TEL: 03-6431-8735 (代表)
 メールアドレス:info@solairo.co.jp
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皆様のご参加、心よりお待ちしております。

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【SC経営のヒント558】『店舗の多機能化』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.558 ━ 2019.7.30
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【1】メルマガ

 『店舗の多機能化』

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『店舗の多機能化』

従来の店舗では、在庫を陳列販売するというのが主たる目的であることが多かったです。

以前に関わった商業施設では、小規模のPCショップがたくさん出店しており、
店主にお話をお伺いしてみると
「商売の大半は外商であるが、店がないと信用されないので出店している」という
回答をいただき驚いたことがあります。

また他の例では、ショッピングセンターの一等地に小規模の宝石店をかまえて、
目的としては婚礼予定者の名簿獲得のために店をかまえて、
アタックリストには本店から営業をかけるというビジネスモデルの店舗もありました。
高額品の場合は、このような「外商の入り口」となる店を設ける場合が
多く見受けられます。

昨今では、店自体がショールームで、そこを起点として
「住宅工事」「造園工事」「内装工事」などを受注するための
ショールーム型店舗が増えています。
素敵な店舗空間を見せることで、おしゃれな自宅や庭を
イメージしてもらうために店があります。

また、最終的に高額品の販売につなげるために、安価な商品で
入り口を低くしておいて店に入りやすく、間口を広くしておくというのは
どの商売にも見られることです。

オーダー家具やリフォーム工事受託のためのショールーム店舗も
かなり増えてきていると思います。

商業施設の強みは集客力であり、今後はこのようなショールーム型店舗の
誘致を強化してゆくことになると思います。
と同時に、店舗自体が通販拠点となるものや、店舗による人材採用窓口づくり、
店舗によるR&Dとテストマーケティングなど、店舗という装置を多種多様に
活用しようという試みが増えるものと思われます。
実際、メーカーがブランディングのために店舗を活用している事例も増えてきました。

まだ空想の域を超えないものも含めて、「店舗の目的・使いかた」といったものを
今一度イメージをふくらませて、お客様が店に来た時がスタートである場合、
ゴールである場合など、様々な可能性について検討する時期に来たのでは
ないでしょうか。

ネットの世界ではCV(コンバージョン)という概念がありますが、店舗におけるCVも
必ずしも店頭在庫の販売だけではない、という観点から、自社業態の進化を
考えていただければと思います。

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『働き方改革をチャンスに変える!働き方改革時代の経営モデルとは?』

既存施設、既存店舗は商圏を軸に出店、MDを検討してきました。
自社ブランドの必要商圏人口を基準に開発・出店してきたと言えます。

このモデルでは、既存施設・店舗の業績アップは商圏内シェアをあげることですので人口が減れば客数が下がり、競合が出れば業績が下がります。日本の人口は減り続けるので、既存のビジネスモデルでは厳しいことは明白です。

また、これまでは商圏内シェアをアップするために、定休日の返上、営業時間の拡大をしてきましたが、これも働き方改革の影響で難しくなっています。

それでも、固定化した本部経費を賄うには、既存店舗の業績を下げるわけにはいきません。
新規採用も難しい中、根本的に既存のビジネスモデルを見直す必要性があります。
有店舗の業績が厳しいなか、EC化率は伸び続け、オムニチャネル化は避けては通れません。

しかし、本気で取り組み、成果をあげている施設、店舗が多くないのではないでしょうか?

お客様は、その時の気分やスケジュールによってネットと店舗を使い分け
もっと言えば、使い分けている感覚すらないのが実際です。

お客様がどこでも接客が受けられ、どこでも商品を試せて、どこでも買えて、どこでも受け取れる、これが求められているのです。
とはいえ、現実の展開では、商業施設の各店のネットでの売上計上はどうするのか
チェーン内でも、ネット部署と店舗部署の売上の取り合いになっていのが実際です。
当然、施設・店舗においては、商品連携、顧客連携ができていてこのシームレスな購買行動についていかなければなりません。

また、商圏人口をベースにした金太郎あめの出店から、顧客目線で最適なオムニチャネル施策 への切替が必要となります。

例えば、有店舗の人の採用は商圏(立地)が左右します。
地方に行けば行くほど人の採用が難しくなります。
かといって、地方の店舗は人が少なくていいわけではありません。
有店舗のモデルではどうしても、必要人員が決まってしまうのです。
とはいえ、数だけそろえればよいものでもありません。

既存モデルが接客を基本としている以上、接客力がなければ売れないのです。
人がとれない、接客力を鍛えるのが難しいのであれば、人がいなくてもよい、接客しなくても良い店舗モデルに切り替えていくべきです。

例えば、web接客を基本としたチャットセンターがあれば遠隔でも商品接客のプロが回答し、それをAIの回答に変えていくことができる時代になっています。
AIによるweb接客は、24時間、年中無休、商圏関係なく対応が可能なのです。
また、多言語化も対応でき、日本における唯一の伸びしろであるインバウンド対応にも適しています。
このweb接客を前提にすれば、あらたな店舗の役割が見えてくるのではないでしょうか?

食品・飲食の業界が、セントラルキッチンで商品を各店に配送するように
チャットセンターが店舗にお客様を送客することができる時代です。
有店舗の体験、試着、現物確認のニーズは絶対になくなりません。

体験を軸に店舗を組み立てた場合、店頭では体験のサポートをすればよいので、これまでのような接客のできる優秀な店員が必要ではないのです。
これまでの店員は接客もでき、陳列もでき、数字も求められていませしたが、お客様とコミュニケーションさえとれれば問題はありません。

働き方改革の時代をチャンスととらえ、顧客目線の最適なオムニチャネル施策に挑戦してみてはいかがでしょうか?

執筆者 高収益化支援部 丹羽英之

【SC経営のヒント557】『集客媒体との戦い』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.557 ━ 2019.7.3
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【1】メルマガ

 『集客媒体との戦い』

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『集客媒体との戦い』

商業施設(館)とは、集客の装置です。
テナント店舗にとっては、集客を実現してくれるからこそ、他の路面物件ではなく、わざわざ家賃の割高な館に入居する意味があります。
ですので、その館が開業時はもちろん、通年で集客してくれるからこそ、入居する意味というものが出来てきます。テナントから見た場合、集客のために賃料を払うという考えになります。
ですので、他により効果的な集客媒体がある場合には、家賃ではなくそちらにお金を払ったほうがお得という判断になります。

これまではテレビや雑誌・交通広告、DM、新聞広告、チラシが主たる媒体でしたが、テレビや雑誌は費用がそれなりにかかりますし、DMも大量に送るとそれなりの費用になります。
チラシは以前ほど効果が出なくなったといわれています。(いまでもやり方次第とは思いますが)
そしていまではフリーペーパー、ネット媒体(タベログなど)ほか、集客媒体が増えています。

テナントオーナーから見れば、それら集客媒体にかける費用と、家賃として館に支払う費用のどちらが費用対効果が高いのか、という判断になります。現在では、単独店でホットペッパーやタベログを活用するほうが、商業施設に入って高い家賃を支払うより効果的と判断する店も増えています。

商業施設と一口にいっても、開業後に全体販促を実施しない館も数多くあります。販促費をテナントから別途徴収していない館も多数あります。しかし、全体販促としてやれることはいくらでもあります。

いまいちど商業施設として「継続的な集客」のための取り組みを実施することが、これら集客媒体を上回る魅力のある館になることが大事です。そうでなければ媒体にかける費用を増やしたほうが効果が上がるということになります。
個別店舗の販促活動より、館で全体販促を仕掛けるほうがはるかに効率的です。
全体販促に積極的に取り組み、ぜひ商業施設としての付加価値を上げていただければと思います。

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【SC経営のヒント556】『 物流費アップで変わる実店舗の価値と売上アップ』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.556 ━ 2019.6.4
 船井総研 コンサルタント  山本 匡 発行
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【1】メルマガ

 『物流費アップで変わる実店舗の価値と売上アップ』

【2】セミナーのご案内
 『~6月6日(木)開催迫る!~『船井総研』×『空色』無料セミナー』

 https://mag.ok-sky.jp/seminar/seminar0606/ 

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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『物流費アップで変わる実店舗の価値と売上アップ』

ネット通販が世に登場した頃、自分としてはこのように考えていました。
「一か所に商品を集め、それを消費者に取りに来ていただくという実店舗の総物流コストは、配送センターに商品を集約してから戸別配送する通販よりも低いはず。割高な不動産費や内装などの投資費用を含めても、売上さえ上がれば実店舗のほうが効率的なはず。なので安売り&送料無料のネット通販は長期継続は困難で一定以上の規模になれないのではないか?」

その後、ネット通販は当初予想を超えてどんどん巨大化していきました。
また、大手通販会社の配送センターを拝見させていただいて「小さなSCほどの規模なのに、この大きさで年商100億円なら、ショッピングセンター作るより儲かるかもしれない」とも感じていました。

しかし、ここにきて物流費の値上げが影響してきました。
これまでは通販事業者は宅配業者に無理をしてもらって利益を上げていたのが、配達員の調達が困難になり募集人件費を上げざるを得なくなって、ネット通販大手も送料無料が維持できない状況になってきました。
十分な利幅を確保しているメーカー直売ならともかくも、仕入れて売って薄い利幅では物流費が増大すると利益など生まれてこないということになります。

しかし、店頭販売が伸びているかというとそうではありません。ここ数年全国を見ている中で、インバウンド流入のない街で小売店頭販売が伸びている事例はほとんどなく、一部の熱心な取り組みを見せている企業を除いては、全体としては落ちているという認識が正確だと思います。

全部売上が落ちているのかというと、もちろんそんなことはありません。
売上アップのためにプロモーションをかけている店、商品を見直している店、改装して再チャレンジしている店、売上を上げている店はちゃんとあります。しかしそういう店のほうが少数派になっています。

特にこの数年見かけているのは、間違った改装をやって売上を落としている店です。
量販店系に多い失敗は、改装後に什器の高さを低くしすぎて、在庫を大幅に減らしてしまった店です。
ほかには、売るものを明確にしないまま作ってしまった店も失敗しているものがあります。

小売業を取り巻く環境はネット、IT化、無人化、キャッシュレスなど、新技術を導入して新しい店をつくろうという取り組みが多々聞こえてきますが、店頭販売においては売上を上げるには来店者数を増やし、買い上げ率を増やし、買い上げ点数を増やすという基本を徹底することに変わりがないのです。

無人店舗をつくっても接客する人が減る分売り上げは下がります。
キャッシュレスにしても売上が上がるわけではありません。
IT導入で効率化しても、経費は下がっても売上増要因はほとんどありません。

いま小売業が必要としているのは、経費削減の知恵ではありません。
経費削減をするにも投資が必要となり、その投資を回収できないレベルでは経費削減として成功したとはいえません。

売上アップの取り組みは、改装を伴わなくても出来ることが多々あります。
いまいちど「売上アップに取り組むこと」これが一番大事なことではないでしょうか。

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下記までお気軽にお問い合わせください。
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TEL: 03-6431-8735 (代表)
メールアドレス:info@solairo.co.jp
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