【SC経営のヒント578】コロナ後に増える、店舗リニューアルの留意点とは

昨今コロナ情勢下で大型店中心に閉店せざるを得ない状況が続いていますが、
再開後の取り組みに動いているお店も多いです。
その大きな目玉が「店舗のリニューアル」となります。
弊社では「道の駅」などを中心に店舗リニューアルの相談を多数頂戴しておりますが、
過去に大型SC、駅ビル、大型店などのリニューアルを多数手がけてきた経験を生かした
リニューアルプランづくりを実施しています。

ここで、商業施設のリニューアルの「失敗」するパターンについていくつか例示してみたいと思います。

①在庫を減らしたリニューアル
中堅チェーンなどで多く見られる例がこれです。見通しを良くするために、
通路を広げて什器の高さを低くして、
結果リニューアル後の売り上げが計画通りに上がらない・・・という失敗例です。
売上=在庫高×回転率 ですので、一般的に在庫を大幅に削減すると売り上げは下がります。
カルディコーヒーファームやドン・キホーテのように通路を狭く・什器を
高く上げている店が繁盛店になっているという現実からよく学ぶ必要があるといえます。

②導線づくりの下手なリニューアル
別棟で増築した場合、大きな売場からちょっと突き出た売り場を増築した場合などに起こりうる失敗です。
増築した場所が期待したように売り上げが上がらない・・というパターンです。
ある程度以上の大きさになると、導線の上手下手だけで売上は大きく変化します。
たとえばレジの位置を変更するだけでも売り上げが上がる場合もあります。

これら2つが、昨今よく見かける失敗例です。
弊社がお手伝いした事案では、このように誤った意思決定をしようとしている局面で
「待った」をかけた例も、また失敗をどうフォローするかという観点で、
出入り口を変更したり導線のとりかたを変更したりといった外科手術を実施していただいたこともあります。

ちょっと怖いのは、こういったところに原因があるのだということを
しっかりとご認識いただけていない例が多いということです。
商業施設のリニューアルというと、商品構成や売り方についての議論はするものの、
売り場づくりは設計者まかせで、施主側にハードウェアについて十分な理解がない場合に、
このような失敗をする場合があります。
もちろん設計者が商業施設を熟知している場合はそれでも問題なくできますが、
経験上そういった例のほうがレアケースです。なぜなら設計者の仕事の力点は「売れるかどうか」ではないためです。
弊社では設計業務はいたしませんが、こういった商業施設のハード面も長年の経験から熟知しております。

リニューアルをしたいが、どこから手をつけてどのような仕事のすすめかたで、
どういう考え方で意思決定をすればよいか・・・というお悩みがある場合は、
コスト次第で様々なお手伝いの方法論がありますので、
ぜひ一度お気軽にご相談いただけましたらと思います。

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【SC経営のヒント576】商業施設開発に向けた商圏調査・分析

船井総研がご支援しているメニューの一つに
“商業施設開発に向けた商圏調査・分析”があります。
世の中に商圏調査をする会社やツールは多くあり、
例えばその周囲◯◯km内に住んでいる人は
何人?何世帯?高齢化率はどのくらい?どのエリアの人口が増えているのか?
など知ろうと思えば知ることができます。

ただしこうした商圏調査からどういう開発をするべきか?
と実際の開発担当者が頭を悩ませる質問となると
急に答えるのが難しくなります。
多くの調査会社はその部分の提案に関しては、請け負うことが難しいでしょう。

船井総研の強みの一つに商圏調査から分析結果を踏まえた、
提案までできることがあります。
長年商業施設や店舗ビジネスに携わっているメンバーがおり、
過去の事例まで知っていること。
分析のノウハウが蓄積していることからやり切ることができます。
(一般的に失敗事例というのは世の中からなくなってしまいます。
そのため失敗事例まで含めて過去の事例を知っているというだけでも、
“やってはいけない”開発を外すことができます)
 
つい先日もこういった計画を考えているがどうしたらいいか?
というご依頼を受けました。
商圏の調査をすると一見すると周囲の人口はまばらで、
川などの分断要因もあり、開発が難しい場所でした。
とはいえ
1)コンテンツによっては県内の遠出需要は見込むことができること
2)足元需要にも強いコンテンツと組み合わせることでより安定した収益を見込むことができること
からどのようなコンテンツを盛り込むべきか整理をして提示をさせていただきました。
また開発の想定では余ってしまう土地も、
どのような業種へのリーシングが現実的かつ収益につながるのか
議論しつつ、提示をさせていただきました。

難しそうな開発場所でも、広く日本の中では
うまくいっている事例があったりするものです。

そのエッセンスをいかにこの土地でも実現するのか?ここまで提示することで
良い開発に繋がります。
そうした事例をストックしているからこそ、提案までできるのです。

開発の初期段階で、こうした商圏分析から考えられる開発の提案を踏まえて
議論をすることで圧倒的にスムーズに立ち上がります。

もし開発の初期段階で検討に詰まっているものがありましたら
一度ご相談いただければと思います。

【SC経営のヒント575】古い要素を見直す機会

4月に入ってから小売・外食の業績が一段と悪化しています。
また、非常事態宣言もあり都市部の大型店は店舗閉鎖になり、営業自粛している店も増加しました。
宿泊業へのダメージはかなり深刻です。
伝染病からはじまり、経済恐慌へと突入しているのが現在の状況です。

一方で、このような状況下でも業績が伸びているものとしては、食品物販・通信販売・弁当・ケータリングなどがあります。
もちろんこれらは一時的な傾向とみることもできますが、どうも今回のコロナ騒動は「オールドビジネス」と「ニュービジネス」を分断する大きなきっかけになりそうに思えてなりません。

あらゆるビジネスセクターには「古い昔からの伝統的なやり方」と「新しいやり方」が共存しています。もちろんそれは双方ともに価値があるから共存しているわけですが、それが今回の騒動で「時流の進むスピード」に拍車がかかったように感じられます。

たとえばですが、小売店ではメーカーさん問屋さんとの商談はこの先もリモートで可能なのではないでしょうか。あらかじめサンプルを送付するなり、商品画像を複数枚画面に写してプレゼンするなりしながらリモートミーティングで商談が可能になります。車やハンドキャリーで商品を運んでは本社を訪問して・・・を繰り返していましたが、リモート化することで問屋さんの時間的負担は大幅に減ります。

相変わらず遠隔地に大人数でわざわざ訪問する「儀式」を要求する組織もあります。
しかしそれも受託者にとっては工数費用に含まれて計算されていること。
それはお互いにとって無駄なことではないでしょうか。

一方でリモート会議に対応するオフィススペースが絶対的に足りていないところが多いと思います。コロナ終息後はブースを多数設けて個々人がリモート会議する環境をオフィス内にととのえる必要が出てくるでしょう。
いきなりすべてがリモートワークでは、社員同士のコミュニケーションがとれませんし、マネジメントもやりづらいという職場が大多数でしょう。

今回の経済変動は、自社の中にひそむ古い要素、それをあぶりだして習慣を変革する大きな機会が訪れているように感じます。

【SC経営のヒント574】SNS販促の基本のキ

船井総研の藤田です。

皆様の店舗・施設において、
「販促活動におけるSNS施策」どれほどやりきれているでしょうか。

SNSはあくまでコミュニケーションツールです。
そのため、「販促」は先に「売り」を意識しますが、
SNSの場合は先に「信頼作り」・「ファン作り」・「ブランディング」を心がける必要があります。

店舗に来店する前~来店~来店後、この一連の流れにおいて、SNSHPでの情報発信を強化することで、ファンづくり・自店集客力の強化に繋がっていきます。
SNSHPでは、「どんな商品を作っているのか」・「どんな思いで商品を作っているのか」・「企業としてどんな活動をしているのか」などの情報を頻度高く発信することが必要です。
企業や店舗について知ってもらい、認知度を高め、商品やサービスだけでなく、企業としての思いや活動内容を通してユーザーに親しみを持ってもらい、信頼感を得ることができます。
信頼感を持ってもらい、「この商品(サービス)を買ってよかった!また来よう。」と思っていただけるようになれば、ユーザーをファン化することが出来ます。
ファンは商品・サービスについて、自発的にFacebooktwitterInstagramなどのSNSを通して情報を拡散してくれます。そこでさらに認知を広げることができ、新たなファンを増やすことが可能になります。
 
最終的にファンが増えたときに、お客様は戻ってくる、定着する、購買に繋がるようになります。
売りに繋がらないSNSも良くないですが、大切なのは「順番」です。

ではどうやって信頼を得て、ファンを増やしていくのか、
ひとつ事例をご紹介します。

★三越伊勢丹アパレルブランドのケース「スタッフにファンを作らせる」
→このブランドでは商品を企画したスタッフが顔出しをして、
 なぜその商品を作ったか、どのような人に着てほしいかをインスタグラムで
 定期的にライブ配信しています。
 閲覧者のコメントを見ていると、
 「スタッフさんかわいい~」・「●●体形のことよく分かってる」等、
 良いコミュニケーションが取れています。
 
 ライブ配信内では、いわゆるテレビショッピングのような
 売り色は排除されています。
 あくまで、製作の思いや、スタイリング提案にとどまっています。
 
 また日々の投稿も、モデルではなく、スタッフが着用している投稿が多く、
 親近感があります。

SNS苦手という方、多いと思います。
SNS運用のテクニックはたくさんありますが、
まずはコミュニケーションツールであるということを理解し、
日々SNSに触れてみてください。

【SC経営のヒント573】蕎麦屋の募集広告

船井総研の佐伯です。

先日、蕎麦屋で募集広告を出したら募集が倍増したという事例がありました。
当初は「伝統的な蕎麦屋です!週に5日以上募集」
のような一般的なキーワードでの募集をしていました。

ただ想像の通りこれでは全く人が集まらず・・・・。

急に集客を倍増させた広告とは
「業務時間中、誰とも話さなくてもいい仕事です。」という広告の打ち出しでした。
これに変更してから2週間の出稿期間中に
50人からの募集を集めることができたと。

どんな仕事も本当に求める能力は
マネジャー以外のプレイヤーだと
要素分解をすると一部であることが多いです。

蕎麦の場合では、人とコミュニケーションを取ることよりも
丁寧に、黙々と蕎麦を打てる根気強さが何よりも重要です。

不特定多数と話すことが嫌な人はたくさんいます。

こうした人達に向けたメッセージにすることで
反応をあげることができるのです。

特に以下の~だけ仕事を切り離すのは手軽に取り組むことができます。
・手を動かすだけの仕事
・書くだけの仕事
・話すだけの仕事

人が足りない今は
超人的な人を求めるよりも
一部を秀でている人を集めるという視点が
大事になってきます。

コロナの収束がいつになるか予測ができない状況ですが
将来を見据えて
手を考えていきたいですね。

SC経営のヒント572施設テナントは商圏(客層)の変化に対応できてますか?

この商圏(客層)の変化は下記のような様々な場合におこります。
・商圏内に競合施設が出店
・商圏内の既存施設がリニューアル(自施設も含む)

首都圏では、商業(複合)施設の開発・リニューアルが続いています。
これらの開発・リニューアルで、既存施設の売上が下がることは希で、
むしろプラスにふれます。
例えば、渋谷商圏において「スクランブルスクエア」「フクラス」
「パルコ」の開業は、渋谷エリアの商圏拡大につながります。
ただ、商圏が拡大して、施設客数が増えているにも関わらず、
売上が下がってしまう施設・テナントが出てくるのも事実です。
そういった店舗の特徴は、大きく2つで、一つはネガティブ
(しかたないといった消極的)な理由で選ばれていた店舗、
こういった店舗は比較対象となる店舗が増えることで、
客数が減ることになります。
もう一つは、同一チェーン店の出店により、客数をシェアすることになる店舗です。

そういった店舗は、下記のように、商圏(客層)の変化に対応できていないのが実際です。

インバウンドがとれる立地に変わったのに、免税対応していない
オフィス需要がとれる立地に変わったのに、従業員向けに対応していない
ベビーカーがとれる立地に変わったのに、子供向けの商品・サービスがない

一方、チェーン店であっても数字がとれている店舗は、商圏(客層)
に合わせた売り方ができています。
それにより、自力集客できるチェーン店が伸びています。

施設テナントにおいて、売上、客数といった数字は、お客様の支持率です。
つまり、このお客様の支持率の変化に合わせて対応していくことが重要です。
売上構成比×伸び率が高い部門、商品、それらが、どんな客層に支持されているのか、
あるいは支持されなくなってきているのかを丁寧に検証し、
仮設を立てて行動していくことがポイントです。
ぜひ、チェーン店であっても、商圏相応、力相応で一番化を目指してもらいたいものです。

【SC経営のヒント571】店舗ビジネスのコロナ対策について

船井総研の山本です。

コロナウィルス不安で外出が減り店舗売上にも影響が出ています。弊社では財務専門家を中心に、まずは当座の資金繰りの確保から、というお話をお伝えさせていただいております。

物販関係の各業種コンサルタントからの情報では、全体としては厳しいながらも、個々には対策を打って成果を上げている事例を紹介させていただきます。

・カー用品業界 集客の絶対数が落ちる中で、WEB予約にて整備点検サービスの入庫を促進し、物販では売上が落ちているがサービス収入で巻き返している。

・菓子業界 休校中のお子様応援企画として、お団子のセールを実施し、通常日販の4倍の売数をあげる

・食パン専門店や単品スイーツ専門店など、時流適応しているビジネスは悪影響はなく、むしろ売上が伸びている店が多い

・通販は総じて伸びている会社が多い

・家電専門店では、集客はダウンする中で高付加価値な次亜塩素酸空気清浄機を中核にセールスして売上をつくっている

・ホテル・飲食 時短営業や臨時休業を導入して、売上が下がる分シフト組を楽にした

このほか、出前を強化している飲食店というのもあります。
フリー来客が減少する中で、予約販売や通販、お届を強化するところが増えています。

すべての業種で同じように取り組めることばかりではないでしょうが、近隣リピーターの来客は観光客ほど落ちていませんし、むしろ子供の自宅待機で「巣ごもり需要」は増えています。観光系も遠出をあきらめて近隣小規模施設での観光にシフトしている傾向が強いように感じます。

依然として厳しい状況ではありますが、嘆くのみで終わらず、いまだからこそ出来ることを小さくとも取り組んで、すこしでも業績の回復に役立てていただければと思います。

【SC経営のヒント570】接客をしないビジネスモデル

船井総研の佐伯です。

先日、スカイラークさんが展開されているガストに
久々にいってきました。
24時間営業をやめるなどで非常に話題ですよね。

行ってみてなんと店員の接客、客席案内がゼロに。
なぜかというと空いている席に座ってタッチパネルで
来客人数を入力して
その後タッチパネルで注文という流れに変わっていました。

正直ガストに接客を求めていないため
僕としては非常に居心地がよくなった感すらありました。

このように現在、働き改革の流れもあり
これまで人が担っていた業務を
機械が代替する。テクノロジーが代替するという領域が増えています。

アメリカに行ったときに衝撃を受けたものの一つに
完全自動デリバリー店舗がありました。

これはどういうことかというと
お客さんはタッチディスプレイで商品を注文し
クレジットカードで支払いをします。

支払いをすると自分の番号がわかる紙が提示され
商品ができたらその番号が画面に表示されて
その商品を受け取るというものです。

商品の受け取りもロッカールームのように
番号分けされているスペースが壁一面に
40個ほどあり
その中に厨房の人が商品を配膳し
画面上でお客様をお呼びするという仕組みです。

そのため商品を受け取るまでに人と出会うことは一切ないです。

これも接客をしないという選択をしたビジネスモデルになっています。

このように飲食が早いですが
接客をしないようになる(=比較的安価なものは)
と思います。

ということはお客さんの価値観も
接客がなくても
別に不満に思わないということです。

オフィスの受付も
徐々に受付がいない会社が増えています。
これも今では当たり前ですよね。

歯医者や美容院は自動受付でも
全然問題なくなるでしょう。

目指すべき会社像にもよると思いますが
先を見越して
コスト削減できるところはぜひ検討してみましょう。

【SC経営のヒント569】売上を上げよう!販促施策だ!・・・まず何からする?

船井総研の藤田です。

インテナントの飲食店さんからこんな声をよく聞きます。
「館ルールが厳しいんです!」と。

商業施設ではテナントに対して様々なルールがあります。
・この区画から販促物は出てはいけない
・壁に販促物を貼ってはいけない
・イーゼルの大きさは~未満でなければいけない
・ウェイティング場所に販促物を置いてはいけない
・独自のDMやフェアをやる場合は必ず事前に相談しなければいけない
等々・・・・

そんな中で、
「インプロによるインストアシェアを上げて業績アップしたい!」
「アウトプロによるエリア集客を強化して業績アップしたい!」
といっても、施設内ルールを守った上での施策になり、
店長は悩んでしまい、行動を起こせないというのをよく見ます。

そう悩む以前にまず重要なのは、

①館・自店客層を理解する
②自店の強み(支持されている曜日・時間・メニュー販売数・客層)を数字で理解する
③客層に合った商品・接客・サービスを提供できているか確認する
④自店の強みを現在のインプロ×アウトプロで打ち出せているかどうかを確認する

です。
①~④を理解し、確認したうえで、初めて販促施策(インプロ・アウトプロ)を
検討する段階に入ります。

差別化の8要素でいうと、一番上位にくるのが「立地」であり、
「立地」により「客層」が決まります。
例えば、上階にオフィスがくっついている駅ビルの場合、

・オープンからランチ:オフィス客
・ランチからカフェタイム:買い物客・ベビーカーママ友
・カフェタイムからディナー20時頃まで:買い物客・お一人さま
・ディナー20時以降:オフィスの接待商談飲み会

のように、時間帯別に客層が異なります。
時間帯別にその客層に合った、商品・接客・サービスを提供できている場合、
アイドルタイムは無くなり、テーブル稼働率が上がり、業績は上がっていきます。

ちょっと当たり前のようにも聞こえますが、
例えば、
・クラフトビールのお店で、平日ランチタイムに一番目立つイーゼルでビールを推している
→そもそもランチ時にビール頼まないのでは?ランチプレート目立たせた方がよいのでは?
という事象が多く発生しています。

ルールを守ることも重要ですが、
今一度自店の強み弱みを数字で分析し、
立地=客層に合わせた商品・接客・サービスを提供する、それをインプロアウトプロで打ち出すことが最優先です。

【SC経営のヒント568】自動配膳ワゴン

船井総研の山本匡です。

テクノロジー系ベンチャーの方々と情報交換をしていますと、
いろんな新しい取り組みを知らされます。
先日は、レストラン向けに配膳ワゴンを動かす装置について議論しましたが、
既存のものは特定のマーキングに沿ってしか運転できないため、
前が詰まると渋滞したりと、あまり使い勝手がよくない状況です。

これを回避して、さらに高度な操作ができるようになるためには、
空間全体をマッピングして、その位置情報に基づいて
運転するシステムができるとのこと。
ただしマッピングには結構な時間と費用もかかるようで、
実用化といえる状況になるにはまだ時間がかかるようです。

流通店舗系のシステム開発は、
主として製造や物流ステージで活用されるものが中心で、
店舗レベルで活用されているものは
おおむねローテクなものばかりです。
POSなど管理システムは多少進歩しましたが、
たとえば巨大な店舗での館内物流を自動化させるというのは
実現していませんし、清掃ロボットにしても
やっと今後導入されるかどうかという状況です。
これも導入される施設はまだ限られた状況といえるでしょう。

さらには調理となると、人力によらずに料理を提供するには至っていないのが現状です。
しかし、これもたこ焼きを焼いたり、コーヒーサービスをするロボットなどが
出来つつありますので、時間とともに少しづつボトルネックを解消してくる可能性があります。

店舗のキャッシュレス化と同様に、こういった自動化システムが進化してくると、
より少ない人員で運営できる業態が増えてくる可能性があります。
システム化&ロボット化のメリットは人員削減だけではないのですが、
どちらかというとそのニーズが現状強いように思えます。

amazon goは省人力化を主目的としたものではなく、
顧客がレジに並ばなくてもいいようにという「顧客満足」のための取り組みです。
一方で中国などの無人コンビニは省力化のためのもので、
これらは結果としてはあまりうまくいってないようです。
人がいない店では売上も上がらないというのが現状です。

新しい技術が現状の課題を即解決するほど簡単な話ではないですが、
人手不足・売上減少に対応するためには省力化のための
ロボット開発は今後も進むと思いますので、
引き続き調査してゆきたいと思います。