SC経営のヒント140:『基本サービスの再確認』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.140━2008.2.28━
 船井総研コンサルタント 野田陽一郎発行
 秘策伝授!!
 ★ショッピングセンター経営のヒント★
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┃【main contents】『基本サービスの再確認』
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ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
3月からは新年度を控え人口移動が増える時期です。
新規客の取り込みとともに、ファーストインプレッションを悪くしない
サービスの充実も見直してみたいものです。
株式会社船井総合研究所
野田 陽一郎
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『基本サービスの再確認』
ショッピングセンターの機能にインフォメーションというものがあります。
通常、店のメイン入口周辺やモールの主通路沿いに設置されています。
このインフォメーション機能は、果たして充分に使われているでしょうか?
そしてお客様視点になっているでしょうか?
以前、様々なショッピングセンターのインフォメーションで、最も多い質問
「お店の位置」を聞いたことがあります。
結果は、お店の位置の案内ひとつとっても全く異なるものでした。
フロアマップを使用する場合が主ですが、そのフロアマップをお客様のために
提示してご案内する場合もあれば、インフォメーションする側の人が
うろ覚えのため、確認しながらご案内する場合もあるようです。
説明に入る前に、現在の位置を確認してからご案内する場合もあれば、
フロアマップでの案内の後に、実際に風景を指して、
最も近い行きかた(エスカレーターやエレベーター)を教えてくれたSCも
ありました。
化粧室の案内にしても、子連れのお客様であればインフォメーションから最も
近い化粧室をご案内するだけでなく、授乳室の近い化粧室の案内も付け加える
ことができるかどうかもポイントですね。
さて、インフォメーションに限らず迷子や落し物に関しては館の対応として
どうなっているでしょうか?
ある百貨店では、全てのお呼び出し、迷子に対して「お近くの販売員にお声
かけください」としています。一方で、近くのテナントのオーナー、販売員に
声をかけても、「わからない」といった対応をされるSCも少なくないのが
現状です。
迷子にしても、財布にしても、探している側は必死です。しかし、探す側が
必死ということもあり、館や店の対応には「なおざり」にされた感じを受ける
ことが多いのです。
今一度、館として最低限の案内ができる対応、情報の集約方法など
再確認してみてはいかがでしょうか。
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TEL:03-6212-2930 FAX:03-6212-2945 
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 * 経営コンサルタント
 * 発行人:株式会社船井総合研究所 野田 陽一郎
 * ホームページ:http://funai-sc.com/
 * E-MAIL:< info-sc@funaisoken.co.jp >
 
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SC経営のヒント139:売上を予測する

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.139━2008.2.21
 船井総研コンサルタント 山本 匡発行
 秘策伝授!!
 ★ショッピングセンター経営のヒント★
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【main contents】「売上を予測する」            
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こんにちは。
船井総研、山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回はコンサルタントに求められる「売上を予測する」能力
について話したいと思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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■売上を予測する
「店を見て売上を予測しなさい」「見て売上を分かろうとしたら分かるようになる。
分かろうとしない人は一生わからない」
SCのコンサルタントとして駆け出しだった頃、上司に教えられたことです。
以来、店を見に行くときには、その店の売上を概算でも分かるようにしようと
努力をすることになりました。売上の公表されているSCを事前に調べ、現場を見ます。
「これが年商100億円のSCか」何度も何度も、感覚がつかめるようになるまで、
いろんなSCを見に行きます。
そのうち、だんだんと感覚的に分かるようになってきます。
このトレーニングは、SCを見るうえで非常に重要です。
「売場面積を目で見てだいたい把握する」「年商を目で見てだいたい予測する」
この2つが感覚として身につくと、見たSCが成功しているのかどうかが分かります。
もちろん、見に行く曜日や時間帯によって客数、客層は変動します。
天井の高さが変わるだけで面積感覚は変化します。
こういうことをケーススタディを積んで、いろんなケースで対応できるようにするのです。
入門手法としては、SCのキーテナントがGMSの場合、
食品のレジの台数をまずは1台2億円とみて、セルフでどの程度の売上になるか予測します。
そして専門店や対面の品揃えをみて売上を乗せ、
さらに食品の売上構成比が何割くらいになりそうか、
を予測して核店舗の売上を予測してみます。
そして、専門店街の面積と繁盛度合いを見ながら、
専門店街でどのくらい売上げていそうか予測します。最後に足し上げて全館予測します。
このほか、売場面積を調べておけば、
これに想定される月坪効率をかけてみるのもいい一つの方法です。
この程度の繁盛度合いだったら、月坪16万円くらいか・・・
あるいはあのSCと同程度なので14万くらいか・・・とシミュレーションを重ねてみます。
専門店の売上予測も、同様のトレーニングで可能になります。
同じ業種の同じような大きさの店で、
売上が分かりえている店を一日で見れるだけいっぺんに見ますと、
店頭を見ただけで、在庫量やスタッフ数などから、だいたい予測できるようになります。
「見て判断する」
我々の業界はそんなに細かい数値はディスクローズされていないものも多いです。
お、これは面白い、というものも、見て探し当てるしかないです。
結局のところいいのか、だめなのか、
それは見て判断する感覚を磨くしかないというところから、
このトレーニングはぜひチャレンジされることをお勧めいたします。

SC経営のヒント138:時代を掴むヒント2

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.138━2008.2.16━
 船井総研コンサルタント丹羽英之発行
 秘策伝授!!
 ★ショッピングセンター経営のヒント★
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┃【main contents】「時代を掴むヒント2」
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こんにちは。
船井総研、丹羽英之でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、前回に続き時代を掴むヒントの
第2弾をお伝えします。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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■時流を掴むヒント2「原点回帰」
先日スーパーサンヨネ豊川店に行ってきました。
船井総研が数十年前に出版していた日本の繁盛店100選にも
掲載されていた伝説のスーパーです。
6日(水)の14時にお伺いしたのですが、200台の駐車場はほぼ満車状態で、
店内も活気に溢れていました。
ただ、看板、外装に手をつけていないので、
初めて訪れる人はスーパーが閉店していると勘違いされるかもしれません。(笑)
サンヨネは、創業以来、一度もチラシをうったことがない、
結果的にEDLP(エブリデーロープライス)のスーパーです。
特に生鮮3品が圧倒的に強く、元々、乾物屋なので、
削り節、のり、昆布、出汁煮干などにも特徴があります。
売場面積は400坪で売上高は数十億円(平均的な食品スーパーの数倍の売上です)。
これをレジ11台で対応しているのには驚きました。
(一般的にレジ1台では2億円が平均です。)
対面販売が基本でスタッフが通常のスーパーの2倍近くいるのではと感じられました。
社長様にお話をお伺いしたところ、「商売の原点は良いものを安く」
「そして商品で差別化すること」を大切にしていました。
そのために、「正社員比率を高めている」とのことでした。
レジスタッフも全員が正社員だからこそ、クレームもなく、
通常の2倍のスピードでレジ処理ができます。
また、サンヨネでは独自開発のこだわりPB商品を積極的に展開していますが、
これも正社員が対面販売することで、
お客様に本当に納得して買っていただいているとのことです。
その後、昨年末にオープンしたSCに訪問しました。
SC内の400坪のスーパーコーナーに売場スタッフの姿はなく、
商品案内は全てがPOP対応されていました。
通常レジが20台ほどあり、空いているにも関わらず、
セルフレジにお客様が2人だけです。この2台のセルフレジにはスタッフが1人つき、
お客様に利用の仕方を説明していました。
一見効率的に見えることが実は非常に非効率であることは往々にしてあります。
商売の原点は「本当にお客様にとって何が必要か」というお客様視点であり、
オペレーションサイドにはないと改めて感じた1日でした。
複雑化した今の時代にあって「良いものを安く・美味しく」というシンプルさが
新業態のヒントになるのではないでしょうか?
※こんなお店が流行りそう!
ご参考までに↓↓
~たまごかけご飯のお店~「但熊」
http://www5.nkansai.ne.jp/shop/kura/
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* 経営コンサルタント
* 発行人:株式会社船井総合研究所 丹羽 英之
* ホームページ:http://funai-sc.com/
* E-MAIL:< info-sc@funaisoken.co.jp >

SC経営のヒント137:『出店~問題すり替えの落とし穴~』

ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
大雪の日に、SCの入口でお客様が自分の濡れた服を拭くためのタオルを
用意しているSCがありました。それも都心にある大型の施設です。
運営面、コスト面での負担が見えるだけに、その心意気に驚きました。
株式会社船井総合研究所
野田 陽一郎
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ショッピングセンター経営のヒント137:
『出店~問題すり替えの落とし穴~』
昨年末から今年にかけて、スーパーを展開されている企業様から、出店に関する
相談を受けています。
他のチェーン同様に、多数の候補物件が持ち込まれるわけですが、持ち込まれた
物件を検討していると、オーナーさんはどれも自店の展開次第でやりようが
あるように見えて、悩まれています。
私どもにそのお話を持ち込まれる際には、出ることを前提に検討されていて、
どの程度の売上が見込めるのかを気にされていました。
しかし、第三者的立場で冷静になって見てみると、物件は商店街のばずれであったり、
かつてスーパーが入店していた居抜き物件で、地下だけれどもエスカレーターが
なく階段だけの店であったり、とそもそもの立地の原理原則論からは大きく
はずれる店舗ばかりなのです。
MDでの工夫の前に、出店後はほとんど変えることのできない「立地」の選定を
もっと冷静に見つめるほうが出店後の負担も少なくてすみます。
やはり「店を出したい」という気持ち(或いは出店ノルマ)が先行し、大きく
当たる店ではないかもしれないが、そこそこやれるだろうといった気持ちで
出店検討の試算をすることもあるように感じます。
逆に、自社の既存店で日販250万が採算分岐だからどうしてもそのラインに
合わせる店舗を作りたいと頑なに基準を作っている場合は、駅前の規模は小さい
けれど、高い坪効率が望める物件への出店を見送ることになってしまうことにも
なりかねません。
新しい物件を検討する際には、自分でも気づかないうちに出店の可否からMDの検討へ
問題をすり替えている場合があるものです。そんな時は一度冷静な目線で元に戻り
物件そのもののマクロな立地は原理原則に沿っているのかを見直していただければ
と思います。

SC経営のヒント136:『業種別バランスの大切さ』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.136━2008.1.31━
 船井総研コンサルタント 山本 匡発行
 ★ショッピングセンター経営のヒント★
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☆今週のコンテンツ☆
『業種別バランスの大切さ』
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こんにちは。
船井総研、山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
2008年も早くも1ヶ月が経ちました。
一年の勝負はスタートダッシュが肝心です。
今一度、年初に立てた計画を見直してみましょう。
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆ 
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■業種別バランスの大切さ
SCの開発・リニューアルをお手伝いする際に注意していること、
というのはもちろん多種多様にわたりますが、
その中でも特に注意していることは、入居専門店の面積バランスを
最適な配分にするということです。
全体の売上を100とすると、この部門は8%、この部門は2%、
この部門は3%、というように、売上構成比が算出できます。
ひとつのSCの中に好調部門と不振部門が生まれる原因は、
売上と比較して、それぞれの部門面積の配分が適切ではない
ことが原因になっています。たとえば、アウトレットモールを
ごらんいただくと、たいていは飲食面積を少なめにとってあります。
これは、ピーク時には巨大な集客力を誇るものの、
閑散期には少数のお客様しかおいでにならないため、
ピークにあわせて面積を確保すると過大面積になってしまうからといえます。
このようなことは、どのSCにも当てはまることです。
書籍、CDレコード、アミューズメントなど、大きなSCでもほとんど1店舗、
多くても2店舗しか入らないような業態は、
全館の集客力と対象業種の売上が相関関係にあることがほとんどです。
また、飲食部門、服飾部門、アパレル部門といった大くくりでの売上も
おおむね相関関係にあります。この相関係数は、郊外型SCと駅ビル、
百貨店などでそれぞれ異なってきますため、
自らのSCの現在と過去の構成比を洗い出してみると、
自らのSCにおける過去の構成比が浮き彫りになると思います。
私どもが新しく開設されたSCを見るときは、
商圏、周辺競合、全体構成はもちろん、部門構成も注目して見ます。
話題の店舗の有無も大事ですが、
バランスのよいプロポーションになっていないSCは、
必ず近いうちに問題点が浮き彫りになってきます。
デベロッパーはテナント企業の個別努力に注目しがちですが、
たとえば飲食店が館の集客力に比較して多すぎたら、
かならず不振店舗が生まれてくるのはやむを得ないことといえます。
最近では巨大な面積のSCが増えたため、わざと面積過大にして
入れ替わりを促進しているのではないか?と疑うようなSCもあります。
(その後、そのデベロッパーにはそういうバランス基準がないということを知り、
愕然としましたが・・・)
ともあれ、商業施設の企画とは売上予測に始まり、
必然的に業種別面積配分を考え、適正賃料の設定をおこなって入居者と交渉に入る、
という手順となるべきなのですが、売上予測が不十分だと、
結局入居者にそのツケが回り、デベロッパーの現場も、
いつまでも同じ課題をかかえたまま走り続けることに
なりかねないという危険性があります。
自らのSCにあるべきバランスを現段階で把握することからスタートです。
そして、これは時代とともに変化するものであり、
毎年小規模の調整をおこないながら、大きな調整が必要となったときに
リニューアルが必要となるわけです。他のSCを視察される際も、
業種別バランスに注目してみましょう。
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* 経営コンサルタント
* 発行人:株式会社船井総合研究所 山本 匡
* ホームページ:http://funai-sc.com/
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SC経営のヒント135:『時代を掴むヒント1』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.135━2008.01.25━
 船井総研コンサルタント丹羽英之発行
 ★ショッピングセンター経営のヒント★
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☆今週のコンテンツ☆
『時代を掴むヒント1』
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こんにちは。船井総研の丹羽です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、時代を掴むヒント1と題しまして皆様にお伝えしたいと思います。
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆ 
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『時代を掴むヒント1』
流通・小売サービス業では、新業態を考える際に注目すべきは
業界動向といえます。
特にメーカーの動向は注目すべきでしょう。
例えば、私のお付き合い先のゲームソフト店ではニンテンドーDSとWiiの
基本戦略(ターゲットの拡大)に添った新業態に挑戦しています。
ニンテンドーDSは販売14ヶ月で600万台に普及。PS2が600万台に達成するのに
21ヶ月かかったことを考えると、爆発的なヒットと言えます。
その背景には「ゲーム人口を拡大する」という任天堂の基本戦略があります。
これは、「1世帯あたりのユーザー数をいかに増やしていくか」というWiiの
コンセプトにも現れています。
それらは
1.家族の誰にも敵視されない
2.年齢・性別・ゲーム経験の有無を問わない
3.家族全員にとって自分に関係のある存在になる
4.毎日電源を入れてもらう。
これら4つを目標に
1.Wiiリモコン→誰でも遊べる直感操作
2.Wiiチャンネル→Wiiは眠らない/24時間常時ネットサービス
3.Wiiコネクト24→家庭のテレビにチャンネルが増える
  (お天気、似顔絵、ニュース)
4.バーチャルコンソール→懐かしのゲームソフトをダウンロード
  (ファミコン以降のソフトを活用)を実現しています。
そして、WiiはPS3の3倍以上となる340万台の販売実績となっています。
(2007年8月実績)
つまり、WiiもニンテンドーDSも家庭内のユーザー数を増やし、
女性や年配層といったゲーム初心者の囲い込みに成功したのです。
一方、小売に目を転じると2007年3月29日にゲームソフト店「カメレオンクラブ」を
展開する上昇が民事再生法の適用を申請。
直営・フランチャイズを含め150店以上展開する中古、ゲームソフト店の
民事再生法の適用は、変わるに変わりきれない小売の閉塞感を如実に現している
といえます。
(実際に上昇の不振はゲームソフト店ばかりではなかったようですが・・・)
一般的にゲームソフト店は新品と中古の両方の販売をします。
中古マーケットは新品市場と連動するので、これだけマーケット(販売実績)が
伸びていたら、ゲームソフト店の売上も伸びてもおかしくないのですが、
実際には取りきれていないのが実情です。
それは、既存のゲームソフト店は相変わらず、若年層の男性をターゲットとした
(マニアな)店づくりをしているからです。
マニア向けではないゲーム初心者(女性)でも入りやすい中古ゲームショップ。
これがゲームソフト店の目指す新業態といえるでしょう。
それは、女性や年配者にとって、
「入りやすい」「見やすい」「買いやすい」「売りやすい」店となることです。
例えば、
分かりやすいゾーニング(新品、中古)、色分けしたコーナーPOP(メーカー別)、
大型POP(見やすい文字)から始まり、接客の仕方まで様々な取り組みが可能です。
そして、これらの具体的モデルは往々にして異業種にあるものです。
ぜひ、このような視点で皆様のお店が新業態への第一歩を踏んでいただければ
幸いです。
それらが、これまでにない、日本を面白くするお店になることを期待しています。
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 ★ご意見・ご質問・仕事の依頼などどんな些細なことでもいいのでメール
  下さい!必ずお返事は書きます。
  また、取り上げて欲しい話題・ご質問などもお待ちしております。
  → < info-sc@funaisoken.co.jp >
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 * 経営コンサルタント
 * 発行人: 株式会社船井総合研究所 丹羽英之
 * http://funai-sc.com/
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SC経営のヒント134:『機動力を高める』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.134━2008.01.17━
 船井総研コンサルタント 野田陽一郎発行
 ★ショッピングセンター経営のヒント★
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☆今週のコンテンツ☆
『機動力を高める』
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
初売りを見ていると、売れるお店、集客に苦戦しているお店の2極化が
進んできたことを実感します。
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆ 
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■機動力を高める
2007年の歳暮商戦は、各百貨店軒並み前年比増を記録しました。
これは店頭販売が前年ほぼ横ばいであったのに対して、インターネットでの
受注増が主な要因です。
主な百貨店でも20%〜30%増と前年比プラスになっています。
売れ筋商品も客単価も変わらない中で、売れる時期は店頭とインターネットで
異なり、インターネットからの受注は後半に偏るといった傾向になっています。
このインターネットで買物をする流れや、購買心理といったものを小売側では
大きく変えることができません。ですから、それを無理に変えようとしたり、
見ないふりをして従来の商売をし続けていては、売上をつくっていくことは
難しいように思います。
それよりも、いかにその流れに対応していくことができるかが今問われます。
インターネット販売からの受注が偏るようであれば、それに対応する人員の
確保が必要ですし、土日に平日の3倍集客があるのであれば、それに対応した
人員の確保、店頭・什器配置を変更するといった売場づくりが必要となります。
ショッピングセンターでテナントさんのお話を聞いていると、「わかっている
けど対応できない・・・」と言う言葉をよく聞きます。
売上は取れる時に取る。これが原則ですが、同じ「10%増」でも母数が100なのか、
1,000なのかによって確保できる売上・利益は大きく異なります。
特に、「予想外」の変化があった時に、すぐに売場・商品の対応ができるかが
結局のところ締めてみたら大きな差になっているのです。販促効果で予想外の
集客があった時に商品補充に対応できるか、急に気温が下がった時に店頭のボディ
を変えることができるかといった細かなことに対しても同様です。
お客様の嗜好がすぐに変わる、平日の夜が売れないといった環境の変化への対応力、
予想外の変化にもすぐに対応できる機動力が今求められており、それは今後
ますます必要となってくる店舗力ですので、店舗の皆さんや店長会での情報共有、
シュミレーション等による訓練をして機動力を高めていただけたらと思います。

SC経営のヒント133:長期的成功

年始のご挨拶
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船井総研の山本匡です。
新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
昨年末に、20年ほど前に話題になったレストラン2件に
出向く機会がありました。
ひとつは、最盛期に年商20億円を超えた大阪の巨大テーマレストランです。
残念ながら当時のような繁栄ぶりはみられない様相になっていました。
他地域にも複数出店していたのですが、すべて閉店されたようです。
もうひとつは、サテライト的店舗を多数出店している
兵庫県のメーカー直営レストランです。
ここは、実に更にパワーアップしている感すらうけました。
通信販売も充実しており、団体客も多数来店しています。
店内は以前と同じく生演奏が流れており、ホールからは能楽の舞台が見えます。
(分かる人は、これでお分かりいただけるでしょう)
一時話題になり市場や業界を席巻することと、長きに渡って繁栄を続けること、
それは決して同じものではない
、と考えざるを得ませんでした。
片方はランチ客単価が1000円代で、カジュアルに楽しめますが、
何度かいくと飽きるようです。私も20年前によく利用していました。
もう片方は、ランチでも2000円代とやや高く、
そう高頻度に訪問するものではないものの、
一年に何回かは行きたくなるような店です。
メニューの組み立てや提供のタイミング、ある程度お客様が自由にできることなど、
いろいろ工夫されていることがよく分かりますし、
またそれらは20年前とほとんど変化がありません。
単価の違い、商売に対する考え方の違い、客層の違い、同じ話題の店でも、
様々な違いがあります。
SC業界では、最近話題の店や集客力の高い店に目を奪われがちです。
新しくオープンするSCの多くはそういった要素を重視して開発されています。
しかし、ここ数年話題になった企業で、10年経っても繁盛を維持している
店はどれだけあるでしょうか。
また、90年代に業界のリーダー格であったにも関わらず、その後凋落し、
長期にわたり経営再建中であったり、
あるいは他企業に買収された企業も数多く出てきました。
多くのSCは「いいとこどり」でもやってゆけますが、
それだけでは、競合が出たらとたんに大きな影響を受けます。
全国的に競合過多の時代の中で、
長きにわたっての繁栄を目指すという視点がSCにも必要になってきていると

強く感じています。
SCのハード面や契約、運営といった基本に加えて、テナント企業との対話、
テナント企業への助言、優秀な人材の採用と育成、
こういったソフト面の充実
がこれまで以上に大切になってきそうです。
長い目で見た繁栄とは、揺るぎのない定番を持つことといえそうです。
それがいったいなんなのか、それを突き詰めることは決して容易ではないでしょう。
しかし店舗プランナーである前に経営コンサルタントである我々は、
目先的短期的繁栄だけでなく、長期継続的繁栄を可能とするビジネスモデルに、
本年も精力的に取り組んでゆきたいと感じています。

SC経営のヒント132:上手な閉店セールの仕掛け方 その4

ご挨拶
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
船井総研、丹羽英之でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、テナント専門店向け閉店セールの上手な仕掛け方の第二段について
お伝えします。反響が多いので私も嬉しく思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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■上手な閉店セールの仕掛け方 その4
 ~テナント専門店編 後編~
店舗改装のための閉店セールは当然のことながら、各テナント専門店の
店舗改装が前提となります。その意味では各テナント専門店がオープンに
向けてどれだけ変われるかが、リニューアル後の売上の推移を決めると
言っても過言ではありません。
リニューアルオープンセール期間中は、全体客数が伸びていることもあり、
店舗間の格差が気になりませんが、早いSCでは1ヶ月も経てば店舗間の
格差が如実に出るものです。
それでは良い店舗と厳しい店舗の違いは何なんでしょうか?
良い店舗は閉店・リニューアルを機会に変わり、厳しい店舗は結果として
何も変わっていないというのが現実です。
特に、お客様は最終的に商品を買いに来ますので、商品リニューアルが
できるかが最大のポイントとなります。
数多くのSCのリニューアルを経験する中で、商品リニューアルには
!)業界動向、!)商圏動向、!)SC動向の3点を踏まえる必要があるようです。
a)業界動向を正確に把握して、リニューアル後の商品MDを組んでいるか?
例えば、これからは薬局・薬店でなくてもOTC(医師の処方箋がなくても、
合法的に買える医薬品。大衆薬)が扱えるようになることを前提に、
健康食品を新たな柱の商品として育てていく。など
b)商圏内の主要商業施設の改装、閉店情報や新設の商業施設の情報を
いち早く把握しているか?

最近は駅前商業施設、特に若者をターゲットにした商業施設が苦戦。
地域一番店のSCであれば、郊外でもティーンズ、ヤングを積極的に
取り込むことも可能となっています。
c)SC内のゾーン構成にあった商品提供と新規出店テナントの
商品構成との差別化できているか?

例えば、インストアベーカリーがフードコートに隣接するなどの場合、
テイクアウトだけではなく、ランチ対応のイートインメニューの開発が
必要となります。
また、新規で同業種テナントが出店する場合、事前にその店舗の商品MD、
特に価格帯を把握していく必要があります。新規テナントが同一テイストで
下の価格帯を狙っている場合は、客数減が予想されるからです。
その場合、下限商品の入れ替えを前提に、新しい問屋、メーカー商品に
挑戦する必要があります。
これらの商品リニューアルは、店舗移動や面積拡大が予定されている店舗は
積極的に行うのが普通ですが、場所も変わらずに面積も変わらないと
なかなか進まないのが実態のようです。
場所も面積も変わらない中での最善のリニューアル手法は
圧縮・付加法にあります。これは既存の商品構成、在庫をそのまま売場の
80%までに圧縮して、残った20%のスペースに新しいメーカー、
問屋商品を置く手法です。
!)既存在庫は金額を変えないこと。!)新商品は店頭近くで
訴求することの2点です。
閉店、リニューアルオープンは、スタッフモチベーションが高くお客様の
買う気も高いので、商品リニューアルがそのまま売上に直結します。
実は、この圧縮・付加法はSC全体の改装、リニューアルといったことが
なくても、1年に1回は定期的に実施することで大きな成果が期待できます。
リニューアル後は1年に1回のソフトリニューアル(商品リニューアル)で、
新しい店舗づくりに挑戦していただきたいものです。
>>SC経営のヒント128:上手な閉店セールの仕掛け方 その3

SC経営のヒント131:商業ビルの基本を知ろう3

ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
2007年も残すところあとわずかになりました。
今年やり残したことは今年中に片付けて新年を迎えたいですね。
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■商業ビルの基本を知ろう 3
□人の流れは、最も人を集めるものと、その次に人を集めるものの間に生まれる
人を集めるもの=集客施設=TG(トラフィック・ジェネレーター)とも
呼びます。たとえば、大都市で最も人を集める拠点はターミナル駅です。
そして商業地の中では、中核となる百貨店がその次に集めます。ですので
渋谷も新宿も駅から百貨店の間に主要導線が形成されます。
これは、冷静に考えれば当たり前のことなのですが、あまり意識されて
いないことです。郊外型商業施設ですと、駐車場と食品売り場の間の導線が
最も強いものになります。駐車場が1箇所にかたまっているような場合は、
より顕著になります。駐車場~食品売り場の導線に乗ってこない場所は
必然的に通行数が減少します。
同じことは、ロードサイドにもいえます。ある街でロードサイドが栄える
ポイントは、地域の核となる大型SCにはさまれたエリアになります。
そういう場所がなければ、その大型店に近い場所から栄えます。
ロードサイドの場合は路面と異なり「場所の有無」が重要になりますから、
たとえばインターチェンジ近くに用地が多く出てきたためにインター付近が
ロードサイド銀座になったり、あるいは新しい道路ができるときに、
こぞってチェーン店が出店してくるのです。
SCでいえば、食品売場と店前の平面駐車場がこのTGに相当します。
このことは、立地の良否を判断する上で極めて重要なことです。エリアの
集客の核はどこか、その核の集客力はいかなるものか、そこから導線上
無理なく誘導できるか。それによって自社の出店する立地の良否が
決定されてしまうのです。
□エリアの集客力は、核の集客力で決まる
核となる大型SCの集客力がまず商圏を開拓します。そこに業種別大型専門店が
進出し、核店舗の売上を奪いつつ、シェアを高めてゆきます。核店舗と周辺の
大型店が相乗効果を生むことで、さらに商圏が拡大します。こうして、
エリアの集客力は高まります。
ですので、キーポイントはそのエリアの核となる店がどこで、それは
どれほどの集客力を持つものなのかという見極めが、エリアの集客力を
見定めるポイントになります。
ロードサイドとて、核らしい核がなく形成されているものはさほど大きな
商圏にはならず、一方で大型SCと大型専門店が林立するゾーンは商圏が
広域に広がり、特に土日の集客力が飛躍的に高まります。
□立地がいいとは、不特定多数の買い物客が店前を多く通行することである
これはロードサイドとインテナント・路面などでは状況が違うように
思われますが、いずれにしても通行量が多く人目に触れやすいところほど
いい立地といえます。
そういう一目で見て分かるような場所はすでに押さえられてしまって
いますから、その周辺で探すほかはないというのが実情ですが。
ただし、どんな店でも立地さえ良ければよいというものではありません。
「業種特性」の考慮が必要です。
業種特性でひっかかるのは、購買目的・動機上の特性と、限界賃料の2つです。
たとえば家具店は目的購買ですから、ひっきりなしに通行客が多く入店が多いと
むしろ困ります。買いに来たお客さんにだけしっかりアプローチをすることが
重要です。またリサイクルショップなど、あまりに賃料が高いと坪効率上の
限界から賃料を払いきれない業種場合は、いい立地であったとしても賃料で
あきらめることになります。
たとえば人に見られると恥ずかしいような店の場合は、立地がよければ売上が
上がるとは限りません。業種特性とは、このようにお客様の購買行動に
のっとって判断される必要があります。
□需要額と充足度
小売業はある地域で獲得される商圏の大きさと、それに対する店の充足度の
バランスで1店舗あたりの売上が決まります。たとえばSCで
一業種一店舗であれば(書籍やゲームセンター等)、SC全館の売上により
その店の売上が読めます。
また、飲食店や雑貨店などのグロスの売上が読めれば、それを何店舗で
シェアするかによって、一店舗あたりの繁盛度合いも予測可能です。
これはSCが成功するか否かではなく、入店する自社にとって有利な環境か
不利な環境かによります。
集積の魅力による集客増についてはどう考えればよいでしょうか。
たとえばフードテーマパークなどのように、特定の業種を集積させて、
話題性を高めれば、商圏が拡大し基礎的な集客力が増えます。
ですのでこういう業態の場合は商圏が拡大すれば売上が上がり、
開業とともに商圏が縮小すると売上が下がるという現象が起こります。
通常のSCでは複数の同業種が出店した場合、店の数だけシェアする相手が
増えることになりますから売上は下がります。
もっとも、デベロッパーがそのことに無知なわけではなく、全体の
規模からみたバランスを都度チャレンジしていますので、ときどき、
ある業種が多すぎる、ということが起こります。
供給過剰になると、弱い店から影響を受けやすくなります。
どれもこれも、いわれてみれば当たり前のようなことばかりですが、
原理原則ほど意識しないと見過ごしがちなものもないといえるでしょう。