━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.221 ━ 2009.12.17
船井総研 山本 匡 発行
秘策伝授!!
★ショッピングセンター経営のヒント★
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【MAIN CONTENTS】
「契約書はちゃんと読もう」
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こんにちは。
船井総研、山本 匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
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■契約書はちゃんと読もう
デベロッパーさんのお手伝いをしていて出店者の方々と契約交渉をしていますと、
契約書面の内容をきちんと読まずに捺印している会社が少なくありません。
チェーン店はおおむねきちんとチェックしているのですが、
地元店やリージョナルチェーンクラスの場合、契約の条件は協議するものの、
ろくに内容を読まないでハンコをついているケースも多いです。
もちろん、うまくいっていれば契約書などは必要ないものですが、
万が一トラブルになったときのために、契約書内容の事前確認は大切なことです。
特に、自社がSCの核店舗のひとつになるようなケースでは、非常に重要なことです。
賃貸借の契約書には法を根拠としたものと、
民法上のもの(取引する双方による約束)が盛り込まれています。
そして契約ごとですから協議の余地があります。
もちろん小さな店にとってはあまり協議の余地もないのですが、
とはいえ軽視してはならないポイントです。
えてしてトラブルになるのは中途解約に関することです。
中途解約できないとか、撤退時のペナルティ、
あるいは中途解約に関する種々条件設定については、十分な協議が必要になります。
失敗することを前提に出店する人はいませんから、
この中途解約の定めについて時には貸し手に一方的に
有利に書かれているケースがあります。
実際、長期間撤退しないことを約束していたり、
閉店の場合は後継テナントを誘致せねばならなかったり、
あるいはその差額をずっと払い続けたりと、ロードサイドならまだしも、
SCインテナントですら非常に不利な条件を、
そうとは知らずに契約してしまっている事案も経験しています。
私どもは、借り手と貸し手の双方の立場を理解して仕事をしていますから、
文面を読むと「ああここがポイントになっているな・・」と分かるのですが、
専門家でもなければこのような文章はあまり目にしないかもしれません。
くれぐれも契約書はちゃんと読むことです。
そして疑問があれば専門家に十分確認の上で、
協議可能なことは「契約締結前」に修正していただくことを願い出ましょう。
一度契約してしまったら、その内容は動かないものになります。
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~ 好評につき追加増刷分無料プレゼント ~
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大反響だった小冊子「店舗開発読本」「店舗開発読本2」の続編希望のお声を
頂戴しましたので、 この度、新たに「店舗開発読本 3」を作成いたしました。
※特に社長・役員・店舗開発担当者様より大反響を頂いております。
もちろんの事ながら、船井総研が誇る「店舗開発のスペシャリスト」、ショッ
ピングセンター支援チームリーダー山本 匡 執筆です。
■お申込み方法■
info-sc@funaisoken.co.jpまで直接メールをご送信下さい。
件名に「店舗開発読本3プレゼント」と明記し、
(1)お名前、(2)会社名、(3)部署名、(4)送付先、(5)電話番号
を記入のうえ、ご送信下さい。
送信頂く際にご相談などがありましたらお聞かせ頂ければと思います。
またアンケートを同封いたしますのでFAXにてご返信いただけましたら幸いです。
ご協力お願いいたします。
※申し訳ありませんが今回は申し込み先着順で20名の方とさせていただきます。
カテゴリー: 出店・開発のヒント
【SC経営のヒント218】:ハード、ソフト、そしてマインドの時代
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.218 ━ 2009.11.26
船井総研 山本 匡 発行
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【MAIN CONTENTS】
「ハード、ソフト、そしてマインドの時代」
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■ハード、ソフト、そしてマインドの時代
SCなどの店舗開発は、永らくハード一辺倒の発想でつくられてきたと思います。
地域で最も良い場所に、可能な限り大きい館をつくる、それだけで成功する、
そういう時代が続いてきました。
その時代においてはそれは正しいことでしたが、
時代はどんどん変容して来ています。
今現在は巨大なSCがテナントが埋まりきらず苦労しています。
ハード一辺倒のかたわらで、ソフトも進化してきました。
どのような考え、顔ぶれのテナント構成にするか。
ナショナルチェーンを中心に、レベルの高い店舗をずらりと揃えることで、
従来の地元店主体のSCよりも魅力のある集積をつくろうというのが、
ここ10年くらいのSC業界のメインストリームでした。
しかしそれも、SCの過剰開発から今後は同様の発想でつくることは
困難になっています。
どこのSCも同じようなものになってしまい、
イベントやセールも似たり寄ったりというのが現実です。
目をつぶって案内されたら、どこに来ているか分からない・・・という状況で
店の個性が表現できているとはいえません。
全国で開発がストップしている事例は多々うまれ、
今後リニュアルすら困難になるSCも多数生まれてくるという
厳しい現実があります。
しかし、商業集積の開発がなくなるということはありません。
形を変え考え方を変えての新しいアプローチが生まれてきます。
その一つとして大事なのはマインドを重視した発想ではないでしょうか。
たとえば東北北海道で開業している屋台村は、
開業者のための支援だから一定期間経過したら出てゆくこと、
というルールになっています。
開業からテイクオフする、
という明確なマインドをもった人たちの集まりになっています。
地元に根ざして個性ある商売を営んでおり、
面白いコンテンツをもっているショップオーナーは探せば数多いのですが、
そういった人たちが連携して集積をつくるという取り組みはなされていないです。
センスよくナショナルチェーンとは違った個性を表現したい、
といっても1店舗だけではなかなか実現しきれない世界観を、
集積化することで表現するという考え方が今後増えてゆくと思います。
もちろんマインドさえあればそれでよしではありませんが、
ハード・ソフトの面ではすでに様々な事例の蓄積があり、研究が可能です。
しかしマインドは人真似ではできません。
誰かが中核となって周囲を巻き込んでゆくことで達成されます。
別に個性的なSCでなくとも、
地元の商業者が主体となって地域のお客さんに喜んでもらうというマインド、
たとえばセール一つ福袋一つでもお客さんをがっかりさせないような
いいものを選んでゆこうというマインド、
そういったマインドの蓄積がそのSCの個性を形作ることになります。
これまでのハード(建物)、ソフト(ビジネスモデル)から
一歩進んだマインドの時代に入ってきていることが実感されます。
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【SC経営のヒント215】:低水準賃料への回帰
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.215 ━ 2009.11.5
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「低水準賃料への回帰」
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■第7回「SC経営のヒント」のオフ会 開催■
11月18日18時30分より開催決定!!
ご好評に付き、執筆者、山本・丹羽が話すオフ会を開催します。
今回も以下のような疑問にお答えするような内容となっております。
・最近伸びているSC、停滞しているSC、そのパターン
・SCのプロパティマネジメント これからのあり方
・テナント構成 今後の変化の予測 ほか
講師からの話の後は、質疑応答、情報交換を兼ねた懇親会の時間も設けており
ます。
▼オフ会の詳細はこちら▼
http://www.funaisoken.co.jp/site/seminar/semina_1253239390_1.html
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■低水準賃料への回帰
急激に寒くなってきましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
リーマンショックといわれる2008年9月より少し前から、
テナント不足に苦しむSCに急速出店していたチェーン店が、
最近になっていくつか破綻しています。いわゆるハイエナ出店といいますか、
大手チェーンの閉鎖店舗に居抜きで出店したり、
あるいは床を埋めきれないショッピングセンターに
格安条件で出店していたりするパターンが多く見られましたが、
必ずしもうまくいくものばかりではなかったようです。
企業の力不相応な出店は急速出店によって急速に歪みが出るものです。
現在、多くのSCでは既存店の撤退要請がでてきて、
各社後継テナント探しに走っているのですが、
飲食やファッション・雑貨では「コミコミ月坪1万円なら出店可能」
というテナント側からのオファーが増えています。
デベロッパーにとっては困った話なのですが、
テナント側から見ると月坪1万円ということは月坪粗利5万円程度、
粗利率50%として売上で月坪10万円という採算ラインだったら、
出店できるという計算になります。
この水準は、ちょうど90年代中盤から後半にかけて
「あるべき賃料水準」として語られていた水準です。
その当時から郊外型の商業店舗の賃料は月坪1万円が適性ではないか
・・・それが大型モールの成功によって水準が引き上げられたといえます。
しかし現在にいたって、過剰な床面積に対しては、
またそれが適性水準化しつつあるといえます。
賃料水準低下は既存のSCにとっては困ったことでしかないのですが、
新規にSCを購入して運営する視点から見ると、
この水準できちんと成立するテナントを集めるというのは
これからの時流になるともいえます。
私どもでお手伝いしているいくつかのチェーンでも、
月坪1万円水準の賃料で損益分岐点の低い業態を
地方都市の小型GMS主体に展開しはじめた会社もあります。
これまで低坪効率・低水準賃料という店舗は
積極的に誘致されなかったのですが、
ここにきて出店好機がやってきています。
ただ、重要なことは、
くれぐれも企業の力相応を超えた出店をしないことに尽きます。
出店しなかったことで潰れるリスクより、
出店をしすぎて潰れるリスクのほうが、はるかに大きいのです。
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【SC経営のヒント212】:話題の店と、その後を見る
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.212 ━ 2009.10.15
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・SCのプロパティマネジメント これからのあり方
・テナント構成 今後の変化の予測 ほか
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■話題の店と、その後を見る
話題の専門店や話題のSCというのを見る機会は多かろうと思われますが、
話題になったその後どうなったか?をご覧になられているでしょうか。
話題になった店やSCも、最初はよかったが、
少し長いスパンで見るとうまくいっていない・・・
というパターンが意外と多いように思われます。
特に多いのが、外資系企業の日本進出、話題の新業態開発などのパターンです。
この20年で進出しては消えたり、
あるいは消えないまでも不振に陥っている外資系企業が増えてきています。
話題のSCも同様で、観光型と都市型をミックスさせて話題になったSCが、
テナントがどんどん抜けて、地元密着型店舗を入れたら比較的うまくいった・・・
など、見た目や話題性に惑わされない、
確たるマーケティングの軸を持つためにも、
開業後、特に絶頂期のその後を見ておくことは重要だと感じられます。
観光地などにおいても同様で、
たとえば、湯布院はすばらしい温泉地ではありますが、
観光地化が進んで土産物店が増えた結果、
温泉地らしさを失いつつあるように見えます。
旭山動物園は現在すこし入場客数が減っていますが、
ここまで集客数が多くなって現在の付帯施設で対応できるのか?など、
現場を見て感じることが多々あります。
多くの場合、
客層拡大と動機拡大が不十分なために頭打ちするパターンが多いように思われます。
中年女性観光客の集客に特化して伸長するが、
それがファミリーにまでつながらない、
あるいはレジャー目的の人を増やすことをできても、
アクティビティ一辺倒で雰囲気を楽しむ人の拡大につながらない、などなどです。
多くの施設の頭打ちするパターンを数多く見ておけば、
自分たちに当てはめるとどうなるか?の読みが可能になります。
話題になった施設を、
話題が去った後に見に行くと様々な学びが得られると思います。
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【SC経営のヒント209】:地元の有力店の再発掘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.209 ━ 2009.09.24
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「地元の有力店の再発掘」
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■地元の有力店の再発掘
SC業界の発展は、ナショナルチェーンの発展とともにあったといっても
過言ではないと思います。
いまはナショナルチェーンといえど、
当初は1店舗からスタートしたわけであり、
様々な試行錯誤を経て会社を大きくされてきたわけです。
そして、ナショナルチェーンは中小企業ではできないブレークスルーを
実現しようと企業規模を拡大します。クリティカル・マスの概念に近く、
ある一定以上の規模になってはじめて実現できることを得て、
戦略的優位性を得て経営基盤を強固にしようとするものです。
メーカーなどではこの優位性はやはり大きく、
大企業ならではの強みというのが調達・人材・開発・生産・販売の
いたるところに発揮されています。
小売、飲食においても、このチェーンストアのクリティカル・マスを
生かそうという戦略から、様々な企業が大企業になることを目指しました。
一方で、多店舗化によるデメリットというものもあり、
得られる戦略的優位性とどちらが大きいかが重要になります。
優位性で特に大きいのは調達価格と人材ではないかと思います。
しかしながら、調達力については、よほどの大手がPBでも作らない限り
街の小売店との価格差はそう出てこないというのが実態です。
人材についても、80年代90年代の大手流通や外食業界は
人材の宝庫であったと思いますが、
各社とも大企業化するにつれ安定志向の人が増え、
ベンチャーパワーはどうしても薄れてゆきます。
実態をみるに、今は多店舗化・大企業化のメリットよりもデメリットのほうが
目立つ結果になってしまっているのではと感じられます。
15年前にお手伝いした、ある大都市の案件では、
ナショナルチェーンにはお声がけせず、
地元の有力店を口説いてはお招きしてということを主軸に
テナント構成を組み立てました。
仲介の会社さんにもご苦労をいただきましたが、
我々自身が街を歩いては面白そうな店に片っ端から飛び込んでいきました。
結果としてそれはうまくいったのですが、
少しでも楽をしようとナショナルチェーンに
頼っていたらそうはならなかったといえます。
デベロッパー各社はテナント招致に本当にご苦労されていることと思いますが、
専門店は短期間でどんどん世代交代してゆきます。
いまこそ地元エリアでの情報を洗い直し、
有望な店を再発掘することに努めなければならない時期なのではと思えます。
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【SC経営のヒント206】:開発担当者のあり方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.206 ━ 2009.09.03
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■第6回「SC経営のヒント」のオフ会 開催■
9月16日18時30分より開催決定!!
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・これから成功するSCを見極める着眼点
・ローコストで実行可能な効果的販促の具体例
・今後のMD政策について
講師からの話の後は、質疑応答、情報交換を兼ねた懇親会の時間も設けており
ます。
▼オフ会の詳細はこちら▼
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■開発担当者のあり方
仕事柄、専門店各社の開発担当者の方と交流する機会が多いのですが、
以前から気になることがあります。
店舗開発の仕事は、その性格上、
不動産・建築・設備・内装・什器・商品・営業など小売サービス業に
関わる様々な分野に精通している必要があると思うのですが、
もちろんそういう方もいらっしゃる一方で、
ある一部分に精通する専門家という方も多数お見受けするということです。
小売業も企業であり、企業にはライフサイクルというものがあります。
つまり、成長する時期もあれば成長が止まる時期もあるということです。
一時的にであれ、出店がとまったとき、開発担当者はどうすればよいのでしょうか。
90年代に大手量販店が出店を抑制したとき、
店舗開発・企画・内装の部門が真っ先にリストラ対象になっていました。
何人か知っている方のお話をお伺いしていて、
どうして営業関連部署に移れないのだろうと感じました。
あらゆる部署は、直接的間接的に営業業績を上げるために
存在していると思うのですが、どうもそういうマインドにならず
「自分はこれだけやっていたらいい」になってしまっていたのではないでしょうか。
ある部分の専門家になるということは大切なことですが、
分業の発想で「これしかやらない」ひいては「これしかできない」に
陥ってゆくのはどうかと思います。
大企業はともかくも、中小企業においては、
いつの時代も全員「商品・営業・販促」発想が基本ではないでしょうか。
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またアンケートを同封いたしますのでFAXにてご返信いただけましたら幸いです。
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【SC経営のヒント203】:新しい投資基準
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.203 ━ 2009.08.13
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■新しい投資基準
過去数年間、不動産バブルを押し上げてきたのも投資マネーなら、
不動産バブルを崩壊させたのも投資マネーの大きな動きであるといえます。
ファンドに代表される投資マネーは、毎回このような相場崩壊を経るたびに、
新しい基準を設けてより慎重な投資をおこなうように変化しているはず
なのですが、それでも一度火がついてしまうと、
とことんまで走ってしまうというのは今も昔も変化が無いようです。
また、20年前のバブル崩壊時と、今回の不動産バブルは
買い手となる方々の顔ぶれが異なっていたというのも
影響していると思われます。
たとえば、現代の不動産投資は「収益還元法」によって物件価値を
見定めるようになったわけであり、その結果、
実態とかけ離れた値段がつくことはなく、
より安全でリスクの低い投資に変化した・・・はずだったわけですが、
賃貸料が一時的に急騰したエリアでは、物件価格もとてつもない値段に
なってしまいました。
商業施設やホテル向けの投資も、本来流動性が低くリスクの大きいもの
なのですが、あまり関係なく値段が釣りあがったといえます。
高値でつかんだ物件は、入居者撤退後も新たな借り手が見つからず
空き家となっているものも多数あります。
この1年あまり、不動産投資マネーは
おおよそ開店休業状態であったわけですが、
さすがにこれだけ長期に調整がなされて、
どうやらそろそろ動き始めてきたようです。
もちろん、次のステップにゆくには、
より確実で手堅い投資を志向することにはなると思います。
これまでの収益還元法に基づいた投資から、
業種別にスタディを積んだ「業種別投資」や、
一定の投資額以内の物件に限定した「規模別投資」、「地域分散投資」、
あるいは「地域限定投資」など、
様々な投資のスタンスが開発されてゆくと思われますね。
次のバブルはまだ先のことと思われますから、
これから不動産投資は徐々に立ち上がってゆくことになりそうです。
=====================================================================
山本 匡と行く
■■ ☆USA流通視察研修会☆ のご案内■■
=====================================================================
久しぶりに米国西海岸流通業視察ツアーを実施いたします。
実施日程:2009年 10月11日(日)~10月16日(金)
詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.funaisoken.co.jp/site/seminar/semina_1243776053_0.html
http://www.funaisoken.co.jp/ad/pdf/2009/06/309359.pdf
ツアーコースは「ライフスタイルセンターコース」となります。
■お申し込み 締め切りは「9月10日」です。お早めに!
■こういう方々にオススメです
・新しいヒントを模索されていらっしゃる方
・ブレイクスルーのチャンスを探されている方
・いまさらだけど、米国をまだ見ていなかったという方
・・・ご参加をオススメいたします。
詳細はSCチーム(info-sc@funaisoken.co.jp)までお問い合わせいただいても
OKです。
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【SC経営のヒント200】:ダウンサイジング考
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.200 ━ 2009.07.23
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■ダウンサイジング考
不況期対応の現在、店舗ビジネスの基本路線は「ダウンサイジング」になります。
好景気はとにかくスケールアップでした。業界全体では、これまで大型店志向、
大型SC志向で突き進んできましたが、ここにきて大型店の固定費負担が重く、
より小さなパッケージングへとシフトする動きが盛んになってきています。
各小売店における対応はどのようなものがあるでしょうか。
1)在庫の削減
現在の売場面積は、陳列在庫数に比較して適切でしょうか。
さらには、陳列在庫数は適正量といえるでしょうか。
多くの小売店は商圏人口と在庫本数が連動しています。
大型の家具店やスポーツ店は大型店ほど大商圏になります。SCも同様です。
不況とは商圏の縮小です。商圏人口が減ることにより売上が下がっているわけです。
ですので、標準在庫のありかたも、減ったほうの商圏人口で見て適正かどうかを
判断する必要があります。
ただ、一律に削減してしまうといけません。
予算帯別品揃表を作成し、予算帯別に在庫数と販売数をチェックして、
無駄な在庫の多い予算帯が無いかチェックしてから削減することが適切といえます。
2)売場面積の削減
売場面積を削減する「圧縮法」というのが、船井流においては原理原則であり
簡単に効果が上がります。
SCのインテナントでも、不振店は数店舗をまとめて減坪して、
隣に1店舗入れるなどの工夫が必要になります。
これまでは、在庫にあまり関係なく売場面積を拡大する傾向があったと思いますが、
無駄な売場は削減して固定費カット、坪効率アップを目指す必要があります。
3)拠点の分散化
大型店の面積を減らしてテナントなど外部を入居させるという方法がありますが、
もうひとついえるのは拠点の分散化です。
これまで地域一番店の巨艦志向であったところも、
これからは地域分散をしてミニ拠点をあちこちに持つことが必要になります。
現在あるお手伝い先では、母店~サテライト~キャラバンという
3種類の販売拠点づくりを推進しており、母店となる本店はフルライン、
回転の悪い商品にすそものを加えてサテライト店に、
さらに長期滞留商品を特価にてキャラバンにもってゆくというやり方です。
おおむね母店とサテライトの距離は10km以上、
キャラバンの対象になるのは30km以上はなれた遠隔地をターゲットとしています。
まだまだ、様々なダウンサイジングがありうると思います。
これからしばらく、ご紹介していきたいと思います。
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■不振SCへの出店見極め
この数年間のSC出店過剰の結果、地域によっては人口に比較してあまりにも
多くのSCが開設され、結果としてひどいオーバーストアになり、どのSCも
空室の増加に苦しむという事態になっているエリアが増えてきています。
入居率の厳しい不振SCのなかで、比較的好調な店の特徴としては、周囲にない
タイプの業種は比較的良好です。先日拝見させていただいたSCでは、
ホビー専門店、流通菓子・製菓材料店、カラオケ店、大型の書店などが好調
との事で、館全体が苦しい時期でも個性特徴のある店は堅調であったりします。
また、館の売上に引っ張られにくい業種についても比較的堅調です。
理美容、マッサージ&リフレクソロジー、エステ、スクールビジネス、
クリニック系など、固定客を集められれば繁盛店になっていたりします。
このほか、高齢者の方がメインターゲットになっている業種も比較的強いです。
メガネ専門店、喫茶店などで店構えは一見オールターゲットでも実質顧客は
高齢者中心という店がありますが、このような店は郊外の不振SCにあっても
比較的強いといえます。
ほとんどの業種は館全体の業績に自らの業績を左右される傾向にあります
(それゆえにデベロッパービジネスというものがあるのです)が、
左右されにくい店を探し出してくるというのも今の時期のデベロッパーに
とって必要なことになっています。
不振SCは空き床がありますから、店舗展開を拡大したい企業にとっては
出店チャンスでもあります。しかし全体がリニュアルする計画があるかどうか、
そのタイミングを見極めて出店するということが必要になります。
原則を申し上げますと「SC、商店街など一度ダメになってしまった商業集積は
大きくターゲットやMD、テナントを変更しないと再生しない」ということです。
筆者も以前に大きくMDやターゲット構成を変更するリニューアルを
実施いたしましたが、現状を追認して空き区画だけ埋めるようなリニューアル
ではまた失敗するだけです。
もちろんこれは一度死んでしまったようなSCの話で、現在そこそこやれている
ところは、そこまでのリスクを冒さなくても活性化は可能です。
現在不振SCに出店されていて、継続するかどうかについても、
原則に基づいた判断をすべきと思います。
SCに誘致を受ける際には
1)そのままでも自分たちはやってゆけるか
2)さらに酷くなってもやってゆけるか
3)大規模にリニューアルして客層が変化しても対応可能か
という、複数の視点での検討が必要になります。
一般的には、立地がよければデベロッパーが変わりリニューアルすれば
再生する確率は高いです。一方でデベロッパーに力があっても立地の悪い
不振SCを立て直すのはなかなか困難なことです。
そういう意味で、デベロッパー(PM会社)も力を問われる時代になりましたし、
テナントにとっても見極めが困難になってきましたが、
「分からなくなったら原理原則に立ち返ること」
これがキーワードではないかと思います。
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【SC経営のヒント188】:短期間集中視察
■短期間集中視察
私どものチームでは、様々な事案の調査を行いますが、その際に過密な
スケジュールを組むことが多々あります。
たとえば、ビジネスホテルの調査を実施するときは、若手社員が一日でその
地域のホテルに5泊します。
1人で5箇所にチェックインし、すべてのホテルを調査した後に、どこかの
ホテルで寝て、早朝起きて5箇所のホテルの朝食をすべて食べ調査します。
もちろん朝食だけで5食も食べたらそのあとどうなるかは想像されるとおりです。
最近のビジネスホテルはバイキング形式が多く、少しづつ料理をとってきても
全部取ると一定の量になってしまいますし、取ってきたものを残せないためです。
そういうことを何度もやっていますと、短期間に細部まで詳しくものが見える
ようになってきます。
SCなどの店舗の視察調査も同様で、1万坪クラスの大型SCを一日で7~8ヶ所くま
なく見るというのは日常的なことですし、専門店チェーンの調査では一日で
数百キロ移動しながら自店・競合あわせて50店舗以上見るということもよく
あります。ウォーキングをされていらっしゃる方々より歩いている距離はある
と思います。ひたすら量をこなすことで、未知の分野においてもキーファクター
に近づくスピードが速まってくるのです。実際には、限られた時間で密度の濃い
調査をしなければ間に合わないということの一方で、このような無茶を強いる
ことが結果として自身とメンバーの能力向上につながります。
短時間に過密な量を体験する、理屈ではなく体で体験する、これを日常的に
やっていますと、短期間にある程度ものの分かるスタッフを育成することが
可能になります。
これからSCのマネージャーをするというのであれば、最低でも100施設を短期間
に見て、SCとは何かを体で知ることが大事です。
ぜひこのような「過密スケジュールでの視察」を実践されてみてはいかがかと
思います。
(このようなことを書くと、
マネージャー諸兄になんと言われるかわかりませんが・・・)