━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.306 ━ 2012.1.13
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:競合対策は足元商圏の確保から』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『競合対策は足元商圏の確保から』
競合対策の依頼が増えています。日本は人口が減っているのに、
店舗の数が増えているので、何もしなければ客数は下がります。
競合店ができれば、それが顕著となるため、既存店の競合対策は
必須です。しかし、この競合対策のポイントをはずしてしまうと、
かけた費用のわりに、効果がでないので注意が必要です。
競合対策は前叩きが原則です。ですから、新規店舗が出店してから、
対策を打つのでは遅いのです。というのも、新規店舗は出店にあた
って、商圏内の既存店舗を調査して、勝てる対策を準備してきます。
ですから、出店してしまってから、更にそれを上回る施策を打つ間に
お客様を奪われてしまうからです。
意外と気づいていない既存店舗の強みは何かというと、既存顧客を
持っているということです。ポイントカードを発行している店舗では、
まずはこの既存顧客向けの対策を優先させなければいけません。
ポイントカードを持つお客様の中で、年間買上金額の高いお客様を
競合に奪われない。これが最も優先すべき競合対策なのです。
例えば、年間買上金額100万円のお客様の離反は年間買上金額1万円
のお客様の100人分に相当します。
往々にして、競合対策はチラシ(価格訴求)合戦に陥りがちですが、
価格で動くお客様は、チラシが入る店を買いまわります。そして、
価格で動くお客様(バーゲンハンター)の買上点数は高くはないのです。
自店をよく利用するお客様にはより多くの特典・サービスを与え、
そうでないお客様にはそれなりの特典・サービスで留める。
そんな販促の原則を忘れてはいけません。
また、お客様が店舗を利用する動機は、近いということが優先順位で
最も高いのです。ですから、仮に競合対策としてチラシをまく場合は、
わざわざ競合店の近くにまくよりも、自店に近いエリアに集中してまく
ほうが効果的です。チラシの原則は1.回数2.枚数3.サイズ4.色です。
限られた販促予算で成果を出すには、色を1色にし、サイズを小さくし、
枚数を足元に絞り、回数を多くするのがベストです。
仮に、エリア別にみたときに、ポイントカードの利用率の高いエリアに
競合が出店する場合は、チラシではなく、ダイレクトメールで離反を
防ぐようにします。例えば、上客向けの10%プレミアムお買い物券販売
などのやり方で、先売りしながら、確実に自店来店に繋げるのです。
今回は競合対策について書きましたが、販促の基本原則は変わりません。
いかに足元商圏を固め、この足元商圏のお客様の来店頻度アップ(客数
アップ)と点数アップができるかにつきます。そのためにも、ポイント
カード、チラシといった個々の媒体ツールの特性を知り、効果的な手法
を打っていけば、確実にお客様は反応してくれます。
競合出店に一喜一憂することなく、基本に忠実に手を打ち、力相応、
商圏相応の一番店を目指してもらいたいものです。
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ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:丹羽 英之(にわひでゆき)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
発行所:株式会社船井総合研究所 第2経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
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【SC経営のヒント305】:『強みの認識、共有、磨きこみ』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.305 ━ 2011.12.22
船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:強みの認識、共有、磨きこみ』
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『強みの認識、共有、磨きこみ』
館や自店舗の強みをしっかり認識し、さらに社員・スタッフさんで
共有できている店舗は、やはり強いと改めて感じています。
売上や売上個数はお客様の支持率です、というお話を良くさせていただきますが
数ある商品やサービスの中で最も売れているもの、点数が出るものは、
やはり自店の強みが良く出た(他よりも秀でた)一番商品・一番サービスです。
お客様もわざわざその一番商品を買いに来ていただいたり、いくつものサービス
の中からそれを選んでいただいたりしている絶対的な結果です。
そのようなお話をさえていただくと、うちはコロコロ売れ商品が入れ替わる、
あまり長く売れる商品は少ない、見つけられないという声も挙がります。
回転の良い商品は時流だから今だけ売れているというものもあります。
しかし、そうであっても今この瞬間売れている以上、お客様の今のニーズに
合っているという事実は変わりません。
一番商品が回転するなら回転するで良いと思います。
もしかすると、時流の商品やサービスを常に持っていることこそがその店舗の
一番支持されている強みかもしれないのですから。
継続した一番商品・一番サービスを持っているところはそれに越したことはありません。
重要なのはそこから先、その一番の強みをしっかり認識して日々の営業に
取り組んでいるかが大きなポイントです。
強みは純粋にその商品をおすすめし、買上率を上げる接客にも繋げることが
できますし、最も点数が出るということは他の商品を知っていただく、買って
いただく機会の創出にも繋げやすいはずです。
私の知る専門店で一番商品をしっかり販売して店全体の売上を
上げ続けている店舗は、一番商品をパートさんまで社員全員が認識しています。
そしてそれを伝えるために、専用のツール(カタログやチラシ)をつくり
接客時、買上時に徹底的に訴求しています。
さらにそれをお買上いただいた方に親和性の高い商品のお薦め(クロスセル)、
同カテゴリの別形態の商品のお薦め(アップセル)、
付属品の提供(客単価アップ)、自店の商品に対する考え方
を知っていただく努力(固定客化)をしています。
そのため、リピート率が以上に高く、リピートするだけでなく知り合いに
紹介をしていただけたり、プレゼントしていただけたりと、その輪は広がっています。
メディアの方に取材をいただく際にも、紹介する商品は一番商品+時流商品です。
強みを認識しているからこそブレずにとてもシンプルです。
一番の強みを核として、あとは営業年月を重ねて店の幹を太くしていくだけですので
お客様にも認識していただきやすく、店のスタッフも販売・接客しやすいのです。
店舗の売上増に向けた改善、指摘は悪い点に目が向きがちですが、
店舗の強みをしっかり伸ばすことで、不足な点は補完することができます。
弱みを見るよりも強みをしっかり見ていただきたいと思います。
まずは強みの認識、そして共有、更に磨きこみをして、売上増に繋げていって
いただければ幸いです。
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【SC経営のヒント304】:『ABC分析では得られないもの』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.304 ━ 2011.12.16
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ABC分析では得られないもの』
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『ABC分析では得られないもの』
よく、売れ筋を増やして死に筋をカットしよう、と言われます。
じっくりと考えていただきたいのですが、それで本当に集客・売上
が上がるでしょうか?
売れ筋商品は、自店だけでなく多くの店で販売されています。
ですので、売れ筋商品ばかり並べれば並べるほどに、わざわざその
店に行くという来店理由はどんどん減少してゆく
ことになるのです。
コンビニのような小さな店や、もともと通行量の多い立地に出店し
ている店でしたら、売れ筋に集中することで売上を上げることがで
きます。しかし、わざわざ集客しなければならない郊外型専門店や
GMS、HCなどの業態で考えてみたら、いかがでしょう?
商品アイテム数(sku)を減らし、取引先を絞り込み、通路を広く
して棚を低くして歩きやすく見通しを良くして・・・・中堅大手流
通の方々はそれを「当然」と考えていらっしゃるようですが、坪当
たりアイテム数が減れば坪当たり集客力は落ちて、坪当たり在庫金
額が減れば回転率一定ならば坪当たり売上高は下がることになりま
す。
話題商品や人気商品は売れていて集客も出きる商品です。しかし、
多くの売れ筋商品は、売れてはいても、どこでも売っているものな
ので、集客できない商品もあります。
売れている、売れていない、と集客できる、集客できない、という
マトリクスで考えたら、売れていないし集客できない商品はカット
対象になるでしょうが、売れていないが集客できる商品があったと
すると、どのように取り扱えばよいでしょうか?
現在のデータ分析では、売れている売れていないという結果は分か
りますが、その背景にあるディスティネーション=来店目的 がど
こにあるかは明確には分かりません。分からないから定義できない
ので難しいのですが、難しくて結論が出ないというのと、考えない
というのは意味が違います。
来店顧客調査を実施すれば、ある程度ディスティネーションとなっ
ている部門を明らかにするのは可能になります。
「ABC分析では、つまらない魅力のない店しか出来ない」というのは、
そういうことを指していると思います。量販店もホームセンターも、
目をつぶって店内に入ったら、どこの会社か分からない店が増えて
きていると思います。
もうすこし抽象的な「店舗コンセプト」を明確にして、大事にして
ゆかないといけないのではないかと思います。
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【SC経営のヒント303】:『駅を基点とした商業施設の強みと弱み』
━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.303 ━ 2011.12.8
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:駅を基点とした商業施設の強みと弱み』
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『駅を基点とした商業施設の強みと弱み』
駅を基点とした商業施設には、駅ビル、ファッションビル、百貨店
などがありますが、それらの施設の強みは、駅乗降客をベースとした
基礎集客力です。
この強みは非常に安定した集客を約束しますが、施設として外部要因
の影響を受けやすいという弱みにもつながります。
例えば、リーマンショック以降の消費マインドの減退、震災の影響
による外出の自粛、競合の出店など外部要因で施設全体の客数が
減った際に、大きく売上を落としてしまいます。
そして、郊外型SCに比べて回復が遅れるのが実際です。
それは、郊外型SCに比べて、駅を基点とした施設では、
① 食品を柱に集客を戻すという考えが薄いこと
② 施設全体も各テナントも自力販促で集客する術を持たないこと
③ リピートへの仕掛けが弱いこと が原因です。
特に、苦戦している施設は、食品の客数、売上ダウンが目立ちします。
例えば、かつて一世を風靡した生鮮カテゴリーキラーの凋落が目立ちます。
また、食品SMも苦戦しており、それらの売上ダウンの要因は大きく
2つあるようです。
1つはこれまで駅乗降客の集客を基本にしていたので、自店販促(チラシ)
が弱いこと。2つ目は商品が時流に合っていないことです。
駅を基点とした施設は足元商圏のお客様と通勤、通学帰りのお客様の
2タイプが存在します。
足元商圏のお客様は高齢化し、通勤、通学のお客様は、学生、OL、
有職主婦が大半です。それらのお客様に共通している商品ニーズは
即食、少量、値ごろです。
つまり、従来型の素材を中心に大容量を価格訴求で売る商売では客離れが
激しいのです。従来型の商売は大商圏の一部の店舗でしか成り立たなく
なっているのが実情です。
それでも、全体が苦戦している施設の中でがんばっているテナントが
あります。食品では時流に合った商品展開をしているデリ、銘店、
ファッションでは自力販促を行う大型専門店と顧客情報をしっかりと
管理しているショップ、テナントです。
例えば、ユニクロのように自社でチラシを折り込むテナントは影響が
少ないです。また、セシルマクビーのように、顧客情報をしっかりと
集め、早めの店間移動で商品回転率を上げ、既存顧客の来店促進を
はかっているような店舗も施設全体の落ち込みほど、客数を落として
いません。
つまり、施設全体もそこに入るテナントも、外部要因に左右されない
時流にあった商品展開と自力で集客する術を持つことが必要なのです。
ぜひ、次年度に向けてデベロッパー主導で、そのための仕掛けと
仕組みを持ちたせたいものです。
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【SC経営のヒント302】:『専門店は集客モデルの自社開発が鍵』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.302 ━ 2011.11.24
船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:専門店は集客モデルの自社開発が鍵』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『専門店は集客モデルの自社開発が鍵』
都心立地を中心にかなり細かい分類の専門店が増えてきています。
もともと大商圏でも成り立ちそうになかったそれらの店舗が成功している
1つの要因が、集客モデルを持っていることにあります。
以前は、開店と同時にチラシを蒔いて、地域誌に広告を打って・・・
と展開していたものが今、圧倒的に多いのがWEB活用です。
1つはWEBでの告知。
ホームページを持っていない企業はほとんどいなくなりましたが、
それを積極的に活用し、店舗へ誘客できているところは多くありません。
新展開、新商品の告知をしっかりして、それを伝える方法を持っている
店舗は、開店から集客することができています。
雑貨・サービス系に多い方法です。
もう1つはWEBでの販売。
これは、一見すると相反するようですが、ECサイトを構築し、
WEB販売を実施している店舗では、何かの折りにWEBのお客様が店舗へ
来店するという行動が見られます。通販企業が実店舗を出す
事例も増えてきています。
アパレル・雑貨に多い方法です。
WEBと一言で言っても、WEBサイトやFacebookなどさまざまで、
飲食店は、Facebookのチェックインクーポンを利用する例も増えています。
食品・飲食に多い方法です。
また、イベントや催事などに出展し、そこでカタログやパンフレットを
配布して店舗を認知してもらい、集客するパターンもあれば、
メディア先行で雑誌等に頻度良く掲載され、見込み客ができてから出店
している例も増えてきました。
どの方法にせよ、開店する店は、開店と同時に見込み客がいたり、
見込み客にアプローチする方法を持っている店舗が強く、
開店している店は、エリアや館だけに頼らない集客ツールを自店で
持っている店舗が専門店で成功している1つのパターンといえそうです。
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【SC経営のヒント301】:『集合論的マーケティングアプローチ 2』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.301 ━ 2011.11.17
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:集合論的マーケティングアプローチ 2』
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『集合論的マーケティングアプローチ 2』
ここしばらく、比較的ニッチな専門店業界の動向を見ています。
一例ですが、郊外型の文具専門店、建材などのプロ向け資材の専門
店、作業服の専門店、自動車整備工具の専門店、電材パーツの専門
店など、狭いターゲットとカテゴリーで小さな店を多数展開すると
いう企業が、あまり目立たないですが伸長してきています。
飲食でも、酒やワインの立ち飲み店、生スパゲティ専門店といった
カテゴリーで出店が増加しています。
一昔前はテナント出店であれロードサイドであれ、多くの業種で
1店舗1億円の年商確保がひとつの目安となってきていました。
ですが、最近出店が増えている企業のモデルは1店舗5000万円で
しっかり利益のでるモデルになっていると思われます。
総合店が立地を開発し商圏を生成したあとに、周囲に専門店が次々
と出店して総合店の部門部門のシェアを奪ってゆく・・・こと日本
においては、このような流れというのが一般化しているように思わ
れます。
米国ではウォルマートがカテゴリーキラーを次々と倒産に追い込ん
でいるのですが、こと日本では後発参入の専門店業態のほうが、お
おむね問屋MDで展開する総合店より商品・接客において有利に展開
している事例が多いといえるでしょう。
業種のくくりを脱して業態のくくりができ、現在は業態のくくりを
脱して、どういったターゲット・客層・用途、あるいは商品に絞り
込んで「選ばれる」店になってゆくかというのが各社の課題であり、
現実に成功しつつある企業はそれを先んじて取組めたということに
なります。
総合品揃えの企業のお手伝いをしていて感じることは、このような
取り組みを実際にやろうと思った際に、商品部の部門の壁を破るこ
とが出来ずに、結局はバイヤーがお互いけん制するばかりで(仕事
を押し付けあう)、意図したような品揃えにつながらないことがあ
ります。これなどは組織体制の見直しに至るまでの改革が必要にな
り、容易な問題ではなくなってきています。
商品分類の基礎が20年以上前に作成されたものを下敷きにしている
企業は多いのではないでしょうか。
各商品で部門の改廃と再編をすすめ、現代の消費者の志向にあわせ
た商品MDへと変革させることが大切になります。
その際にキーポイントになるのは「安売り屋」からの脱却です。粗
利率アップという経営的な意味だけでなく、安売り屋には卸してく
れない問屋筋が人気商品を有しているのです。
GMS、ホームセンターなどのチェーン展開の総合量販業態は、すで
に大きな曲がり角をすぎているように感じます。
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【SC経営のヒント300】:『地域密着で伸び続ける、道の駅富士川楽座』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.300 ━ 2011.11.4
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:地域密着で伸び続ける、道の駅富士川楽座』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『地域密着で伸び続ける、道の駅富士川楽座』
先日、東名高速道路の富士川SA(上り)に併設する富士川楽座
(道の駅)に訪問しました。
この富士川楽座は10年前に当時の富士川町役場が主導になって、
地元商店主たちと企画した第3セクター施設です。
この施設の当初企画を弊社がお手伝いしたこともあり、当時の
担当者と訪問して、現状のお話を聞いてきました。
この10年の間、売上は年率2~3%ずつ伸び続け、現在は日本一
の集客を誇る道の駅となっています。
ふつうのSAは東名利用者が100%ですが、楽座は東名利用者が
60%、地元利用者が40%と地元利用率が高い点に大きな特徴です。
また、年間1000件を超える取材があるそうで、その独自の運営
ポイントを教えていただきました。
・東名利用者のリピートを狙う
バス利用客をターゲットとするのでなく、ファミリー客を主ター
ゲットとしたテナント(商品)構成で差別化
例えば、SAはスタバ、CVSなどを導入し、地方にナショナルチェ
ーンを提案しているが、楽座は地元ブランドを全国に提案するが
コンセプト。
(富士川、富士山を一望できるレストラン、ここでしか買えない
地元産品を提案)
実際に、当時10歳の子供が10年後に子供を連れて利用しているそ
うです。
・お客様目線の地元テナント
効率主義ではなく、お客様目線で商品カットしない包み込み発想
で品揃え(日本一の塩辛売場etc)
僅か7坪の地元のサンドイッチ屋さんが、マックの半分の売上を
とっているそうです。
・産品交流(道の駅)で差別化
富士にこだわるのでなく、静岡の道の駅を目指した品揃え。
また、全国道の駅の産品を歳時記にあわせて展開しているそうです。
(全国の地元ブランド(名産)を地元にお知らせする)
・地域密着の仕掛け
屋外テント(7坪)で、地元の高齢者による持込の産品販売
(100名の会員のお小遣い稼ぎの場)
この会員が町に活気をもたらすと共に、結果として楽市の優良顧客
となっているそうです。
・地元向けイベントの定期開催
体験館を利用して、日本発明協会の協力を得て、サイエンスショー
の開催etc
ギネスに掲載されたメガスター(プラレタリウム)は東名利用者に
も、地元にも非常に好評のようです。
テナントは開業当初から変わらず、施設もこの10年間の大きな
リニューアルはしてないそうです。リニューアルがなくてもお客様
に支持される根底には、チェーン店が忘れてしまったお客様目線と
いうキーワードがあります。
また、力相応、マーケット相応で差別化(一番化)といった商売の
原理・原則がここにはあるようです。
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【SC経営のヒント299】:『集合論的マーケティングアプローチ』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.299 ━ 2011.10.20
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:集合論的マーケティングアプローチ』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『集合論的マーケティングアプローチ』
オフ会でお話している通り、SC、大型店百貨店の時流としては、
1992年ごろをピークとして、以降売上・坪効率は低下する一方と
なっています。
また、ここ10年程度は、巨大なショッピングセンターが数多く
開発される一方で、「大規模化」というのが物販店の主要トレンド
だったように思います。
しかしながら、購買経験が進むにつれて、ヘビーユーザー化の
流れが進んでいます。
一例として、宝石業界ではブライダル専門店の出店が加速して
います。
総合的品揃えは必要なく、ブライダルリングのみを販売し、
ブライダル客のみをターゲットにした業態ですが、そのような
ニーズの顧客にとってはベストの選択肢を提案できるという
コンセプトの店づくりです。
現在、高収益であることもあり、店舗数が増えています。
自動車整備工具の専門店や建材の専門店というのも増加中です。
あまり目立たない業態ですが、業務ユーザーやマニアユーザーを
ターゲットにした専門店業態で、店舗面積はそんなに大きくは
ないですが、ホームセンターとは異なり明確にマニアユーザーや
プロユーザーにターゲットを絞った展開をしています。
これまでGMSやホームセンターなどの大型店で取り扱っていた
部門を切り抜いて、絞られたターゲットや絞られたユースに
特化した専門店が今後ますます増えてくると思われます。
切り口は、より小属性にスポットをあてて、
より専門的な対応ができる業態です。
言い換えますと、現在の専門店は次の世代に向けた
小属性専門店を開発してゆかねばならないといえます。
面白い専門店があるから、自分の店に取り込めばいい・・・
というのも一つのアプローチですが、モール型のSCが大規模化して
GMSの平場がどんどん縮小化するように、今後小属性専門店の
集合体というものがSCの中に形成されてゆくことになるといえます。
一方で既存店売上アップは客層拡大ユース拡大、
しかしながら一方では小属性に絞り込んだ専門店展開。
これからしばらくは、この方法論が模索されることに
なると思います。
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【SC経営のヒント298】:『新規客とリピート客』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.298 ━ 2011.10.13
船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:新規客とリピート客』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『新規客とリピート客』
企業や店舗によって、新規客へ目がいく店舗と、
固定客へ目がいく店舗に分かれます。
業種業態にもよりますが、一般的に客数の多い店舗ほど新規に、
目的来店の高い店舗ほどリピートに注力し、
店舗の場合は新規に、無店舗の場合はリピートに目が向きます。
経費面から考えると、圧倒的にリピートのお客様へ注力したほうが
利益率が改善しますが、そこまで手がまわっていないというのが
大半の店舗のようです。
FSPやポイントカードの仕組みで、システム的にリピート対策をしている
店舗やベテランの販売員の経験によって結果的にリピート対策になっている
店舗はありますが、手がまわらないところは、1年に数回は最低限、
対策をしていく必要があります。
お客様も新店やたくさんの店を比較して購買決定をしていることが多いので、
近くに競合店が出店した場合、消費者の心理として一度はその新店に行くことも
あると思います。
しかし、戻ってきていただくことが重要です。
そういった場合も、日々のリピート対策、固定客へ向けた施策を定期的に
しっかりやっているかが戻ってきていただけるかのポイントです。。
もともと、新規の場合は客単価が低いので、接客する時間も短くなりますし、
一番商品をお薦めすること等によって、固定客化への道筋をつけているはずですが、
販売者側が全員でその道筋を共有していないと、費用対効果が低くなりがちです。
固定客化ができていないのに、新規のお客様が来ない、チラシが当たらないと
言っていないでしょうか?店の客数はお客様の支持率であり、継続率も支持率です。
支持していただいているお客様から自店の良さを再認識させていただき、
新規へのアプローチに使うほうが効果的です。
その順番が異なると、必死に考えた新規集客施策も時間と
コストの無駄になりかねません。いつも支持をしていただいているお客様から
商品サービスの対価として適正な利益と強みを都度いただくことです。
リピートのお客様への施策を今一度見直して不十分ではないか、費用対効果が
適正であるかを考えてみてはいかがでしょうか。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:野田 陽一郎(のだ よういちろう)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
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【SC経営のヒント297】:『専門店は個人的記念日でファンをつくろう』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.297 ━ 2011.10.06
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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『Main Contents:専門店は個人的記念日でファンをつくろう』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『専門店は個人的な記念日でファンをつくろう』
業績アップの原則は、売上構成比の高い月、週、日に販促を
仕掛けることです。
しかし、この原則に従うと、同一業種であれば同じときに販促を
することになり、販促合戦になってしまうとのが実際です。
また、チェーン店であれば同一商圏のお客様の取り合いになって
しまいます。
これまでの販促の原則は、不特定多数のお客様に対しての販促が
基本でした。ですから、売上構成比が高いことが最も効率がよく、
費用対効果が高かったのです。
そして、不特定多数を対象とした販促は価格訴求でないと集客
できず、結果として割引合戦になってしまいました。
これからの販促は、特定多数のお客様にアプローチしていかなけ
ればなりません。リーマンショック、東北大震災など、お客様の
消費マインドが冷えると、都心、ターミナル、百貨店、駅ビルと
お客様を特定できない施設ほど業績が厳しくなります。
それは、高額品を扱っているというよりも、お客様を特定できず、
直接的なアプローチをする術をもたないからです。
(ポイントカードはあるのですが・・・)
ですから、これからはショップ、テナントが、いかに特定多数の
お客様に近づき、彼らにファンになってもらい、生涯顧客に
なってもらえるようなストーリーを描くことが重要です。
そのために一番大切なことは、特定多数のお客様の個人的な
記念日を知ることです。そして、この個人的な記念日に合わせた、
体験、モニター、スクール、提案企画を打ち出すことです。
例えば、お菓子屋さんのお誕生日ケーキ、ウェディングケーキを
自分でつくる教室。パン屋さん主催で母の日、父の日にあわせた
子供向けの手作りパン教室。花屋さん主催で手作りブーケ教室。
レストラン主催の社会人1年生のためのテーブルマナー教室。
ファッション、美容のテナントが集まって、お母さん、お父さん
の変身企画などです。
大切なことは、商品(割引)を全面に出す販促ではなく、人
(お客様)をステージに上げることです。そして、このステージ
に上がる人が多ければ、そこでコミュニティーが生まれ、ファン
(サポーター)になる可能性が増えます。
なぜなら、このショップ、テナントを介して生まれたコミュニ
ティーの場を失うことをリピーターが恐れるからです。
例えば、酒屋さん主催の日本酒試飲会メンバーが産地見学会をし、
その後の頒布会でも買ってくれるといった流れをつくれれば
ベストでしょう。
これらの体験風景を写真に撮って参加者にプレゼントし、許可を
とってホームページに掲載すればホームページのアクセスは
アップします。
ケータイ、ブログ、デジタルサイネージはあくまでもツールです。
大切なのは、コンテンツであり、そのコンテンツに入店している
ショップ、テナントが個人的記念日に実施する教室が活きる時代
になってきました。皆様の新たな挑戦を期待しています。
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