EC時代だからこそ「店舗のコト化」で売上アップ

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新しい顧客体験の創造をテーマに、マーケティング、マネジメントの両面から期待される成果を出し続けるプロ店長の事例をシリーズでお届けしているこのメルマガも、今回で6本目となりました。

 

 

今回は、集客・接客・固定客化に横串でまたがる「コト化」についてお伝えしたいと思います。

 

EC全盛のこの時代ですが、店舗にしかできないことや出せない価値も確実に存在しており、その一番重要な役割が「コト化」です。

ネット上ではたくさんの商品が並列で並んでおり、どうしても商品の特徴と価格だけの競争になりがちで、それ以上の魅力を感じてもらうのはなかなか骨が折れますね。

例えば、1人客は店舗で商品を見たとしても、ネットに流れる傾向が強いのに対して、

カップルやファミリー客はネットに流れない傾向にあります。これは、一緒に商品を見たり相談したりするその時間が「コト化」しているからだといえます。

つまり、サービス業において組来店を目指すことは基本といえますが、そのためには店舗をモノではなく「コト化」する必要があるということなのです。

 

では、コト化とは具体的にどんなことでしょうか。

分かりやすいランドセルの販売を例にとってみます。

ランドセルの購入には、主に孫本人、両親、祖父母という3者が関わることが多くあります。購入する店を決定するのは両親、品物を決めるのは孫、実際に購入するのは祖父母といった立ち位置です。

 

ただランドセルを買う、という目的を果たすだけなら安価な量販店やECでもよいわけですが、ここで重要なのは値段の高低ではなく、「購入するその場にいる」ということが祖父母にとっては重要なのです。

 

例えば、ランドセルを買ってもらった孫や両親が祖父母にお礼を言ったり、恐らくはその後に3世代で食事会をしたりして帰るでしょう。

ここで求められる「コト化」は、孫にお礼を促すような会話の接客や、買った記念に家族写真を撮って渡す、といったような孫や両親だけでなく、決裁権者である祖父母も満足できる思い出作りの施策です。

お店や商品を探す入り口はネットかもしれませんが、リアルでしかできない演出やコト化をいかにできるかが、これからの店には大事といえます。

 

ワークショップで狙う客層の組来店率をアップ

 

そういった施策のひとつがワークショップや商品体験会(受注会、試飲会、試食会、体験教室など)といったものです。

コロナにおいて絶対的な客数が減り、ウィンドウショッピングなどをされる人も減りました。繁忙期や繁忙時間帯など忙しいときは忙しいですが、仕組み化などもあって、時間がある時は時間がある、という店舗も多いと思います。

以前は手書きのサンキューレターを送るなどしていましたが、いまはインスタライブや商品動画撮影が多くなっているかと思います。

 

ワークショップのいいところは、通常の接客が1対1なのに対して、1対10でも可能でスタッフ効率がいいこと。さらに、お客さん同士をつなげてコミュニティ化させることで、組来店にもつながることです。

 

時間があるタイミング=平日の昼間なわけですが、この時間帯に来るお客様というのはお金や時間に余裕があったりする、「見込みの高いお客様」であることが多くあります。

良いお客様に、良い商品を体験して購入してもらい、さらにそれを着ていく次の場を提供する、という循環を作っていくことが重要です。

 

そのためには前回紹介したLINEミニアプリなどを活用して、その客層にどんなアピールをするのか、離反しないためにはどうしたらいいかという、コミュニティ化やコト化の店舗としての戦略が重要です。

 

立地環境に適した「コト化」にはプロ店長の力量が必須

 

店舗のコト化、その手法のひとつとしてワークショップを解説してきましたが、当たり前ですがどんなワークショップが向いているかは、店舗によって異なります。

駅チカ・駅ナカのような中心部立地なのか、郊外立地なのか、立地が変われば客層が変わり、売れる商品が変わります。

 

例えばバレンタインデーは多くのSCでピーク売上を見込める大イベントであるわけですが、オフィス街のターミナル駅では、バレンタインよりも影が薄そうなホワイトデーに最大日販をたたき出すことがあり、それに合わせた催事を行います。これは通勤利用する利便性×男性サラリーマンという立地とターゲティングが見極められているからです。

 

このように組人数を増やすための仕掛けには、環境に合った客層や商品を、店舗ごとが決める必要があり、最も厚い客層に対して有効なワークショップを行なわなくてはなりません。全店舗共通で平均的に売れているものを売り切るのは一般的な「店長」ですが、更にその店舗だけの変動項目を把握して、立地・客層に合った施策をできているのが「プロ店長」だといえます。

 

船井総研では、そういった現場の店長が一番把握しているであろう「立地客層」を、その人々への「適切なアプローチ」の落とし込みをするためのプロ店長実践研修を行っています。

実践研修のコンテンツ詳細が気になる方はぜひお問合せください。

 

好調店舗のLINEミニアプリ活用方法とは?

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早速ですが、みなさんは集客にLINEを活用されていますか?

 

LINEは最もインストール数が多いインフラツールですし、飲食店・小売店・サービス業など、あらゆる業種でLINEが活用されています。

しかし、「何年か前に使ってたけど、いまは使っていない」「ターゲティングができなくて使いにくかった」などという声もたくさん耳にします。

 

そういった方にぜひ、2020年からリリースされたLINEの新機能「ミニアプリ」を使ってみることをお勧めします。

 

「アプリ」と名の付くように、従来の友だち登録が必要な公式アカウントとは違い、自社アプリがLINEの中の1機能として入り込んだ、といったイメージです。

これまではできなかったターゲティングができるように設計された新機能で、急速に利用企業が増えています。

 

従来のメリットそのままに、ターゲティングできないデメリットを克服

 

・従来のLINE@

メリット=インフラであるLINE上ででき、インストール不要なのでハードルが

低い。メッセージの開封率が高い。開発負担が少ない。

デメリット=来店の有無しかわからない。細かなターゲティングができないので

ブロック率が高い

 

・ラインミニアプリ⇒LINE@のメリットはそのままに、デメリットを克服

 

さらに、LINE@で店舗ごとに顧客セグメントするには、各店ごとにアカウントを作りおともだち登録をしてもらう必要がありました。これは、運用が煩雑なうえ、マンパワーの問題で店舗ごとに施策・成果にバラつきが出てしまうことが課題でした。

 

ミニアプリは1つのアプリ内で運営側でさまざまなセグメントができるので、来店履歴・購入履歴・クーポン利用履歴などに応じたターゲティングメッセージが可能です。

つまり、チェーン店のアプリ導入課題の多くを解消できる機能ということで注目されているのです。

 

従来のLINE@を運用していたが、反響率が悪くブロック率も高く、デジタル集客面が進化できていない、という課題を抱えている方は、一度導入を検討してみてはいかがでしょうか?

 

どうやって顧客導線に生かせるのか?

もちろんLINEのプラットフォームを利用しているため細かなビジュアル調整などは難しいですが、自社アプリを立ち上げるよりも開発負担は大きく抑えられますし、

例えば先にも申し上げたように、

・来店経験のあるお客さんにのみキャンペーン案内

・実際に購買履歴のあるお客さまのみへのクーポン配信

・誕生日月のお客さんにクーポン配信

など、従来のLINE@に比べてかなり柔軟にターゲティングが可能です。

 

そのほかの機能として、

店内オーダーやテイクアウトのオーダー、予約や整理券機能、会員証表示など、

自社アプリ開発を行う企業が求める基本的な機能が網羅されています。

 

 

LINEミニアプリを活用した顧客CRMをイメージすると、

来店時・会計時にLINE登録してもらい、簡単な会員登録を促します。

(自社アプリの場合、この時点までもっていくのがかなりのハードルです。)

その後、来店時・購入時に会員証を提示してもらうことで、店舗への来店回数や最終来店日時、注文履歴だけでなく、どの時点で離脱しているかも測ることができます。

 

この傾向を分析して、ターゲット別のお知らせやクーポン配布、ミニアプリのメンテナンスを行うことができるので、

CRMの顧客導線としては自社アプリと同じだとしても、そこに至る顧客側のハードルや企業側の開発負担をかなり軽減させることができます。

 

 

さらにこういった取り組みが成功している店舗で、不可欠なのはプロ店長の存在です。

ただ本部がLINEを導入しても、その導入率をアップさせるためには、スタッフの積極的な声がけが必要不可欠ですし、導入・利用率に大きな差が出てきます。

 

本部の仕事がいかに売れる環境を構築できるかであるとすれば、

店舗の仕事は、いかに本部と連携してその環境を利用し尽くせるか、ということです。

同じ環境設計をしても、各店から上がってくる施策や結果は店長の力量で変わってきす。

 

本部として最適なツール・仕組みを整えることは重要ですが、

現場で、そういったツール・仕組み(=変えられない外部環境)をいかにうまく使って売上を立てていくか考えられる、そういう意識を持ったプロ店長が求められています。

 

船井総研では、そういったプロ店長を目指すための、施策の目的やゴール設定、施策のPDCAを回してその効果を測るための研修を行っています。

実践研修のコンテンツ詳細が気になる方はぜひお問合せください。

チャレンジの法則

売れ筋商品というのはどこの店においても存在しますが、それは限られた数の商品に絞ることが出来ます。
であれば、その商品だけ扱えば売上はとれるのでは?と誤解されがちですが、実際には取扱商品を絞ると売上は下がります。
実際、以前に大手流通がそういう業態を開発しましたが、大失敗して撤退したうえに会社ごと傾く原因になってしまいました。
この理由は、商品を絞ると集客力が減少するためです。

たとえばカップヌードルは、標準カップヌードルとカレーとシーフードが3大売れ筋です。であれば日清食品はこの3つだけ売ればいいじゃないかとなるでしょうか?実際にはカップヌードルは毎年次々と新しい味が登場しては消えてゆきます。もちろん新味を開発される方々は「新しい定番を作ろう」と意気込まれていると思いますが、実際にそのような商品を開発するのは容易ではないということです。それでも毎年毎年、新しい商品にチャレンジし続けています。
このチャレンジこそが「カップヌードルの市場自体を活性化させる」ことに大きな役割を果たしているわけです。
これはどこの業界においても同様ですね。

商業施設においても、どうせ売れる店は一部、どうせ売れる商品は決まっている、どうせ売れるイベント企画はこれとこれだけ・・・などという、「あきらめ感」に負けてしまってないでしょうか?

売れる商業施設の特徴はいくつかありますが「外から見て楽しそうに見える」「行けば毎回何かやっている」「中を歩いているだけでワクワクする」といったことになります。お客様は理屈で来店されるだけではなく、なにか楽しそう面白そうワクワクしそう・・・という感情で来店されるのです。
中のスタッフが「どうせ・・・だから」と思ってチャレンジをやめてしまうと「売れ筋だけ置いている店」と同じになってしまうのです。そんな店面白くない。だからお客さんが来なくなって売上が下がってしまうのです。

売れ筋は売れ筋、どんどん売ればよいです。それ以上に「店にお客様がたくさん来店されるように、どんなワクワクを仕掛けようか」このことに対するチャレンジをやり続けることが大事です。
答えは一つではなく、失敗も多々あるでしょうが、それでもチャレンジし続ける。
それが繁盛店・繁盛SCをつくるということです。

大手外食チェーンのカスタマージャーニー。生産性と満足度の両立には何が必要か?

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先月から、新しい顧客体験の創造をテーマに、マーケティング、マネジメントの両面から期待される成果を出し続けるプロ店長の事例をシリーズでお伝えしています。

「接客」「売り場」とテーマにお話ししてきましたが、今回は外食産業を参考モデルに、1・2回目を振り返ってお伝えできればと思います。

 

セルフ化の課題「生産性」と「良い購買体験」をどう担保するか?

コロナの2年余りで習慣化した人の行動やニーズに合わせて、「三密を避けたい、並びたくない」など非接触ニーズに応えることが世の小売り・サービス業には求められています。

一方で店側も、売上が下がるなかで原材料・輸送費などは上昇し、お店として利益が出づらく、いかに効率化・省人化していくかという現状があります。

つまり世の非接触ニーズとお店側の効率化・省人化ニーズは、方向性として一致しているということになります。

 

しかしながら、そういった効率化やセルフ化にはいくつか課題があります。

ひとつは、労働生産性が上がりにくい・測りにくいものがショッピングセンターのテナントである小売業や外食業などのサービス業には多いこと

また、買い物・サービスの体験価値を下げずに利便性や生産性を上げること、そのうえで他店とどう差別化をするのかということです。

 

 

ここで大手イタリアンレストランFCを例に取り組みを見てみたいと思います。

まず省人化・利便性の向上面での取り組みです。

 

同店では来店後に店頭で並ぶ前に、発券機のQRコードを読み取ります。その後着席しメニューを決めると、スマホオーダーへと進みます。

この料理を待つ時間の時点で、最初のQRコードから登録したメールアドレスに案内メールがとどいており、ラインなどに登録が可能です。その場で会員登録するとアイスクリームなどのサービスがあり、会員情報取得の最初のハードルは超えやすい仕組みができています。

 

また、会員情報で誕生日も入力するため、記念日マーケットで組来店率を上げるための動機づくりのプッシュもできるようになっています。

カラオケやレジャー業態も同様ですが、誕生日などの記念日用のセットメニューが組まれていることが多くあると思います。

同店では、「デコレーションデザート1品プレゼント」「ARを使ったオリジナルフォトフレームで記念撮影」などが用意されており、本部主導で店舗への負担が少ない設計になっています。

 

 

シーズンメニューのプロモーションでは、イチ押しの商品やフェアを絞り、それ用のハッシュタグでSNS投稿するとサービスが受けられるなど、「推したい商品」と「導線設計」による「欲しい情報と伝えるべき情報」が明確になっています。

 

定量的な接客はできるだけセルフ化し、ただ省人化するのではなくCRMを積極的に活用するきっかけに変え、レスポンスが大きくなるように導線を設計する。

このようなカスタマージャーニーマップの考え方を取り入れることで、外食に限らずあらゆるサービス業で、生産性と満足度の両立が可能となります。

 

さらにこういった取り組みが成功している店舗で、根底にあるのはプロ店長の存在です。

取り組みの認知度と導入率がアップさせるためには、本部主導で店舗への負担が少ないとはいえ、スタッフの積極的な声がけが最重要です。

店舗スタッフ主導で顧客コミュニケーションを図っていくことが、導入率に大きな差を出します。

重要なのは、本部が提供する仕組みだけでなく、プロ店長を起点にその仕組みを価値あるものに変えていけるかというスタッフマネジメントの点であるといえます。

既にある仕組みや道具、外部環境をいかにうまく使うか、そういう意識を持ったプロを目指すのがスタンダードになるといえます。

 

 

船井総研では、そういったプロ店長を目指すための、取り組みの目的やゴール、定点観測すべきポイントなど、施策を見直し、その効果を測るための研修を行っています。

今後は、「やるべきタイミングで、やるべき施策を、一つ一つ丁寧にやりきらせる」プロ店長が勝ちます。

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ウィズコロナで求められる「決定率」を高める売り場のポイントとは?

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先々週から、新しい顧客体験の創造をテーマに、マーケティング、マネジメントの両面から期待される成果を出し続けるプロ店長の事例をシリーズでお伝えしています。

今回は「売り場」をテーマにお話ししたいと思います。

 

コロナ禍で行動自粛となってから約2年間、買い物や気晴らしに出かける人の数が減り、ショッピングセンターの来客数も減っていきました。

それはもちろん売上にも直結していて、みなさまも数字作りに頭を悩ませているのではないでしょうか。

 

しかし反対に、良い方向にユーザー行動が変わった点もあります。例えば・・・

 

・外出する回数が減っているから、1回あたりの買い上げ点数は増えている

・何となく見て回るのではなく目的買いが増えているため、滞在が短くても決定率が増えた

・ECでの購入率が増加した

 

このようなコロナ禍の購買行動の変化は、2年という長い間に習慣化し、定着したといえます。

業種問わずECの伸びが顕著ななかで、お客さんには「店舗でしかできない体験」がますます価値を高めています。そのために事前情報提供や情報とリンクしたシームレスな売り場づくりを提案していかなくてはいけません。

 

つまり我々は、変化し定着した購買行動に対する対応を、アフターコロナの今後もますます加速させるべきではないでしょうか。

 

 

「サッと済ませたい」「濃い時間を過ごしたい」

カスタマージャーニーを意識した売り場づくり

上記でも申し上げたように、いつでもどこでもシームレスな買い物体験を実現させることが、今後大きな方向性になってきます。

必要以上に長時間滞在したくないニーズと、それでいて満足度の高い買い物をしたいというニーズを両立してもらうためのカスタマージャーニーとしては、顧客情報に合わせた事前情報→目的がわかりやすい店舗→良い購買体験に価値を置いた売り場づくりが重要です。

早くしたい人ほど、事前情報をしっかり告知しておき、店舗では試着するだけorピックアップするだけで、快適な買い物ができるような仕組みづくりを心がけます。

 

具体的には、例えばどんな売り場づくりが望ましいのかニーズ別に考えてみると…

 

 

①早く済ませたいニーズを満たす

近づいて人と話す接客=悪いことというイメージで、とにかく手早く用事を済ませたいニーズには、わかりやすい目的地を作ってあげることが重要です。

 

・これまではセールでしか行っていなかったような、サイズ・プライス別のコーナーで商品を見つけやすくする

・(事前に購入などしていた場合に)商品だけすぐに受け取れる、受取カウンターをレジ前に出す

・サービスカウンターと試着室を前面に出して増やす

・事前オーダーや決済の仕組みを増やす

 

②目的買いニーズを満たす

冒頭でもあったように、1回あたりの買い上げ点数や金額、決定率は高い傾向にありますから、お目当てのメイン商品+αのセット商品を強化が効果的です

 

・ギフトパッケージなどのセット組み商品の陳列を強化する

・複数個購入で安くなるバンドル商品を提案できるように配置する

 

③体験ニーズを満たす

サッと目的のものだけ買いたいニーズの反面、外出一回当たりの満足度を上げたいニーズも高まっています。せっかく出かけたのだから、濃い時間を過ごしたいという気持ちです。商品の量・質・幅でなく体験スペースを増やすことで、満足度アップにつながります。

 

・試着室やメイクのタッチアップスペースを増やす

 

 

さらに、ショッピングセンターは館としての集客力が強いため絶対客数は多いですが、購入率は決して高くありません。その中で購入率を上げるためには、事前情報の提供が必須です。

 

来店時にお客様の個別情報を取得、情報や傾向を整理し、イベントのタイミングできちんと個別アプローチを行い集客につなげます。

さらにそこで、前回お話しした接客セルフ化や上記のような売り場づくりで誘導していく。さらにその情報を…という循環を作り上げます。

 

 

以前にもまして「やりきること」が重要

 

 

本稿で申し上げている「ニーズ別の売り場」や「個別アプローチ」などは、実は新たな取り組みというわけではなく、読んでいる皆様も「知ってるな」「やったことあるな」とお思いかも知れません。

しかし、やった方がいいのはわかっているけれど目の前の対応に追われて後回しになっていた、という施策もあるのではないでしょうか?

 

つまり、これまでは館の集客も多く勝手に売り上げが立っていたものが、

絶対客数が減ったことで、一つ一つの施策をやりきっているお店とそうでない店の違いが明確に出ているということなのです。

 

「前からある方法だがコロナでやるべきことが明確化し、従来からやってきたことがより重要になってきた」ことを意識する必要があります。

 

さらに各店の取り組みに加えて、SC全体の取り組みも重要です。

SC全体が、体験価値提供に取り組み、それに各店が相乗りできる状況を作り上げることで相互の価値が高まっていきます。

ネット体験=リアル体験をお客さんは求めていて、ネットの利便性+店舗の価値を提供できること、それができるSCが残っていくといえます。

 

船井総研では、取り組みの目的やゴール、定点観測すべきポイントなど、施策を見直し、その効果を測るための研修を行っています。

繰り返しになりますが、「やるべきタイミングで、やるべき施策を、一つ一つ丁寧にやりきらせる」プロ店長が勝ちます。

その実践研修のコンテンツ詳細が気になる方はぜひお問合せください。

 

構造を見ること

SCで重要なのは「事業構造」

新しく開業したSCを見るときに、どういうところを見ていますか?とよく訪ねられます。
基本的には「自分だったらどう作るか」という視点で見ているのですが、テナント構成やインテリアのイメージもさることながら、もっと基本的な「事業構造」のところを重視します。

事業構造において大切なのは地代や投資とそれに見合った収益を得ることですが、外見的に分かりえることとしては、収益性や永続性を考慮されたテナント構成になっているかどうか、です。
分かりやすい例でいうと、スーパーストアの面積比率、物販と非物販のバランス、さらには飲食店舗の数などです。

2000年以降、モール型SCが増えて、SCの非物販の比率は上がっています。90年代はせいぜい1割程度だったのが、2000年ごろには22-23%くらいになっていますし、現在は館によってはそれ以上になってきています。
その中で、飲食店舗数が多めの館が増えつつあると感じています。
コロナで外食産業全体がダメージをうけて、弁当やデリバリーなどに代替しているなかで、SCのレストラン街やフードコートにも空き区画が目立っているのが実情。そういう中で、通常のSCよりも飲食店舗数を増やすというのはチャレンジングなことです。
魅力ある飲食を入れたいというのがデベロッパー側の意図とは思いますが、クローズドな館の中では物販と飲食の適正比率はおのずと定まるものであり、力を入れたからといってその部門だけ市場規模が拡大するかというと、そんなに簡単ではありません。そもそも箱型の館での飲食は夜需要に弱く売上は伸びにくいものです。
都心ターミナル立地であれば可能性は大きいですが、郊外立地では夜型飲食に力を入れてもなかなかうまくいかないものです。

テーマ性の重視したオープンモール

一方では、都市部でオープンモールにしたり、屋台村的なつくりにしてチャレンジしている魅力的な館もあります。テーマ性を強く持たせた独立した箱や、オープンな構造であればうまくいく確率が高まるように思えます。
従来の商業施設の考え方では、投資コストや将来変化を考えて「すべて大きな箱の中に入れる」というのが王道でしたが、この先商業開発を考える際には、もうすこし柔軟でもよいかと感じました。
あくまで原則的にはオープンモールは不利なのですが、昨今の地方創生的成功例や、都市部でも新しい意欲的な館はオープンモール化にチャレンジしている例もあります。もちろん不動産効率は高いものではないため、どこかを犠牲にしてのチャレンジになります。

このように、店舗の物理的構造や、スーパーストアの面積比率や、物販非物販といったMD構造がうまくいっているのかは非常に重視しています。顧客導線や駐車場導線、駐車場位置、場内の走りやすさやINOUTの状況なども気になります。
最近では駐車場料金体系もチェックしていますが、商圏・顧客の状況に応じたオペレーションになっていることも大切だと思います。
店づくりは重要なことですし、人気のテナントが入っていることも重要なことです。
しかしそれ以上に重要なのはビジネス構造的に成立して長続きするように作られているかどうか、ということになります。

ウィズコロナに「省人化」と「顧客満足度」の両立で購買率UPさせる手法とは?

接客は「ニーズヒアリング」「セルフ化」が肝

 

皆さん、こんにちは。

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前回のメルマガで告知したように、今回から新しい顧客体験の創造をテーマに、マーケティング、マネジメントの両面から期待される成果を出し続けるプロ店長の事例をシリーズでお伝えしたいと思います。

今回は「接客」をテーマにお伝えします。

 

2年余りのコロナ禍で、顧客行動は大きく変化しました。接客において特に変わったのは「圧倒的にファーストアプローチが弱くなった」ということです。

そもそも活動自粛のため来店頻度が減っているうえに、滞留時間も短くなっています。近づいて人と話すことも良くないとされ、接客=悪いこと、というイメージで、決定率を上げるためにスタッフとの接する時間も減っています。

 

また、春は店舗もデベロッパーも人が異動する季節です。顧客接点が少なくなり経験値が溜めにくい新人でも、買い上げ率が上がる方法を立てる必要があります。

 

つまり、「接客が少なくても大丈夫な店づくり」、そして「スタッフの量質に左右されない接客」が重要になってくるということになります。

 

 

ベテランより新人が好成績なのはなぜか?

 

ミステリーショッパーなどの調査をすると、評価としては商品・サービス知識が多かったりするベテラン技術のある人が上位に来ます。しかしながら実際の売上成績では、新人ほうが売上よかったりするのです。

この違いは「お客様のニーズを聞き取れているかどうか」です。キャリアがある人は往々にしてサイズ有無や商品・サービス説明をしてしまうことが多くあります。しかし新人はその知識がないためとりあえず「何に使うものをお探しですか?」と用途やニーズを聞くのです。例えば「入学式」とニーズがわかると、代替品も提案できます。

 

お客様の声(口コミ)をストック 店内POP・サイネージで「接客のセルフ化」

 

さらに、ニーズヒアリングから購入したお客様が次回来店してくださった際に、「商品・サービスを使った感想」をヒアリングすることで、別のお客様に反映することができます。このお客様の体験を聞いてストックにする→次のお客様に伝える繰り返しがスタッフ新古の力量に左右されない接客手法となります。

 

さらに、店内POP・サイネージ活用で「接客のセルフ化」も可能です。

従来の店内POP・サイネージでは「〇〇がオススメ」など商品・サービスプッシュをしていたものを、よく聞かれる質問やお客様の声、口コミを「〇〇に困っていませんか?」「こんな使い方ができます」などと店内POP・サイネージにすることで、接触レスでありながら接客満足度を上げることができます。

 

これは直接の声だけでなく口コミ投稿等も同様です。口コミは商品の感想や使い方、購入動機など書くことは様々ですが、それを見たお客様の最終決定要因に影響します。

その声をストックして、接客やPOP・サイネージに生かしていくことが重要です。

 

従来はスタッフの人数以上の接客はできませんでしたが、上記のように取り組んでいくことで、同じスタッフ数・接触回数でも満足度を上げることが可能になります。

 

 

これまで数多くのテナント店長研修をさせていただき思うことは、

「研修を成果の実績に変えることが重要」、ということです。

そのためには、研修の明確なゴール設定が重要となります。

 

船井総研では、お客様の声・口コミをストックして、いかに効果的にPOP・サイネージに反映させていくか、研修を行っています。

研修コンテンツの詳細が気になる方はぜひお問合せ(hideyuki_niwa@funaisoken.co.jp まで)ください。

SCでの理想的な出店立地とは?

SCの客数と客層はSMによって決まる

SCとは他の店舗の集客に寄与する核店舗を持つ施設のことで、この核店舗は業態でいうと百貨店、量販店、SMが基本となります。SCは施設の大小、立地にかかわらず、SMの客数が最も多く、このSMによって、施設の客数と客層が決まってしまいます。

その点において、出店において最も大切なのは、核店舗のSMをチェックし、自店が成立する客数、客層と合致しているかを評価することになります。

例えば、1日客数は何人なのか、少容量、アップグレイド型なのか、大容量・ディスカウント型なのかといった感じです。

また、大型商業施設においては、フロア集客に寄与するサブ核店舗があるかどうかの確認が必要です。例えば、ファッションフロアではユニクロ、住関連フロアではニトリ、ノジマといったように、各店でチラシをまき自力集客する店舗になります。

理想的な出店立地とは

出店立地は、駐車場から核店舗、サブ核店舗までの導線上で、核店舗、サブ核店舗の横が最も良い立地となります。

売上高=MS✕商圏人口✕シェア となりますので、
競合店舗数がシェアに影響し、売上高を左右することになります。

競合店舗数は施設としては店揃えが充実し、商圏を拡大することになりますが
出店店舗においては、少ない方が1店舗当たりの売上が大きくなります。

また、施設デベロッパーはファッション、雑貨といったフロア構成で考えますが
このフロア構成よりも、業種にかかわらず、核店舗のSMに隣接する方が売上のトップラインは上がります。

上記は物販店の例となりますが、物販以外については商品・サービス内容によって優先すべき立地が変わります。

例えば、塾などは送り迎えがしやすい駐車場に隣接した方が良いので、別棟、多層階でも出店可能ですし、核・サブ核と離れていても問題ありません。

病院なども、集団感染などを考慮すると同様の考え方になります。
また、ボディメイクや精神科など、通っていることを知られたくない業種は
エレベータがあれば上層階の方が良いといえます。

物販以外の業種は、物販店では集客しづらい別棟、多層階など家賃の抑えられる出店が可能となります。

自社の扱う商品、サービスによって適切な出店立地は変わります。
コロナ禍において出店環境も大きく変化しています。
ピンチをチャンスに新たな出店に挑戦してもらいたいものです。

 

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≪開催概要≫
本セミナーは全日程「web開催」となりますので、事務所・ご自宅等お好きな場所よりご参加いただけます。
4月17日(日)11:00~12:00@ウェブ開催
4月17日(日)16:00~17:00@ウェブ開催
4月19日(火)11:00~12:00@ウェブ開催
4月19日(火)16:00~17:00@ウェブ開催

※ご注意ください※参加締め切りは4月13日(水)です!
それ以降は対応できかねる場合がありますので、お早めにお手続きをお済ませ下さい。

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コロナ禍での出店環境の変化とは?

出店環境の変化

コロナで観光産業が大きな悪影響を受けたことは皆が知るところですが、物販店舗においてもこの影響は看過できないことはすでに実感されていることと思われます。
たとえばアパレル産業というのは生活必需品であるとともに、観光産業の一部でもあります。
旅に出るから洋服を買う、同窓会があるから洋服を買うなど、外に出て誰かに見せるために新しい洋服が必要となります。
同様に、スイーツも自家消費だけではなくお土産として買うものでもあります。
一口に観光産業といっても、ホテル旅館や外食や運輸や旅行業だけではなく、幅広いすそ野を持っていることになります。

現在、商業施設の空室率が増加していますが、これらは主として都市型観光要素を持った業種業態が撤退しているということになります。また大都市ではリモート勤務が増えて通勤者が減ったので、人流自体が減少しています。その結果として商業施設の集客は減少し空室も増加しています。
では賃料水準が大幅に下落しているかというと、そうではありません。

その理由は「一度上がった賃料はなかなか下がらない」からです。
地方中核都市のシャッター通りの商店街がなぜ生まれてしまったかというと、賃料水準を下げなかったからです。
商店街においては近所づきあいもあります。安ければ借りたいというオファーに乗ってしまうと、周囲の賃料相場を崩すことになってしまって周囲から嫌われるのを避けたいというマインドがあります。

今回のコロナ影響で、大都市部のデベロッパーにおいても地主に支払う地代は変化がない場合には、多少空室が増えても賃料単価は維持したい。しばらく我慢すれば近未来には空室が解消するのではないかという期待があります。

一方で出店者サイドからみると、コロナ影響で空室の増えたエリアに「高い賃料」で出店するとなると、固定費大きく客数少ないという非常に不利な状況で出店することになります。(もっとも、それでも集客できるだけの自信がある場合は別ですが)

いま賃料水準が下がって出店しやすい場所は、コロナの影響と大きな関係がなく、もともとトレンドとして下がり続けていたところになります。こういう場所は、集客もそれなりですが賃料も下がっています。このように、局地的にではなくマクロに商業用不動産物件の様相を把握して考えるべきといえます。

大きな環境変化があった今、店を構えた以上は少なくとも5年10年の商売を見据えた中で、いま出店に対してどういう判断をすべきかということを考える機会ともいえます。

4月のセミナーではこのあたりのお話を中心にいたします。
自社の成長のための出店戦略と、その方法論について自社なりの方針を見出していただければと思います。

商業施設店舗の集客に失敗しないためのポイントとは

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本日のテーマ:商業施設店舗の集客に失敗しないためのポイントとは

今回は、専門店がSC出店した際の「集客」について解説していきます。失敗する原因とその解決策は実は意外と簡単なものです。
本日は、簡単でありながら意外とできていない対策についてお伝えいたします。
自力集客が基本の路面店が駅ビル、SC出店で最も苦戦するのが意外にも集客になります。

基本的に施設内客数が多ければ家賃が高く、少なければ家賃が安くなりますので
家賃負けしないためにも、集客は必須となります。

施設内にお客様がいるのに、自店の来店に結びつかないという失敗はなぜ起こるのでしょうか?

今回はその解決策の一部をご紹介します。

売上高の公式にある「客数」は「レジ客数」ですので、どんなに施設内客数が多くても、自店の認知がされずに、素通りされてしまっていては「レジ客数」にはなりません。

公式:売上高=客数(施設内客数✕入店率✕買上率)✕客単価(一品単価✕買上点数)

駅ビル、SCにおいては、この施設内客数をアップすることが、デベロッパーの役割であり、入店率✕買上率をアップすることが出店する専門店の役割になります。

つまり、駅ビル、SCでの集客で最も重要なのは、施設内のお客様のインストアシェア(入店率✕買上率)をあげることになります。

当然、路面でおこなっていたチラシ、HP、SNS、マイビジネスなどの販促施策は
SCへの出店でも効果的ですのでやり続けることは大切です。

とは言え、その効果を倍増させるためにも
出店する専門店の集客には、デベロッパーの協力がかかせないのです。

自力集客に加え、デベロッパーの役割であるSC集客への相乗りすることが重要です。
積極的に、デベロッパー(フロア担当)と連携をとりながら上手にSCの資産を活用しましょう。

例えば、

SC-HPへの掲載
SC-SNSとの連動
SC-メルマガ配信
SC-チラシ掲載
SC-フロアガイド掲載
SC-館内掲出物(イーゼル、POP、のぼり)の連動

売上歩合の比率があがっているSCにとって、出店するSCの売上があがることは
デベロッパーにとっても良いことです。

特に、オープン時点でどれだけ館内露出をあげておけるかが
その後のインストアシェアアップに響いてきます。

ぜひ、積極的なデベロッパーへのアプローチで成果を出してもらいたいものです。