ご挨拶
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こんにちは。船井総研の山本です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は店舗開発読本の読者様からご返送いただいたアンケートの中で、
最も多く関心がよせられていた、売上予測の手法についてお伝えしたいと
思います。デベロッパー様、専門店企業様へも今後のご計画に参考に
なればと思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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■売上予測の糸口
新店を開発するにあたって、売上予測をするが、なかなか想定どおりに
出来ないということも多いのではと思います。実際、こればかりは
トライアンドエラーで何度も何度もチャレンジしてみないと、予想すら
できない世界のものだといえます。
ずいぶん前のことですが、駆け出しだった頃、当時の上司から、街を
歩いていて見かける店の売上予測をしてみろ、と教わりました。彼いわく、
「若くても売上が予測できる人はできる。ベテランでもできない人は
できない。売上を予測するという意識が大事なのだ。」
そのとおりだと思います。貴重なことを教わったと思います。
経済予測などで使われる手法に、「先行指標」というものがあります。
たとえば、運輸会社の取扱物流量が増えれば産業界の景気が良くなるとか、
消費者物価指数が上がると景気が良くなったとされるとか。風が吹いたら
桶屋が儲かるではありませんが、どこまで相関性があるのかよくわからない
ものも含め、各種の指数を頼りに予測をたてるという手法が一般的です。
これと同様に、店舗の売上予測も、様々な要因が複雑に絡みあっている
ように見えますが、その中で最も相関性の高いシンプルな指標を見出す
ことが大事です。
たとえば、食品売り場の売上の何%になるとか、全館の売上の何%になる
とか、周辺600m圏の昼間人口と売上がリンクしているとか、店頭通行量の
何%が入店してくださるとか、なるべくシンプルで分かりやすいものが
よいです。
店の売上は、いくつもの要因が複雑に絡み合っている。そうといえば
そうではあるのですが、あまり精密にやったところで、検討していない
様々な要因がほかにも出てきますから、完璧を求めすぎないことが大事です。
重要なのは、各種要因の中でもっとも影響度の高い、相関性の高い要因が
あるはずだということです。
業態によって異なるその相関指数探しが、売上予測のキーポイントに
なるのです。
SC経営のヒント113:ネットショップに強いお店に共通する原則の追求とは
<目次>
1、ご挨拶
2、ネットショップにおける原則の追求
1、ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
前回のブログで立地のお話をさせていただきましたが、
インターネット販売は業界も伸びていて、かつ利用者も
急増しています。当然、出店される企業様も増えていますが、
ネットストアのみを持つ企業様も増えてきました。
今回は、インターネット販売の強いショップが実際に何をしているか、
ということにフォーカスしてお伝えしていきたいと思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
野田 陽一郎
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2、ネットショップにおける原則の追求
インターネット販売において、最も強みとされるのは現状では、やはり品揃えです。
お客様の視点は、あるカテゴリーにおいてどのくらいの品揃えをしている
ショップなのかの見定めがあり、その後価格・サービスという思考をたどります。
検索キーワードとしては、「送料無料」が相変わらず強いのですが、
やはり品揃えがないと固定客にはなりにくいものです。
リアルストアをお持ちの方はわかると思いますが、インターネットでは購入単価が
高いのも特徴です。品揃えの豊富さが客単価をつりあげるといっても過言では
ありません。
ネットショップで強いお店を見ていると、やはり商売の原理原則を徹底されている
ところが多いのは、安心できるところです。
つまり、トップページやSEO対策を「価格」等で押し集客に繋げ、入店した
お客様に対して、「品揃え」「価値」を訴求して収益性を高めるといった
原理原則です。
メルマガも定期的に行い、限りなくOne to Oneに近づけていく努力をされている
ショップさんはやはり集客増に繋がっています。
手間をかけてコストをかけない集客と、初期コストはかかるけれど価値を伝えて
収益に繋げる商品、このバランスをとっていくことが成功の秘訣ではないでしょうか。
インターネットショップでは、手法的なことが取りだたされがちですが、
やはり商品の価値、品揃えの豊富さの訴求が求められています。
インターネットに限らず立地を決めた後は、商品力・価格力・品揃えを検証し
より強いショップにする方法を常に模索しましょう。自店の展開は、モバイル
マーケットの増加など市場動向(特に購買行動)の変化にも注力する必要があります。
SC経営のヒント112:今こそ立地で差別化を図ろう!
ご挨拶
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こんにちは。船井総研の丹羽です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今日は、ごく当たり前の事ではありますが、立地戦略について
お話ししたいと思います。
出店にも時流がありますので、皆様も是非参考にしてみてください。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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■今こそ立地で差別化を図ろう!
流通小売及びサービス業において、その業績は70%以上が出店立地で
決まるといえます。(出店戦略でミスをすると、商品力といった戦術面や
販促力といった戦闘面でカバーするのが非常に難しいのが実際です。
つまり、どこに出店するかで、業績がほぼ確定してしまうのです)
一昨年の1月に楽天主催の「新春カンファレンス」にお客様の紹介で
参加したときから、あらためて立地の重要性を痛感しています。この時、
楽天ショップに出店している既存店舗の平均的な伸び率が177%。
この新春カンファレンスに誘ってくれたお客様も商店街にある本店を
楽天ショップの拠点に変更。ピーク時の半分まで下がっていた売上が
ピーク時の売上まで戻ったときでした。
これまで、多くのローカルチェーンが商店街から郊外店に、そして
ショッピングセンターへと出店することで業績を伸ばしてきましたが、今は
ネットショップが最も可能性のある出店立地になったといえるでしょう。
日々現場、特に店頭を回っている中で既存店舗の売上を大きく伸ばすことは
非常に難しくなっています。しかし、企業全体でみた場合、時流にあった
立地を選び、そこに出店するということは非常に重要な戦略といえます。
有店舗での出店はイニシャル投資も大きく、ハードルが大きいですが、
ネットショップへの出店は比較的取り組みが容易といえます。ただ、
ハードルが低い分、競合との差別化が難しいともいえますが、勝ち方の
ルールを知れば十分に勝算があるのも事実です。例えば、同じネット
ショップでも、どこに出店するかで売上が大きく変わるということを
知ることが重要です。(私のお付き合い先でも楽天ショップと
ヤフーショップでは売上の差が2倍以上あるからです。)
そして、最近ではこの立地がモバイルに移行してきています。特に
音楽CD業界においてその動きは顕著で、着うたフルの売上は
CDシングルの売上を抜き、業界全体がその対応を無視できない状況に
あるようです。アイチューンを利用する客層の多くは、パソコンを
持てる世代、一方、モバイルで着うたフルを利用する客層は中高生などの
若年層のようです。今扱っている商品が若年層を対象にしている企業は
いち早くモバイルでの対応を検討することをオススメします。
いずれにしても、時流にあった商品を取り扱う以上に、
どこで扱うかといった立地戦略を早急に検討していく時代といえるでしょう。
SC経営のヒント111:建築コストの上昇
ご挨拶
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こんにちは。船井総研の山本です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、賃料上昇の引き金になっている、建築費の上昇について
お伝えしたいと思います。
デベロッパー様、専門店企業様へも今後のご計画に参考になればと思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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■建築コストの上昇
ショッピングセンター開発は、この10年、比較的安定して安い建設投資額の
恩恵をうけて高い収益性を持つ事業になりました。
郊外型大型SCの標準工事の投資コストは時代によって、およそ以下のようになっています。
90年代前半 坪50万円前後
90年代中盤 坪35万円前後
90年代後半 坪25~30万円
00年初頭 坪25万円以下
このように、バブル崩壊後建築コストは下落の一途であり、バブル期の
半額で建物ができるとなれば、売上が低くても収益の上がるSCが
できるといった具合です。これがSCの大規模化への追い風となりました。
しかし、この1年で建築コストは上昇しています。統計をとったわけでは
ないですが、肌感覚では2~3割の上昇といえます。鉄骨などの素材価格の
上昇、その後ろにあるエネルギーコストの上昇と、中国の建設需要が牽引に
なっている、などいろいろな要因が複合的にあるようです。ゼネコンの
営業姿勢の変化もあるのではないでしょうか。
ともあれ、建築コストが増加するということは何を意味するかというと、
SCデベロッパーがテナントに賦課する賃貸料を引き上げねばならない
ということです。NSCであれモールであれ、かかったコストに見合う率の
賃料を頂戴するという各社の社内ハードルがあるわけですが、コストが
上がり率が同じなら額を上げねばしょうがないということになるわけです。
今後、モール出店店舗にとっては、新規はもとより既存店の契約更新に
際しても、賃料の上げ圧力が強まるということになります。この認識を
もって今後の成長戦略を再構築するべき時期に来ているといえます。
SC経営のヒント110:~商品ではなく、思いを売る~ KAPITALって知ってますか?
ご挨拶
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こんにちは。船井総研の丹羽です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、人気上昇中のジーンズショップ、KAPITAL(キャピタル)さんの
お話をしたいと思います。
私が今までに行ったお店の中でも、特に思いがスタッフさんの接客と
店づくりに反映をしており、大変印象的でした。
皆様も是非参考にしてみてください。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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■~商品ではなく、思いを売る~ KAPITALって知ってますか?
先日ある友人の紹介で、東京・恵比寿にある「KAPITAL」という
ジーンズショップに行きました。キャピタルは岡山に本社のある
ジーンズメーカーで、素材・製法にこだわる本格ジーンズを提供する会社です。
http://www.nextone.jp/no050331/sr/sr01.html
このメーカーが、卸・OEMから最終消費者に向けて直接販売をスタートさせ、
現在は岡山、兵庫、京都、愛知、東京、福岡と全国11店舗を展開しています。
http://www.kapital.jp/shop/index.html
このキャピタルジーンズのファンは熱狂的で、例えば山口からわざわざ
岡山まで足を運ぶそうです。私が行った恵比寿にはDuffle with KAPITAL店、
LEGS店、KAPITAL店と半径300m圏内に3店舗があります。私が何より驚き、
共感したのは、その商品とスタッフのレベルの高さです。
まさに、ジーンズにかける熱い思いを凝縮した商品とスタッフだったのです。
だから、それを提供する店づくりも非常に特徴的です。特に、
私が実際にジーンズを買ったDuffle with KAPITAL店は、なんと1Fで
靴を脱いでお店に入るスタイル。商品の展示の仕方もカジュアルショップと
いうよりは呉服屋さんといった感じで、お客様もスタッフから座って接客を
受けるのです。なぜ、靴を脱ぐかという質問に対して、そのほうがお客様と
ゆっくりお話ができるからだという答えが返ってきました。本当に
自信のある良いモノを徹底的に納得してもらうという姿勢を感じました。
また、私が行った日は偶然にも会員さん向けのシークレット企画の日でした。
送られたDMに添付されたキャピタルのキャラクター塗り絵を持ってこられた
お客様に特典があるという日だったのです。なぜ、ジーンズショップで
塗り絵といった疑問はありますが、こういった遊び心を忘れないという
姿勢も大切です。
モノ余りの時代に最も大切なのは、そのお店に本当に良いものをお客様に
伝えたいというメッセージがあるかどうかです。共感・共鳴の時代に
「KAPITAL」のようなメッセージショップが増えることを期待したいですね。
SC経営のヒント108:これからやってくるNSC開発の波
ご挨拶
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こんにちは。船井総研の山本です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、デベロッパー様、専門店企業様が共に注目している
NSCについてお伝えしたいと思います。
今後の皆様のご計画に、参考になればと思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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■これからやってくるNSC開発の波
有力量販店やデベロッパーのここ数年のSC開発状況を振り返りますと、
2000年前後から、来年あたりまでは巨大なモール開発が盛んでした。
大雑把ですが、1拠点100~150億円で開発し、300億円売り、30億円の
賃料共益費が得られるというビジネスモデルです。大手企業にとっては、
それが全国に50箇所できますと合計の年商は1.5兆円となり、賃料は
1500億円、総投資は7000億円程度となり、なかなかに収益性の高いものと
なります。
もっとも、あくまで皮算用でして、実際には開発に更に費用がかかった
ものと、思ったより売上がいかないので賃料も得られていないもの、
いろいろありますが、だいたいこのような計画に基づいてこの数年間での
成長戦略が実行されたといっていいでしょう。そして、こういった
ビジネスモデルを先行実施した企業の成功例をみて他の企業も追随して
いったわけです。
しかし、今後モールはそう開発できません。大手にとっては次なる
成長戦略が必要で、この成長をモール開発に依存せずにやるとすると、
どういう道があるのでしょうか。
延床面積10,000㎡以内のNSC開発で考えますと、理想的には10億円で
開発して売上40億円、賃料3億円、これを300箇所開発して、総投資
3000億円、年商1.2兆円、賃料900億円といったところでしょうか。一見収益性は
高いようですが、地代負担が大きくなるためモールより収益性は落ちます。
ただ、1万坪前後の土地があればおおむねいろんな用途地域で開発可能と
なります。300箇所つくるのは大変ですが、開発要員をたくさん抱えている
ところは次の仕事をつくる必要があります。
ただこの試算、穴がいっぱいあります。そもそも売場2000坪クラスの
NSCでは40億円も売れる店はあまりなく、最近の事例をみてもせいぜい
30億円代前半です。その要因は、核となるスーパーマーケットではなく、
そのほかの専門店で1店舗1億円以上読み込めるものがあまりないこと、
もう一つはサブキーテナントとなれる5~10億円クラスの専門店がなかなか
見えないということです。また、ローコストでつくろうとするとどうしても
レイアウトに無理が出る。今はなじみの深いテナントに実験にお付き合い
いただいているが、出店者にとってメリットのない計画は長続きしません。
しかし、デベロップメントによって生きると決めたら、開発し続けるしかない。
モールができなければ、できるものをつくるしかない。全国にNSCは
どんどん開発されることになります。
よって専門店にとっては、このような新しいタイプのNSC(ライフスタイル
センターとも言われています)に適合する感度と、しっかり売上利益を出せる
店舗展開がまさに「期待」されているわけです。
モール型SCがどうして成功したかというと、開発や建築のノウハウも
もちろんですが、これだけの売場を埋められる専門店企業が成長したと
いうことが最大要因です。
同様に、NSC事業が成功するかどうかも大手にとってはベンダーともいえる
専門店企業が、NSCでばっちり成功する業態を開発してくれることに
かかってきます。
専門店各社にとっても今後の出店戦略の軌道修正が必要となる現在、
NSCの波に乗るかどうかというのも大きな選択肢ですが、いずれにしても
地域密着型・小商圏業態を研究する必要が出てくるといえますね。
SC経営のヒント107:北の屋台から学ぶ その2
ご挨拶
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こんにちは。船井総研の丹羽です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、前回に続く私が驚いた集客・管理の仕組みを作り出した
ディベロッパーさんのお話をします。
お話を伺った際の感動をより皆様にお伝えしたく、今回も対談形式に
させていただきました。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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■運営のポイントはどこですか?
店主のマンネリをいかに打破するか?お客様に飽きられないようにするか?
この2つが重要だと考えています。この2つを打破するために、3年毎の
店舗入れ替えをすると共に、客席部分の使用をあえて屋台にすることで、
営業が終了したら全て片付ける。という一見非効率な仕組みにしています。
ここで店主同士の助け合いや会話が生まれることを期待して、あえて
この仕組みを貫いています。(北の屋台では不便さが生み出す
コミュニケーションと呼んでいる)
そこそこに繁盛してくると、挨拶ができなくなったり、クリンリネスが
おざなりになり、目に見えて売上が落ち込みます。このような状況が
出始める前に、全店主を集めて、臨機応変に話し合いの機会をつくるように
しています。
■類似施設については上手くいってますか?
『北の屋台村』をモデルとして、全国に屋台村が20数箇所できているが、
そのうち成功しているのは八戸屋台村「みろく横丁」、青森屋台村
「さんふり横丁」など数箇所です。これまでの経験上、屋台村の成功には
いくつかのルールがあり、上手にいくかどうかはそのルールに添っているかで
決まるように思います。そのルールとは以下のようになります。
1、適正な規模と件数:以前は屋台村は1万人に1軒、10万商圏であれば
10軒が目安。最近では八戸屋台村「みろく横丁」の事例のように
7,000人~8,000人に一軒でも成立が可能
2、基本コンセプトの徹底:コミュニケーションの重要性を認識し、
それを仕組み化
3、地域振興:周辺施設との連携や地産地消を実現する仕入体制
4、オーナー意識の高揚:モチベーションの維持と適切なアドバイス
(こんな例がある。味が良くてもコミュニケーションに難があり、売上の
伸び悩む店主に対して、当初コンセプトをよく理解し、運営にも
協力的な店主に対して、2区画での営業を後押しする。というのも、
2区画にして団体客に対応できるようにすれば、他店舗との差別化が
できる一方でコミュニケーションに主眼を置かない形態となるからだ)
5、店舗力より運営力:運営デベロッパーが上記の成功ポイントを
現場レベルで徹底できるかが最大ポイント
集客、マネジメントの観点で皆様も是非参考にしてみてください。
SC経営のヒント106:北の屋台から学ぶ
ご挨拶
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こんにちは。船井総研の丹羽です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は、2回にわたって私が驚いた集客・管理の仕組みを作り出した
ディベロッパーさんのお話をしたいと思います。
私が長年のコンサルティングで出会ったディベロッパーさんの中でも、
地域との連携、テナントさんのマネジメント、お客様の集客の仕組み等
様々な面で、参考になる運営をされています。
皆様も是非参考にしてみてください。
お話を伺った際の感動をより皆様にお伝えしたく、今回は対談形式に
させていただきました。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
丹羽 英之
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帯広駅から車で10分、西一条商店街と都商店街の間に『北の屋台村』は
あります。ビルとビルの谷間にある162坪の敷地は、かつては商店街の
中心であった市場でしたが、9年前に火事で消失。うなぎの寝床のような
形状は商業には不向きで、その後は駐車場として利用されていました。
街にかつての賑わいを合言葉に立ち上がった地元メンバーが
『北の屋台村』をオープンさせて6年。162坪の敷地に3.3坪の思い思いの
屋台が17件。今では年間客数174,091人、年間売上高3億4022万円までに
成長し、全国の屋台村構想のモデルとなっています。その発起人であり、
現在もこのプロジェクトを支える中心的人物である久保氏に、屋台村の
成功ポイントについてのお話を伺いました。
■屋台村の発足のきっかけは?
中心市街地に賑わいを取り戻そうと8年前に活動を始めました。当初から
屋台村という構想があったわけではなく、全国の商店街の活性化事例を学び、
そこで商店主同士、商店主とお客様、商店主と仕入れ業者の
コミュニケーションの重要性を痛感いたしました。結果として、商圏相応、
力相応に取り組めそうな屋台村構想へと着地したのです。
■屋台村運営で大切にしていることは?
コミュニケーションを最も大事にしています。いかに仕組みとして
コミュニケーションを密にさせるかを常に意識しています。例えば、
1店舗当たりの面積を3.3坪と小さくしたことも1つです。この3.3坪の
店舗では客席は7~8席しかとることができず、店主とのコミュニケーションや
お客様同士のコミュニケーションが生まれやすいのです。店が狭く、
席数が少ないことで賑わい性が演出しやすい(流行っている感が出しやすい)
という利点があります。
また、それぞれのお店は地産地消を基本としています。帯広は穀物自給率が
約800%の農業、酪農王国であり、それらの産物の大半は東京に出荷して
います。しかし、これらの地元産品には味には問題がないものの、キズものや
半端もの、余剰品などにより出荷できないものも多いのです。これらを
積極的に仕入れる事により、地元産品の応援と普及ができると共に
仕入コストを抑えられ、これらを納品する契約農家とのコミュニケーションが
生まれるのです。これらを納品する契約農家さんは、仕入先であると共に
お客様でもあり、また、新たなお客様を紹介してくれるという様々な利点が
あります。同様に、地元のホテルやタクシー、バス会社との連携により、
中心市街地の賑わい性の核となっています。具体的には、北の屋台村を
利用されたお客様であれば、通常はホテル宿泊者しか利用できない入浴施設を
利用できたり、タクシーの割引特典があったり、バス停の誘致をしたりと
地域の観光施設に対して積極的に参加協力を呼びかけているのです。
これらの活動は地元紙やTVなどのメディアで取り上げられました。
結果として、旅行会社などのエージェントを利用することなく、
パブリシティと口コミだけで、年間利用客174,091人を実現することが
できました。
■参加店舗はどんな方が入っていますか?実際の初期投資や売上はどうですか?
参加店舗は必ずしも飲食経験者ではなく、この『北の屋台村』の理念に共感・
共鳴してくれる方から優先して選んでいます。年齢的にはまちまちですが、
ご夫婦でエントリーされる方が多く、そのほうが上手くいっているようです。
参加店舗からは保証金として、100万円を徴収(後に返還)。個々の店舗は、
店頭・ファサードをいじらなければ厨房への投資のみでそのまま営業が
可能となります。(実際には個々の店舗は店頭・ファサードに100万円から
200万円を投資している)契約は3年間の定期借家契約で、3年後はお客様が
ついていることもあって、周辺の商店街の空き物件への移転を薦めています。
しかし、現実的には屋台村の集客力が高く、再エントリーして残りたいと
いう店舗が大半です。月家賃は固定で8万円、これに共益費2万円が加わります。
(水光熱費は別途)1店舗当たりの平均月売上が140万円で原価率が
30%(42万円)とすると家賃の10万円を引いても、手残りが90万円近くあり、
帯広で夫婦二人で暮らしていくには十分な収入といえます。7~8席を平均で
4回転させないとこの売上は難しく、売上の良い店舗に共通しているのは、
お客様への声掛けや捌き(客あしらい)といったコミュニケーション力が
高い事です。というのも、それぞれのお店の看板メニューは仕組みとして
どの店でも出前が可能なので、商品にお客様がつくことがなく、
お店(店主)にお客様がつくという構図になっているからです。
今回のお話の中でのポイントとしては、以下の通りです。
基本コンセプトの徹底:コミュニケーションの重要性を認識し、それを仕組み化
地域振興:周辺施設との連携や地産地消を実現する仕入体制
次回は、屋台村の運営のポイントとそのまとめまでを、引き続き対談形式にて
お伝えいたします。
SC経営のヒント105:商品の差別化と粗利率の向上を同時に行う
ご挨拶
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こんにちは。
船井総研、野田陽一郎でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
4月に入り、静岡での30度を越える異常気象が報告されています。
今年は、昨年以上に季節変動に悩まされることになりそうです。
すぐにハンドルをきる体制を整えておきたいものです。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
野田 陽一郎
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■商品の差別化と粗利率の向上を同時に行う
今回も、中国の都市、義烏(イーウー)についてお伝えします。
弊社でお伝えしているこのブログでも、リニューアルに関するハードの
部分や建築の部分以外の、よりソフト、現場の部分のお話になります。
さて、近頃この義烏も日本人バイヤーの方が多く見られるようになり、認知度は
向上しつつあります。概要については以前にも触れましたので、省きます。
このところ、SCのテナント様から商品に関するご相談をいただきますが、
品揃えに関するそのご相談を聞いてみると、新しい商品を入れたいけれど
なかなか見つからない、ギフトショーに行ってみたけれど、思った商品が
なかったというものが多いです。
ご紹介している義烏にも望んでいる商品があるとは限りません。
しかし、靴下などは50%を越える世界生産シェアがありますので、商品によって
日本の数倍から数十倍の品揃えがあります。
やはり、皆様が望んでいる商品は、他店にない商品、粗利率の高い商品です。
中国製品に疑問をいただく方もいらっしゃいますし、現実に日本のレベルに
達しない商品があるのも事実です。
そこはやはり、より高い確率で、「確実な商品」を探していくしかありません。
私どもがご支援する際にも、いくつかの注意点をお知らせしています。
しかし、多少の努力によって、日本では得られない商品を仕入れることが
できます。
他店にない商品は、扱い商品の母数が多い市場から探すほうがより見つかる
可能性は高いですし、高い粗利率も、仕入れ値を下げることによって、高まる
可能性は高いのですから、その市場を使う意味が出てきます。
数十店舗を手がけるチェーン様にスケールメリットが発生するのはもちろん
ですが、地元主導型SCで1店舗を守られているテナント様にもメリットの
ある市場だと感じています。
ここで買付けた商品は、まずはメイン商品ではなく、セール用に、
端境期用の商品に、特売商品に試されることをお薦めします。
それが、疑心暗鬼になっている方に仕入れを決意していただく最も早い方法
です。セールで売れ、お客様に驚かれることによって、義烏市場のメリット
を実感いただけるからです。
SC経営のヒント104:昨今のファッションビル出店
ご挨拶
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こんにちは。
船井総研の山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は今までのシリーズと逆の視点から「昨今のファッションビル出店」に
ついてお伝えします。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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■昨今のファッションビル出店
この数年、三大都市圏ではバブルの再来といっていい状態に突入しています。
特に中心地の好立地では次々と商業施設が開発されており、各専門店にとっては
出店のチャンスが拡大しています。
さて、今回は新築されるファッションビルについて申し上げたいと思います。
まず、都心のファッションビルや駅ビルは、それなりに賃料も高く入居も
容易ではなかったりしますが、一方でプロモーションも手がけ集客力もあり、
入居すれば成功をおさめられる確率は高いといえます。事例が豊富なので、
出店する側にとっても分かりやすいターゲットといえます。
一方、繁華街路面にできるファッションビルは、これは開発・運営主体も
様々で、大手の百貨店系列からベンチャー企業までいろいろです。また、
プロモーションに関しても独自で手がけるところもあれば、開業販促のみで
あとは何もしない、いわば路面店的なところもあります。
ここ数年の流れを見ていますと、まず、こういった複合ファッションビルに
多く見られるパターンは、建築のデザイン性は高いのですが、館内の
回遊導線があまり考慮されていない場合が多いということです。たとえば
エスカレーターがあっちについたりこっちについたり、あるいは中央部が
オープンモールになっていたり、あるいは変わった形状をしていて中央に
吹き抜けがどんと上がっていて、上層階も右と左が分断されていたりという
ケースが多いです。
特に都心部では大きな敷地が確保しづらく、どうしてもペンシルビルの
ような形状で上層階まで有効活用しようという建築プランにならざるを
得ない場合が多いのですが、物販店舗にとって重要なのは上下階の
回遊性への配慮です。
まずもって、エスカレーターが上下に素直に通っていないビルでは、
上層階に人が上がりにくくなります。また、過剰な建築デザインでもって
吹き抜けが強調されているものも同様です。さらに、オープンモールに
なって外気が導入されると、気候のいいシーズンはいいのですが、雨風寒さ
暑さには非常に弱くなり、ビル全館の回遊性が落ちるという弱点があります。
デザイン性、独自性、ユニークネスを追及するあまり、こういった
原理原則に反している物件に出店する場合は注意が必要です。上層階の
回遊が物理的に困難になっている場合、それは結局客数・売上の低下を
招くという結果を生むことが多いからです。
また、開業後のプロモーションについても、小規模複合施設であれば
入居するショップが各々でプロモーションを手がけるという割り切りも
可能ですから、無用に規模を追求しない商業施設であればよいともいえます。
大きくつくって歩合と販促費も相応にかけるか、小さくつくって、
路面店複合感覚でさほど高くない固定賃料で出店するか。どちらかの
方向性が明確であればそれなりに魅力的といえましょう。